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少年魔導師の魔法スポーツ部活録〜これでも最強戦闘組織に所属してます〜   作者: みづどり
第三章 フリットカップに向けて
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第五十話 英雄ブートキャンプ(序)

また曜日感覚バグって更新するの忘れてたで御座る。……まあうん。二十時間はロスタイムだから。



では遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

次元世界の英雄たちから、色々教えて貰いましょう。そんな僕の言葉に対して、皆からの反応は全くなかった。いや正確に言えば、反応したくてもできなかったというのが正しいだろう。絶句。そんな言葉がピッタリ当てはまるぐらい、全員が見事に固まっていた。

そんな中最初に再起動したのは、やはりコーチだった。


「……えっと、それはつまり、水無月さんたちが生徒たちを指導してくれると……?」

「今回はそうなりますね」

「……今回は?」

「ええ。この場を使用する日に合わせて、私の所属する部隊を中心に暇そうな人間を任意で連れてくる予定です。……ご迷惑でしたか?」

「いえいえいえ! 現役の機動隊隊員からの指導なんて、生徒たちにとってまたとない機会です! むしろ可能なら是非お願いしたいぐらいですよ!」

「それは良かった」


コーチの返答に、割と本気な様子でユメ姉さんが安堵の息を吐く。僕たちの提案は横から指導者を引っ張ってくる形になるので、コーチの心象は結構な懸念事項だったのだ。……それならドッキリにするなと言われるだろうけど、僕のはあくまで提案だからね。うん。強制力とかは全く無いし?

まあ、そんな言い訳は半分冗談として。実際のところは、まず間違いなくコーチは断らないだろうなぁと思っていただけだ。

というのも、僕の提案というのは、客観視に見るとそれぐらいとんでもないことだからだ。まず大前提として、機動隊というのは戦闘魔導師としての最高峰である。実戦とスポーツとしての違いこそあるが、彼らの戦闘技術が遥か高みにあることは間違いない。少なく見積もってもプロの魔導戦技選手並である以上、ジュニアレベルであるこの部のメンバーにとってはほぼ確実に利益になる。ましてやオーバーSである姉さんたちは言わずもがな。

世界最強戦力の一角と、その部下たる最高クラスの戦闘魔導師たち直々の指導など、かなりの大金を積んでも実現しないようなビックチャンスなのだ。この機会を逃す指導者はまずいないと断言できる。


「……お前、本当にとんでもないサプライズもってきやがったな……」

「そうねー。この場所だけでもお釣りがくるレベルなのにねー……」


実際、後から石化が解けた皆から心底呆れらたのだから、この提案の客観的なヤバさというものが理解できるだろう。


「あの宿題で何をどうやったらこんなトンデモ思い付くのよ……」

「いや単純に、レベルアップするなら真っ先に練習環境整えた方が良いじゃないですか。だから全力で練習できる場所用意して、指導者の頭数増やそうかと」


結局のところ、僕が着目したのはそこなのだ。如何に素晴らしい練習メニューを思い付いても、それを活かせる環境がなければ机上の空論なのだから。

練習場所がなければメニューの取得選択や変更を余儀なくされるし、指導できるのが1人だと練習内容によってはどうしても何処かで無理が出る。事実、重ねがけの練習ではレイ先輩と僕が指導者の側に回らざる得なかった。

そうした部分をなんとかした方が良いと思ったからこそ、この案な訳だ。


「あの宿題、自分の成長方針を考えるって内容でしたよね……?」

「うんまあ、斜め上の視点だったのは認めるよ」


ただ僕の場合、魔導戦技は僕の戦闘スタイルにおける短所を潰す為にやってることだからねぇ。純粋に己を高めようとする皆とは、一歩引いたところで物事を見てるみたいなところがある。あとはまあ、僕なら練習環境整えられるって分かってたから、その選択肢が頭に浮かんだというか。


「まあ、世の中コネということで」

「凄いねナナ!」

「おいコラそこの盲目娘。コレは凄いで済まして良いレベルじゃないわよ」

「僕的には2つの身内から引っ張ってきただけなんで、そんな変なコネって訳でもないんですけどねー」

「その身内云々が世間一般からするとトンデモなのよ!」


ですよねー。

そんな風に苦笑する僕の横では、コーチと姉さんたち大人組がペコペコ頭を下げあっていた。


「いやはやなんというか……。まさかこんな機会を用意して頂けるとは。本当にありがとうございます」

「いえいえ。うちのナナがお世話になっているんですから、これぐらいなんてことないですよ」

「むしろこちらこそ、事前の連絡を疎かにしたのは申し訳なく……。ただどうしてもナナが皆にサプライズしたいと」


……何かサラりと悪巧みの元凶みたいな感じで、僕が生贄に出されたのですが。いや、ことの発端は確かに僕だけど、膨らましたのはユメ姉さん……。円滑なコミユニケーションの為に黙ってるけどね!

まあそんなこんなで、新たに姉さんたちを交えて練習が再開された。


「えっと、アドラさんから話を聞いたんだけど、この後は魔法弾による対遠距離の練習で良いのかな?」

「そ。ユメ姉さんにはおあつらえ向きな内容だよ」

「となると、私は今回はサポートかな?」

「そうなるね」


2人の確認に対して僕が肯定を返すと、ユメ姉さんはニコニコとした笑みを。ロア姉さんは肩を竦めながら実際に一歩下がって意思表示をしてみせた。

ロア姉さんがサポートとか凄まじく贅沢な話だけど、流石に対遠距離となるとユメ姉さんの独壇場となってしまうからなぁ。


「……あの、私としてはアストレアさんからも御指導を受けたいのですが」

「ロアで良いわよセフィちゃん。……気持ちは嬉しいんだけど、ユメがいる時点でこの後の練習は私の出る幕がないの。ゴメンね?」

「そうなんですか? てっきり2つぐらいにグループを分けて、それぞれで指導して貰えるかと思ったのですが……」

「「あー……」」


セフィの考えを聞いて、僕とロア姉さんは思わず納得の声を上げた。そうか。確かに普通ならそう考えるよなぁ。僕らとセフィ、というよりも部の皆とはそもそもの認識が違うのか。

多分だけど、部のメンバーも声にこそ出してないが、似たような感じの練習風景をイメージしていたのだろう。ロア姉さんがサポートに回るって言った時、皆一瞬『え?』みたいな顔してたし。

逆に僕たちサイドだと、ユメ姉さんが1人で全員を指導するのが当然だと思っていた訳で。というのも、


「あのねセフィ。これは機動隊のある訓練の時の話なんだけどね」

「はい?」

「ユメ姉さんVS10人ちょいぐらいの機動隊隊員で模擬戦をしたんだよ」

「……サラッと言ってますが、それ中々にトンデモない内容じゃないですか?」

「うん。それは否定しない。でも一旦そこは棚上げして?」


この話、もっとトンデモない部分があるから。そこがメインだから。


「で、よ。その模擬戦で、ユメ姉さんは超高速で飛び回りながら、相手メンバー全員に精密な射撃や弾幕をお見舞いしてみせたの」

「……それはもう流石としか良いようがないですね」


そうね。次元世界最強の射手なんて言われてるぐらいだからね。でも詳細はもっとえげつないの。


「この話の何がキモかと言うとね? その時弾幕、全員がほぼ同じタイミングで喰らった挙句、それぞれの苦手なパターンがガッツリ仕込まれていたことなのよ」

「……はい?」


うん。そんな反応になるよね! でもこれ事実なんだ! 本当にあの時は阿鼻叫喚だったんだから! だって幾ら勝手知ったるメンバーだからって、普通そんなことできないもん! でもユメ姉さんそれをやってのけたんだよ!


「つまりね? ユメ姉さんって、機動隊レベルの魔導師10人ちょいを相手にしても尚、超高速で移動しながら、それぞれに対応した弾幕をほぼ同時に展開できるぐらいの射撃能力と状況把握能力があるんだよ」

「……」

「だからこの部のレベルだと、多分100人いても同時に最適な対遠距離の指導ができます。少なくとも4、5人なら半分寝てても余裕かと」


それが水無月ユメという魔導師なのだと、僕はセフィを筆頭とした皆に説明した。……因み反応はなかった。案の定皆絶句してたもん。

Q.年末休みがあるのに何でこんな更新遅くなったの?

A.ブレワイを中古で買ったから。



……あんな楽しそうな社長みたら買うしかないだろうよ!

というか何だあの寄り道推奨ゲーム!? 馬鹿楽しいじゃねえか! ゼルダシリーズ初だったけどエグいぐらい時間が溶けるよ!?

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