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ひねくれた僕の、僕による、僕のための物語

作者: 梓志朗


 思えば、僕の人生はいつでもこんなものだった。


 愛情の欠片もくれないくせに、過剰な重圧を押し付ける父と母。

 浪費するだけしか能のない、商売の才能も無いくせに威張りちらす兄。

 僕を下に見てそれよりはマシだと、自分たちの方が幸せだと思っている召使共。

 自分たちだって大した才能もないくせに、出来損ないだと僕を馬鹿にする町の奴ら。


 誰もが僕のことを、下に見て嘲笑っていた。

 僕がバカだから気がついてないだろうって、出した舌を隠したふりして嘘の優しさを見せつけて。

 気がついていたさ、それくらい。分かっていたさ、それくらい。


 だけど僕はそれでもニコニコ笑ってやってた。

 バカみたいに、何も分からないふりして笑ってた。笑えてた。



 僕の唯一の光である彼がいたから。彼がいたから笑えていた。



 いつだって自信に満ち溢れていて、町の誰よりも強くてかっこいい彼。腕っぷしも強くて、男らしい彼。

 性格が良いとはお世辞にも言えなかったけれど、その傲慢さも気の強さも、ふてぶてしさでさえも。彼の魅力を強める材料の一つでしかなかった。

 誰もが彼のことを頼りにしたし、彼を中心にして町の若者たちはまとまっていた。若い女はみんな彼に憧れて虜になり、彼と付き合いたい、結婚したいと熱望していた。



 僕とは正反対の彼が眩しくて、羨ましくて、彼が僕の友人であることが誇りだった。



 だけど、楽しい時間はもうおしまいだ。

 小さな町で巻き起こった喜劇は、今日で幕を下ろす。


 僕が脚本をかき、僕自身や彼や彼女やあの男や、町に関わる様々な人間を登場人物にした、出来損ないの喜劇。

 成功するとは思っていなかった。だけど、万が一の成功を夢見ていたのかもしれない。


 僕の名前はムルシェ・ラゴ。王都でも多少名の知れた、ラゴ商会の次男坊だ。

 僕という人物を表すのに、それ以上の言葉は要らない。それくらい、僕というのは退屈で取り柄の無い男なのだ。



 そんな僕が作り上げた茶番劇が成功するはずなど、あり得ないことだったのに。




 **********




 僕の生まれた町トゥルースデイルは、ラゴ商会が仕切っていると言っても過言ではないようなそんな小さな町だ。

 この町でのラゴ家の地位は高い。町長よりも好き勝手出来るし、領主は何かとラゴ家に気を遣う。

 特に目玉の観光名所や特産品があるわけではない。それでもそれなりに繫栄し、賑やかな町である。

 物価がそこそこ安くて住みやすい、これからさらに発展していくだろう希望に満ちた町。それがトゥルースデイルである。


 そんな町だけど、僕にとっては居心地の良い場所では決してなかった。ただ、彼がいたからこそ、僕にとっても良い町であったに過ぎない。


 彼との出会いによって、僕は変われたのだと、それだけは胸を張って言えるから。




 体が小さく、愚鈍であった僕は、子どもたちの輪に中々入れなかった。それはそうだろう、僕が入った組は僕というお荷物を背負わなければいけないのだから。ラゴ商会もその頃にはまだまだちっぽけなものでしかなく、何の後ろ盾にもならなかった。

 動きも鈍ければ、気の利いたことを言うわけでも無い。遊んでも面白くない奴。話しても楽しくない奴。そういった扱いを、物心ついた時にはされていた。


 思うに、兄の様に金をばらまけば、もう少し良い待遇をされたのだろう。

 兄のように表面上はちやほやされて、慕われているかのように見下されていれば。

 だけど幼い頃から自尊心だけは高い僕には、そんな愚か者のふりはできなくて。ただただ遠目に他の子どもたちが遊んでいる様子を眺めているだけだった。


 だけど、カサドルの登場で僕の生活は一変した。


 彼は言った。「お前程度の軽いお荷物が、俺の足を引っ張れるとでも思ってんのか?」と。

 彼は笑った。「ほらな! お前如きが、俺の負担にすらなれるとと思うなよ!!」と。


 彼は僕を馬鹿にしてそういったのかもしれない。


 けれど。けれど、けれど。


 僕はその言葉が、嬉しくて嬉しくて、嬉しくて。涙が溢れた。初めて、僕がそこに居ても良いと言ってもらえたように思えて。初めて、受け入れて貰えてもらったように感じて。


 それからは彼に引っ付いて毎日遊んだ。森に川に、色んなところに。彼が行くところには、どこでもついて行った。

 邪魔だったかもしれない。疎ましかったかもしれない。それでも彼は、僕のことを除け者にしなかった。むしろ手を引いて、あちらこちらへと連れまわしてくれた。


 だから僕は僕で頑張ってみた。彼が不自由な思いをしないように金を稼ぎ、彼が自由に過ごせるように町でのラゴ家の地位を高めた。

 商売はそれなりに楽しかった。油断している相手の寝首をかき、慢心している相手の懐にもぐりこみ、おべっかを使い、ごまをすり。人の良さそうな笑みでニコニコしつつ、腹の中では舌を出し。


 彼のためにしていたことだったけど、何を勘違いしたのかバカな家族が調子にのったのは少し誤算だった。


「お前にも少しは取り柄があったんだな」

「ここまで育ててあげたんだもの、たっぷりと親孝行してちょうだい」

「まあ、俺が将来家督を継いでも、商売には関わらせてやるよ」


 汚く笑うバカども。何も知らないで、今ある幸せに目をくらませていればいいさ。いつか、お前らに目に物見せてやるからな。


 そうやって強がってみたところで、僕はどこかで期待していたのだろう。少しは認めてくれるのではないか、少しは僕のことを見てくれるのではないかと。

 ……強がって、虚勢を張って。未だに家族に期待して痛む心を、強がって意地を張って気取られないようにして商売に打ち込むことで慰めていた。


 だけど彼には、僕が元気が無いのはあっさりバレた。それもそうだろう。僕は彼にいつでも付きまとって、毎日ずっと一緒にいたのだから。


 彼は言う。「あんな奴らに期待するくらいなら、俺に期待しとけよ」

 彼は言う。「あんな奴らに賭けるくらいなら、俺に賭けとけよ。損させないぞ?」



 彼のそんな一言が、嬉しくて。僕はまた泣いてしまうのだ。





 そんなこんなで、両親や兄に期待どころか何の興味も無くなった頃。僕たちも大人と呼ばれる年齢になった。

 彼は町の警備団の団長になり、僕は相変わらず彼の腰巾着のようについて回っていた。


 町でラゴ商会の名が上がるのを馬鹿みたいに享受している家族がクソなのも変わりなかったし、町の奴らも僕のことを知りもしないで、腰巾着だ、腰抜けだと、僕のことを馬鹿にしているのも変わらなかった。


 警備団に入った彼はめきめきと頭角を現し、団長よりも団長として組織を率いていた。

 それはそうだろう。この町で彼ほど血気盛んで気概に満ち溢れ、他をまとめるにふさわしい男はいないのだから。

 少しばかり勝手気ままなその性格だって彼の魅力の一つであったし、年頃になって益々輝く彼の男前っぷりに敵う男など、この町には居なかったのだから。


 僕は子どもの時から変わらずいられるそんな彼が眩しくて、変わらず友人として隣にいさせてくれることがとても嬉しかった。

 だから僕も僕で努力した。彼が遊ぶのに困らないように商売に精を出し、町での発言権を高めるためにラゴ商会を大きくした。


 流石にこの頃には僕だけでどうにかするには規模が大きくなってきていたから、適当な孤児や奴隷を拾ったり買ったりして教育を施し、配下にしたりもした。

 後ろ暗いことだってした。でもカサドルのためなら、どんなことだって耐えられたし気にならなかった。自分の配下共には結構な無茶もさせたし、時には自分の手だって汚した。


 彼が楽しく生きていけるように。彼が何不自由なく彼らしさを謳歌できるように。それが小さい頃から変わらない、僕が生きるための目的であり指針だったから。



 だけど一つだけ、彼は変わってしまった。



「シェーン!」

「……カサドル」



 それがこの女だ。薬師の娘で、町一番の美人。

 収穫間近の稲穂のような金の髪、新緑の様に生き生きとした緑の瞳。すらりと細いのに生命力にあふれた手足、抜群の体つき。輝くばかりの美しさとは、彼女のことを言うのだろう。


 だけど彼女はこれまでほとんど町の奴らとの付き合いが無かった。彼女は本の虫で、自分の家にある薬草園に籠っている。

 しかも家は町から少し離れた森の近くだ。子どもが森に探検に行くにしても大人が薬草を取りに行くにしても、彼女の家の近くの森は鬱蒼としていて近づきたくなるものではなかった。

 そのせいか、町の奴らは彼女たち一家を下に見て、そこにしか住めない奴らなのだと馬鹿にすらしていた。


 けれども彼女が年頃になり、その認識は少し変わった。森の近くに住むという変わった一家ではあるが、彼女の美しさはそんなことでは陰りはしない。

 本当に目の覚めるような美人なのだ。町のちょっと可愛い女や、自意識過剰な女なんかじゃ太刀打ちできない。それどころか王都の若い女たちでさえ太刀打ちできないだろう、完璧な本当の美人だ。



 だからカサドルは彼女に恋をした。



 それはそうだろう。カサドルは一番が好きだ。

 そしてこれまで自分の力で一番をもぎ取ってきた。

 未熟な部分を鍛え上げる努力したり、勝負をして相手を蹴落としたり、どうしても難しければ僕の力を使ったりして、彼は自分が欲しいものは必ず手に入れてきたのだ。


 だから、絶世の美女ともいうべき彼女に目を付けた。いや、そんな言い方だと彼に失礼か。彼は本気で彼女を思い、彼女を手に入れようとしているのだから。



「今日こそ、俺と呑みに行こうぜ。本なんか読んでないでさ」



 この町で、カサドルの誘いを断る女なんていない。だってそれは、彼の特別になれたということだからだ。

 カサドルは誘われることはあれ、自分から誘うことは少ない。だって彼は特別だから。彼が自分から動かなくても、周りが彼を放っておかないのだから。



 だけど彼女は。



「遠慮しておくわ、カサドル。私忙しいの」


 だけどシェーンにだけは、その法則が通用しない。今のところカサドルの全戦全敗だ。

 大体が父親の手伝いという色気の無いものではあるが、理由をつけてカサドルの誘いを袖にしている。


 だが、誰か良い人がいると言う理由で断られるわけではない。だからこそ、彼は諦めない。いや、そんな男が彼女に現れたとしても、諦めないのだろうが。


「別にサボったって構わないだろ? あんなボロ屋で親父と籠っているより、俺と付き合う方が何倍も楽しいってこと、今日こそ証明してやるよ」

「……父の手伝いがあるから。ごめんなさいね、カサドル」

「あ、おい! 待てよっっ!!」


 彼女は、カサドルの引き留める声すら耳に入っていないかのように、足早にその場を走り去っていった。


 彼女は強い。この町の有力者である彼の誘いも簡単に断れるくらい。その凛々しさが眩しくて美しい。彼女のあの芯の強さこそが、彼女の美しさの源であるのだと、僕は思っている。

 けれども、それが万人に、ましてやこれまで順風満帆、女の子に断られたことが皆無のカサドルに理解できるかというと、それは無理だろうと思う。

 現に今もシェーンにすげなく断られたカサドルは、その秀麗な顔を歪めて悪態をこぼしている。


「ちっ! あの女、お高く留まりやがって!!」

「大丈夫だよ、カサドル。君の魅力があれば、彼女だってすぐに君の虜さ」


 そうは思ってないけれど、彼を励ますためにそう言う。

 彼女は、今のところ色恋に興味が無い。恋をするくらいなら薬草についての知識を深め、新しい効能の薬を作ってみたいと思うような女なのだ。


 それに多分彼女を自分の虜にしたいのなら、カサドルの強引な誘い方では逆効果だと思う。

 彼女は穏やかにゆっくりと愛を育める、そんな奴を好ましいと思っているようだし。


 まあ、僕の見解を伝えたところでカサドルには一蹴されてしまうだろうけど。

 僕がそんなことをつらつらと考えていると、歪めていた顔を引き締め、カサドルは自分の考えを話し始める。


「……ムルシェ」

「何だい?」

「お前、確か彼女と知り合いだったよな?」


 あー、そこに気がつかれたか。確かに商売上、僕と彼女は小さい頃からの顔見知りだ。

 彼女は薬師の娘であり、彼女自身も薬師だったから。彼女の父親や彼女の薬は王都でも通用するほど効能の高い一級品だ。これまで目を付けられてこなかったのが不思議なくらいに。


 その薬が一級品であるからこそ、僕は彼女たちとのかかわりを求めた。あの、人とかかわるのを好まない彼女たちと唯一と言ってもいいだろう交流がある商売人。それがラゴ商会というか僕だった。


 だけど、それをカサドルが知っているとは思わなかった。彼女たちとの交流は本当に細々としたもので、そう多くの人に知られているものではなかったからだ。


 まあ、ということはつまり、だ。そろそろ見守るだけの役割も御仕舞いということだろう。

 彼が僕に助力を求めるってことは、これは本気のやつだ。

 基本的にカサドルは自分の力を信じている。自分だけで何とかできると、そう本気で思っているんだ。


 だけど、何度も何度も彼女にすげなくされて、自分だけでは上手く事が運ばないことに気がついてしまった。


 だから彼の良く動く手足である僕を使おうとしている。


 彼の意思を最善の形で彼に施す僕を。

 


「彼女を、どうしても手に入れたいんだ」


 そうやって、真剣な顔をしてカサドルが僕に願うから。


「頼む、ムルシェ」


 そうやって、これまでにないくらい必死に僕を頼るから。


 それだけで僕の心は踊るのだ。

 彼が他の誰でもない、僕だけを頼るから。


 だから僕は練りに練って、恋愛喜劇の脚本を作った。

 成功すれば御の字。失敗しても決してカサドルには何の泥もつかないような脚本を。




 だけど結果は、ご覧の通りだ。




 ***********




 彼女が、キラキラと輝く笑顔で微笑んでいた。

 向かい合う男も、キラキラと幸せそうな笑顔で微笑んでいた。


 あーあ。失敗してしまった。カサドルは茫然とした顔で、二人のことを見ている。

 ごめん。君にそんな顔をさせたくなかったからこれまで頑張ってきたのに。ごめん。僕の力が足りなくて。


 せめてこの場面だけは見せないようにしたかった。カサドルが本気でほしがった彼女が、恋する瞳で愛しい男を見つめるなんて、反吐が出るほど素敵な最高潮の場面なんか。


 ああ、やっぱり僕程度の策略なんて無意味なんだなあ。バカな無能共なら簡単に転がせたのにな。僕程度が考えたことなんて、簡単には引っかかってはくれないよな。


 悲しくはないけど、つまらなくはある。後悔はないけど、残念ではある。


 彼女が幸せそうな表情でいるのは、正直別にどうでもいい。

 あー、幸せなんですかそうですかハイハイおめでとー、ってな具合だ。

 別に彼女の不幸を願っていたわけじゃないし。幸せを願っていたわけでも無いけど。


 愛しい男との再会がひと段落したのだろう。今彼女は悲しそうにこちらを見ている。

 いや別に、そっちで盛り上がっててもらって構わないけど。

 僕みたいにこれから最底辺に行くような奴見たら、お前まで不幸になっちまうぞ? なんて、自嘲気味に思う。



「さて、これまで色々とやってくれてありがとう。これからはこちらの番だ」


 彼女をそっと抱き寄せたまま、男が笑いつつカサドルに宣誓する。

 それは勝利宣言であったのだろうし、この後はこちらに一切手出しさせないという宣戦布告だったのだろう。

 格好つけているところ悪いけど。宣戦布告する相手が違うんだなあ。


「な、何のことだ……?!」


 ほら、お前の急な敵意に充てられてカサドルが慌てている。この場で現状が一番理解できていないのは、もちろんカサドルだろう。だって彼は、今回の件の全容をほとんどを知らないのだから。


「白を切るつもりか、見苦しい」

「……だ、から!何のことだと言っているっ!!」



 彼は僕に「いつもの様に」頼んだだけ。僕は彼の望みを「いつもの様に」叶えるだけ。カサドルはそう、当たり前のように思っているはずだ。

 今回の策略であの男と彼女が巻き込まれた事件についてカサドルは何も知らない。だからあの男の怒りは全く理解できないのだ。


 しびれを切らしたのか、早く事態を解消したいのか。

 男は「まあ、いい」と言いつつ配下に指示を出す。カサドルを捕らえ、そして事件の全容について吐かせるつもりなのだろう。

 ということは、だ。賢いはずのこの男は黒幕である僕に気がついていない、ということになる。


 普通だったら、ここで僕は黙って事態を見ているのが得策なのだろう。

 カサドルが捕らえられ、何も知らないカサドルは何の情報も出せず、ただ無駄に時間を浪費するだけだ。

 その間に僕は出来るだけ遠くに逃げる。そうすれば、僕は何の咎も背負わぬまま新しい人生を歩めるだろう。それこそ、これまでのしがらみを全て捨てて。



 だけどそれは僕の望むことではない。

 


 僕を見て、彼女は悲しそうな痛ましいものを見るような顔をする。まあ、優しい奴だし賢い奴だからな。これから僕がしようとしていることも、想像がついているのだろう。


 辛い顔するくらいなら、見るなよ。悲しく思うくらいなら、好きな奴の胸の中に閉じこもっておけよ。せっかくの美人が台無しだ。その顔はいただけない。駄目だろそれは。

 今お前は、幸せの絶頂にいるんだから。

 笑えよ。僕がこうなってしまったのは、自業自得なんだから。



 お前も分かっているだろう?



 僕の望みは、願いはいつだって一つだけなのだ。

 その邪魔は、誰にもさせない。



「ご、ごめんなさいっ!!!」


 ごめんカサドル。もう、僕が取れる手はこれしかないんだ。

 悪いなシェーン。もうちょっとだけ、僕の茶番に付き合ってくれよ。


 そう二人に心の中で話しかけながら、僕は最後の舞台に立つ。ここを乗り切れれば、きっとカサドルにとっては悪い結果にはならないはずだ。


「っごめんなさい、ごめんなさいっ!!違うんです、まさかこんなことになるなんて!貴方たちを貶めるつもりなんて無かったんです!!本当なんです!!っぁ、失敗しちゃった、失敗しちゃっただけなんですっ!!どうしよう、どうしよう!違うんです、そんなつもりじゃなかったんです!!そ、そうだ、僕は騙されただけなんです!何でも話します、話しますから、どうかどうか、命だけはっっ!!!」


 喚きながら泣き叫びながら、僕は話し始める。頭を一生懸命に働かせて演技をする。

 どうすれば、カサドルに迷惑が掛からないか。どうすれば、カサドルの名に傷を付けないで済むか。

 ここにいる奴らを、カサドルでさえも騙せるように。

 ここにいる奴らが、僕にとっての最善を選んでくれるように。僕の術中にはまってくれるように。



 僕が持っている残りの手札でできる、最後の悪あがきを。





 僕はそれから王都の貴族すらも巻き込んだ、壮大な物語をぶちまけた。

 僕のぶちまけた話のおかげで、それからの動きはめまぐるしかった。

 まあ、少しの脚色はあるけれどほとんど事実だしな。黒幕であり実務を務めていた僕が認めれば判明する事実は多かった。


 彼女を拉致監禁しようとしていたことも、貴族共が男をはめて貶めようとしていたことも、僕が色々と小細工していたことも。

 様々な地位の人間が、今回の事件を利用して甘い汁を吸おうとしていたことも。全部全部話した。

 それは何とか罪を軽くしようと悪あがきする小物そのものだったと思う。まあ僕は元々小物だから、小物らしさは素でできるけど。


 今回の計画での誤算は、彼女の度胸と賢さ、あの男が胡散臭い得体のしれない男ではなく隣の領地の領主様だったこと、僕の配下共が思った以上に感傷に流されてしまったこと、この三つだな。


 まあ、僕が駄目だったところは大げさに脚色させてもらったけど。

 それ以上に他の奴らの罪を暴くのに力入れたし。

 あの男が賢ければ、僕のような木っ端をどうにかするよりも、その上の奴らを狙った方がより利益が大きいことは理解してもらえたと思うがどうだろうか。



 そんな風に泣きわめき、卑屈になりながらも全てをぶちまけた僕は、そのまま尋問という名目で男の屋敷に押し込められた。

 もちろん勝手に逃げたり死んだりしないように、寝台以外は何もない地下の小さな部屋だったけど。

 それでも今の僕にとっては上等の待遇だと思う。正直なところ、牢に押し込められようと、全ての情報を吐いた後に処刑されようと文句は言えない立場だったし。



 もし不満があるとすれば、カサドルが現在どうしているかということ。それだけだ。



 僕からの情報を基にラゴ家の悪事は全て公のものとされ、加担した者たちの捕縛や聴取が行われた。

 ラゴ家の資財は全て没収。そしてラゴ家の商人の資格のはく奪。

 対応も対策もする間がない程の、あっという間の出来事だったそうだ。

 彼女のことがある前から準備していたのだろう。その手際の良さに僕は感心した。やっぱり僕程度が、麗しくも賢い二人を敵に回すこと自体が間違ってたんだろうな。


 悪いことは全部、微妙に隠しつつもラゴ家を隠れ蓑にしていた甲斐があったというものだ。

 それにそこまできちんと調べてくれるような相手が敵に回ったことも僥倖だった。いつか潰してやろうと思っていた我が家だ。

 今回の事で完膚なきまでに潰され壊されたのだから、再興はあり得ないだろう。愉快でたまらない。


 両親も兄もいきなりのことに驚愕し、喚き狼狽えた。

 しかし無能な彼らは現状を打破するでもなく、僕を無様に攻め立てただけだったそうだ。

 まあ、彼らは今回の件では巻き込まれただけの被害者と言えなくもない。急に安寧の生活が崩壊したのだから。


 しかし、彼らは自分たちが悪事に加担している自覚はあったはずだ。

 賄賂に偽証、高利貸しに他者の蹴落とし。

 弱者には暴力を、強者には従順を。

 そんな不安定な基盤の上に立つ豪奢な生活。それがいつまでも続くはずがない。


 両親や兄がどうなったのかは知らないし、さほど興味もない。まあ、惨めにのたれ死んでくれればいいかな、と思う程度だ。

 使用人共も路頭に迷ったことだろうが知ったことではない。あいつらもうちの業を知っていたのに、それを見て見ぬふりして甘い蜜を吸っていたのだから。いつかこうなることくらい予見して無かったとは言わせない。



 僕にとって大事なのは、カサドルが幸せであること。

 カサドルがカサドルらしく、何の憂いも咎も無く、楽しく生きていけることなのだから。




 その部屋に閉じ込められてからどれくらい経った頃だろうか。

 ある日の夜半過ぎのことだ。部屋の外からこつこつと足音が聞こえてきた。足音は確実にこの部屋に向かっているようだ。


 これは実はかなりの異常事態だ。僕がこの部屋に閉じ込められてゆうに1か月は過ぎているが、この時間帯に誰かがこの部屋に来ることなど初めてのことなのだから。

 そんな風に僕が訝しんでいると、この屋敷の主であるあの男が現れた。


「やあ」


 ……少し、驚いた。

 この男がこの部屋へとやってきたのは初めてのことである。そもそもこの男は僕には興味がないようで、最初に僕が捕らえられた日ですら僕に一瞥すらくれなかったのだから。


 怯えたふりをして、目を逸らす。考えなくては。こいつが何のためにここに来たのだろうか。考えなくては。


 にやにやとしながら、男が僕の前に立つ。

 こいつの目的はなんだ。もう全ての真相は分かったはずだし、こいつの巻き込まれた事件も解消しているはずだ。

 ならばなぜ。しかも今になって、こいつは。


「訳が分からない、という顔をしているね」

「………」

「君のことは、彼女から色々と聞かせてもらったよ。いやいや、中々面白い奴なんだね、君は」


 笑顔の胡散臭い奴だと思う。だけどそういう奴は今までたくさん見てきた。そして僕はそういう奴らを手玉に取ってきた。

 今回、この男が僕に話しかけてきたのもただの与太話ではないはずだ。

 考えろ、こいつが今さらになって来た意味を。僕なんかと話にきた意味を。


「なに、そんなに怯えなくてもいいよ。ちょっとした頼みごとがあるだけさ。あ、もちろん断ってくれても構わないよ。ほんとほんと。でももし、君が今から聞く話が気になったら、嬉しいとは思うけどね」


 そうして男が話し始めた頼みごと・・・・に、僕は。





***********





 乗合馬車がゆっくりと動き出し、爽やかな空気が馬車の中にもふんわりと漂う。

 ぼんやりと眺めるともなしに窓の外に目をやる。爽やかな春の景色ではあるが、僕の心には何の感慨も湧かない。これでもうこの町に戻ってくることは二度とないだろうというのに、だ。


 それもそうだろう。僕が愛しいと思っていたこの町での暮らしは、僕の中にある想い出は、ただカサドルとの日々なのだから。



 もう僕には想い出以外には何もないし、何もいらない。



 ふと、あの部屋を出てからの一ヶ月を思い出す。

 この一ヶ月というもの、これでもかという程の知識を詰め込まれた。この王国についてだけではなく、世界中の政治情勢や地理気候、歴史に文化、装飾、流行。はては食事事情まで。

 まあ、知識はどれだけあっても無駄にはならないからな。勉強自体も不得意ではないし、特に苦でも無かった。


 それよりも辛かったのは、これまでほとんどやったことの無かった護身術だった。それはこれまでの生活との違いを否が応にも意識させた。

 これから僕が相手をするのは、上流階級のなまっちょろい奴らだけではないのだ、と。




「お願いっていうのはね、君に死んでほしいんだ」

「…………は?……」


 男は頼みごとがあると言って、何でもないことのようにあっさりとそう口にした。

 僕は僕で大混乱だ。お願いじゃなくて、単なる処刑宣告である。

 断れる余地などどこにもないではないかと思いつつ、頭の冷静な部分では「ああ、ようやくか」と思ってもいた。


 カサドルの役に立てないのならば、生きていても仕方ないし。他に未練があるわけではないし。

 まあ、僕の人生なんてこんなものである、とそこまで考えたところで、男はにやにやとしながら話し始めた。


 ムルシェ・ラゴはこれまで犯した罪によって、一切の反論も弁護も許されず処刑されることになった。これまでの罪を考えれば当然であり、家族が処刑されなかったのは領主の温情ともいうべき処遇であろう。


 しかし処刑はすでになされたという。男の話はそこからが本題だった。

 自由に気軽に使える使い捨ての駒が欲しかった男は、僕を使うことを思いついたらしい。

 新しい町に行って商売を始め、その地に網を巡らせ情報を手にし、あの男の領地経営を盤石なものにする。そして男の敵と成り得るものを排除する。


 僕が断っても良し、僕が受け入れても良し。男にとって一切の損はなく、僕にとってもどちらかといえば得になる話だった。


 僕は一旦考えてみることにした。これはかなり分の悪い仕事である。これまで似たようなことをやってきたとはいえ、これまでのようにはいかないだろう。


 そもそもあの町で僕がそれなりに成果を得られたのは、ラゴ家という下地があったこと、シェーンたちの薬を独占できたことが大きい。加えて僕にはカサドルという原動力があった。カサドルがいたからこそ、僕は頑張れた。


 まあ、カサドルのためになるというのはこれからもそうだけど。やりがいだけで商売がうまくいくのなら、商売人はみんながみんな成功しているだろう。

 

 しかしこれからは違う。

 今の僕の持ちうる力は、あの男から与えられる軍資金と、これから向かう町で待っているはずのあの男の配下だけなのだから。

 失敗すれば誰にも知られずに死ぬだけだろうし、成功してももっと辛く険しい任務を命じられるだけかもしれない。というか、それくらいしか僕の使い道なんてないだろうし。


 だけど僕はそれを受け入れた。


 奴は言ったのだ。『そうすれば、彼のことは悪いようにはしないよ。最大限彼が望むように、取り計らってあげるからさ』と。



 そんな話を聞いたならば、僕の取れる手段は一つだけだ。



 僕はあの町を出て、あの男の手下として生きていく。それだけでカサドルのこれからの人生が晴れやかなものになるのならば、安い物だと思う。

 僕がこれからは直接何かをしてあげられなくても、あの男の庇護下に置かれるのだとすれば悪くはないだろう。……僕自身が二度と、彼に会えなかったとしても。


 まあ、感傷に浸るのはこの程度にしておこう。どうせ僕はもう、引き返せないのだし。



 そう、僕はやると決めたのだ。他の誰のためでもなく、僕自身のために。

 これまでの人生と何の違いがあるのだろう。

 僕は僕のために、カサドルの幸せだけを願い続けるのだ。そう考えれば、何だって乗り越えられるさ。





 新しい町は、それなりの規模で活気づいていた。未だ発展途上といった感じで、新しい建物も多い。

 若者も多く、これからさらに人口は増えていくだろう。


 しかし発展途上ということは、それだけ僕のような余所者も入りやすく、後ろ暗い人間も多くなりやすいということだ。

 つまりは僕はそういった輩をのさばらせないための駒である。

 もしすでにそういった輩がいるのならば、取り込むか、排除するかの二択だ。

 ……僕としては前者を望むが。


 とりあえずは、この町の特産や特質を探るべきだろう。書類上では特に何もなさそうなところではあるが、現場でないと見えないものもあるだろうし。

 特に何もなければ、これから発展させていけるだけの余地があると考えた方が良いだろう。あの男からお払い箱にされないだけの働きは示さないと。




 そして、男の配下との待ち合わせ場所へ向かう。それは町によくある公園で。まだ時間も早いからか人もまばらだ。これから密命を帯びた人間が初顔合わせをするには、いささか空気が澄みすぎている気もするが。


「お待ちいたしておりました」


 そう言って、そこに居たのは見知らぬ若く有能そうな男と。


「「ご主人様!」」


 あの町に置いてきたはずの、僕の配下だった者たちだった。


 状況について行けず茫然とする僕に、有能そうな男は言う。これまでの僕の所業は私利私欲にまみれ、決して褒められたものではない。しかしその手腕は素晴らしいものであった。

 流行の先を見据える先見の明、貴族の懐に入っていく処世術、そして部下を上手く使う掌握術。それらがあったからこそ、今回の事態の規模は大きくなったのだろうと。


 元々僕が持っている力をこの町で十全に生かすには、配下はそのままの方が上手く回るだろうと、あの男はそう考えたそうだ。

 しかし端からかつての部下をそのまま使えることにしていたのでは、僕が本当の意味で男の駒に収まるかは不明であった。

 だからこその一ヶ月であった、と。僕に教育を施し、かつての部下を見極める期間であった、と。



 有能そうな男――ケレヴという、あの男の犬だ――に世間話として後々教えてもらったのだが、僕の配下たちは、かなり優秀であったらしい。

 侍女や侍従としてはもちろんのこと、偵察や護衛としても良い人材であったとのことだ。

 だけど、とても扱いづらい人材でもあった。なぜなら彼らは「僕の」配下であった、とうことだ。


 僕に命を救われたとか、僕に生かされたとか。そんな戯言を言っていたらしい。

 そんな御大層なことをした覚えは無かったが、まあかつて使っていた奴らの方が慣れていてこちらも使いやすい。これでこの町での活動もそこそこやりやすくなったというものだ。





 それから僕はがむしゃらに働き、この町に根を張っていった。

 あの町でのやり方とは異なり、表には決して出ずに、ゆっくりと慎重にしかし確実に。

 歯向かう者は陰からじんわりと排除し、次の芽を育てさせないように動いた。





**********





 この町に来て、それなりの基盤ができて。蒔いた種が芽吹き、余計な雑草や根を丁寧に除去し。その頃には季節が一巡していた。

 終わってみればあっという間だったが、その時は中々成果が出ず結構なじれったさがあったものだ。



 ようやく一息つけたからだろうか。僕の心にある空虚に気がついてしまったのは。



 そもそも僕は野心家ではないし、こうした策略が好きなわけでも商売が好きなわけでも無い。ただただひとえに、好きな男の笑顔が見たいという下卑た思いだけで生きてきたのだ。


 あの男が約束通りにカサドルのことを取り計らってくれているだろうという、ただそれだけが僕の今の心の支えなのだ。

 しかし、その心の支えは目には決して見えないのだ。そして、きっとこれからも見ることは叶わないのだろう。


 それが自分で決めたことの末路であり、僕にとっての罰だとは言え辛く苦しいことに変わりはない。

 空虚を意識した頃から、僕はぼんやりとすることが増えた。仕事の手は決して抜かないが、それでも気力だけでどうにかなるものではないことは分かっていた。


 配下共が心配して声をかけてくれても、有能な男が気を遣って普段見せない優しさを見せても。

 僕の心は大して慰められなかった。我ながら、性格がひねてしまっているとは思うが仕方ない。

 彼らはカサドルではないし、今後もカサドルの代わりにはなり得ないのだから。




 仕事がひと段落していたので、周りの勧めもあり一人公園へと散歩に出かけた。

 この町に初めて来たときに訪れた場所であり、僕が色々と考え事をするときに訪れる場所でもあった。


 公園の奥まったベンチに腰を掛ける。ぼんやりと眺めるとはなしに、そこから見える風景を見る。家族連れや恋人たち、小さな子どもたちは友人と楽しそうに遊んでいる。


 その風景は、僕が望んでも手に入れられなかったものであり。この先も手にすることは無いだろうものだ。

 それを悲しいと思ったのは、いつのことだっただろうか。諦める方が楽だった僕には、思い出せそうにも無かった。



 これまでも、これからも。

 僕は一人で生きていかなければいけないのだ。

 それが僕には、相応しいのだろう。



 だけど。



「一人は、寂しい……な」


 言葉にすると、それは僕の心に強く重くのしかかった。

 ああ、そうか。僕は寂しい。

 カサドルが隣にいない、その事実が悲しく、辛い。心が、押しつぶされそうだ。



「……カサドル……」



 君の名を呼んでも、応えてくれる声はありはしないというのに。



 ある訳が無かったのに。



「呼んだか?」



 その声は。僕が絶対に間違えることのない、その声は。


 僕は信じられなくて、勢いよく顔を上げた。

 僕の幻聴でないことを確かめたくて。僕の妄想であることを否定したくて。



「俺に期待しとけって、言っただろう?」



 そこにいたのは、ずっと僕が焦がれていた人で。

 以前と変わらない顔で、当たり前のように立っていて。

 とてもじゃないけど、信じられなくて。ぱちぱちと瞬きを繰り返す。それでも、彼は消えはしなくて。


「………カ、サドル…?」

「そう、カサドルだ」

「……ぅ………うそ、だっ……!……君が、こんなところに、いるわけ……っ」

「俺みたいな良い男がそうゴロゴロ居るわけないだろ?」



 そう言って笑った顔も。不遜な態度も。あの頃と何も変わっていなくて。

 いや、以前よりもむしろ精悍で、気品のあるたたずまいに思えた。


 カサドルが、その長い脚を使ってこちらにどんどん近づいてくる。その姿はとても、とても気高くて。

 いつまでも見ていたいのに、僕の視界はどんどんと歪んで。目からあふれるもので彼の周囲は輝いていった。



 ざり、と彼が僕の前に立つ。



 僕はあふれ出る涙をぬぐうこともできず、彼を見上げる。

 ああ、最後に見た時よりも背が高くなった気がする。体も厚みを増し、さらに格好良くなった。



 僕の救世主。



 こんな、僕だけに都合の良い展開があっていいのだろうか。こんな。

 僕のために用意されたかのような、そんな物語なんて、あり得るわけが無かったのに。なのに。


「ムルシェ」


 彼が、優しく僕を呼ぶから。


 呼んでもいいのだろうか。彼の名を。

 確認してもいいのだろうか。彼の存在を。


「ムルシェ」


 僕はあの日以上に無様に泣き叫びながら、彼へと一歩を踏み出した。




 

 主役になんて、一生なれるはずがなかった。なろうとも思っていなかった。

 主役なんて輝く存在は、決して僕ではあり得なくて。僕は良くて脇役か、物語を支える端役でしか無くて。



 だけど。



 一生に一回だけなら、主役になることを望んでもいいのだろうか。

 彼の隣で、新しい物語を紡いでいっても良いのだろうか。



 これは、ひねくれた僕の、僕による、僕のための物語。



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