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ミチ

「偉い長距離だな、と言うか山の湖畔を補給基地にするとはな」

ポルコが写真を見ながら帝国本土に直接爆撃をするため以前の作戦の様に連合の領土に補給基地を設営する事を正社員の参謀本部の少佐から伝えられる。

「めんどくせえな、それなら当然衣食住揃えてくれるんだよな当然、昼食は1人一本ワインをつけてくれれば言うこと無いからな」

ブルーノが言うと他の空族も同意して飯は何が良い、女もよろしくと勝手なことを言い少佐は何を言っていると言う顔で無視して期日を伝えると出ていってしまう。

「しかし経費全部持ちとはな、なんかヤバイ感じしかしないぞ」

ブルーノが言うのを皆同意しながら勘定は正社員持ちだからワインを飲みまくる。

「しかしようやく戦いが終わるのか」

誰かがつぶやくと皆静になりこの戦いで命を落とした仲間や知り合い肉親の事を思い出してしんみりとなったが、不意に陽気なピアノの演奏と明るい歌声が響き嬉しそうに皆も歌い始めた。

夜が明ける頃には静になり酒場の中にはるいるいと重なった強者どもが転がり早くに目が覚めたので中庭へと出てみた。


「ポルコ早いね」

「まあな、しかしむさい男が集まると見苦しいの越えるな」

何時もの口調で言いながら笑顔で朝日の前の紫色の空を見つめながら、

「しかし戦争が終われば何するかな、ロイどうするんだ」

私は少しだけ考え、

「世界中に飛んでみたいカーチスの故郷である海の向こうの自由の国や未だ誰も行ったことがない場所や国に行ければだね」

ポルコはこちらを見て少しだけ笑い、

「皆で行くか途中で給油する場所さえあればどこにでも行けるからな婆さんたちも冥土のみあげだ」

そう言うと今まで話で聞いた国の事をお互いで話ながら工場へと戻った。


「ばあちゃん達までピクニックじゃねえんだぞ飯も準備されてるし、ああっばあちゃん皆で行くつもりか」

「せっかくただで外国に行けるって言うじゃないか、これを見逃すてはないよポルコ坊や」

ばあちゃんたちにかかればポルコも子供扱いで楽しそうに集まりなにか楽しいと言いながら工場で手伝っているばあちゃん皆が荷物を抱え集まっており収集がつかなかった。

「まいったなこりゃ援軍を頼むか」

ポルコは電話を取ると何処かへ電話をして戻ってくると、

「ばあちゃんたち、荷物は迷子にならないがばあちゃんたちが迷子になるからそこで動かずに待ってくれ」

そう叫び、

「皆で7人ずつにグループ分けしてしてくれ」

こんなにいたっけと思いながら息子の嫁も増えてかなり賑やかになりポルコは箱に座るとため息と共に空を見上げた。


「待たせたな女性をお送りしろと、いくらでも任せろ」

ブルーノと空族達が争うように着水して工場の前は飛行艇であふれかえりポルコの所へかけよる。

人の悪そうな顔つきのポルコが、

「ばあちゃん、ブルーノが迎えに来てくれたぜさっさと乗った」

そう言うと後ろにいたばあちゃんたちが一斉に民族大移動を始めブルーノはポルコに顔お真っ赤にさせて言おうとすると、

「おやブルーノ、良い男になったね」

「まだひとりやもめかい、未亡人になったうちの娘なんかどうだい」

「またポルコとわるだくみかい、ドーラに大目玉だよ」

「お腹すいてないかい、お弁当作ってきたから食べな」

「向こうで私誘ってくれれば相手してやるよ」

「そうそうマンマも誘ったからね」

そう言われた瞬間ブルーノは固まり目線が動き止まると慌てて駆け寄り、

「マンマ言ってくれれば」

「言ってくれればなんだい、呼ぶ気も会うのもさらさら無いくせにこの子ったら」

ブルーノのマンマは麺棒を取り出すとブルーノの尻をペチペチ叩き悲鳴がこだました。


「準備完了」

全員を乗せ終え先ずはポルコが先導して港外に進む、中からは若い娘達が始めて乗る飛行艇の窓からこちらに手をふるので手をふりかえすと、

「何時も私の時は手もふらないくせに」

マーリアは私とCR-0に今回は乗っていて上機嫌のはずなのだがむくれながら脇腹をつねられた。

「向こうはお客様だしマーリアは大切な家族だから」

そう言うと嬉しそうに頷きマリーアは立ち上がると、

「おばあちゃんたち頼みますねブルーノ」

「おう」

顔をひきつらせ後ろにいるマンマを見ない様にしながら飛び次々と離水して大空へ舞い上がると北へと進路をとった。


「不調だって、ロルテさんのが」

高度を上げて連なる山々を越えなければならないのだが一番艇齢が古いロルテの飛行艇が根をあげてしまい途中の湖に立ち寄ることになった。

「なんでえ何時もの事じゃねえか、なあ持ち主と一緒でじじいでぼろだからな」

「うるへえ、こっちたあお前の艇が2回乗り換えてもまだ持たせてるんだ」

ロルテは口ひげが立派なローレンじいさんの親戚で年も近い、

「我々に見させてもらえませんか」

後ろから声がかかりカーチスの技術者連中が笑顔で出てくるのをロルテは気難しく、

「俺ににてへそ曲だからなメジェール(じゃじゃ馬”山向こうの国言葉)は」

外国人だからか元々さわらせたくないだけなのか難色を示しているとマリーアが、

「ロルテ、心配だろうけど私も命を預けてるから安心して」

そう言うとロルテは孫娘近い年齢のマリーアに顔を赤くしながら、

「マリーアが言うならメジェールを任せる」

マリーアが礼を言うと嬉しそうにしておりローレンじいさんが小声で、

「自分をいくつだと思ってやがる。だからボッチなんだよなあいつは」

そう言ってため息をつくとワインを両手にもちながら、

「ロルテ、マリーア、陽気がいいからランチだ」

そう言うと皆が集まり準備していたので食べ飲み始めた。


「どうだいメジェールは」

カーチスの技術者と不調のエンジンを中心に点検しているのだがポルコが顔を出してきたのをカーチスが、

「良く調整はしてますがエンジン本体の歪みが大きくてOIL漏れをしています。応急でこちらの固めのに交換してもたせますが交換した方が」

そこに他のカーチスが顔を出して、

「それはだめだ、この馬力以上のに積み換えれば艇体の歪みが大きくなりすぎて水没してしまいますよ、かろうじて浮いてるんですから」

それを聞いてポルコはため息をついて、

「なんつうので飛んでいるんだじいさんは、まあエンジンの積み換えも承知しないだろうがな」

カーチスは、

「しかしこの設計者と言い製造者と言い材質のたわみやねじれを計算して製造してますね」

それを聞いたポルコは少しだけ顔を赤くしながら、

「それ俺が始めて設計と製造したんだよ」

「それで納得しましたよ、見せていた飛行艇と良く似ているので」

カーチスは納得していくつかの交換が必要な部品だけを交換して出来上がったじいさんたちの代わりに舵を握り目的地へと飛び上がった。


「綺麗なところだね、あの山なんて青い壁に白い雪で美男子だね、ロイに似て」

ばあちゃんたちが飛行艇からおりてくると駐屯していた正社員の整備兵達はびっくりしている。

「うちの補修を任されているばあさんたちだ」

なにか言いたそうな正社員にそう言い屋根のある場所の確保を伝えると艇長を集めて正社員の指令室へと向かった。


「早速明日からとんでもらいたい、目標は工業都市の兵器工場が第一、次の目標となるのは民需工場」

正社員の少佐が説明を行う、距離的には近い場所は正社員の目標に内部奥深くへは我々が受け持つことになる。

「これに成功すれば帝国内の物資が欠乏して戦争継続も難しくなる。そうすれば終結できるだろう」

少佐は説明をしていく、

「奥深くはいいが護衛はどうする。こっちはロイの単座しかないからな護衛を出してくれないと無理だ」

「それは考慮する。ただし航続距離があるからそれを考慮してということになる」

そう言うと皆で納得をする。

「こちらからは監察官として私が同乗する」

最後の言葉に皆は不平を言うのでポルコが、

「俺のところに乗ってくれ、他のところだとその青いのが帰る頃には真っ黒になるからな」

そう言うと皆で大笑いしながら仮設の整備工場に戻った。


「作戦は1週間後だが明日からここと周辺の地形を頭にいれるために慣熟飛行をするからな、地形を頭にいれとけよ」

ポルコが言うと皆は作戦外なので燃料代が自腹になるため不満を言うのを、

「山の天気は変わりやすい、霧もでるから気がついたら大地にキスするはめになるぞ」

皆顔を見合わせて周りを見回すと不満を言わずに整備にかかった。

「ポルコ、先に飛んで周りを見てくる」

「私もいく」

自分のCR-0は整備を終わらせてくれているので提案するとマリーアもと手をあげる。

「二人でいってこい、マリーアは地形をこの使えない正社員からの地図に上書きして知らせてくれ」

ポルコからの指示を嬉しそうに二人で頷くと同年代の娘達がマリーアに、

「頑張ってね、二人で」

そう言うと顔を赤くしながら頷いて乗り込む、

「夕方には戻ります」

ポルコに言うとスロットルを開けて加速して水面を飛び上がった。


「どうするの」

膝の上のマリーアが聞いてくるので、

「先ずはわかりやすく湖から伸びているあの一番大きな川沿いに飛ぼう」

地図を確認しながら速度はゆっくりで飛ぶ、

「川沿いに街道が有るのは地図通り、あっ水路が別れてる記入しておくね」

わかりやすいのはマリーアが見ていき私はもっと大まかな地形を地図と確認しながら時には引き返して確認したり、大きな避難小屋を見つけては場所の確認をして夕方には反転して湖へと戻ることにした。

「夕焼け綺麗、高い山に反射して赤く染まっていくの好き」

マリーアは腰を浮かし色々な報告を見たり、人がいれば声をかけて手をふったりと忙しく前を動きながらも嬉しそうにして夕陽に染まるマリーアを見て幸せを感じてしまった。

反射した湖面を滑るように着水して皆が手をふる湖岸に到着する。

「異常は無かったかい」

カーチスの技術者が聞いてくるのを特にはと思いながらも低速だと気になる点があり伝えると明日までに見ておくと整備補給に取りかかった。


「楽しかった、ポルコこんなのも楽しいよね羊を連れた少年が手をふり返してくれたり、鹿何かも見れたり」

マリーア嬉しそうに報告をしておりポルコも嬉しそうに、

「早くこんな生活をしたいものだな、しかし仕事を忘れてはダメだぞ」

「うん大丈夫、ちゃんと見てきたから任せて」

そう言うと飛行艇乗り全員が集まり地図の説明をしていく、天候の悪化で自分の居場所を探すには地形でしかないので皆真剣にメモしている。

「エンタの地図意味わからん」

「俺はこれがわかりやすいんだよ、お前こそミミズのはったようなの」

「うるせい、この芸術性がわからないのはまだまだだな」

そんな声を聞きながら明日は二人でもっと先を確認することをポルコと相談して就寝した。


「はぐれたら湖はこの周辺はここしかないからな」

ポルコが空族達にいうと、

「追い越してしまうからな迷うなよポルコ」

そう言うと皆で大笑いしてポルコ相変わらずに呆れながらルノアにエンジンをかけろと言いながら飛び乗って出発した。

「さてもう少し帝国よりにいこうか」

撤退したとはいえ未だ残っていることも考えながら北へとマリーアと共に飛び上がった。


山々の間をぬって飛びながらも標高が上がり高度も上がる。

「山脈には魔女がいるって言うけどほんとかな」

「いたらマリーアも仲間になって雪の女王になるのかな」

「それも良いかも、魔女皆で楽しくお祭りをして過ごすのも良いかな」

目の前には南北を行き来するのに昔から難所と呼ばれている峠があり越える人も見てとれる。

「息が苦しいね、何でかな」

はしゃいでいるマリーアが不意に静になり不調を訴えるので、

「ポルコが言ってた。高いところは空気が薄くなるから気を付けろと、小刻みに呼吸を繰り返せば症状が和らぐって」

マリーアは何回かに分けて息を吸ったり吐いたりを繰り返しており峠を越えたので高度を下げて帝国領内へと侵入した。


「帝国はもっとすごいところかと思ったけど変わらないね」

峠を越えても変わらぬ景色に二人で安堵しながら谷間を降下して進むと地図通り村々の先に大きな町が見え隣接している空き地に簡素な滑走路と飛行機が5機ほど見えた。

「マリーア後ろに移ってもらって良いかな」

座席の後ろは荷物いれ程の空間であり外の状況はわからなくなるのでマリーアが聞いてくる。

「あの赤いの帝国の戦闘機だからここを通るときブルーノ達が危険になると思う、だから今のうちに叩いておこうと」

そう言うと頷いて私を乗り越え後ろのスペースを開いて中に収まった。

「ロイがんばれ」

マリーアの励ましと共にポルコに怒られても皆のためと思いながら軽機関銃に装填して安全を解除する。

降下して低空で町の上を越えると横一列に並んでいる赤い戦闘機に向けて引き金を引いた。


小刻みに発射音が響き火線が戦闘機に吸い込まれて焼夷弾が機体に火をつける。

狭い間隔で並んでいたので次々と命中して細い煙と共に火の手があがったのでもう一度反転して止めをさして離脱をした。

上昇すると太陽を背に黒い影が見えたので慌てて急旋回する。

後ろでは悲鳴が聞こえたが敵を視認するのに精一杯でマリーアに心の中でごめんとつぶやきさらに上昇をした。

赤い羽根の帝国戦闘機が2機確認できたが1機はそのまま飛び続けもう1機は僚機を守るための行動なのか優位な位置を取るため上昇しはじめる。

しかし空気が薄い高地なのでエンジンの力の差は歴然としており高い位置に陣取るとフェイントでそのまま飛び続けている機体に降下を始めた。

僚機を狙われているともう1機は反転しながら上昇しようとしたがエンジンの力が足りずに速度が落ちて失速したのでそこを狙って引き金を引く、失速した機体は逃げることもできずに次々と焼夷弾が命中して飛行機は落ち、もう1機は飛行場に着陸してパイロットなのか飛び出して建物の方へと走り、代わりに建物からパイロットが飛び出して戦闘機の元へ走っていた。


反転しながら飛行場へ向かうと戦闘機は滑走路を走り始めて到着する頃には機体が浮き始めたが速度が出ていないため、そのままこちらの火線が吸い込まれて目の前の森に墜落して煙が上がった。

「ロイ大丈夫」

興奮冷めやらぬ自分にマリーアが後ろから声をかけてくれて冷静さを取り戻す。

「もう大丈夫、前にきていいいよ」

顔を出してホッとした顔でマリーアが前に移動して膝に座る。

「ビックリしたよ、いきなりぐるぐるだもん、でもよかった」

マリーアは正面から見上げ抱きついて笑い私もつられて笑いながら峠を越えて昼過ぎには戻った。


「久しぶり、あらこんなに綺麗になって」

ランボルトが中佐になって待ち受けておりCR-0かマリーアのどちらを言ってるのかと思いながら、

「中佐、何かご用ですか」

「あら他人行儀で、一緒に席に座った仲じゃない、ねえ」

そう言って近づくのをマリーアが間に入って、

「うちの旦那さんに近づかないでください」

「あら、焼きもちかしら可愛いわね、でも私はどちらでもOKよ」

そう言ってマリーアに近づくと、

「いい加減にしねえか、仕事できたんだろ仕事で」

いつの間にかポルコ達も戻ってきておりランボルトを呼ぶ、先ずは峠を越えた先の町に戦闘機が7機いたことと破壊したことを伝えるとポルコの機嫌が悪くなる。

「5機は地上に置いてあって反撃もなく破壊したんだけど、戻る途中で2機に鉢合わせしたんだけど、1機は地上におりたので破壊してもう1機は空気が薄くなってるのを無理やり上昇したから速度が落ちすぎて失速したところを落としたんです。マリーアを乗せていてごめんなさい」

ポルコは頭をかいて、

「わかってるなら言わねえが、気をつけろ敵は自分の心の中だぞ」

そう言いながらもパワーに勝るカーチスがこの高地で有利に働くことが確信できて安心していた。


夕食が終わるとミチが顔を出して、

「一つお願いがあるんだけど」

何かなと聞いてみると、

「あの飛行艇を操縦させてくれないか、これが終われば帰国になると思うから」

ポルコに二人でお願いをしに行くと、

「ミチなら無茶はしないか、峠は越えるなよ絶対にだ」

そう言って今週中にと言われ翌日から浮いているCR-0のコックピットで説明をする。

「速度計、高度計、燃料等の計器、スロットル、フラップ」

ミチは伝えるとすぐに覚えて疑問を聞いてきて午前中は水面で午後からは私のを見る。

「ちょっと狭いけどカバーは外したから操縦を見るこちができるから」

そう言いながら湖面を見て危険がないか確認したのちスロットルを開けて加速する。

「フラップを引いて速度がここまで達したら飛べるから」

浮き上がりながらミチは目を離さずにフラップの操作をしたり過ごして翌日はポルコに代わってもらいミチの実習を始める。通常はもう少し時間をかけてなのだけれども4日でという短期間なので私に教えたようにスパルタで行っていた。

交代でルノアの隣に座り私がドーラノンナを操縦して慣熟飛行と地形を確認する。


「こいつの性格大分わかってきたな、名前の通りだが」

ルノアが言うと名前の大元が、

「何か言ったかい、誰かに似て素直で美しいと言うことかい」

二人で前で寝そべって前方の機銃主をしているドーラばんしゃんに苦笑しながら声を揃え、

「はい素直で良い子です。扱いやすいですし」

「マリーア、しっかり見とかないと男どもは酒と女の事しか考えてないからね」

今度は後ろから、

「ロイもルノアもそうなんだ、で良い子いた昨日飲みに行って」

昨日は湖畔にある町の小さな酒場に繰り出して酒を男だけで浴びるほど飲んでいたので、

「いや居なかった。女の子事態が、何よりマリーアよりも綺麗な子はいないし」

「口がうまくなったものだね、じいさんの真似するんじゃないよ」

「わしがいつ女に浮かしていた」

ローレンじいさんが一番後ろの銃座から大声をあげる。

「昨日、宿の店員のおばさんを口説いていたのだれだっけ」

ルノアがボソッと小声で言ったはずだが、

「何だって、ふ~んどこほっつきあるいてるのやら」

「てめえ男の仁義にも劣るぞルノア」

じいちゃんばあちゃん夫婦から声が上がりルノアは笑いながら、

「その年でも元気なら良いんじゃ、じいさんがんばれ」

そう言うと私に進路変更を指示してわざと急旋回を指示したので機体を傾けるとすぐ後ろから、

「てめえ、うわっ、いてえ、ルノア水平に保て」

ルノアは嬉しそうに上昇を指示したので機体を上げると後ろの方に声と物音が遠ざかって行った。


「ミチお帰り、明日早速単独で飛ぶって」

ポルコから聞かされて驚いているが本人は真剣な表情で頷く、

「本来まだまだなんだろうけど来月帰国を父上から伝えられたから」

「そっか、ちなみに父上ってどんな人」

「新しい時代を、本来の文化とこちらからの文化を尊重しあって新たな国造りに心をくだいておられる」

「お偉いさんて聞いてたけど大変だ、戦争が終わったら会ってみたいね飛行艇でミチの国へ飛んで」

「歓迎するよ、老臣は驚くだろうけど」

「何処かの王子みたいだな」

そう言うとミチは少しだけ笑い頷いた。

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