第58話 『桜と厄神』
どうも、神夜晶です
今回は雛さんです
桜を厄で殺す事は、先ず有り得ませんので
御了承下さい!
でわ、どうぞ!
譲子が来てから数日が経った
この日の桜は料理本や小説を読んでいなかった
何をしているかと言うと……
「うんしょ……うんしょ……」
桜は家全体の大掃除をしていた
前々から考えていた事で
隅々まで綺麗にしようと思っていたらしい
「ふぅ~……お掃除は疲れますね
でも、綺麗になるのは気持ちの良い事です♪」
桜は微笑みながら額の汗を手で拭った
雑巾を水に付けて、再び廊下を拭いていく
「うんしょ……うんしょ……」
それから、雑巾掛けが終わり
昼も近いので桜は昼食を作る事にした
確りと手を洗い昼食のメニューを考えた
「う~ん……何を作りましょうか
もう時間も余りありませんし
うどんを作りましょう!」
メニューが決まった所で桜は早速作り始めた
うどんを準備して鍋に水を入れて出汁と共に沸騰させる
沸騰した鍋に、うどんを入れて少し待つ
少し待って、其処に肉と葱を入れた
数十分後に、うどんは完成した
「出来ました、お肉のうどんの完成です♪
それでは、丼に取り分けましょうか」
桜は丼を用意して、うどん、具材、汁を入れた
そして、座って食べようとした時に玄関がノックされた
コン!コン!
「すみませ~ん」
「は~い
何方でしょう……?」
桜は昼食時に「誰だろう?」と首を傾げ考えたが、待たせるのも嫌なので
玄関へと向かった
桜が玄関に付き扉を開けた
ガチャ!
其処に居たのは……
「こんにちは♪」
「こ、こんにちは
(綺麗な方ですね~
それにリボンがとても、お似合いですね♪
独特のアレンジと言いますか
個性的で良いと思います!)」
「お昼御飯中に、ごめんなさいね
貴方に会おうと妖怪の山から来たの」
「あ、そうだったのですか
立ち話しもなんですし
中へ、どうぞ♪」
「ごめんなさいね」
「いえいえ♪」
「(この子が秋姉妹と守矢神社の神が言ってた子ね
あの4人は好評しか言わなかったけど
そんなに良い子なのかしら?
確かに可愛い子ね
でも、厄が無いのはどうしてかしら?
普通なら誰にでも厄はあるのだけれど……
少し興味が出て来たわ♪)」
桜と訪問者は家の中へと入っていった
リビングへ着いて訪問者の目には、うどんが置いてあるのが目に入った
食事中と知り苦笑していた
そんな時に桜は訪問者に尋ねた
「えっと……」
「あ、自己紹介がまだだったわね
私の名前は鍵山雛よ
一応、厄神をしているわ」
訪問者の名前は鍵山雛と言うらしく
厄神をしているらしい
それを聞き桜は悲しそうな表情をして雛に聞いた
「厄神様ですか……大変ではないですか?
私の名前は神呪桜と言います」
「ふふ、心配してくれるの?
桜ね、確りと覚えたわ」
雛は悪戯っぽく笑って聞き返した
しかし、桜は真面目な表情で答えた
「はい、厄を管理するとなると
嫌な事とかもあると思いまして……
有り難うございます♪」
「えぇ、あるわね
でも、それに負けないように
厄を祓う事で笑顔を見せてくれる人を見るとね
そんな気持ちも吹き飛ぶわ
どう致しまして♪」
桜は雛に辛くないかと聞いて
笑顔を見れば頑張れると雛は答えた
雛の此処に来た目的は桜の厄を祓おうと考えていたのだが
桜の厄が全くないので心の中で「残念ね」と思っていた
しかし、桜の笑顔を見れているので
結局の所、変わらなかった
「そうですか♪
雛様は、お昼御飯は食べられました?」
「ふふ、様は要らないわ
いえ、まだだけど」
「様付けはさせて下さいね……?
宜しければ、ご一緒にどうでしょうか?」
「意外と頑固なのね
えぇ、桜さえ良かったら頂こうかしら」
「はい♪
椅子に座って、お待ち下さい!」
「えぇ、分かったわ」
桜は雛に昼食を食べてないかを聞いて
食べてないと答えたので桜は残りの、うどんを装った
そして、茶も用意して雛に渡して
二人は「いただきます」をした
「お先に、どうぞ♪」
「そう、分かったわ
なら、先に頂くわ」
「はい!」
「ふーふー……あむ……」
「……(ドキドキ)」
「美味しい……」
雛は先に、うどんを食べて
飲み込んだ後に感想を言った
余りの美味しさに目を見開いていた
それを聞き桜は微笑んでいた
「ふふ、良かったです♪」
「出汁も良く取れてるし
肉と葱ってシンプルだけど、逆にそれが良いわね
うん、美味しい」
「雛様に喜んでもらえて何よりです!」
「ふふ
(本当に良く出来た子ね
料理も上手で、さっきまで掃除をしてたらしいけど
何処を見ても綺麗だわ
こんな子が呪いを持つなんて……)」
桜は雛に喜んでもらえて嬉しいようだ
雛は桜に微笑んで内心では考え込んでいた
それから、昼食が終わり
桜は雛に聞きたい事があるらしく聞いた
「あの、雛様……」
「何かしら?」
「私に厄ってあるでしょうか……?」
桜の気になってた事は自分に厄があるかどうかだった
雛に質問したのだが、質問する表情がヤバかった
上目遣いに涙目と破壊力抜群だった
雛は桜に薄く微笑んで答えた
「ふふ、厄が気になるのね?
でも、安心して良いわよ
桜は厄が無いわ
(そう、桜には厄が無い
そんな事は絶対に有り得ない
神でも少なからずある
けど、人間で無いっていうのは可笑しいわ……
これが呪いの影響なら、とてつもない程の強力な呪いね
というか、上目遣いの涙目は反則よ……)」
雛は微笑んでいるが内心では笑っていなかった
流石の厄神も桜の上目遣いには勝てなかった
桜は厄が無いと知ると首を傾げて雛に聞いた
「そうですか……
それは良い方……なんでしょうか?」
「まぁ、余り良くないけど
沢山あるよりマシだから
そんなに気にしないでも良いわよ」
「それなら良かったです♪」
「ふふ、現金な子ね」
「あっ……(カァァァ)」
雛に大丈夫か聞いて大丈夫と知ると
桜は喜んだが雛に、からかわれて赤面していた
それを見て雛は面白そうに微笑んでいた
「照れちゃって、可愛いわね」
「ぁぅぁぅ……(シュ~)」
「(本当に可愛いわね
こんな子が呪いを持つなんて信じられないけど
頬の呪いが、その証拠ね
呪いに流通してる訳じゃないけど
私でも分かる
この呪いは……とてつもなく強力な呪いだとね)」
雛は色々と考えていたが、最後には考える事を止めて桜と話をした
二人は夕方まで楽しく話し合い
雛は夕方に帰っていった
桜は帰る時に「有り難うございました!」と礼を言った
その礼に対して雛は微笑んで返していた
どうでしたか・・・?
雛は、お姉さん的存在です
決して変態化してませんw
でわ、また会う日まで!




