勇者のイロハ②
納得してからは簡単だった。
皆短剣で自分の腕を少し斬ったのだ。
木村も戦いには参加しないけど、と言いながら腕を少し斬った。
森は恐がって泣いていたが木村が傍で励ましながらようやく斬れた。
斬った時、愛華達に痛かった他に何が起きたかというと、それぞれの視界の下に細いHPゲージが出現し、そのゲージが少し減った。
それが勇者達自身の生命を表すHPゲージということだ。
それからそのゲージは再びHPが満タンになるまでは消えないとサランが教えてくれた。
少しでもダメージをくらった状態だとHPゲージは視界の下に表示され続けるとのこと。
そのゲージを表示させたまま、私たちは会議室をあとにし、今地下に向かってる。
王国付の鍛冶場を紹介してもらうらしい。
ゲージのせいで下り階段で段を踏み外しそうになった人が何人かいる。
細いゲージとは言え、視界がその分狭くなるからはっきり言って凄い邪魔。
慣れるまで時間がかかりそう。
あ、装備品だけど、メニューに【装備】っていう項目は無し。
これは実際に着替えることで、武器は構えた時に装備したことになるらしい。
それで自分のクラスが装備できない武器(防具)を持った(着た)時どうなるのかという質問もあったんだけど、全身の力が抜けて立てなくなるってサランが言ってた。
気を付けよう。
どれくらい階段を降りただろう?
段々熱くなってきた。
愛華がじわじわと汗をかき始めたころ、下の方からカーンという鉄を打つ音が聞こえ始める。
階段を下り切るとそこにはかなり広い空間があった。
しかし熱気が凄く、顔面が焼け付くようで目を開けているのも辛いほどだった。
見ると10人以上の男たちがせっせと汗だくになりながら金属を溶かしたり金槌で叩いたり研磨したりなどの肉体労働をしている。
「ここが王国お抱えの鍛冶場です。」
その声を聞いた作業員達が一斉に手を止めサランの前に膝をついた。
「サラン様、勇者様もよくぞお越しくださいました!」
「うんうん。伯爵はどこかな?」
「ただ今読んでまいります!」
一人の男が奥の事務所?のような場所に慌てて入って行った。
すると少し偉そうな身なりの良い男が出てきて優雅にお辞儀をした。
「サラン様、勇者様方におきましてはこのような場所までお越しいただき、恐悦至極でございます。」
「うんうん、こちらが先日召喚された勇者様7名ですよ。サポートしてあげてくださいね。」
そう言って後ろに控えていた私たちが良く見えるように横にずれた。
「お初にお目にかかります。私がこの場を国王陛下より任されております、イルベ・スタン・エクロンと申します。エクロン伯爵家の当主です。どうぞお見知りおきを。」
これまた優雅なお辞儀だ。
でもこの人・・・なんか後ろのおじさま達と比べて細いしちょび髭だし。
汗も私たちと同じ今かきだしたみたいだし・・・絶対肉体労働って感じじゃないよね。
なんて部屋を見渡しているとイルベ伯爵がいきなり私の手を取って膝をついた。
森さんはそれを見てきゃあ何て言って興奮してる。
「おお、やはり伝承通り・・・お美しい。」
「げ。」
手に口づけをしようとしたので、愛華は嫌な顔で咄嗟に手を引っ込めた。
「あ。」
イルベ伯爵はいきなり目の前にあった手が無くなったのでびっくりしたようだ。
「これはこれは失礼いたしました。」
何事もなかったかのように優雅に立ち上がる。
それを見ていた小倉は嫌悪感から眉をひそめた。
「んにゃろ。」
「やめろよ?」
「わかってるよ。」
柳瀬の小声の忠告に素直に頷く。
一連の流れを見ておやおやと楽しんだ様子のサランは満足気に次の説明を始めた。
「では、ご利用方法をご説明しますね。」
「ここ王国地下の鍛冶場では武器や防具の作成ができます。メニュー画面の【データ】からお目当ての装備品が作成できることを確認したり素材が溜まってきた際は是非立ち寄ってみることをお勧めいたします。」
「その分の代金等は一切発生いたしません。そうですね、イルベ伯爵?」
「その通りでございます。神の使わされた勇者様たちからお代を頂くなどできましょうか。」
ちょび髭を触りながらわざとらしく答える。
「タダなんだ!」
「太っ腹!」
北野と小松原は驚いて喜んだ。
「い、いいんでしょうか?」
森は戸惑っている。
その他の勇者たちも驚きを隠せない。
「ケイル!」
「へい!」
イルベ伯爵が呼ぶと威勢よく返事をしたマッチョな男性がこちらへ来た。
「彼はケイルと言いまして大抵はこの男に言えば何でも作成・修理してくれます。」
愛華は伯爵の後ろの作業場で膝をついている鍛冶職人たちへ視線を移した。
下を向いたままなので表情は確認できないが、どう思っているのだろうか。
「ここでは普段、王国所属の兵士たちの武器や防具の作成・修理・研究を行っておりますが、勇者様達のご依頼を優先させて頂きますのでそんなにお時間もかからないかと。」
見れば壁にはレプリカのごとく同じ形の剣と鎧がかけてある。
「うんうん、そういう事ですから、勇者様たちは安心してご利用くださいね。では本題に行きましょう。」
「ハハッ!」
そういって伯爵とケイルが事務所へ案内してくれた。
事務所の中は涼しい。
理由は巨大な氷が大きな樽に入れられてそこら中に置いてあるからだった。
「アイツ・・・ここで一人で涼んでやがるな。」
小倉が小声で柳瀬に囁いた。
「そのようだな。」
柳瀬も眼鏡を光らせて小声で答える。
その事務所の先には頑丈そうな扉があり、そのさらに奥へと連れて行かれる。
進んでいくとそこは薄暗い通路になっており、再びじんわりと暖かい空間となる。
「ちょっと恐いかも・・・」
森は不安そうに眉毛を下げている。
「だ、大丈夫よ!みみみ皆いるし!」
そういう木村も緊張してガチガチだ。
少し行くと先程よりも更に頑丈そうな扉があり、その扉の表面には青く光る魔方陣が貼られていた。
「な、何よ、あれ!?」
「おー、魔方陣が光ってる!」
「魔方陣!?」
「やっぱりファンタジーだよな!!」
オタク組は興奮しながら扉へ近づいた。
「触らないでくださいね、焼け焦げますよ?」
「へ?」
小松原はあと一歩で焼き肉になるところだったようだ。
《我、神より力をさずかりし者也、今こそスクレテールの名においてその封印を解かん》
これは・・・詠唱してるの?
サランの詠唱により魔方陣の光が弾けるように失われ、青く照らされていた空間が暗くなった。
「スクレテール様のお力をこの目で拝見できるとは・・・光栄の極みにございます。」
「世辞はいいですよ、早く鍵を開けてください。」
「ハ、ただ今!」
伯爵は急いで扉にかかっている大きな南京錠を開けて見せた。
「どうぞ、皆様。」
彼は重そうな扉を開けてドアマンのようにドアを押さえてくれている。
「ケイル、お前はここで待て。」
「へい。」
どうやらケイルさんはお留守番のようだ。
ドアの向こうは真っ暗だけど、入っていいのかな?
恐る恐る入ると、サランがぶつぶつと何かを唱え出した。
《ライトオン》
すると青白い光で室内が照らされる。
どうやら壁や天井に魔法で反応する電球のような水晶が設置されているようだ。
いきなりの眩しさに目が慣れるまではしかめっ面になってしまう。
「こちらです。」
サランが先導してくれた。
中はさっきまでと違い驚くほど涼しい。
少し細くなった道を進むと、20畳くらいある広さの部屋に出た。
その部屋の真ん中には二つの食卓テーブルのような大きなテーブルがあり、その上には様々な武器と思われる物が綺麗に展示されていた。
また、壁側にはブティックでマネキンが売り物を着ているかのごとく、ローブや鎧等の着るものおそらくは防具が展示されていた。
ちょとしたお店のようだ。
いや、博物館で展示されているといった方が近いかもしれない。
「素晴らしい・・・私の代で実際に目にしようとは!」
イルベ伯爵が感嘆の声を挙げている。
「サラン、これは??」
「過去の勇者様達の最終装備の品々です。つまり、魔王を倒した時に身に着けていた最強装備と言えます。」
「えええ!!!」
「もしかして・・・!」
オタク組から期待の声が上がる。
「ええ、皆様のクラスから最適な装備をここから選んでもらってかまいません。」
おおおおおお!!
歓声が上がる。
「強くてニューゲームじゃないか!!」
意味がわかるだけに愛華も「確かにw」と笑ってしまう。
「うっひょ~!この摩剣かっけぇぇ!!」
小松原が黒く光る大きな剣を手に取った。
摩剣!?どれどれ。。
すかさず愛華は小松原が手に取った摩剣とやらの説明書きを見に行く。
「ノーザ歴1000年 勇者:松前様 クラス:カーズドナイト 摩剣レヴィウス・・・へぇ。」
え?これで終わり?随分簡素な説明だなぁ。
ん?なんか周からの視線が・・・・
「こ、こここ・・・」
ん?小松原君?
「小嶋さんが!僕の半径50㎝以内に・・・!!!」
「え?」何?その反応、気持ち悪い・・・。
しかし愛華の、右手を顔近くに添えた振り向き「え?」は小松原からは照れて困っているキラキラヒロインのデレ画に見えてしまった。
「ブハッ!!」
「きゃあーー小松原くーん!」
小松原は鼻血を出して卒倒した。
あ、関わらなかったことにしよ。
愛華はその場を離れてそさくさと壁側の防具へと逃げた。
「確かに、あの子が自分からあんなに他人に近付くなんて珍しい。」
「そうなんだ?じゃあ貴重な瞬間を見れたんだね!」
「珍しいな。」
「小嶋さん、意外とこういうの好きなのかな?」
小倉は顎に手をあてて首を傾げた。
本人に自覚はないが、初めて見るファンタジー武器にテンションが高い愛華の行動は、多少周りを困惑させていた。
「小松原君・・・失血死しないでよ?」
北野が心配そうに覗き込む。
倒れている彼には皆からの痛い視線が注がれたが、気にせず装備品の物色は進む。
私はマジシャンだから・・・
鎧はパス。パス。これもパス。これもパ・・・あっ
次々に防具を確認して行く愛華の目に留まったのは漆黒のローブだった。
フード付きのローブで前開きの縁とフードの縁と裾部分に黒いファーでもこもこと縁どられていてどことなく可愛い。
形的にはポンチョに近い。
これが良い!可愛いし!
そして何より・・・・フードで顔が隠せる!!!!
これはいいものだ!
『ノーザ歴2000年 勇者:壺塚様 クラス:サマナー 夜の帳』
「サラン、私これにします!」
「ああ、そう仰ると思っておりました。と言いますか現在魔法使い系クラスの女性が着けるにはそれしかありません。」
「そうですね、思ったんですが全体数も少ないですし、たまに説明書きはあるのに物が無いのがありますね。」
愛華は周りをぐるりと見渡して言った。
「ええ。過去全ての勇者様達の装備品を回収できるわけではありませんし、回収後も何処かへ流れてしまうケースも多いのです。」
「え?どういうことですか?」
「色々なケースがございます。」
サランは難しい顔をした。
「過去、勇者様にお貸ししてもお金目的のために売却してしまう方もおられましたし、魔王討伐後に装備品の寄付をお願いしても拒否された勇者様もおられます。」
「えっ。そんなこともあるんですね。」
「ええ。」
サランは困ったような顔をしている。
そ、そうか・・・
勇者にも色々あるんだな。
愛華は話題を変えようと、禍々しいオーラを放っているステッキを指指さした。
「あ、武器の方ですけど、杖類ってもしかしてこれ一つだけでしょうか?」
持ち手は大小の叫んでいるような苦痛な顔をしている髑髏でボコボコしており紫色のオーラが揺らめいている。
「こちらは、勇者戦記8巻によればウィザードクラスの勇者倉田様が残してくださった『黄泉の咆哮』でございますね。はい、現在魔術師系の武器はこちらのみとなっております。」
「じゃあ武器はいいです。」
「え?え、こちら物凄い一品でございますよ?試しに装備なさってみては?」
「そうですか?」
言われて試しに手に持って構えてみる。
凄い!魔力が跳ね上がったのがわかる!!!!
これはいいものだ!
でもイラネ。
「確かに凄い魔力ですが・・・・ちょっと。」
「ええっ?理解できません。楽に壮大な魔力を入手できる機会を捨てる?ええっ!?ち、ちょっと待ってください、今、今、冷静になりますので。」
サランは目をキョロキョロさせている。
ま、そうですよね。全クリした時の装備品をあえて捨てるとか無いですよね。
でも私、形から入りたいタイプなんですよー。
装備した時の統一感とかデザインとか大事じゃないですか?
多少パラメータが下がったとしてもお気に入りの衣装で戦ったりとかしません?しません?
「うーむ。ある結論に至ったのですが、もしかして、勇者小嶋様はマゾヒストというやつですか?」
「違います。」
そこは強く押した。
「とにかく、これは気持ち悪いので嫌です。」
「そ、そんなっ・・・こんな事が!」
サランは壁に手をついて目を血走らせている。
「素晴らしい!こんな珍ケース今まで聞いたこともありません!事細かく戦記に記録させていただきますよ!」
どこから取り出したのかノートに凄い速さで何かを書き込み始めた。
なんだ、喜んでいるのか。
良かった良かった。
それからいくつか武器を見たが剣ばかりで装備できそうになかった。
いや、正確には短剣なら装備できたのだが、戦記第6巻のシーフクラスの勇者が持っていたもので同じシーフクラスの北野が貰い受けた。
私は市販の安い杖から始めようかなぁ~
なんて思っていた矢先、愛華は運命の出会いをする。
最初は遠目に黒い双剣タイプの短剣かと思い近づいた。
しかし次第にそれは間違いだと気付く。
それは黒い二丁銃だった。
それぞれランヤードリングから青と赤の丸い玉が付いた黒いタッセルがぶら下っている。
うーん。可愛い。
思わず手に取って構えてみる。
あれ?
あれれ?
装備できたぞ?
【命中力】がぐーんと上がったのを感じる。
【魔力】も増加したようだ。
『ノーザ歴2000年 勇者:鵜飼様 クラス:ガンナー 双月・・・』
その武器には珍しく詳細説明がついていた。
続けて読んでみる。
攻撃力は【命中力】と弾薬の威力に依存。
また、『双月』独自の機能として球切れの保険用に魔弾が無限に発射可能。
ただし、魔弾の攻撃力は【魔力】に依存するため殺傷能力は低く鵜飼様は足止めや錯乱用に使用。
・・・これだ。
これっきゃない!!
「はーい!では木村様と森様以外お決まりですね~!」
「俺の槍は無かったけどな。」
「おでの防具も。」
小松原は鼻を押さえながら答えている。
森は一つしかなかった魔法使い用の防具を愛華に譲ったため無し。
愛華は当初森に気を使い『夜の帳』は遠慮しようとしていたが、森の「私もあまり戦わないだろうから。」と言いう一言で譲ってもらった。
武器もプリーストという職業柄、闇属性の強い『黄泉の咆哮』は森では装備できなかった。
木村はダンサーの防具があったが頑なに「私には関係ないから。」と拒否した。
その後、また伯爵が持っていた鍵で施錠し、その上からサランが封印を施して愛華たちは熱い鍛冶場へ戻ってきた。
各々が選んだ装備品はここで一度ケインへ預けなければいけなかった。
勇者たちのサイズに合わせて打ち直したりするとのことだ。
軽く採寸もして鍛冶場での用事は終わった。
「それでは伯爵、立派に勤めを果たすことを期待していますよ。」
「ははっ、お任せください。」
そうして熱い鍛冶場を後にし私たちは下りてきた階段を上り始めた。
「はああ!熱かった!もっと色々ご説明したかったのですが無理です!」
ああ、やっぱり本当はもっと説明があったんだ。
「にしてもあの伯爵は女性が好きなので女性勇者様方がいらっしゃれば、あの尸位素餐な伯爵も少しは現場に足を運ぶかもしれませんねぇ。」
サランがへらへらとそんな事を言い出した。
「い、嫌ですよぅ。」
「そうよ、あんなオヤジ。」
うんうんと私も頷く。
「北野君・・・しいそさんってなんだい?」
「ぼ、僕に聞かないでよ。」
「尸位素餐、責任ある地位にありながら、職務を果たさず、無駄に給料を貰っていることだ。」
「さ、流石は柳瀬君。常に学年上位の男だね。」
「常にトップを取れてないってとこがミソな!」
「煩い。」
なんて話しているうちに別の地下の部屋に着いた。
「あ、あれ?玲奈、道覚えてる?」
「ううん、全然!」
木村は自信満々に答えた。
「勇者様方、心配はご無用です。一度足を運べばメニュー画面の【マップ】に記録されるはずです!」
おお、そうだった。マップにはそういう機能があったんだった。
皆がピコピコとメニューをいじりはじめる。
「んー、てか見方がわかんないわ。」
「私も。」
森は涙目になっている。
「はぁ?ホラ、この光ってるのが自分だろ?んで、ホラ。自分の向きを変えると・・・」
と言って小倉は森の体をくるりとダンスの様に華麗に回した。
森は顔を真っ赤にして俯いた。
「な?マップの中の自分の向きも変わったろ?」
「ほ、ほんとだ。じゃあこの少し後ろにあるマークが扉のマークね!」
「ああ、そうだな。それとスマホと同じ要領で拡大縮小もできるみたいだ。」
「お、マジだ!それに右の一覧から見たいエリアや施設も選べるみたいだな。」
「ああ、階層切り替えは・・・」
ほうほう。マップ操作はこれで大体網羅したようだ。
「クソ・・イケメン組め。」
「ゲームに詳しいのが俺らの強みなのに、あの呑み込みの速さは卑怯だよ・・・。」
小松原と北野の恨めしそうな会話が愛華に聞こえた。
わかるよ、その気持ち。
ゲームやったことないくせに、たまにやったゲームがオタクより上手かったらそりゃいい気はしないよね。
愛華も謎の敗北を味わった一人だった。
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夜。王の謁見の間。
一人の軽装兵士が頭を垂れて何かを王へ報告している。
王の横には宰相とサランの姿もあった。
「そうか・・・」
「ハッ!我が国が勇者召喚の儀を成功させた同じ日のほぼ同時刻、フリュッセイド神殿で大きな光の柱が発生したとのことです!!」
「ふむ、やはり今回もフリュッセイドも成功か。」
「そのようですね。」
「人数が分かり次第直ちに報告せよ、よいな!」
「それと名前や各クラス等の詳細もお願いしますよ?」
「ハッ!」
「下がってよい。」
報告者は一礼すると謁見の間を後にした。
「サラン殿、こちらは今回はどのような調子ですかの?」
「そうですねぇ、7名中4名でも生き残れば良い方かと考えております。」
「なんとかして5名程度に抑えよ、サラン。聖国に後れを取ってはならん。」
「はっ。」
「・・・それと、例の件だが・・・」
王の顔が険しくなる。
「上手く行きそうか?」
「はい、お任せください陛下。」
【名 前】小倉 尚麒 【クラス】ファイター
【レベル】1
【 Next 】4
【H P】48 【装備中】
【M P】18 【武器】 なし
【攻撃力】8 【頭】 なし
【防御力】8 【腕】 なし
【魔 力】2 【胴体】 Tシャツ+Yシャツ+パンツ
【命中力】5 【脚】 スニーカー
【瞬発力】4 【アクセサリー1】シルバーピアス
【 運 】4 【アクセサリー2】なし