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ep.5

 朝日が頬を照らし、日の暖かさを感じる。すると、小鳥の(さえず)る声が聞こえてきた。

 軽快なリズムを聞いてる内に、頭がだんだんと覚醒してくる。



「――……――ふぁ~~~。……――」



 思いっきり伸びをして体の筋肉をほぐす。いやぁ、今日は何て気持ちの良い朝なんだ!


 こんなに気持ちの良い朝はそうそう迎えられないだろう、なんというかぐっすり眠ったおかげで体が軽くなったような気がする。


 今日はなんだか調子がいい!とは、こういう事なんだろうな。

 窓枠から差し込む朝日に照らされながら、鮮明になった頭で昨日の事を思い出してみる。


 そういえば…。


 魔力が枯渇して、泥のようにぐっすりと寝たんだっけか。どうやら体の調子から考えるに、魔力は完全に回復したみたいだ。


 でも、この漲ってくるような力は回復しただけじゃない様な……。


 そう!俺の魔力総量が増えたに違いない!!

 

無属性(マダ)の民は魔力総量が増えることで身体能力が上昇するという話だ、間違いないはず。


 気絶するぐらい魔力を消費したし、魔力を大量消費した事で筋トレ後の筋肉みたいに超回復したに違いない。今朝の筋トレは前より楽々こなせるかも、とりあえず、夕飯食べずに寝たからお腹が減った。朝食をママンに作ってもらうとしよう。


 二階の自分の部屋からリビングに降りると、中庭で筋肉ダルマ……じゃなくて、ディノスが既に筋トレをしていた。



「498、499、500、っと。ん?アレンか、今日はいつもより早いな。昨日魔力枯渇起こしたのに、こんなすぐに起きて大丈夫なのか?」


「はい!この通りバッチリですよ!一晩寝たらすっかり元気になりました。それに、いつもより体の調子もいいんです」


「そ、そうか。魔力枯渇なんて起こしたら二日ぐらいは寝込むんだけどなぁ……。まぁ若さってのもあるのか。子供で魔力枯渇なんて聞かないから比べようもないしな」



 なるほど、大人だと魔力枯渇で二日は寝込んじゃうのか。魔力枯渇って結構リスク高いな、次からは気を付けよう。



「そうですね。僕、まだ4歳ですし元気いっぱいです」


「4歳ねぇ。もうちょっと子供っぽくても良いんだが……。長男だし、跡取りとしてはありか」


「跡取り……?我が家って何か特別な家庭でしたっけ?」


「あれ、お前にはそれも言ってなかったか?ジュリウス家はな、準男爵位を持つ貴族なんだよ。つっても、一代貴族だから家を継げるかどうかは分からないけどな」



 えぇ!?俺んち貴族だったの?

 でも一代貴族ってことは、爵位が上がらなければ親父の代で終わりってことだよな。


 平民から功績を上げると、その功績を上げた人物の代だけ爵位が与えられるのだが、その際によく与えられるのが準男爵。


 功績を上げた人物には国から何かしらの褒美を貰うんだけれど、お金や土地の場合もあるし、親父みたいに爵位を貰える場合もある。


 けれど、そう褒美でポンポンと貴族を増やすと年金による国の支出が増えちゃうので準男爵という一代だけの爵位をあげるのが普通だという。


 一代で爵位がなくなるので支出が抑えられるエコ貴族ってとこ。


 でも、その一代でその家の者が何かしらの功績をあげて再度、褒賞として爵位を貰う機会があれば晴れて男爵となり、ちゃんとした世襲制の貴族になれる。


 と言っても、功績をあげて国から褒賞を貰うことなんてそうそうなく、ここ50年は新しい世襲制の貴族家は出ていないらしい。


 また、男爵位からは準男爵の様な一代貴族とは違って、年金も増えるし土地も貰える。

 そして、準男爵とは比べ程にならないほどの税金を納める必要があるのだ。しかし、十分な収入が期待できるので一代貴族と違って貴族って感じの贅沢な暮らしができる。


 まぁそれでも一代貴族でも年金がでるらしいので、結構良い待遇なのだ。


 ていうかさ、貴族って事は早く言ってよ……。クリスもなんで教えてくれなかったんだ!


 あまりにも暮らしが普通すぎて気づかなかったよ。早速何の本をおねだりしようか……。



「跡取りって事は、私が爵位を貰うってことですか?」


「ああそうだ。お前は頭も良いし、一応今は貴族だから王都の高等教育の学校に通う資格もあるしな。俺みたいに平民からスタートするより余程可能性があるだろう?それにお前は頭が良いしな」


「何で二回も同じこと言うんですか。息子にプレッシャー掛けないでくださいよ」


「はは、お前って本当に女の子みたいな可愛いなりして可愛げの無い子供だよなぁ。少しは親に孝行するんだ~みたいな気はないのか。お前が褒賞で爵位貰えば晴れてジュリウス男爵家だ。そうすれば年金で最高の老後が遅れるんだぜ?」



「別になりたくてこんな顔になった訳じゃないです!ていうか自分の老後のためじゃないですか!」


「お前、自分の容姿の事気にしてんのか?大丈夫だ、とっても可愛いぞ」


「やめてください!」


 こいつ、わざとだろ!

 俺に対して可愛いって言葉は禁句だ。オトコの娘になんてなるもんか。


 だけど、男爵になれよ~っていう親父の催促に関しては賛成、だって女神さんの言う偉業を成し遂げるにはまずは地盤から固めていかなきゃね。何事も元手は必要だ。


 それに平民で大それた事が出来るほどのカリスマ性が俺にあれば、前世であんあ生活は送ってはいない。当面の目標はちゃんとした貴族になる事でも良いかもしれない。



「あの、その高等教育の学校っていうのは6歳から行けるんでしたっけ?」


「そうだ、6歳から初等部に入って勉強ができる。因みにその学校を首席で卒業出来れば、かなりの出世が約束されるから頑張れよ」


「首席で卒業……。が、頑張ります!」



 首席か、なんか良い響きだな。前世ではそんな可能性等は微塵もなかった、ましてや高偏差値の学校ですらなかった。


 でも、今なら俺にも可能性がある。なにせ17年間生きてきたというアドバンテージがあるんだ、おまけに女神の祝福付き。


 まぁポテンシャルの高い身体っていうのもチート能力と言うには大分しょっぱい気がするのでオマケ程度と考えてるけども。物覚えの良い頭だし、今からでも勉強をすればかなり良い成績になるはず。スタートダッシュは大事だ。


 それに、高等教育学校には俺みたいな一代貴族ではなく、公爵家の様な貴族の中の貴族とも言える様な子もいるんだろう。

 そういう子は大体凄い家庭教師が付いてすごい英才教育をされているから強敵になるはずだ。脳筋親父に筋肉の英才教育を受けている場合ではないのだ。にしても2年後か、気が抜けないな。


「…あ。そういえば僕、父さんがなんで一代貴族になったのかとか、アスベル平原戦で何があったのかとか、まだ詳しく聞いてないです!」



 昨日、王都中央区(ロワ・セントラル)に行った時に、親父の元部下と出会った際に出た話だ。


ベルメリア帝国とのアスベル平原戦ではアスベルの英雄と言われてるというディノスだ。爵位豊州の功績もそこであげたものなんじゃないかと思っている。



「ん~その話か。あんま格好良い話じゃないから言いたくないんだけどな……」


「いいじゃないですか。あの時のディーノは私にとってヒーローでした。私はとっても格好良かったと思ってますよ」


 突然クリスが話に入ってきた、ちょうど二階の寝室からリビングに降りてきたのだろう。

 にしても、アスベル平原戦は親父だけじゃなくてクリスも関係してたのか、ますます聞かねば。


「分かった分かった、話すさ。そうだなぁ、何から話そうか」

感想・評価よろしければお願いします!!


明日も引き続き更新します!

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