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東方全愛記  作者: 神夜 晶
幻想郷大異変編
171/181

第145話 『未来と決別』

どうも、神夜晶です


今回は未来の桜が、何で過去に来たか分かります


シリアスが混じるので、苦手な方は戻るを押して下さい;;


今回だけ、未来の桜の「……」←を少なくします


でわ、どうぞ~

「さて、何処から話したものか……

そうだな、事の始まりから話そう」



『事の始まり?』



未来の桜は来た理由を話し出す

全員が首を傾げながら、理由を聞く



「あぁ、そうだ

何故、我が過去にまで来てまで

こんな事をするかの理由だ」



『……』



それを聞き、全員が真面目な表情をする

聞く態勢が出来て、未来の桜が話し始めた



「事の発端は今から数ヵ月後のことだった

現代から、神々が幻想入りを始めたんだ」



「神が幻想入りですって?」



神々が幻想入りすると聞き、数名が反応する

反応した者の代表で、紫が聞き返した

未来の桜は頷いて、答える



「そうだ、最初は忘れ去られたのだと

我等は思ったんだ

しかし、実際は違っていた……」



「どういう事ですか?」



「幻想入りして来た神々は……

ある者の術式に掛かった者達だった」



『ある者の術式?』



「あぁ、そうだ

それは、後で話そう

その後も何度も多くの神々が幻想入りを果たした

だが……それが間違いだったんだ」



『……?』



未来の桜が辛そうに話し出した

それを見て、全員は首を傾げる

未来の桜は重い口を開き、話し出す



「その術式に掛かった者達が

幻想郷で戦争を起こしたんだ……」



『っ!?』



「時既に遅く、幻想郷の居場所も知られていてな

物凄い数の神々が押し寄せて来た……

我等も必死に戦ったのだが……完全な敗北だった」



『……』



未来の桜は辛そうな表情から、遂には泣き出してしまった

口と握り拳から、血が垂れてくる

それ程までに悔しかったのだろう



「我は……我は……何も出来なかった……!

ただ……お前達が……そなた達が死ぬ姿を見るしか出来なかったんだ……!!」



『桜……』



「我以外が殺され……我の心は壊れた……

だが、そんな時だ

この力を手に入れたのはな」



「そうだったんですね……」



未来の桜の概念化は、絶望の中で覚醒したようだ

先程、桜が覚醒した力も同じような状況を作り、覚醒させた

どんなに嫌われようとも、恨まれようとも、神咲桜を強くする必要があったらしく

「自分と同じ目に合わせたくない」という、強い信念を持ち

幻想郷の全員に戦いを挑んだ



「我は、この力で神々を殺した

そして、我は孤独になった……

だが、そんな時に我に次元を渡る力を授けてくれた人物が居た」



「次元を渡るって、相当な力ね……」



そう、次元を渡れるのは相当な力の持ち主だろう

世界を渡るというのは、言葉では簡単だが、行為なると容易くはないのだ



「あぁ、そうだろうな

その授けてくれた人物とは……天之御中主様だ」



『誰……?』



「「「っ!?」」」



未来の桜に次元を渡る力を授けた人物は、天之御中主と呼ばれる人物だった

この人物は神なのだろうが、その名前に反応したのは、たった3人だけだ

それ以外の者達は、聞いた事が無いらしい



「聞いた事が無いのが、当然だ

この方は……宇宙を創られた、お方だ」



『っ!?』



「それ程のお方が、どうして桜に?」



「どうやら、我の悲しみが宇宙全体にまで届いたらしくてな

我の事が気に入ったらしい」



未来の桜の悲しみが宇宙全体にまで、届いたらしい

その悲しみが、創造神を呼び寄せ、気に入られたようだ



『この宇宙の創造神にまで気に入られるなんて……流石は桜!』



「ふふふ……有り難う

話を戻すが、天之御中主様に力を授かり、色々な世界を回った」



「この世界以外にも、回ったのですか?」



「あぁ、回ったのだが

殆どの確率で神々の黄昏は起こっていた……」



どうやら、他の世界も神々の黄昏が起こってるようだ

そうなると、この世界も確実に神々の黄昏が起きるだろう



「そうですか……」



「我は世界を回っては、此処と同じことを繰り返した

既に負けていた世界では、我が変わりに神々を倒したがな……

そして、やっと……やっとだ……

長い年月を掛けた甲斐があって、この世界に辿り着いた」



『……』



未来の桜は様々な世界を見て回った

その苦労と年月は誰にも計り知れないだろう

幻想郷の最年長の永琳でさえも、小娘と呼べる程の年月だ



「見て回った世界で、我を倒せる者は居なかったのだ

だが、そなたは我に打ち勝った

これで……安心して逝ける」



『え……? 逝く……?』



未来の桜は苦笑しながら、逝くと告げた

その言葉に全員が首を傾げる

しかし、その瞬間に全員が言葉の意味が分かった

何故なら、未来の桜の身体から光の球体が溢れて来たからだ



「先程、過去の我から剣を刺されただろう?

普通の剣なら、問題ないのだが

あの剣は我の消失剣と対になっているからな

我にも死を与えられる、唯一の剣だ」



「それでは……お姉様は……」



『……お姉様?』



桜が未来の桜をお姉様と呼んだ

それには全員が首を傾げていた

しかし、未来の桜は自分自身の事なのか、呼ぶ事は分かっていたようだ

未来の桜は、お姉様と呼ばれ、苦笑していた



「我を姉と呼ぶか

まぁ、大人になって分かったことだが

幼少時代の我は女より女っぽいのが分かったな」



『でしょ?』



「あぁ、恥ずかしい限りだ……

そなた達が、我を愛してくれたのが……良く分かった」



『あ、あはは……』



「過去の我よ、辛いと思うが

我の事は気にするな

これは本当に必要な事なのだ

我は全てを失った、あの日から決めていた

まだ見ぬ世界の我に倒される事をな

だから、泣くな……」



現在の桜は、自分の所為だと泣き出してしまう

未来の桜は微笑みながら、「大丈夫だ」と言い聞かせる



「ですが……

お姉様が消えてしまう必要は……」



「言っただろう?

我は倒されることを決めていたと

それに、我が倒されなくて、此処に居る者達は死ぬのだぞ?

そなたには、あの絶望が耐えられるのか?

愛する霊夢さんも死ぬんだぞ?」



「……」



「分かったら、笑ってくれ

泣きながら、見送られるのは辛いんでな……」



未来の桜は現在の桜を撫でながら、笑って見送るように言った

現在の桜は頷いて答える



「はい……お姉様!」



「それでいい

少し……(霊夢さんを借りるぞ)」



「ぇ……?」



「安心しろ、キスなどの行為はしない、抱き締めるだけだ

最後に違う世界だったとしても、恋人に別れを告げさせてくれ」



「……分かりました」



未来の桜は現在の桜に許可を取り、霊夢に別れを告げる

最後に恋人に別れを告げるのは誰もが望むだろう

霊夢に近付き、優しく抱き締める

抱き締められ、霊夢も優しく抱き返す



「霊夢さん……」



「桜……

何て言ったら良いのか、分からないけど

けど、これだけは言っておくわね

本当に今まで、頑張ったわね……お疲れ様」




「その言葉だけで……今までの苦労が報われるな……」



未来の桜は霊夢の言葉に涙を流す

霊夢は微笑みながら、桜の背中を優しく撫でながら、語り掛ける



「ゆっくり、休みなさいね……」



「あぁ……」



『桜、本当にお疲れ様

ゆっくり休んでね!』



「有り難う……皆……

さて、最後に託す物がある

過去の我よ、先ずはコレを受け取れ」



「これは……お姉様の剣……」



未来の桜が現在の桜に渡す物とは、消失剣だった

これを受け取れば、概念から外れた存在となり、敵が居ないに等しいだろう

だが、それと同時に桜は更に存在が外れることになる

それは、生きとし生ける物としては辛い選択だ



「そうだ、これは神咲桜である、そなたにしか使えない剣だ

これを持てば、そなたは……概念からも外れた存在となるだろう」



『それは……』



「私は……受け取ります

皆さんを守れるのでしたら

私は……化物になろうとも、構いません」



『桜……』



現在の桜は消失剣を受け取る覚悟は出来ていた

未来の桜から悲惨な未来を聞いて、化物になろうとも関係なかったようだ

それ程までに、幻想郷を愛しているのだろう



「よく言った、それでこそ、神咲桜だ

さぁ、受け取れ」



「……っ!?」



『桜!』



桜は剣を受け取った瞬間、地面に膝を付く

二つの存在から外れるのは並大抵の覚悟では、無理だろう

ましてや、13歳の子供がすることではない

だが、桜は立ち上がった

しかし、容姿などが変わっている

オーラが白と赤が燃え盛るように出ていて

髪の色が白と変わらず、毛先が赤くなっている

瞳の色も赤と変わらないが、まつ毛が白くなっていた



「凄い……」



「それは、そうだろうな

概念と“理”から外れた存在だ

そなたに勝てるのは、地球上では居ないだろう

さて、まだ言ってなかったことを言おうか」



『言ってなかったこと?』



「あぁ、先ほど言った

ある者と術式についてだ」



「後ほど話すと、言ってましたね」



先ほど言わなかった、ある者の正体と謎の術式を言うようだ

全員は「あー」と言った風に思い出した



「その前に……ガイアを呼ぶか」



『ガイア?』



ガイアという名前に桜以外の全員が首を傾げる

桜は微笑みながら、説明を始めた



「龍神様のことです

この前のこころさんの異変が起きた時なのですが

私が名前を付けさせて頂きました」



『良い名前だと思う!』



「ふふ、有り難う御座います」



「うむ、そうだろう」



『来るの、はやっ!?』



何時の間にか、龍神が来ていた

驚くのも、無理はないだろう



「では、話そう

神々の黄昏を計画し、実行したのは……」



『……』



「天照御神だ」



『なっ!?』



意外な人物の名に全員が驚愕する

それも、そうだろう

天照と言えば、太陽の神で有名だ



「あやつが、神々の黄昏をだと……?」



「これは、間違いなく事実だ

起こした理由は……仇討ちらしいな」



『は……?』



「ガイア、先代天照と戦って勝ったことがあるだろう?」



「あぁ、あるが……まさか……」



「その、まさかだな

父上が負けるはずがない!だそうだ」



どうやら、現天照は父親の負けが認められないらしい

ふざけた理由と思われても、仕方ないだろう

そのような理由で、戦争を起こすのだ

理由を聞き、全員が怒りを顕にする



『……ふざけてる』



「あいつ……あの時に殺しておくべきだったか」



「それは、それで問題だろう

過ぎた事は仕方ない

次に術式だが……これもふざけていてな

神咲桜を誰もが愛するように仕向けたのだ

そうする事で、神咲桜を取り合う形で戦争が起きた」



『……』



「呆れて何も言えぬな……」



最早、全員は呆れて何も言わなかった

しかし、このふざけた術式で神々の黄昏は起きたのだ



「さて……別れの時がようだ」



「お姉様……」



『桜……』



「そんな顔をするな

さっきも言っただろう、笑って見送ってくれと

さぁ、笑ってくれ

それだけで、我は安心して逝ける」



「はい……!」



『あぁ(おう)(えぇ)!』



未来の桜と別れの時間が来たようだ

次第に未来の桜の身体から、発光する量が増していく

最後に未来の桜は、現在の桜を近くに呼んだ



「過去の我よ」



「何でしょうか……?」



「辛いことなど、沢山あるだろう

しかし、後ろばかりを見るな

前を向いて歩いていけ

周りに居る者達と協力してな……」



「はい!」



「これは餞別だ、受け取れ

(文、シャッターチャンスだぞ)」



「(あややや!?)」



「んっ!?」



『おぉぉぉ!』



最後に励ましの言葉を未来から過去へと贈る

そして、何を思ったのか

未来の桜が、現在の桜に“キス”をした

しかも、文に写真まで撮らせたのだ

これには理由があるらしく、このキスで自分の経験したことの全てを渡すらしい



「こんなものだろう」



「ぁぅ……(かぁぁぁ)」



「とても良い写真が取れました!

有り難う御座います!」



『後で焼き回しを!』



「ふふふ……そなた達は変わらないな

では、未来を頼んだぞ……神咲桜」



「はい……!」



「そなた達も……過去の我を頼む」



『任せなさい!』



最後に励ましの言葉を全員に送っていく

そして、未来の桜が消える時が来た

光がパァァァァ!という音を立てて、足元から消え始める

未来の桜が全員に笑顔を見せて消えていく

その瞬間、後に未来の桜が居た、幻想郷の全員が現れたのだ

それには全員が驚いていた

恐らく、迎えに来たのだろう

気が遠くなるほどの年月を掛け、この世界を見つけた

「長い間、お疲れ様」と言っているのだろう



「絶対に未来を変えてみせますからね!」



『必ず変えてみせるから!』



「後は頼みましたよ……過去の私」



「っ!? はい!」



最後に消える瞬間、未来の桜が現在の桜と同じ姿に戻った

消失剣を現在の桜に渡したことで、その効力を失ったか

もしくは、役目を終えたので、元の姿に戻ったかのどちらかだろう

未来の桜が消え、沈黙が流れる

それを破るかのように、最初に桜が喋り出す



「皆さん!」



『桜……?』



「これからは私達の力で、戦争を止めなければいけません

必ず未来を変えて、お姉様に勝ったと報告しましょう!」



『えぇ(おう)!』



桜は今回の異変で、一段と逞しくなった

それは誰もが嬉しく思うだろう

こうして、幻想郷全土を巻き込んだ大異変は終わりを告げた

しかし、本当の意味で戦争は始まったばかりだ

各々は未来を変える為、桜を悲しませない為、戦争で生き残ると決める

そして、少しの間だけだが、何時もの日々が戻って来た

如何でしたか;;?


何で来た理由が、これとか・・・

天照さん好きの方は、ごめんなさい(´・ω・`)

他に良い案が浮かびませんでした・・・


今回は少し長く書けましたけど

これで大異変編は終わりです


ただ、神々の黄昏編は・・・

どうしようか、本当に悩んでます


活動報告でアンケート取りましょうかね;;


でわ、また次回に!

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