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第十二話 救出

もう日が落ちかけ、太陽が茜色に染まりカミールから見える海へ沈もうとしていた。


『神谷隊長!ヘリの準備と攻撃の準備が整いました!』


そう報告してきたのは女性型兵士アンドロイドだ。戦場にむさくるしい男だけじゃつまらないだろ?戦場には華が必要だ。


『分かった、アルファチームを出発させろ!』

『了解、アルファチーム、出発!』


女型アンドロイドが俺の命令を全部隊に伝達する。

すぐに2個大隊を小隊ごとに乗せたVー22、オスプレイが作戦目標へむけ、次々に発進していく。


『俺たち、ブラボーチームはアルファチームが攻撃開始したら出発する!』

『了解!』


俺はデルタフォースの分隊を率いてアルドとカルマを救出する。グローバルホークからの映像を見るとまだ生きているが、いつ殺されるか分からない状況だ。

そして、敵の数は3000以上はいることが確認できた。まあ、アルドとカルマが救出できたら戦車部隊と装甲車部隊を編成してやつらを殲滅する。爆撃機やミサイルを使うとカミールを跡形もなく消してしまうのでそれだけは避けたい。アリサの故郷でもあるし、アリサも故郷が無くなるのはつらいだろう。


ピーピーと音がなり、通信機から連絡が入る。


『こちらアルファチーム、こちらアルファチーム、敵との交戦を開始した。繰り返す敵との交戦を開始した。』

『了解、そのまま敵を引きつけておいとくれ』


グローバルホークからの映像を見るとアルドとカルマの周りに50人ぐらい残し、あとはアルファチームの方に行っていた。


今がチャンスだな...


『ブラボーチーム出撃だ。』

『了解』


ブラックホーク二機に乗り込みアルドとカルマの場所まで行く。


10分ぐらいでアルドとカルマの場所から500m手前までついた。

ブラックホークをホバリングさせ、リペリング降下する。


『よしっ!GO!GO!』


ブラックホークからロープを垂らし、デルタフォースの隊員が次々に降りて行く、最後に俺も降り周りを警戒する。


『よし、二列縦隊で四方を警戒して行くぞ』

『『『『『了解』』』』』


ナビゲーターの通信手から指示を受けながら前進する。


アルドとカルマが捕まっている場所まで500mのとこまで行ったところでアルドとカルマを発見した。

周りにはミノタウロスみたいな牛と人間が合体したやつや、オーク、そしてキマイラだ。

数は50体ぐらいでオークが30、ミノタウロスが15、キマイラが5だ。


『デルタ1、2分隊を率いて、やつらの裏から攻めろ。やつらの裏に着いたら、着いて3分後に戦闘開始だ。こちらはデルタ2、3、4を率いてアルドとカルマを救出する。』

『了解』


デルタ1が二分隊を率いて敵の裏へ移動する。

あとこちら側にいるのはデルタ5、6だ。

こいつらは射撃支援をさせる。


『デルタ5、6は俺たちの射撃支援だ。』

『『了解』』


敵にさらに接近し、瓦礫を陰にしながら前進する。


そろそろだな....89を握り直す。


パッパパッン!!

裏へ周った二分隊の攻撃が始まった。

やつらの注意が二分隊へそれる。


『よし!デルタ2、3、4!行くぞ!』

『『『了解』』』


走りながらオークやミノタオロスの眉間へ鉛玉を撃ち込んでいく。

頭じゃないと、身体に当たってもそれほどダメージはないらしい。


近接武器しか持たないやつらを殲滅するのは簡単だった。


『ヴモォォ!!』

最後のミノタオロスが叫び声をあげながら倒れる。


『クリア!』


やつらを殲滅しアルドとカルマの元へ行く。

どうやらかなりやつらに痛めつけられたらしい。

顔は腫れ上がり、上半身は脱がされてアザだらけになっていた。


『おい!大丈夫かっ?』

『うっ...かっ神谷殿...すまない...』

『謝るのはあとでいい、早く脱出するぞ!』


デルタ隊員に担がせ、ブラックホークまで後退する。


『行け!行け!』


最初にアルドとカルマを乗せ、最後に俺が乗る。


『よし!出せ!』


パイロットに指示をだす。

ブラックホークがゆっくり上昇する。


『こちらブラボー、こちらブラボー、アルファチーム、応答せよ、アルファチーム、応答せよ』


だがいくら呼びかけてもアルファチームからの応答はなかった。

おかしい...なにかあったのか?

だがとりあえずはアリサのもとへ行かなければならない。


アリサのもとへ着き、ブラックホークから降りる。


アルドとカルマの手当てをし、安静にさせる。


『お兄ちゃん!』


アリサが俺の胸に飛び込んでくる。


んっ?今、アリサ俺のことお兄ちゃんって言わなかったか?


『なっなあ、今お兄ちゃんって...』

『うん!だってお兄ちゃんだもん!』


眩しいくらいの笑顔で俺の胸の前で上目遣いで見上げてくる。


あっやばい...かわいい...


『大丈夫だったか?』

『うん!お兄ちゃんの兵隊さんが守ってくれたから!』

『そうかそうか』


頭をなでながら返事をする。


アリサはえへへと喜んでいる。

嬉しそうだなー。


『隊長、ちょっと見てもらいたいものが...』


グローバルホークの操縦手に呼ばれる。

アリサにちょっと待っているように言う。


『アリサ、ちょっと待っててくれ』


操縦手がモニターを見せてきた。

モニターを見てみるとアルファチームが全滅していた。


『なにがあった?』

『それが最初は人型の魔物だけだったのですが、途中から敵の援軍が...』

『なに?』

『竜型、それと巨人型がかなりの数でした。』

『モニターを見せてくれ』


モニターにはかなりの数のモンスターがいた。

昔、西洋の魔物とかいう本に挿絵と一緒に書いてあったモンスターばかりだった。

サイクロプスに黒い鱗をもったドラゴン、オーク、オーガ、トロールなど様々なモンスターがいた。


『くそ!今すぐにウィリアム王国へ戻るぞ!』


必要のない戦車や装甲車を戻し、代わりにコブラやアパッチを10機ずつ出す。


『アリサ、ここは危ない。一回カミールを離れよう。』

『うん』

『大丈夫だ。うちに来れば安全だから。お父さんとお母さんはきっと大丈夫だ。』


アリサの手を引き、ブラックホークに乗せる。アルドとカルマもブラックホークに乗せ、最後に俺が乗り銃座につく。


『よし、出してくれ』


ブラックホークでウィリアム王国まで帰還する。


アパッチとコブラの部隊はさっきのやつらのとこへ向かわせ空からやつらを殲滅させる。


暗くなった空を見ながらブラックホークは上昇した。


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