第七話 災難の風呂
家に戻るともう家具屋が配達しにきていた。
仕事がはやいなあ...
家具屋に家具を配置してもらい、一息つく。
『はあ〜疲れたー』
『お疲れさまです。』
と言い、紅茶をくれる。
『おおありがとうチェリッシュ』
『いえいえこれが私の仕事ですから』
『このあとはどうするかなー』
『そうですね、もう日が暮れてきましたので夕飯の準備をしたいとおもうのですが。』
『そうだな』
『では私が食材を買ってきます』
『あっ俺も行くよ』
『いっいえ、ご主人様は休まれててください!』
『えーいいよ俺も行くよ』
と俺も無理やり行く。
市場に行き、野菜や肉、パンを夕飯と明日の分も買い込む。
そして家に戻り、夕飯を作り始める。
チェリッシュは私が作ります。といっていたが、俺も一緒に作った。
『よしこんなもんかな?』
『すみません手伝わせてしまって!』
とペコペコ謝っていたが俺がやりたかっただけだからと流す。
『よし!じゃあ食べるか!』
と俺が席に座るとチェリッシュが床に座った。
『えっ?なんで床に座ってるの?』
『えっと奴隷は普通床です。イスには座りません。』
『あっそうなの?でもいいよイスに座りなって!』
『あっはいありがとうございます!』
『よし!じゃあ食べるか!』
『えっ?私もよろしいのですか?』
『いいって!だから二人分作ったんだから!』
『私はてっきりご主人様が二人分食べるものだと』
『チェリッシュの分もあるから』
『ありがとうございます!』
『じゃあいただきます!』
『いっいただきます』
夕飯はパンと野菜スープと肉を焼いて塩コショウをかけたものだったがかなりうまかった。
『ふうっごちそうさまでした。』
『ごっごちそうさまでした。』
チェリッシュが食器を片付けてくれ、俺は風呂が、ないことを思い出した。
『なあ、風呂ってないのか?』
『お風呂ですか?お風呂は貴族や王族など身分が高い人が入るものです。普通の人は濡れた布などで身体を拭きます。』
『へぇーそうなのか』
ちょっと残念だな、だが日本人として風呂は入りたい。タブレットにないのかな?
タブレットに浴槽と入力し検索する。
おっあるみたいだな。てかこのタブレットなんでも出てくるんだな。
浴槽の種類はたくさんあり、檜のものや五右衛門風呂などがあった。
やっぱり日本人として檜の浴槽だな。おっ!大きさも選べるみたいだな。
大きさは、縦240cm、横480cm、深さ50cmのものにした。
場所は一階に広い部屋があったからそこにしよう。排水機能もあるしな。
さっそく風呂を設置する。おおっ、やっぱりでかいな。さてさてお湯を入れるかな?
お湯を浴槽にいれちょうどいい水量までいれる。
『チェリッシュー?』
『はい!』
『風呂沸かしたからさ、あとで入りなよ』
『えっ?お風呂ですか!?えっでも浴槽なんてなかったですよね?』
『うん、なかったよ』
『でっでは!どうやって!?』
『んー?あとで教えるよ』
『わっわかりました』
『じゃあ先に風呂入るわ』
『はい、わかりました。』
湯船に浸かり浮遊力に身を任せる。
『ふぃー、いい湯だなー』
風呂に入ると鼻歌を歌いたくなってしまう。
『ふんふんふふーん♪』
と鼻歌を歌っていると。
後ろでガチャッとドアがあく音がした。
『失礼します』
えっ?と一瞬脳がフリーズしてしまった。
チェリッシュが身体にタオル一枚の姿で浴室に入ってきたのだ。
白い肌にたわわな胸、そして長く茶色髪が身体にまとわりついていた。
そして俺は正気に戻り、ばっと後ろを振り向いた。
『なっなんで入ってきたんだ!?』
『ご主人様のお背中を洗わなくてはなりませんから。それに奴隷館の先輩にこうすればご主人様は喜ぶと言っておりました。』
『俺はいいから!』
『ご主人様はチェリッシュのことが...お嫌いなのですか...?』
目に涙をため今にも泣き出しそうになっていた。
『きっ嫌いじゃないが』
『なら良かったです!』
ぱぁっとひまわりみたいな笑顔を広がるチェリッシュはかなり可愛かった。
まあ元はかなり可愛いいんだけど。
『はぁ仕方ない。じゃあ一緒に風呂に入るか?』
『はい!』
ちゃぷんとチェリッシュが入ってくる。風呂は広いから問題はないがチェリッシュがジリジリと俺に迫ってくるのだ。身体に巻いたタオルも透けてるし。
『なっなんでそんなに近いの?』
『はい!ご主人様の近くにいたいからです!』
ははっ、引きつった笑いしかでてこねぇよ...
今まで恋愛とか女のこととか遠ざけてきたからな。
風呂から上がりベッドに倒れこみそのまま意識を俺は手放した。