番外編 『東方全嫌記』
どうも、神夜晶です
今回は・・・書いていて凄く辛かったですね。。。
序盤からシリアス全快です
最後にシリアスから解放されますけどね
最後の方で・・・私が出ます。。。
しかも、戦闘で・・・w
バグキャラとか言わないで!
今回は絶対記の命が出ます
この命は絶対記ではなくて・・・リリカルの方の命ですね
でわ、どうぞ
幻想郷の小さな家に
子供の泣き声が響いていた
母親の方は布団に横たわり
死去を迎える間近だった
母親は死を悟ったのか
子供に優しく最後の言葉を掛けた
「桜……」
「お母様……」
「桜に言っておかないといけない事があるの
聞いてくれる……?」
「何ですか……?」
桜と呼ばれた子供は
袖で涙を拭い返事をした
母親は辛い表情をしていたが何とか真剣な表情にして話し出した
「こんな事を最後に言うのは酷だけど
実は私達、“神呪”一族には
代々から呪いが受け継がれてるの……」
「呪い……?」
「えぇ、その昔に
御先祖様が神様の、お怒りを買ってしまって
その、お怒りが呪いなの……
そして、私も呪いで死ぬ運命にあるのよ……」
「それでは、お母様は……」
「そう、死去が近いのは
呪いの所為なのよ……
そして、私もだけど
桜? 貴方も呪いを受け継いでいるのよ……」
「え……?」
「神呪一族は二つの能力があるの
その能力はね
『呪いを受け継ぐ程度の能力』
『子供に呪いを受け継がせる程度の能力』なの」
「それでは、私は……」
「えぇ、貴方にも呪いが掛けられるわ
私が死んだら呪いの証が刻まれるのよ……
私の身体全体にもあるでしょ?」
「はい……
紫色の模様が……」
「そう、これが呪いなのよ
桜、良く聞いて?
呪いの事で御先祖様を憎んでは駄目よ?
そして、呪いの所為で寿命があるわ
だから、悔いの無い様に生きて欲しいの」
「はい、お母様……
必ず、悔いを残さない様に生きます……」
母親から悔いのない様に生きて欲しいと言われ
桜は涙を流しながらも笑った
「うん、良い子ね……
流石は私の子ね」
「はい、お母様の元に生まれて
本当に良かったです……」
「ふふ、その言葉を聞ければ
もう、何も要らないわ
桜、私は先に逝くけど……
ちゃんと一日一日を大切に過ごすのよ?」
「はい……」
母親は死去が更に近くなり
声も掠れてきていた
桜は更に顔をぐしゃぐしゃにして
涙が滝のように流れていった
「最愛の子供を残すのは忍びないけど……
神様が決めた寿命ですものね
仕方ないと言えば仕方ないわね……
桜……私の所に生まれて来てくれて有り難う……
本当に愛しているわ……♪」
母親は笑いながら逝った(言った)
それが母親の最後の言葉だった……
「お母様……私も愛しています……
……お母様……?
お母様……お母様ぁぁぁぁ!!!!
嫌ぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!」
桜の叫びと泣き声は家全体に響き渡った
そして、登場が遅れたが隣で座っていた父親
「神呪春」が無言で立ち上がった
桜は泣きながらも父親に声を掛けた
「お……父様……?」
「こんな筈じゃ無かったのに……
何で呪いなんか持ってるんだ!
くそぉぉぉぉおおお!」
「お父様!?」
父親は訳の分からない事を叫びながら出て行った
その後に桜は父親の姿を二度と見る事が無かった
それから、桜は自分一人で葬式の何もかもをしていった
相手が子供なのか料金を高く取ろうとしていたのだが
その場を経営者が見て通常料金となった
火葬と納骨まで終わり、桜は孤独を味わう事になってしまった
「お料理なんてした事ないですし
お掃除も、お母様の手伝いでしただけですし……」
桜は慣れない事に頭を悩ませながらも
料理や掃除をしていった
矢張り最初というだけあって上手くはいかなかった
具材はコゲて食べられなくなり
掃除は効率が悪いのか1日掛りで漸く終わったのだ
「私は駄目駄目ですね……
もっと確りしなくては!」
桜は頬を軽くペチペチと叩いて気合を入れた
それからというもの、桜には絶望の日々しか残らなかった
先ずは具材を売ってもらえない事
人里の者は桜を良しとしないので
肉、魚、野菜などの店は全て売ってもらえなかった
その事により桜の心を少しづつ闇が包んでいった
其処で見兼ねたのが人里の守護者「上白沢慧音」だった
「お前達、幾ら嫌いだからと言ってもやり過ぎだぞ?」
「で、ですが……」
「喋らなくても良い
ただ、材料は売ってやれ
それが出来ないなら
普段は力を振るわない私でも見過ごす事は出来ない」
「わ、分かりました……」
「ん、宜しい
この者達が悪かったな
それではな……」
「あ、あの!」
「すまない……」
「え……?」
慧音は人里の者に物を売るように言った
しかし、桜の声も聞かずに何処かへと行ってしまった
それも今にも泣き出しそうな表情をしながらだ
何か理由があるのか分からないが
桜は少しだけ心が晴れたような気がしたが
そんな心の晴れも長くは続かなかった
数年後、桜は5歳になった
季節は夏、この日は妙に寒さがあり
縁側から外を見れば世界が紅い霧に包まれていた
「どうして空が紅い霧に包まれてるのでしょうか?
確か……前に、お母様から教えてもらった事がありますね
誰かが騒ぎを起こす事を異変と……
このまま無事に終わって下されば良いのですけど……」
桜は異変が何事もなく無事に解決してほしいと願った
そんな桜の願いも虚しくも叶わなかった
自分に起こる異変が迫る形となった……
桜は縁側から部屋に戻った瞬間に身体に異変が起きた
ドクン!
「~~~~~っ!?」
突然、胸に激痛を走った
その所為でバランスを崩し倒れこんでしまった
桜は胸を押えて痛みを和らげようとしたのだが
それは叶わずに更に激しい痛みに見回れた
「あぁぁああああああ!!!???」
遂には声を荒げてしまい泣いてしまった
更には痛みが治まったと思うと、いきなり吐血した
「ごほっ!ごほっ!
うぇぇ……ごほ!こほっ!
ひゅー……ひゅー……」
桜の体力は無いに等しく
最後には息を吸う時に“ひゅー”という音さえも聞こえて来た
それから数時間後に桜は吐血も痛みも治まったのだが
部屋は無残な状態だった
布団の上には血溜りが出来ていたり
痛みで辺りの物を強く掴んだ所為で荒れてしまったりと
桜は少しづつ部屋を片付けていった
「呪いが進行していますね……」
桜は台所の鏡を覗き自分の頬を見た
模様は首筋まで進行していたのだ
桜は悲しそうな表情をしたが
別の事を考えて今は呪いを忘れる事にした
それから時が過ぎて桜が買い物をしてる時だった
ガッ!
ドサッ!
「おっと、ごめんね~
遂、足が出ちゃった」
桜が歩いている時に女性が足を引っ掛けたのだ
それにより桜は盛大に転んでしまい、周りから大声で笑われていた
桜は泣きそうになったのだが、無表情になる事で耐えていた
それを見た足を引っ掛けた女性が桜にビンタをしようとした時だった
「止めなさい!」
「っ!? 貴方は……」
「幾ら人間同士でも
それ以上するなら、私でも容赦しないわよ?
退治されたくなかったら消えなさい」
「チッ……分かったわよ」
そう言って女性は何処かへと歩いていった
桜を助けたのは博麗の巫女の「博麗霊夢」だった
人里の態度を見てイライラして桜を助けたようだ
辺りに散らばった具材を霊夢も手伝い拾った
桜は助けてくれた霊夢に礼を言おうとしたのだが……
「あ、あの……!」
「ごめんなさい、急いでるの
また今度ね」
「あ……」
霊夢は具材を拾い集めたら直ぐに何処かへ行ってしまった
桜は「あっ……」と泣きそうな表情に
手を霊夢に向けたまま固まって動けないでいた
それから桜は自宅に帰り食事を作っていた
初めて料理をした時からは大分上手くなっていた
手馴れた包丁捌きで切っていくのだが
台所、というよりは桜の自宅には包丁の切る音だけしか聞こえなかった
「……」
桜の頬には絶えず一筋の涙が流れていた
瞳もハイライトが消えそうになっていた
そんな日々を桜は約10年の時を過ごした
桜は13歳になっていた
身長や体重は変わらずに呪いだけが進行していくだけだった
現在、桜は……
「ごほっ!ごほっ!
はぁ……はぁ……」
布団に寝たままの状態だった
最早、歩く事が出来ずに手を少しだけ動かせるだけだった
桜は布団に寝たまま吐血していたのだ
「はぁ……はぁ……
そろそろですね……
この13年間……私は……
誰とも接する事も出来なかったですね……」
そう、何か揉め事が起きた時には助けられたが
それ以上の会話等は避けられていたのだ
何故、避けられたかは桜も分からなかった
ましてや、本人達でさえも知らなかった
「もし……生まれ変われるのでしたら……
沢山の……お友達と……家族が……欲しいです……
お母様……ごめんなさい……悔いが残ったままで……
私は……もう……」
その言葉と共に桜は目を瞑りピクリとも動かなくなった
数秒後に桜が居る空中に光が現れた
その光は段々と人の形を形成していった
「呪いが回り死んだか……
すまなかったな……あの者達を遠ざけたのは我だ……
お前を孤独にしたのも我だ
だが、お前は呪いという運命にも負けず
最後まで友達や家族が欲しいと願った
さぁ、生き返らせてやろう
そして、我と共に……
ん? なっ!? これは……!」
桜の目の前に現れたのは神々しいまでに光を放つ女性だった
この者こそが桜の先祖に呪いを掛けた神なのだ
神は桜を生き返そうとしたのだが
突然、桜は光の粒子となって消え掛けていた
その出来事に神は驚き粒子化を止めようとしたが
自分の力では出来ない程の存在が粒子化していたのだった
故に桜は粒子化していき、幻想郷から消えた
「有り得ない……何故、こんな事が……
しかも、あの光に纏っていた神力は……」
神はブツブツと呟いてたが
考える事を止めて光に包まれ何処かへと消えていった
~暗黒の世界~
此処は何も存在しない世界
あるのは、黒い視界に
何処までも続く果てしない世界
言ってしまうと「永遠の無」というのだろう
其処に桜は居た……
「ん……此処は……」
目を覚ました桜は辺りを見渡した
其処で桜はフッと頭に映像が流れ込んで来た
それは前世の映像だった
桜は死んだという現実に記憶を呼び寄せられたのだ
普通の人間なら泣いて喚いたりするのだが
桜は違っていた、呪いで死ぬ事は分かっていたので
泣いたりはしなかった
それ以前に、この場所の方が気になるようだった
「暗いですね……
とても冷たくて心が蝕まれるような感じがします
一体此処は……」
「何故、此処に人間の魂が存在している?」
桜が辺りを見渡していたが一向に何も見つからない
そんな時だった
禍々しい程の声が聞こえて来た
桜は辺りを見渡したが姿が見えなかった
「誰ですか……?」
「普通の人間には見えないですよ」
「そうだったか?」
「そうだぞ」
「え、えっと……?」
突然の声で桜は頭が混乱していた
しかも、聞こえるのは三つの声
桜の様子に最初に話し掛けて来た声が反応した
「あぁ、悪い悪い
今“姿”を見せる……」
「え……」
桜は目を見開きパチクリさせた
それもその筈だろう
姿を現したのは、とてつもなく巨大で
禍々しい化物が三体居たのだから
「ふ、流石に我等の姿には驚くか」
「当たり前です
こんな小さな子が驚かない訳がないですから」
「まぁ、泣き叫ばないだけマシだろう」
桜は数秒間、驚いていたが
直ぐに驚きの表情から微笑みへと変わり
三体の化物に、こう言った
「ふふ、皆さん物凄くカッコイイですね♪」
「「「……は?」」」
「え? 確かに普通の方から見ましたら怖がられますけど
ですが、私は怖くないですよ?
私は一人だったので……
誰かと一緒に居るのが、とても嬉しくて……」
「くくく……は~っははははは!」
「ふふふ……あはははは!」
「ふはははははは!!!」
「え? え?」
桜の言葉に三体の化物が突然笑い出した
その行動に桜は首を傾げていた
化物の1体が桜に話し掛けて来た
「あぁ、笑った
何で笑ったかと言うとな
お前がカッコイイとか言う出すからさ」
「ですが、本当に思った事を
口にしただけですよ?」
「その思った事が面白かったんだよ
普通は我等を見れば誰だろうとも泣き叫んだりするんだが
所が、どうだ? お前に関してはカッコイイと言った
これが笑わずには居られまい」
「そ、そうでしたか……」
「まぁ、良い
お前は、どうやって此処に来た?」
「それが分からないのです……
前世で死んだと思ったら
此処に来ていたのです」
「前世で死んだか……
どれ、少し見させてもらうぞ」
「え……?」
話し掛けて来た1体が、物凄い大きな指で桜の頭に触れた
その瞬間に桜の目の前に光に包まれた映像が出て来た
それは前世の出来事やら全部の映像だった
記憶の塊みたいなものだろう
それを三体の化物は見ていた
「成程……呪いで死んだか」
「こんな小さな子を無視とは……
でも、男の子なんですね」
「その神の呪いは、コイツの頬にある模様じゃないか?」
「そうらしいな
どうやら、魂にまで刻まれているらしい
全くもって、面白い
くくく……は~はっはははは!」
一体の化物が突然笑い出した
それに対して桜は意味が分からずに声を掛けた
「あ、あの……」
「あぁ、悪い悪い
お前は運が良い
普通なら此処に来た者は魂が消えたり
我等が消すのだが
お前に限っては魂が消えないし
我等も消さないでおこう
なに、時間など幾らでもある
沢山、話そうではないか」
「あ……はい!」
「ふふ、貴方も素直じゃないですね」
「ツンデレめ」
「お前達は黙ってろ」
化物の1体が桜に沢山話そうと言って来た
それに対して桜は微笑みながら返事をした
しかし、桜の瞳はハイライトが消えたままの状態だった
それから何時間、何日、何年、何十年、何百年、話したのだろうか
何時しか化物と桜は本当の親子ではないが
それなりの関係にあった
化物達は桜が面白く大切でたまらなかった
そんな時だった……
この永遠の無に何者かが入り込んで来たのだった
「何者かが来ましたね
十中八九、あの方でしょうね」
「そうだろうな、あの者だろう」
「最近、来ていなかったしな」
「どうしたのですか?」
「桜ちゃんは気にしなくて良いですよ
私達と戦って勝った人が来たのですよ」
「それは凄いですね~
皆さんと戦って勝てる人が居るなんて……
とても、お強いのですね♪」
「一応、絶対神なんてしてますからね~」
「「「っ!?」」」
「え?」
声が聞こえて来たのは桜の後ろだった
桜が振り向くと其処に居たのは……
「初めまして、迷える子羊さん♪
私は神羅命と言います」
「は、初めまして……
(わぁ~……
とても綺麗な方ですね
髪と眼が虹色に光っていて
凄く神々しくて……)」
髪と瞳と羽を出していて、それさえもが虹色に輝いていた
桜は見て感じた事を頭の中で思った
それを分かったかのように命は薄く微笑んだ
「ふふふ、有り難うございます」
「え……? 私って口に出してましたか……?」
「いえ、出してませんよ?
私は神なので
人の考える事が分かるんですよ」
「え、えっと……(カァァァ)」
「ふふふ、有り難うございます
さてと……貴方達?
少し、お話しましょうか?」
命は桜の頭を優しく撫でて三体の化物の方へと歩いていった
その表情は微笑んでいたが目が笑っていなかった
それに答えるかのように三体の化物は
「良いだろう……久々の戦闘だ!」
「あ、用事を思い出したので
これで失礼しますね」
「眠いから寝てくる」
「お前達!?」
「どうします?
此処で罪を認めれば許しますけど?」
「ふふふ……は~はっははは!
笑止、行くぞ!」
「この……お馬鹿さん!」
ズガン!
ズドォォォォオオオン!
命の踵落としが化物の1体に綺麗に決まり
頭から地へと物凄い速さで落下し世界を揺るがせた
それには桜も驚いていた
それも、その筈だろう
身長が150cm程の女性の踵落としで
地球を覆う程の化物を倒したのだから
「カッコイイ……です……」
命の姿に桜は知らない間に声が出ていた
化物の1体は地面でうつ伏せになり頭を命に踏まれていた
「全く、何故早くに私を呼ばないのですか?
この子が居るのなら早く教えて下さい」
「し、仕方ないだろう?
桜と話しているのが面白かったのだから」
「面白いですか……
ふむ、“邪神”である貴方が面白いですか
この子は何か特別なものを持ってるかもしれませんね
取り敢えず、この子に関する情報を教えて下さい」
「分かった」
そう言うと邪神の1体が指をピッ!と弾いた
すると、命の目の前に一つの光の球体が現れた
それは桜の過去だった
命は桜の過去を見て驚愕し桜の元へと歩いていった
そして……
ギュッ!
「あ、あの……?」
「辛かったでしょう?
誰からも必要とされずに無視され
巫女である彼女からも無視されて
貴方の心は既に壊れてしまいました……
ですが、大丈夫です
これからは私が一緒に居てあげますから
もう、貴方を一人にさせませんよ」
命は桜を優しくも力強く抱き締めた
そして、桜に話し掛けた
命から抱き締められて桜は心に暖かいという感情が戻りつつあった
「わ、私は……」
桜は何かを伝えたいのだが
涙が止まらずに上手く話せなかった
命は桜を抱き締めたまま優しく頭を撫でて落ち着かせた
「大丈夫です
私は……私達だけは貴方の味方です
決して居なくなったり傷つけたりしません
泣いても良いのですよ、桜ちゃん……」
「う……ぐすっ……
うわあああああああああああん!!!
寂しかったですよぉぉおおおおお!!
毎日!毎日!一人で過ごして!
誰からも必要とされずに!無視されて!
ああああああああああああ!!」
「よしよし……
(桜ちゃんの呪いは○○の呪い
何で、そんな事をしたのか分かりませんが
これは温厚の私でも許せません……
少し御灸を据える必要があるかもしれませんね)」
命は桜を抱き締めながら心に黒い感情を燃やしていた
そんな所に一つの気配が現れた
それに逸早く気付いた命は桜を抱き締めたまま振り向いた
其処に居たのは……
「命ちゃん、駄目ですよ?」
「お、お姉ちゃん?」
「えぇ、命ちゃんのお姉ちゃんです!」
神王こと神夜晶だった
予想外の正体に命は驚いたが
此処に来た理由を聞いた
「どうして此処に?
というよりも、さっきの駄目ですよの意味は?」
「此処に来たのは神の星から見ていたのと
命ちゃんが、その子の為に幻想郷を壊しに行くのを止める為です」
「どうして、止めるのですか!」
「確かに命ちゃんが向かえば敵う者は居ませんし
その子、桜ちゃんも喜ぶかもしれませんけど
それでは駄目なんです」
「どういう事ですか?」
「誰かにしてもらっては成長しません
自分の過去は自分で振りほどかなければいけません
その意味を……分からない命ちゃんではありませんね?
かつて、自分がそうだったように
桜ちゃんもそうさせなければ
何時までも過去を乗り越えられません……
歯痒いですが、此処は我慢ですよ!」
「お姉ちゃん……はい!」
神王の説教ではないが思いを聞いて
命は呆けていたが直ぐに微笑んだ
「分かってくれたようで何よりです
それでは、私は仕事があるのでコレで」
「あ、待って下さい」
「はい?」
「私は桜ちゃんが強くなるのを待ちますし
強くなる為に手伝いもします
それで我慢します……ですが!
お姉ちゃん、今から私と戦って下さい」
「何故、急に?
……あぁ、成程
そういう事ですか
ふふ、分かりました
良いでしょう、思う存分戦いましょう!」
「はい!
その前に、この子が寝ちゃいましたので
私の部屋に置いて来ますので
先に行ってて下さい」
「えぇ、分かりました」
ヒュン!
神王は瞬間移動をして何処かへと消えた
命は泣き疲れて寝てしまった桜を、お姫様抱っこした
「こんなにも軽いなんて……
この子を見ると……昔の私を思い出しますね
今まで孤独や絶望に見回れた分を私達が補ってあげますからね
ですから、今はゆっくり休んで下さい……」
命は桜を優しく撫でながら瞬間移動をした
その場に残ったのは無様に顔を地へと埋めていた邪神だけだった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
命は桜を自分の部屋に置き
ある場所へと瞬間移動をした
その場所とは……
「此処に来るのも久し振りですね」
「そうですね、前に此処で戦ったのは……
数億年前じゃないですか?」
「そうでしたね
あの時は他の星達が巻き込まれてしまいましたけど……」
二人が立っていたのは暗い世界……という訳ではなく
辺りに、ちらほらと点々とした光が見えた
それは……そう、星だ
つまり、二人は宇宙に居るのだ
しかも、ブラックホールを背にして浮いているという
有り得ない光景だった
「まぁ、今回は大丈夫……な筈です」
「其処は自信を持って言いましょう」
「さて、始めましょうか……」
「えぇ、私も数億年も身体を動かしてませんから
丁度良いですね
では、最初から本気でいきますよ……」
「望む所です!」
神王と命は互いに神力で身体能力を上げた
それも、とてつもない程にだ
数秒間、沈黙が続いたが
互いに虚空を蹴り動き出した
「ハァァァァァァ!」
「やぁぁぁぁぁ!」
ゴッ!
神王と命の拳がぶつかり合った
その瞬間……
ズガァァァァァアアアアアン!
宇宙全体が揺れた
二人は宇宙が揺れようとも、お構い無しに拳をぶつけ合った
その度に物凄い揺れが、この果てしない宇宙を襲う
「最初の技、いきますよ!」
「来なさい!」
「命流“次元連打”!」
ズガガガガガガ!
命は空中に、というよりも空間に拳で割れ目を作っていく
命の技は一見、衝撃波を飛ばしてくるだけに見えるが
これは衝撃波を溜めて、一気に解放するという技だった
命が次元を拳で割る数が多い程に威力が増すのだ
「ふふ、数億年前に受けた技ですね
ですが、その技の対処方はあります
ハァァァァァ……」
神王は拳に神力を纏わせていく
それだけで大気が泣いているようだった
神力を集めて数秒後に二人の拳が互いに突き出された
「やぁぁ!」
「ハァッ!」
ビキ!ビキ!
バリィィィィイン!
そして、二人の力が互いにぶつかり合い……
ズガァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
先程までとは違う物凄い揺れが宇宙を襲った
その衝撃波と共に辺りに光が走ったが
光で見えなくても二人は気配だけで殴り合いをしていた
「楽しいですね、お姉ちゃん!」
「ふふ、そうですね
ですが、まだ本気を出してない命ちゃんは……
私に一撃を与えられませんよ!」
「え? きゃ!?」
ズドォォォォオオオン!
命は遥か彼方へと吹き飛ばされた
その所為で軌道に合った星は砕け散っていた
「全ての力を解放しなければ
私には勝てませんよ?
命ちゃん、全ての力を解放しなさい」
「いたた……解放しなくても一撃与えられるかと思ったんですけど
無理でしたね……
分かりました、封印を解きます」
「ふふ、聞き分けの良い子は好きですよ♪」
「もう……///
ふぅ~……はぁぁぁぁああ!」
命は自分に付けている封印を解いた
その数は約1億だ
封印が解かれた命は徐々に神力が上がり……
遂には立っているだけで宇宙が揺れていた
「ふふふ……それで良いのです
では、私も……ハァァァァァアアアア!」
神王は全身に力を入れて神力を上げた
命と同様に立っているだけで宇宙が揺れる程の神力だった
「私は二回も変身してるのに
お姉ちゃんは変身も何もしてない……
それなのに私と同じ強さってどんだけですか!」
「言ったでしょう?
これは戦って来た歳月ですと」
「5000無量大数の方には言われたくありません!
もう、お婆さんを通り越して
何も残りませんよ!?」
「……(カチン)
お婆さん? ふふふ……」
「あ……い、今のは言葉の綾でして……」
「大丈夫です、痛くしませんから♪」
「お手柔らかに、お願いしますね……?」
「えぇ、お手柔らかに!」
「うきゅっ!?」
神王は歳の事を言われて少しカチンと来た
それに対し命に蹴りを入れて再び彼方へと吹き飛ばす
その際に命は変な声が出ていた
先程の吹き飛び方より全くと言っていい程に違った
まずは、その速度だ
一瞬で見えなくなって
軌道上に居た星達も数十秒遅れで爆発して消えた
それが、第2ランドの合図だった
「……!?
この斬撃は……成程
次は剣での勝負ですね
良いでしょう、私も本気の剣でいきます
“神王の剣”で」
命から放たれた攻撃は剣による衝撃波だった
それを見て神王は微笑みながら虚空から剣を取り出した
神王は自分だけに作った自分だけにしか使えない剣を出した
剣を持った神王は目にも映らない速さで向かって来る命の攻撃を防いだ
ギィィイン!
剣と剣がぶつかり音が宇宙に鳴り響く
すると、辺りを見渡すと次元が割れていた
「本気でぶつかり合うのも久々ですね!」
「えぇ!」
序に紹介しておくと命の剣は
終焉「絶対万象」という命にしか使えない剣だ
これを持つ者は全てを司り、どんな敵でも屠れると言われているのだが
命が許可しないで持つと精神崩壊を起こすので注意が必要だ
二人は互いに剣をぶつかり合ったり
時には大技を見せたりもした
そして、数時間後に二人は宇宙に静かに立っていた
「ふぅ~……
久々に動くと疲れますね」
「えぇ、動かないと体力も衰えますからね
そろそろ……終わりにしましょうか」
「そうですね!
究極奥義を見せます」
「それでは、私も見せましょうか」
「「……」」
二人が互いに剣を構えて目を閉じて瞑想をする
たったの数秒間だが
それが長くも永遠に感じられた
そして、その刹那……
カッ!
二人は目を勢い良く開いて振り翳した
「『絶対の斬撃』!」
「『神王の旋律』!」
カッ!
宇宙に暖かくも大きな光が走った
~時が流れ数百年後~
「桜ちゃ~ん」
「あ、お母様!」
「どう? 力の使い方には慣れた?」
「はい、大分慣れて来ました!」
「そっかそっか~」
「これも全て、お母様のお陰です♪」
「ふふん、僕にとっては容易い事だよ!」
「凄いです!」
「えへへ~」
あれから桜は成長していた
何が?と言われれば存在がだ
桜は魂から呪いを消されて神へと変化した
何の神かと言われれば春を司る神だ
相変わらずだが身長は変わらなかったが
姿は少し変化していた
瞳は桜の花弁が目に映し出され
髪は薄いピンクで腰まであるロングになり
背中にはピンク色の羽を生やしていた
桜は前世で絶望を味わった
しかし、その分の幸せもまた後になって返って来たのだった……
どうでしたか・・・?
初めて、1万文字超えた。。。
これも考えていた一つの番外編です
私はバグチートですm9(^Д^)プギャー
私の容姿? とある世界の科学が発達した女子中学生の佐天さんです
でわ、また次回に!




