第6話 ~デートの昨夜は普通に寝れました~
第3話登場人物名前
小泉彼方:こいずみ かなた
小泉紗夜:こいずみ さや
安野渡:やすの わたる
日代明日葉:ひしろ あすは
星野檸檬:ほしの れもん
橋本加奈:はしもと かな
檸檬が学校を通い始めて数日後、檸檬は今……
「檸檬さん。ここの、問題分からないんだけど教えてくれないかな?」
「檸檬さん、俺もこの問題が分からなくて……ちょっと教えてくれないかな?」
「檸檬さん、私もここの問題が分からないんだけど私も教えてくれないかな?」
「……まずは、葉雫ちゃんから。まず、ここはこの計算式を使って……」
檸檬は超絶人気になった。超絶人気者になった。檸檬は最初学校に来た時、皆の注目の的になった。最初の評判は最低。
だが才色兼備なため、学校に通い始めて何日ヵ後にテストがあったがそれを全て100点。体育の授業では揺れるおっぱいに俺以外全ての男子達が魅了された。
そして極めつけはそのゲームの上手さ。そして、初対面での恥ずかしがり屋な性格。
喋ってみると女子からはマスコットみたいに可愛いいと思われ、男子からゲームのおっぱい神と裏で言われている。
そして、それを全て支えていたのは紗夜だ。紗夜は学年で知らない人はいないほど人気者だ。
そのせいで、紗夜が檸檬と喋る事で周りからの印象も良くなり、紗夜がいい人だと言ったら檸檬の評判も良くなった。全ては紗夜が居たから檸檬は人気なったのだ。
檸檬の人気の姿を一緒に見ていた明日葉が口を開いた。
「檸檬ちゃん凄い人気になりましたよね。私より友達が多い気が……」
「そんな事ないだろ? お前だってほら……」
「明日葉ちゃん、わ、わたしも、ここ教えてほしいんだけど……」
「良いですよ美咲ちゃん。じゃあ、彼方君ちょっと教えてきますね」
そう言い、明日葉は俺に手を振り自分の机へと行ってしまった。
嫌らわれてた明日葉は着々と友達を作りクラスでは人気者になった。嫌われていたのに人気者になったのは勿論、全て紗夜のおかげだ。
紗夜と親しい友人である明日葉が悪い奴な筈はなく、友達が出来始めた。それは俺にとっても嬉しいことだ。
そんな中、明日葉が離れなたと同時に近寄ってきた渡。
「皆、人気になっちまったな」
「そうだな。紗夜も別のクラスで人気者だし、何か俺だけ友達が少ないような……」
「いやいや、俺が居るだろ? 親友」
「お前、すげー臭い事言ってるけどありがとう親友!」
俺と渡は握手しあった。俺と渡が友情を確かめあってる時、1人の女子が俺達近づいてきた。
「あの~渡君……檸檬ちゃんも、明日葉ちゃんも人気でこの難しい問題が聞けないんだけど。渡君、成績良いし教えてくれないかな?」
「いいけど、じゃあ、早速教えてあげるよ。じゃあ、用事が出来たからじゃあな彼方」
そう言い、渡はニヤつきながら行ってしまった。あれは俺が悔しがっていると分かっている顔だ。それは正解だちょっと悔しい!
渡は顔もイケメンだし勉強も出来るので、女子からの人気は凄いあると思うが、思った事はズバズバ言うしで傷つく女子も多いがそれを上回る程の顔面偏差値の高さなので女子ウケはいい。
男子人気は普通だ。だが、紗夜と仲がいいため皆には信用はされている。
「そんな事より俺も分からないんだけどなこの問題。あと、この疎外感って何だろう」
皆が人気者になりこいう時に一緒に居られなくなってしまった。それは別に構わないが、俺達のグループで何で俺だけ人気者ではない事がおかしいと最近思い始めてきた。
「何で紗夜の兄である俺が人気者にならないんだろうな」
切実な思い。俺だけ学力も容姿も中の中。皆は学力も容姿も上にあると檸檬は言っていたがそれは正解だ。学力も容姿も普通の俺が人気者になれるわけはなく、何故かあのグループにいるパシリみたいな奴だと俺は思われている。
「そんな事を考えても仕方がないな1人でこの問題を頑張って解くか」
俺は黙々と問題を解いていく中、例の難しい問題だけが残った。今の時間は全員この問題用紙の問題を、全て満点にしないといけない。
そのために皆で協力しあって頭のいい人達に教わりに行っている。たが、答えは教えてはいけない助言をするだけ。それがこの時間のルール。
「ねぇ、あんた。あんたは出来ないの、この問題?」
そんな中、俺に話しかけてきたこのクラスのギャル担当橋本加奈。
ギャル担当といいつギャルっぽい見た目だが友達はいなくぼっちだ。容姿は赤い髪に、オシャレに纏めてある髪型。髪型の名称は分からないがオシャレなのは分かる。肌は白く、目は金色だ。結構な厚化粧でこの見た目を自分自身好んでおり厚化粧を取る気はないそうだ。
「悪いな、俺も分からないんだ」
「へぇ~やっぱりあのグループじゃあ、学力も容姿も最低なんだ」
「そんな事を面と向かってよく言えるな!?」
「だって、本当の事でしょ?」
「まぁ、そうだけど」
一時の沈黙。加奈は檸檬を見ながら喋る。
「なんであんたって檸檬さんと仲良くなったの?」
俺をディスってからの突然の質問。その質問に戸惑うが率直な意見を言うことにした。
「う~ん、まぁ何だろうな。あいつと最初会った時に悲しそうな顔をしていたから、助けたいなと思ってな。あと、接してみると普通に良い奴でさ学校来させてあんなふうに皆と関わらせたかったんだよ」
俺は人がいっぱいで見えない、檸檬の方を見て言った。
「へぇ~。えっ? それってさ好きってこと?」
その言葉に吐き気がして、心臓の鼓動が跳ね上がった。昔の記憶が蘇ってしまった。
「違う。俺は檸檬の事を好きだとは思っていない」
「え~本当に?」
加奈の冗談めかした言葉、嘘だと知っていても気持ちが収まらない。
「あれ? 喋らないってことは……図星?」
「違う! 俺はそんな事を思ってない!」
俺は椅子から立ち上がり、教室の全員が聞こえるような大声て叫んでしまった。
教室の者達は俺の方に注目した。俺はすぐに俺がしてしまった行動を理解する。そして、俺は静かに席に座った。
「はぁー、びっくりした。寝てたから起こしたらそんなに大声出して、どんな夢見てたの?」
加奈の咄嗟のフォローによって、皆はまた騒ぎ出した。
「ありがとう、危うく変な奴だと思われるところだったよ」
俺は冷静になり、加奈に俺を言った。だが、これも全て加奈のせいではないかと思うがそれは言わないどこう。
「まぁ、私もそんなに気にしてることをガツガツ言ったのは悪かったと思ってるけど、あんたって元から変な奴じゃん」
「その言葉は効くな……。まぁ、お前の言葉はもう気にしてない。怒鳴ってすまなかったな」
「許すけどさ、お詫びとして明日の休みデートしようよ」
「デート? ああ、それで許してくれるなら……って、えっ?」
「オーケー、決定ね。じゃあ、明日の朝10時に駅前の羊の銅像の前で待ってるから」
加奈の顔は楽しみにしてそうな顔になっていた。つい、オーケーしてしまったが……なんでデートすることになったの?
「いやいや、待て待て。意味が分からないんだけど。なんでいきなりデート? それ以上に俺だって用事があるんだし」
「用事? じゃあ、用事があるならそれより優先なのが、私だよね? じゃあ、よろしく~」
そう言い、加奈は俺の席から去っていった。何だあの、身勝手な女は……。しかし、困ったな。待ち合わせ場所に加奈が待っていて、来ないと知ってすぐ帰るのならそれはそれでいいんだが……もしも、ずっと待っているとなったらそれは最悪の事態だ。多分加奈は後者を選ぶだろう。今の会話でそんな気がした。
「デートって何するんだろ」
行く事が確定したデートに思いを馳せつつ俺は勉強を再開させた。
ーー次の日ーー
今は9時55分。集合時間より5分早く集合場所についた。私服はいつも着ている服で特に凝っている物ではない。俺は加奈が来るまで携帯をいじることした。
「やっほー、待った?」
ここに着いてから10分ぐらいだろうか? 俺の目の前から声がした。俺は携帯から目を離し声の元を見ると……
「お前……その顔はどうした?」
俺はびっくりしてしまった。加奈の顔は……
「びっくりした? これが本当の私……ではないけど、ただの化粧。あんたがブサイクの人が好きだと聞いてメイクしてみたんだけどどう?」
そう、加奈の顔はブサイクだった。S級ブスだった。この心ときめき、この胸の高鳴り久しぶりの感覚だ!
「可愛い……! すげぇな加奈! このときめきは入学式以来だよ!」
「そんなに褒めないでよ照れるから。あと、もうこの化粧は終わり。あんたの気を惹きたかっただけだから」
そう言い、加奈は鞄から化粧を拭く物を取って顔を拭いた。あれ? この光景どっかで見たことあるな……これってデジャブってやつ?
「ふースッキリした。あんなに濃いメイクすると顔が気持ち悪いんだよね」
「うん……知ってたよ。お前、やっぱりS級美少女だったのかよ……!」
加奈の顔はS級美少女だった。いや、俺の周りS級美少女多くね? っていうか俺の通ってる学校にブス居なくなね?
「私、この顔が嫌いでさ。変に目立つし人いっぱい集まってくるし、長年ぼっちの私には辛いんだよね」
そう言いながら、加奈はしゃがみこみ、慣れた手つきで化粧をし始めた。多分いつもの加奈の顔に戻ろうとしているのだろう。
こんなに人がいる中で化粧をしているが、誰も加奈の事を見ない……加奈の存在感が凄い薄いから誰も気にしないのだ。これが今までぼっちを貫き通した力か……
「何か話してよ、無言で化粧をし直すって面倒臭いじゃん」
俺がそんな事を考えていると突然、話せと言われた。
「面倒臭いって……じゃあ遠慮なく質問するけど」
「質問とは言ってないけど……まぁいいよ」
加奈から許可もいただいたし、何を言おうか考え、1番気になっている質問を言った。
「何で俺をデートに誘ったんだ? 俺の事を好きでもないだろ?」
「私は好きだよあんたの事」
本気か嘘か分からない言葉。まぁ、普通に考えて加奈とは接点もないし、好きになるなら一目惚れだろう。俺の容姿に一目惚れをする奴は居ないだろう。よってこの言葉は冗談だと俺は決めた。
「いや、でも俺は圧倒的B専なので美少女は遠慮しておきます」
加奈の冗談に俺も冗談じみた、言葉を返してみた。
「私振られたか~。まぁ、そんなのはどうでもいいけど」
やはり、嘘だったか。
結局、デートをする理由を教えてくれない加奈。まぁ、デートしていればそのうち分かるだろう。
「じゃあ、今度は私から質問いい?」
「いいぞ、答えられる範囲で答えるけどな」
「じゃあ、何であんたはブスが好きなの?」
その質問に俺は悩んだ。それは当たり前だ。
あの子、凄い可愛いけど何で好きなの? と聞かれているみたいなものだ。しかも、そんな質問は生まれてから親父にしか聞かれた事がない。
俺は10秒ぐらい考え、簡単に説明した。
「まずは、ブスには大まかに3種類の性格がいると思っている。まず、1個目の性格は、自分の事をブスと自覚してる上で発言をしたり、外に出たりしたら酷いことを思われると知っていてクラスの端っこにいるブス。これは、この謙虚さか物凄く可愛い。俺からしたら物凄く可愛い人が誰にも告白されず、クラスの端っこで勉強している。しかも、話してみると――」
「もういい、もういい。あんたのブス愛は分かったから」
「そうか……話してみると楽しいもんなんだな」
少し残念な気持ちになったが、よくよく考えると俺って今、物凄く気持ち悪いなと思った。自分の性癖をよく分からん異性に暴露すれば、恥ずかしいに決まっている。
「あれ? 顔赤くなってるけど……もしかして今の自分の言ったことを思い出して恥ずかしくなってるの? 大丈夫、あんたは元々恥ずかしいやつだから」
「それフォローになってないからな!?」
「まぁ、それより……よしっ! これでメイク完了! じゃあ、最初は映画館にでも行こっか」
加奈はしゃがむのをやめ、立ち上がった。
「まぁ、俺の渾身のツッコミを流したことは置いといて、本当にデートみたいな事をするんだな」
「だって、デートでしょ?」
「ああ、そうか、デートはデートか……」
人生初めてのデート。しかも、その相手はS級美少女。誰もが羨むデートだろう。俺もデートは憧れていた、それは勿論、俺にとって可愛い人と。
だが、その初デートは俺にとって普通の人とのデートになった。
俺はブス以外の外見は全て普通だと思っている。だから、普通の人とのデート。その、気恥しさに今気づき胸が踊っているのが分かる。
「何、突っ立ってるの? 早くしないと映画始まっちゃうよ」
そう言い加奈は俺の手を握った。
「ちょっ、急に走るなよ」
俺と加奈は手を繋ぎながら映画館へ、向かった。
ーー同時刻ーー
「……ねぇ、紗夜ちゃん、明日葉ちゃん。あれって彼方じゃない?」
檸檬が彼方と思われる人物に指を指して言った。
「本当ですね。あれは彼方君と……確か同じクラスの橋本加奈さんでしたっけ?」
「うん? 本当だ。あれは絶対に兄貴だ。朝、あの服装で家を出て行ったから間違いない」
檸檬の言葉に反応し、檸檬が指さした方を見る明日葉達。
3人は顔を合わせそれぞれ彼方のあの状況を説明するものを考えた。
「明日葉と紗夜と檸檬の頭の中には1つの答えが出ていた。もしかしたら、秘密のデートじゃないかと……。でも、圧倒的B専の彼方じゃあ絶対にその線はない……だが、本当はどうなのだろう」
「そうなんですよね。彼方君ならもしもってことが」
「そうなんだよ。兄貴なら何があってもおかしくない」
「……彼方ならやりかねない」
「だよね。俺もそう思うよ」
3人の後ろから話す渡。それに3人は気づき後ろに振り返った。
「「えっ!? 何で渡君が居るんですか!? (だ)」」
檸檬以外、声を荒げて言う2人。
「まぁ、明日葉さん達落ち着いて。それより、早く尾行しないと彼方を見失うよ」
その言葉に、落ち着き、彼方の方が優先順位が高いと判断し尾行をすることを決めた2人。
「そうですね。今日の予定は彼方君の尾行という事で」
「そうだな。兄貴が何で加奈さんと居るのか気になるしな」
「そうと決まれば尾行開始だ!」
明日葉達は彼方に追いつくように走り出すが1人で直立不動で動いていない者が居た。
その者に気づいた渡は、その者の所に近づいた。
「ほら、檸檬さんも行くよ……」
そう言い、渡は檸檬の肩を叩くいても動かない檸檬。渡は檸檬の口に耳を近づけた。
「し……死んでる!」
渡の事に驚きすぎて失神する檸檬であった。
どうも、初めてこの時間帯に投稿した犬三郎で~す。今回、彼方の言葉に矛盾点があったと思いますが……あったと思いますが、その矛盾点は後々分かります。
by 最後の檸檬、可愛かったと思う犬三郎