第1話 ~妹が怖い~
第1話登場人物名前
小泉彼方:こいずみ かなた
小泉紗夜:こいずみ さや
安野渡:やすの わたる
日代明日葉:ひしろ あすは
————ピピピピ!
「ん……」
うるさい目覚まし時計を止め、時計を確認すると今は朝の6時。学校までの移動時間約15分。授業が始まる時間は8時30分からだ。いつもより早すぎる起床、目的を忘れ、いつものように母さんが起こしにくるまで2度寝をしようとしたが、今日は入学式の次の日。
俺はやる事があることを気づく、早く学校に行かないといないという使命感に襲われ、ダルい身体を起こし学校の制服に着替え、階段を降り、洗面所に行き顔を洗い、リビングに入った。
「母さんおはよ~。ごめんねこんなに早く起こしちゃって」
「大丈夫。私も今日朝から仕事があって、丁度よかったから」
この人は俺のお母さん、小泉真子だ。仕事が命の俺の母親は家事もやってくれて過労死するんじゃないかっていうぐらい働いている。
見た目は腰まである長い黒髪、目は黒くモデル並みの体型、そして美人系だ。俺の容姿とは似ても似つかない顔をしている。それはそうだ、俺と母さんは元々の家族ではない。俺の母さんは不慮の事故で死んだ。
今の母さんは俺の父さんと結婚した。今の母さんは俺の事を本物の家族と思い、家族同様に接してくれる。
俺が椅子に座ると、母さんがご飯を出してくれた。今日のご飯は俺の大好きなサンドイッチだ。
俺はサンドイッチを10個食べ、朝から吐きそうになりながら、歯を磨き靴を履いて玄関から出ようとする。
「母さん行ってきますー!」
リビングにいる母さんに聞こえようにデカい声で言う。それと同時に2階でガタガタ! と物凄い音がした。
その数秒後、階段を妹が物凄い勢いで下りてきた。
「兄貴もう行っちゃうのかよ!?」
髪が寝癖でボサボサな妹、小泉紗夜。髪の毛は金髪で、髪の毛は肩まであり、目の色は黄色。顔は母さんに似ていて美少女だ。そう、俺の妹は俺の本当の家族ではない。
「ああ、用事があってな。お前をこんなに早く起こすのは申し訳ないと思って起こさなかったんだが、悪かったか?」
「いや……悪くわねぇけど、一言ぐらい言ってくれよ」
普段は朝が弱い紗夜。俺の学校は中高一貫だ。紗夜は中学から入り、俺は高校から入学した。紗夜とは歳が1つ離れているが、俺とは同学年だ。
昨日から一緒に登校する事を決めたが今日は朝早いし、いいだろうと思って何も伝えてなかったがそれに怒っているのだろう。怒ってないように見せてるが、手をグーパーグーパーしてる。
これは嘘をついている仕草だ。これは最近見つけた紗夜の弱点。
「怒るなって、帰ったら遊んでやるからさ」
「子供扱いすんなよ! しかも、怒ってないし!」
頬を膨らませ怒る紗夜。
「それじゃあ、先に行ってるぞ」
俺はそんな、紗夜と別れ学校へと歩いた。
「流石に誰もいないか」
俺は学校に着き、教室に入った。もちろん入学式の次の日から1年の教室に誰もいるわけはなく、俺は自分の席についた。
「さっそく、読むとするか」
俺が何故こんなに早く学校に来たか? それは、本を読むためだ。家でも読んでもいいが、誰もいない教室で読む本はいいものがある。
俺は黙々と本を読み続け、外から朝練をしている人達の声が聞こえ始め一旦本を読むのをやめ、窓の外を見た。
「俺は何の部活に入ろうか?」
特に入りたい部活はない。運動も得意ではないし、器用な方でもないので裁縫部などの部活も入りたくない。安定の帰宅部になるだろう。
「彼方……君」
外を見ていると俺の後ろから女の人の声が聞こえた。俺は思わず振り返るとそこにはブスじゃない明日葉がいた。
明日葉は下を向き手をモジモジしながら話しかけてきた。
「よう、明日葉。お前もこんなに早く学校に来るなんて何かやる事があるのか?」
「いや……用があるというより、彼方君の後をついてきたというか……」
何か、ごにょごにょ言っているが小声すぎて何も聞こえない。
「あの……昨日の話なんだけど、考え直してくれませんか?」
「考え直すって……ああ、告白の事か。考え直すも何もあれは無かったことになっただろ?」
正直、俺を気にかけるのは分かるが、もう俺は明日葉に対して何の感情も抱いてない。
最低な返答だが、これ以上のいい返答は俺には思い浮かばない。
「断れるって知ってたけど、結構辛いね。でも! キスしたから……子供出来ちゃったでしょ?」
「いやいやいや! その返答は予想外すぎた!?」
「だから、私と! 結婚してください!」
突然の結婚してください。明日葉は子供が出来たと思っているんだろう、だが本当は子供は出来ていない……どう断ればいいんだ?
「おはよ~彼方。案の定いた……な」
そんな中俺の親友の安野渡
が教室に入ってきた。バットタイミングすぎる! 多分今の告白は聞こえてだろう。渡が凄い固まっているから、状況を理解出来てないんだろう。
「おいおいおい! どういう事だよ! 何だこの美少女は!? 容姿でいえば90点以上だ!」
「そこかよ!?」
渡の性格は難がある。容姿は茶髪で眼鏡をかけ、目の色は茶色。背も高く、運動も出来き、勉強も出来る。
普通ならモテるが、女の子に点数を付ける癖がある。そのそいで女子からは避けられている。
「確か……明日葉さんですよね? どうしたんですか? -30点の貴方が何故、そんな顔に? まさかっ、この1日で宇宙人に拐われて顔を改造されたとか?」
「そんな事ある訳ないじゃないですか!? あれは化粧であの顔になっていただけですよ!」
「なんですと!? 今の顔からあの顔になるのは並大抵の努力じゃ出来ませんよ!? っていうか何でいまメイクしてないんですか?」
オーバーリアクションで驚く渡。だが、化粧をしていない事は俺も気になるところだ。何故なんだろうな?
「あの化粧をして、私を好きになった人とは本当の恋愛が出来る気がして」
また、ごにょごにょと恥ずかしそうに言う明日葉。
「だから、あの姿を好きになった彼方君には本当の私に接して欲しくて」
「ほえ〜、それは夢物語が実現したなんて物凄く凄いことじゃないですか。ですが……残念ですね、彼方は特殊性癖なんで彼方とは付き合えませんね」
「いやいやいや!? その言葉には語弊しかないんだが!?」
どうもお久しぶりです犬三郎です。投稿が遅れて申し訳ありません! 2ヶ月ぐらいも投稿が空いてしまいましたね。
恋愛小説がこんなにも難しいとは思いませんでした。誤字脱字が多いかもしれませんのでお知らせしていただいたら幸いです。次回のお話を書いたらあらすじを変える予定です。では、次回は一週間後に会いましょう! ………………えっ?
by一週間後とか無理だろと思っている犬三郎