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第十五話 唸れ、今必殺のーー!!

ナナ君はつおいんだ!!

で、シズクちゃんの部屋の前に来た訳だけど。


「鍵掛かってるね」

「返事もありませんね」


ガチャガチャとドアノブを回してみても、扉が開く事はなかった。ノックしても、うんともすんとも反応がなかった。


「大方、部屋の角で布団被って丸まってるんでしょう」

「じゃあどうするの?」


完全にシャットダウンされてるよこれ?

そう思ってセフィを見ると、凄い余裕そうにしていた。


「シズク。私相手に無視を決め込むとはいい度胸ですね。直ぐにここを開けないとお仕置きですよ?」

「暴君のセリフだ……」


そう思ったのはシズクちゃんも同じようで、扉越しなのに凄い慌てているのが感じられる。


「では手始めに、シズクが目覚めてからの何していたのかを予想しましょうか。横にナナもいるところですし」


『ちょっ、セフィ!?』


「まず目覚めたら、何でこんなところにいるんだろうとあたりを見回したでしょう? それで次第に思い出して悶絶。けれど同時に幸福感を噛み締めニマニマ。そこでナナの上着を抱いている事に気付いて、何故あるのかと首を傾げながら、上着に顔を埋めてーー」


『わーっ! わーっ!!』


「そんな事をやってるうちに、お母さんが騒ぎに気付いて、色々なお説教をされましたね? で、安らぎを求めてナナの上着をーー」


『セフィっ! お願い許して!』


「そこで一悶着起こしたんじゃないですか? シワになるからと取り上げようとするお母さんと、これは私の! と離さないシズク。それで余計にヒートアップするお説教」


『……あわ、ひうぅ……』


「……ふむ。大分懲りたみたいですね。では、これはこの辺りで止めてあげましょう。あ、あと言っておきますけど、上着はシズクのではなくナナのですよ」

「キミ本当に鬼だね……」


シズクちゃんが羞恥でマトモに喋れなくなったあたりで、セフィは言葉責めを止めた。最後に追い討ちを1発入れたけど。本当に酷いと思う。


「それではシズク、早く鍵を開けてください」


『ここまでされて顔なんて見せられないよ!?』


僕もシズクちゃんの意見に賛成。

だけど、僕の中で鬼畜キャラとして固まりつつあるセフィは、当然そんな反論を許すはずは無かった。


「そうですか。なら、シズクが鍵を開けたくなるまで、昔語りでもして待ちましょう」

「……それアレじゃない? シズクちゃんの恥ずかしエピソード集でしょ?」

「当然でしょう?」


ド畜生だよこの娘。


『わーっ!? 止めてセフィ! 今、今開けるから!!』


「なら早くしてください」


『まって!? 待ってよぅ……っ!』


開けないとヤバい、でも恥ずかしくて開けられない。そんな葛藤がありありと感じる声だった。

これは流石に、助け船を出すべきだよね。 シズクちゃんにとっては死刑宣告かもだけど。


「セフィ、それ以上は可哀想だよ。それに今の状況で、シズクちゃんに開けさせるってのも酷でしょ」


『ナナ……っ!!』


扉越しから感極まったような声が聞こえてくる。これを裏切るのは心が痛いんだけど……。


「うん。だから、気は進まないけど僕が開けるよ」


『……え? ナナ……?』


シズクちゃんが戸惑う声が聞こえる。うん、ごめんね。


「……出来るのですか? 一応言っておきますけど、扉を壊すのは無しですよ?」

「そんな事しないって。僕、実は操作系の魔法が得意なんだよね。だからこうやってーー」


鍵穴とその周辺に僕の魔力を染み込ませ、動かす。

すると、カチャリと鍵の外れる音がした。


『えっ!? な、何で!?』


「はい。開いたよ」

「……やけに手慣れてません?」

「断言しとくけど、後暗い事はやってないからね。この手の家の中の鍵って、構造が結構単純だったりするんだよ。魔法セキュリティもほぼ皆無だし。操作系の魔法をある程度扱えれば、このぐらい誰でも出来る」

「……その情報で余計に不安になったんですけど。何でそんな事を知ってるんですか……」

「精密にものを動かす訓練に、鍵って丁度いいんだよね。入手するハードル低いし、場所もそこまで取らないから。機動隊でも、操作系魔法を得意する魔導師が、魔法セキュリティ抜いた奴で訓練してるよ」


尚、機動隊でこの訓練を導入した切っ掛けは僕だ。

最初は一発芸扱いで魔法ピッキングを教えたら、これすげえムズいと呆れられて、あれでもこれ精密操作の訓練な向いてない? 突入とかにも役立つし、 かなり使えるのでは? と協議された結果、晴れて導入されたのだ。


「まあ、それでも後暗い事を連想させる技術だから、あまり人前で使いたくないんだよね。妙な誤解されたら面倒だし」

「なるほど。……つまり、それでも使ってしまうぐらい、シズクが可哀想だったと」

「追い詰めた本人がよく言う……」


ぬけぬけとそんな事を言うセフィに呆れながら、既に鍵の掛かってない扉を開ける。

すると、扉の直ぐ前でシズクちゃんが呆然と立っていた。どうも、とっさに扉を押さえようとしたらしい。


「……っ!? 〜〜っ!!」


擬音にするなら、ボッ、きゅ〜、ダッ。

シズクちゃんは一瞬で赤くなり、目を回し、そのまま脱兎の如く部屋の奥へと駆けだそうとした。

……うん、だそうとしたんだ。


「逃がしませんよ」


シズクちゃんが動くよりも速く、セフィが動いていた。

シズクちゃんの腕を掴み、そのままぐいっと引っ張る。軽くよろけたところで、がっしりとホールド。


「うわ鮮やか」

「セフィ!? ちょっ、離してぇ!」

「大人しくしなさい。別にあなたを悪いふうになんてしませんよ」

「信じらんないよ!?」

「うん同感」


シズクちゃんの黒歴史を暴露しようとしてた人が言っても、ちっとも信用出来ない。

だけどセフィは何処吹く風。シズクちゃんをホールドしたまま、僕に指示を出してきた。


「ほら、まずそこに座ってください。あ、ちょっと足開いて」

「え? あ、うん」


急な指示に戸惑いつつも、セフィに言われた通り形で腰を下ろす。


「そんな感じです。では……よいしょっと」

「ふぇあ!?」

「おおう?」


いきなりセフィはシズクちゃんを持ち上げ、そのまま僕の方へと近づいてきて。

ポスンと、シズクちゃんを僕の足の間に降ろした。


「はい、ホールド」

「あ、うん」

「ぴゃぁぁ!?」


あ、しまった。淡々と指示されたせいで、つい素直に従ってしまった。

その結果、シズクちゃんを後ろから抱き締めるような体勢で座る事になる。


「ななななっ、何してるのセフィ!?」

「いえ、シズクがナナと触れ合いたがってるので」

「だからって、だからって!!」


僕の腕の中で、シズクちゃんがセフィに文句を言う。

ただその割には、僕の腕を振りほどこうとしない。恥ずかしげにプルプル震えてはいるが、それだけだ。


「嫌なら離れればいいじゃないですか。それならそれで、私もナナも邪魔しませんよ?」

「嫌なら離そうか?」


嫌がってるなら、この体勢は不味い。

だけど、離れようとした僕をシズクちゃんが咄嗟に掴んだ。


「……あ」

「もう完全にメスの顔してるじゃないですか。離れるのを嫌がってるなら、文句言わないでください」

「〜〜っ!?」

「キミ、ちょくちょく発言がゲスくなるよね」


セフィから突き付けられた事実に、シズクちゃんは真っ赤になって俯いた。

僕からはよく見えないけど、セフィ曰くメスの顔をしてるらしいから、あまり見ないであげよう。

その代わりといってなんだけど、励ますつもりで頭を撫でる。


「……ぁぅ……」

「凄いですね。流れるように追い討ち掛けましたよ……。シズクもすっかり蕩けちゃって」

「……見ないでぇ……恥ずかしいよぅ……」


あ、今のキュンときた。

セフィなんか、無言でデバイスを取り出している。


「……いいですね。写真とらせてください」

「……やぁ……」


セフィ、それは酷い。

シズクちゃんも、セフィの提案に身をよじらせる。だが、その抵抗は酷く弱々しい。

既に蕩けきっているため、全身に力が入っていないのだ。


「……なんで、こんな事するのぉ……」

「シズクがナナを所構わず求めそうだからです」

「……しないもん……」

「ナナが原因とはいえ、無意識でキスしてたじゃないですか」

「……ぁぅ……」


実例を出されたせいで、シズクちゃんは身体を反らして僕の胸に顔を埋めてしまった。

そんなシズクちゃんの耳元に顔を寄せ、人を誑かす悪魔のようにセフィは囁いた。


「そういう事がないように、今のうちに満足いくまで触れ合ってください。ナナやお母さんの許可を取ってますので、外聞を気にする必要はありませんよ」

「……そ、そんなの、駄目だよぉ……」

「あら、折角合法的にナナと触れ合える機会を用意してあげたのに、それを無駄にするんですか? 今ならギュッて思い切り抱きついててもいいんですよ? 好きなところに好きなだけキスしてもいいんですよ? その先だって、進めるかもしれませんよ?」

「……ギュッ……キス……その先……」

「ほら、その体勢で深呼吸してみてください。ナナの香りがするでしょう? 上着なんかより、断然素晴らしいでしょう?」

「……すぅ……はぁ……っ。……ナナの、匂い。……良い、匂い……」


悪魔の囁きとか、マインドコントロールって、こういうのを言うのかもしれない。

そう思ってしまう程に、セフィのそれは鮮やかなものだった。

セフィが言葉を囁く度に、シズクちゃんの雰囲気が変化していくのだ。最初は弱々しくも抵抗していたのに、今では僕のトロンとした目で僕を茫洋と見つめている。口は半開きで、何かを強請るかのように、端の方から唾液が零れ落ちた。

……これ性犯罪犯してる気になるな。ほら、怪しい薬使って、女の子の判断能力を奪うタイプの奴。すっごいいたたまれない。


「……セフィ、これやっぱ止めた方がいいんじゃ」

「……嫌ぁ……」


僕は結構鷹揚な方だけど、それでもこれは不味いと良識が訴えている。

なのに、そんな僕を、シズクちゃんが止めてしまった。身体を擦り付け、指を絡めて、腕を抱きかかえてしまった。


「……離れちゃ嫌ぁ……一緒にいるのぉ……!」

「……ふむ。良い感じに理性が溶けたみたいですね。ナナ、ここからが正念場ですよ。欲望に負けちゃダメですからね?」

「全力で溶かしたのはキミだよね!? 思春期男子になんて酷な事を!」


そりゃ昔住んでた場所が場所だし、そういう事に対する理解や歯止めがきく方だけども! それでも性欲自体はあるんだからね!?


「……ナナぁ……」

「ちょっ、シズクちゃん正気に戻って!?」


そんな僕の言葉虚しく、シズクちゃんは妖しくなるのみだった。膝の上を跨いで、たとたどしい手付きで僕の胸を撫でる。思い切り胸に顔を埋め、何度も何度も呼吸をする。首に腕を回し、離れないよう巻き付ける。その小さな身体を、僕の身体に擦り付ける。

首に回した腕は、決して僕を逃がさないとばかりに固く結ばれている。擦り付けられる身体は、これは私のだとマーキングの意思を感じる。


「……ナナぁ……!」

「んひゃ!? セフィ、これはダメだってっ! これは不味いよ!?」


胸を撫でる感触に背筋をザワつかせながらも、何とかセフィに助けを求める。

だがセフィは無情だった。


「ナナ、あなたももっと積極的になってください。シズクばかりというのは、少し可哀想じゃありませんか?」

「お前マジか!? オイコラ少しは止めろテメェ!」


昔の、それも荒事になった時に使っていた言葉遣いがついつい出てくる程、今の僕は切羽詰まっていた。というか、この状況で僕の方にアクセル踏むように指示を出すとか、クレイジーにも程がある。

別に僕の理性はまだ大丈夫だ。ドキドキはしてるけど、我を忘れる程じゃない。

だけど、問題はシズクちゃんだ。現段階で、倫理的にギリギリなぐらいなのだ。このままいくと、本気でことに及ぼうとしかねない。

それはマジで不味い。成立不正立とか関係無く、そんな痴態を見せた時点でシズクちゃんのダメージがデカすぎる。正気に戻ったら泣くんじゃないの?


(どうする? ……逃亡? いや、ダメだ。安定の如く魔力性質で接着されてるし、脚を絡められてるから無理に動けない。これで逃げようとすれば、誰かが怪我する。……なら、やっぱりこれしか打つ手がないかな?)


一応、セフィが行き過ぎそうになったら止めてくれるらしいけど、この調子だと信用出来ないんだよなぁ。

かと言って、マトモな方法、身体的な技術ではシズクちゃんの方が上手だし、なにより体勢が悪い。これでは抜け出すのは難しい。

では魔法を使ったゴリ押し。確実に怪我させるから却下だ。

諦めて流れに身を任す。論外。

やはり、限りなく禁じ手に近い手段を使うしかないのか……。

しょうがない。覚悟を決めよう。セフィの口車に乗ったようで癪だけど、方法はこれしかない。不名誉な泥を被るのは、シズクちゃんではなく、男の僕であるべきだ。……さっきやらないって言ったばっかなんだけどなぁ。はぁ。

腹を括った僕は、シズクちゃんを思い切り抱き寄せ、その口を塞いだ。


「んむっ!?」


消極的だった僕がいきなりキスした事で、シズクちゃんは一瞬目を丸くしたけど、直ぐに嬉しそう顔で唇で押し返してくる。

……あー、こっから少し罪悪感が。いやでも、始めた以上は最後までやろう。

残っていた躊躇を捨て去り、シズクちゃんの唇を舌でこじ開ける。


「っ!? はむっ、にゃ、にゃな? ……ひうっ!?」


戸惑っているシズクちゃんを無視して、舌でシズクちゃんの口内を蹂躙する。

見ていたセフィが険しい顔をして止めに入ろうとしたけど、目でまだ理性はあると訴え、それを制す。

悪いけど、ここで止める訳にはいかないんだ。僕はこれから、シズクちゃんをキスで失神させなきゃいけないから!


「あむっ……ひゃっ……んっ……にうっ!?」


僕の舌を、シズクちゃんの舌に巻き付ける。舌先で丹念に口の中を撫で、唾液を掬いとる。ピチャピチャと湿った音をたて、お互いの体液を交換する。

ストリートチルドレン時代、夜の仕事を行っていたお姉さんたちに実践をもって叩き込まれた技を使って、シズクちゃんを追い詰める。


「……んむ、っはぁ……んんっ……」


既にシズクちゃんの瞳には、先程までの妖しさはない。あるのは体験した事のない感覚への戸惑いと、電流のように襲ってくる快感に対する抵抗だけ。


「んっ……な、ナナぁ、これなにぃ……わ、私、こんなの、し、知らないよぅ……」


一息つくために唇を離すと、身体を痙攣させたシズクちゃんが、ポテッと僕に寄りかかってくる。

一瞬、これで十分なのでは? という考えが頭を過ぎるが、直ぐにその考えを頭から追い出す。ここで止めたら、ただ燃え盛る火の中に燃料をぶち込んだだけだ。目指すべきは完全燃焼。ここで止めるのではなく、より苛烈に攻め立てるこそ最適解!


「んっ……な、ナナぁ、……ひゃああっ!?」


1度啄むようなキスをしたあと、シズクちゃんの首筋に舌を這わせる。ビクンと大きくシズクちゃんの身体が仰け反るけど、逃がさない。首筋に舌を這わせ、吸い付き、甘噛みする。


「にゃにゃ、ダメっ、これダメぇ……っ!」

「あんまり大きな声をだすと、外に聞こえちゃうよ?」


嬌声を上げるシズクちゃんの耳元で、小さく囁く。

咄嗟にシズクちゃんが口を押さえ、それを確認してから耳を甘噛みする。


「〜〜っ!?!?」


甘い叫びを上げそうになるのを、シズクちゃんは口を押さえる事で必死で耐えた。

その頑張りを台無しするかのように、僕はシズクちゃんの耳を食み、舌を這わせ、ふぅ息を吹き掛けた。


「〜〜っ、ひゃぁぁん!!?」


結局、シズクちゃんは声を上げる事を我慢する事か出来なかった。

身体を仰け反らせ、一際大きな嬌声を上げたあと、そのままくたりと脱力してしまったのだ。


「……ひ、酷いよぉ……ナナぁ……」


瞳を潤ませ、不満を漏らす。そんな彼女に申し訳なく思い、お詫びとして額に唇を落とす。


「ん。……ゴメンね。多分、もう少しだから」

「……ふぇ? も、もう少し? ま、待ってナナ。わ、私今凄いびーーんむっ!?」


懇願するシズクちゃんを無視して、再び口を塞いで舌をねじ込む。

ここからがラストスパートだ。手を緩めてはいけない。


「〜〜っ、はむっ、ひゃ…にゃ、んんっ……!!?」


舌先で口内を荒々しくノックする。シズクちゃんの唇を優しく舐める。お互いの舌を丹念に絡め合わせる。

僕を押し返そうと、シズクちゃんはなけなしの力で抵抗してきたけど、それも直後に襲ってきた快感によって脱力してしまう。


「……ぁぅ……ひんっ、んむ……!」


抵抗がなくなったところを、一気呵成に畳み掛ける。


「んっ、……あっ、〜〜っ!!?!」


最後に、乱暴に舌をシズクちゃんの口の奥に突き入れたところで、ぱたりとシズクちゃんは意識を失った。

どうやら、限界を迎えたようだ。

ピクピクと痙攣しながら気絶しているシズクちゃんを、優しく抱き上げ、ベッドの上へと横たえた。

そして乱れた髪を手ぐしで直しながら、セフィへと問いかける。


「ふぅ……ねえ、セフィ、シズクちゃんはこれで満足してくれたと思う?」

「……」

「……セフィ?」


反応がなかったので、不思議に思い振り向くと。


「……ひゃぁ……」


真っ赤になった顔を手で隠し、それでも指の隙間からこちらを覗くセフィと目が合った。

どうやら流石のセフィでも、今のは刺激が強かったみたいだ。……あんまりこういうことは言うべきじゃないんだけど、ざまあみろこの馬鹿娘。

落ち着いてる一人称視点主人公。やれやれ系やクール系だと思ったか?

ウチのナナ君はそんなもんじゃねえ! やればできる子だ! なんならやべぇぐらい手が早ぇぞ!!

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