第143話 『壊れた幻想VS幻想郷(後編)』
どうも、神夜晶です
今回は天界から霊夢までの戦闘です
ちゃんと戦闘描写が書けると良いのですが・・・><
でわ、どうぞ~
次の戦いは天界の二人と地底の者達だ
本来は天子と衣玖の二人で戦う所だが
前回の戦いで負けている為、二人で戦うことが出来ないのだ
戦うなら「勝ちたい」、天子は、そう思った
だからこそ、本来なら協力して戦う事は無い
天子は最初から全力で戦う気満々だ
衣玖は衣玖で、天子が空回りしないことを祈るのみだった
地底の者達も戦う気満々で、特に勇儀と萃香が今にも襲い掛かりそうな雰囲気だ
「さぁ、戦り合おうじゃないか!」
「おう!」
「そうね、前は負けたし
今回は私達が勝たせてもらうわ!」
「私は平常運転でいきましょう」
「私達も勝つわよ」
「うん、お姉ちゃん!」
「そうですね、さとり様」
「前は何も出来なかったから
今日は絶対に勝ちますよ!」
それぞれが意気込みを語り、戦闘態勢に入る
壊れた幻想も戦闘態勢に入り、剣に力を籠めた
この中で近接をするのは、天子、萃香、勇儀だ
さとり、こいし、お燐、お空、衣玖、パルスィは遠距離攻撃を仕掛ける
壊れた幻想は弾幕を避けつつも、三人の攻撃を裁いていく
「……その程度では、我は倒れないぞ」
「だったら、これならどうかしら?
緋想「天の裁き」!!」
天子が新スペルを発動させる
このスペルは桜の「落雷「天より降り注ぐ雨」に似ていてるだろう
だが、違う箇所もある
それは、大地からもレーザーが襲うのだ
実質、逃げ場など無いに等しいだろう
しかし、壊れた幻想は天子のスペルを殴ることによって、回避した
普通なら、有り得ないだろう
レーザーを殴るなど、誰にも出来はしない
龍神でさえも、龍化しないと出来ないだろう
殆どの者は、それを見て驚愕する
しかし、勇儀と萃香は笑っていた
「いいね~
レーザーを殴るとか最高だよ!」
「そうだな
私達、鬼でも出来ないことだ!」
「ふん……!」
壊れた幻想は拳に力を入れることで、物凄い拳圧を生み出した
それにより、萃香、勇儀、天子を吹き飛ばす
その隙に遠距離攻撃を仕掛けている、五人に近付き気絶させようとする
しかし、前回の敗北が効いたのか、直ぐには終わらなかった
さとりは無言だが、避け続けている
こいしとお燐も、何とか避けれていた
お空も倒されないように避け続ける
衣玖は自分自身に電気を纏い、速度を上げて避けていく
パルスィは壊れた幻想に以前の何倍もの速度で弾幕を放ち、後退させる
「この間のようには、いきませんよ」
「皆で修行したもんね!」
「あたいも初めて修行して強くなったにゃ!」
「この間の不意打ちの借りを返させてもらうよ!」
「今度は貴方に負けてもらいましょう」
「この前の川に落とされた仕返しをしてやるわ
パルパルパルパルパル……!!!!!」
「……成程
この前とは違い、避け方などを本格的に覚えたという訳か……」
『そうだ(よ)!』
「……無駄な努力だな」
突然、壊れた幻想は挑発混じりの発言をする
それを聞き、全員が眉をピクっと動かす
怒るのも、無理はないだろう
今までの努力を無駄と言われ、誰もがキレない訳がない
「何ですって……?」
『私達の努力が無駄だって言うの?』
「我に攻撃が当たらなければ、意味がないぞ……
……それに、今の我は本気ではないからな」
「そんな負け惜しみ、聞きませんよ!」
『そうだそうだ!』
「では、少し速く動くとしようか……」
全員には壊れた幻想の発言が、負け惜しみに聞こえたようだ
しかし、それは負け惜しみではなく、本当の事だろう
概念化をすれば、霊夢さえも勝てなかったのだから
『っ!?』
壊れた幻想は全員に見えない速度で動く
そして、あっという間に倒される
先程、飛ばされた三人が近付いて来たが、口元が釣り上がっていた
「……何が可笑しい?」
「あぁ、ごめんごめん
私達は笑ってるんじゃないよ」
「そうだな
私達は嬉しいんだよ」
「アンタみたいな、勝てない存在に挑めるから!」
「良く言った……
……ならば、掛かって来い
文字通り、死ぬ気でな……!」
「「「おう(えぇ)!」」」
それから、三人VS壊れた幻想の戦いは長く続いた
時間にして1時間と言った所だろう
連携を三人で練習した訳ではない
しかし、三人の動きはピッタリと言っていい程だ
だが、最後に立っていたのは壊れた幻想だった
「……中々の動きだった
だが、我を倒すには実力が足らないな……
……もっと実践を積んで来い」
そう、三人に対して労いの言葉を掛けた
そして、次に戦う者達が前に出て来る
次に戦うのは命蓮寺の白蓮達だ
ナズーリン、響子、小傘、一輪、雲山、村紗、星、ぬえ、白蓮の全員が前に出る
全員での動きを練習したらしく、何か秘策があるようだ
前に出て、白蓮が最後の言葉を掛ける
「どうしても、止めて頂けないのですか?」
「あぁ、無理だ……」
「そうですか……
では、無理矢理にでも止めさせて頂きます
今度は……本気で!」
「……来い」
白蓮は辛そうな表情から、戦う者の表情になる
最後の最後まで、壊れた幻想に戦争を止めて欲しかったのだ
しかし、願いは届かず、戦いでしか分かり合えない
その事を思うと、白蓮は胸が辛くなるが
今戦わないと、後で後悔するだろう
だからこそ、全力で壊れた幻想を止めると決めたようだ
それぞれが自分の役割を果たし、壊れた幻想に仕掛けていく
弾幕が飛び交う中で、白蓮はピッタリと壊れた幻想に付いては近接を仕掛けていた
「ハァァァ!!」
「もっとだ、もっと攻めて来い……
……そんなものでは、我には届かん」
「言われなくても、そのつもりです!」
白蓮は更に速度と威力を上げ、拳を振るう
何故、スペルを使わないのか?
スペルを使えば、その瞬間に負けが確定するからだ
発動中に攻撃されれば終わると、白蓮は分かっていた
他の者がスペルを発動出来たのは、近接をする者が他に居たからなのだ
近接をする者は他に居ない
雲山と一輪も近接をするが、壊れた幻想に付いていけないと理解しているのだろう
だからこそ、遠距離に回り、白蓮に全てを託したのだ
「ヤァァァァァ!!!!」
「オァァァアアアアア!!!」
遂には、壊れた幻想も叫び出す
今の白蓮は、それ程の相手なのだろう
ドォン!ドォン!と遠くの方まで音が響き渡る
激しい拳のぶつけ合いだったが、白蓮の動きが鈍くなっていく
白蓮の体力に限界が来たのだ
普段から、余り戦わない白蓮は体力が少ない
1、2週間で、どうにかなるものではないのだ
それが仇となり、重い一撃を喰らう
「がふっ!」
「終わりだ……」
「うっ……私では届かないのですね……」
「……あぁ」
「ふふふ……後を頼みましたよ……
霊夢さん……桜ちゃん……」
「……」
白蓮は悲しみの表情をしつつ、微笑んでいた
霊夢と桜に全てを託し、気絶したまま、落下していく
落下地点に命蓮寺の全員が待ち構えていた
どうやら、白蓮が負けたら戦うのを止めるように言われたようだ
全員の傷付く姿を見たくないのだろう
命蓮寺が負け、次に戦う者達が前に出る
次の戦う者達は神子達だ
神子達の顔つきは、戦う者の顔つきだろう
全員の身体から、闘気が満ち溢れている
「今度は前のようには、いきませんよ」
「そうですわね
確実に息の根を止めてやりますわ!」
「私も頑張るぞー」
「布都、いくぞ」
「うむ、この前の借りを返さねばな!」
「この前の続きといこうかの!」
全員が、戦う気満々だった
特に青娥に至っては、殺す気満々だ
「……来い」
壊れた幻想が手招きする形で挑発する
挑発に乗る訳じゃないが、近接をする者は突っ込んでいく
近接をするのは、神子、マミゾウ、芳香だ
神子は剣、マミゾウよ芳香は素手で攻めていく
「その程度の剣術では、我には届かないぞ……」
「だったら、これでどうかしら……?」
「……ほう」
神子は腰に据えている剣を構え、眼を閉じて力を溜め始める
徐々に光が集まっていき、次第には見てるだけで眩しい程の光の量だ
思いっ切り目を開け、勢いよく剣を振り下ろす
「神光「宇宙より出でし極光」!!!」
この新スペルは心綺楼の「詔を承けては必ず慎め」の上位互換のようだ
スペル発動を腰の剣「七耀剣」を使い、発動することで威力が上がるらしい
心綺楼の「詔を承けては必ず慎め」はしゃくで発動するので、威力を抑えていた
しかし、これは完全に相手を殺す気の一撃だ
「ぐっ……」
ドォォォォオオオオン!!という音をさせ、壊れた幻想は光に包まれた
神子は息切れを起こし、肩で息をする
しかし、壊れた幻想からは眼を離さない
地に落ちた壊れた幻想は、ゆっくりと浮かび上がり、神子と同じ高さで止まる
「矢張り、効きませんか」
「……いや、これを見ろ」
「成程……
少しはダメージを与えられたようね」
壊れた幻想は傷付いた箇所を見せる
少しだけダメージを負わせた、それだけで神子は満足だった
しかし、これは戦争だ
勝たなければ、意味は無い
それが仇となり、一瞬にして神子は深い一撃を貰う
「ふ……ふふ……
私も……まだまだね……」
「「太子様!!」」
神子は血だらけで地に落ちていく
それを屠自古と布都が追い付いて受け止める
青娥と芳香は、諦めず攻めていくが、届かなかった
「駄目……でしたか……」
「ご主人……」
「芳……香……」
二人は仲慎ましく、気絶した
そして、最後に戦う者達が前に出る
それは正邪達、輝針城異変に関わった者達だ
「絶対に潰してやる……」
「正邪……いきましょう」
「やるわよ、二人共」
「「えぇ!」」
「ママの仇……許さない!」
何故か、こころも参加していた
どうやら、先程の桜が飛ばされた場面を見て、怒っているようだ
こころは精神的にも年齢的にも、まだ子供だ
怒るのも無理はないだろう
「……掛かって来い」
「「言われなくても!」」
「正邪、こころさん!」
少名が突っ込むのを止めるが、二人は聞かずに突っ込んでいく
矢張り、実力の差が違うので、遊ばれていた
他の者は見ていられないと、弾幕でフォローしていく
しかし、一向に攻撃が当たらず、全員の体力も減っていくばかりだ
痺れを切らしたのか、正邪が、がむしゃらに突っ込む
動きが単調で、隙が大きく、腹に一撃を喰らってしまう
「ごふっ……!」
「「正邪!」」
「この程度か……
……期待外れだな」
「よくも正邪を……
やぁぁぁあああ!」
「こころさん!」
「ふん……」
正邪がやられ、こころは怒りに身を任せ、突っ込む
少名が止めるが、矢張り止まらない
他の者とは違い、こころを手刀で気絶させるだけだった
それを見て、霊夢だけが目を細める
「……(やっぱりね)」
程なくして、全員がやられ、遂に霊夢の番となった
霊夢は祓い棒を持って、壊れた幻想と同じ高さに浮かぶ
「……あの時より実力が変わったとは思えないな
だが、いい殺気だ……」
「さぁ、いくわよ!」
「……来い!」
霊夢は前回とは違い、払い棒で攻める
そして、霊夢は自分自身の力で一段階上の強さに辿り着いた
その切っ掛けとなる技が、これだ
「神技「斬撃の嵐」!」
ジャキン!という音をさせ、霊夢は払い棒を振るった
それだけで1回の攻撃で、壊れた幻想に6箇所の傷を負わす
これは、壊れた幻想が妖夢に放った技だ
妖夢が霊夢に教えた訳でもなく、壊れた幻想が霊夢に喰らわした訳でもない
自分自身の力で、この技を完成させたのだ
この技を見て、壊れた幻想はフードの下で微笑んでいた
「遂に、この技を完成させたか……」
「何でも知ってるって訳……?
それは、そうでしょうね
何故なら、アンタは……」
「……言った筈だ
我に勝てたら教えてやると……
……不必要なことは避けることだ!」
「なっ!?
どうして、アンタが……この技を……」
霊夢が完成させた、神技「斬撃の嵐」をいとも簡単にやってのけた
その事実に霊夢は驚きを隠せない
「知りたければ、我を倒してからにするんだな……
……また余計な事を言おうとするなら
概念化してもいいんだぞ……?」
「それは……
(あの状態は流石の私でも無理だわ
戦いに私情を挟んで、あれになられたら
私は確実に終わる……
仕方ない……この状態で倒すしかないわね!)」
霊夢は祓い棒を強く握り直し、気合を入れる
壊れた幻想も同じように、消失剣を握り直す
「……覚悟は決まったようだな
今度は此方からいくぞ……!」
「くっ……!」
壊れた幻想は全力で霊夢を潰しに掛かる
その証拠に一振りが、全部6連撃なのだ
霊夢も負けじと、斬撃の嵐をぶつけていく
辺りにジャキン!ジャキン!ジャキン!という斬撃音だけが響き渡る
壊れた幻想は死なないので、後先考えず攻められるが
霊夢は不老でもなければ、不死でもない
1回でも受ければ、致命傷だろう
ましてや、6回分の攻撃を1回で受けるのだ
消失剣で傷を消滅させられるが、この状況の中で使わないだろう
「……どうした?
博麗の巫女は所詮この程度か……?」
「五月蝿い!
無駄口を叩く余裕があるなら
もっと攻めて来なさいよ!」
「……いいだろう
後悔するなよ……」
霊夢は間違いを起こした
それは、壊れた幻想を本気にさせたことだ
概念化しないと言っても、幻想郷の全員を一人で倒せる程だ
霊夢と互角の力を持ってると言ってもいいだろう
壊れた幻想は今まで以上に身体に力を入れ、動き出す
予想外の速さに霊夢も驚愕する
「ぐっ!?」
遂に霊夢は一撃を受けるが、負けじと反撃する
しかし、霊夢の一撃が全くと言っていい程に効いていなかった
「……矢張り、駄目だな
この程度では、我に勝てないぞ……
……終わりだ、博麗の巫女よ」
「……
(ごめん……桜……
後は……お願い……)」
最後の一撃を霊夢に喰らわした
その一撃とは先程の6連撃だ
壊れた幻想が霊夢に止めを刺す場面をやってきた、桜が見てしまった
前回の負けを聞いたのだが、目の前で倒されるのとは違う
最愛の者を倒され、桜の心の中に罅が入る
「霊夢……さん……」
「やっと来たか……」
「霊夢さんを……私の愛しい人を……
絶対に許しません……!」
「……こうなったのは、お前が弱いからだ」
「っ!?」
桜の表情は怒りと憎しみの染まり始める
其処に追い討ちを掛けるように、壊れた幻想が言葉で攻めていく
「違うと言いたいか……?
……悪いが、事実だ
お前が強ければ、我を止められた……
……お前が強ければ、我が来ることもなかった」
「それは……どういう意味ですか……?」
「そのままの意味だぞ……
……全部、お前が弱い所為だ」
「私は……確かに弱いです……
先程の一撃で知りました……
ですが、それと戦争を起こすことに関係あるのですか?」
桜は手が震えながらも、壊れた幻想に質問する
壊れた幻想は一切の容赦なく、残酷な現実を言い放つ
「あぁ、あるぞ……」
「それは一体……」
「……今、言ったようにお前が弱いからだ
理由は、それだけではないが……
……この際、他の理由はどうでもいい
今は、お前が弱い……
……その理由で十分だ」
「私は……」
桜は自分自身が弱いというイメージを頭に植え付けられる
それ故に歯痒い自分と壊れた幻想を倒したい想いがぶつかり合う
しかし、桜の精神が其処まで持たず、爆発する
「始まったか……」
「ぁ……あああ……あああああ!!!!!!」
どうやら壊れた幻想は、この状況を狙っていたようだ
その証拠に桜に変化が起こり、全身が産声を上げるように脈打っている
桜の身に何かが起ころうとしていた
壊れた幻想は黙って桜の変化を見つめる
そして、数秒後に桜の身体が光り始めた
「(成功か……?)」
光が次第に大きくなり、辺り一面を光が覆う
数秒後に光が止み、其処に居たのは……赤いオーラを纏う桜だった
それを見て、壊れた幻想はフードの下でニヤリと笑う
「……」
「(……成功したようだな
あぁ……長かった……
……この時をどんなに待ったことか
やっと、我の旅も終わりの時が来た……
……さぁ、最後の仕上げだ!)」
桜は何も喋らず、ただ浮かぶだけ
壊れた幻想は消失剣をしまい、「概念化」をする
桜(赤)VS壊れた幻想(白)が激突しようとしていた
どうでしたか;;?
今回は6000文字と長く掛けましたが
内容が伝わるかは不明・・・(´・ω・`)
書いてて思ったのが・・・
アリスと魔理沙を出し忘れた・・・_| ̄|○
二人が好きな方はゴメンなさい!
まぁ・・・うん・・・
次回は桜(赤)VS壊れた幻想(白)です
本当は桜の変化は次回で書く予定でしたが
余り長くなると、皆さんも飽きてしまうかもなので
今回の終わりから、覚醒させました
まぁ、勘の良い方なら・・・桜がどういう存在になったのか分かりそうですね
でわ、また次回に><




