1/9
出会い
昔から、
両親以外の『人間』が苦手だった。
例外が出来たのは、小学4年生の頃。
彼は転校生として、私の前に現れた。
その当時の彼の容姿は、例えるならビスクドール。
人間味を感じさせない、子供ながらに美しいと賞賛される容姿に私は目を奪われた。
両親以外に、初めて興味を持った『人間』を、私は逃したくなかったのだと思う。
好きで、『人間』が苦手なわけじゃない。
孤独は常に幼い私を蝕んでいた。
周りで楽しそうに、テレビやゲームの話をする同年代の子供達を羨む気持ちだって持っていた。
それでも、その輪には入ろうと思えなかった。
そんな私の目の前彼が現れたことは、必然だとさえ身勝手に思った。
気づけば、彼の前に立ちはだかり、手を伸ばしていた。
それは、縋るように、願うように、
「私をあなたの側にいさせてください」
そう、わたしは口にしていた。
彼は一瞬、ビスクドールの顔を歪ませ、驚きを見せたものの、それを許してくれた。
7年経った今でも、それは許されている。
昔の面影を残しつつも、美しさはそのままに青年へと成長した‥‥三浦 春馬の側に私は居続けた。