第138話 『仙界と壊れた幻想』
どうも、神夜晶です
今回は神霊廟になります
困った時のみこえもん!
でわ、どうぞ~
星蓮船を後にし、再び墓地へとやって来る
其処には先程まで居なかった、芳香が居た
小傘に会いに来たのだろう
芳香は小傘とナズーリンの様子を確認している所だ
其処へ、壊れた幻想が近付く
「……宮古芳香だな」
「お前が二人をやったのかー?」
「そうだと言ったら……?」
「なら、私の敵だぞー」
「……掛かって来い」
芳香は自前の肉体の強靭さを活かし、接近戦を持ち掛ける
桜に両腕を動かせるようにしてから、芳香は近接の特訓をして来た
それが、このような状況で試されるとは思いもしなかっただろう
このような形でなければ、怒りに任せた攻撃もしない筈だが
だが、小傘とナズーリンを傷付けられ、怒りに任せた攻撃になっていたのだ
「このー!」
「そんな無鉄砲な攻撃……当たらないぞ」
「五月蝿いぞー!」
「……ふん」
「ぐぁっ……!?」
壊れた幻想は、つまらなそうに芳香に重い一撃を入れる
一撃を貰い、芳香は一発で満身創痍になった
「……終わりだ」
「青娥……ごめん」
芳香は気絶する前に青娥の名を呼んだ
壊れた幻想は、それを聞き手に力を籠め、握り拳を作る
力を籠め過ぎた所為か、拳から血が出ていた
「どんな時でも冷静にしておけ……
……それと実践経験もしておくのだ」
そう言い、壊れた幻想は芳香を治療し、先へと進む
次に向かったのは、神子が復活した霊廟だ
既に神子達は此処には居ない
では、何故、此処に来たのか?
それは、神子が新しい空間へと行く為だ
神子は退治されてから、新しい空間を作った
その空間の名前は「仙界」と言うらしい
仙界へと一番、繋がり易いのが此処なのだ
壊れた幻想は消失剣を縦に一閃した
それだけで空間が捻じ曲がり、目の前の景色だけがブレて穴が開く
其処は緑豊かな場所で、とても大きく煌びやかな場所だった
「往くか……」
そう言って、穴の中へと臆することなく入る
中に入ると、まさに別世界だった
そして、目の前で待っていたのは、先ほど戦った芳香の主
青娥が待ち構えていたのだ
「貴方が芳香を倒してくれたようですわね」
「……あぁ、そうだ」
「では、会って早々ですが……
死んで頂きますわ!」
芳香を倒したことを聞き、微笑みから真面目の表情になる
壊れた幻想は剣を構え、挑発した
「掛かって来い……」
「言われなくても、そうさせて頂きます!」
青娥は自前の弾幕で攻撃していく
しかし、従者が従者なら、主も主だろう
芳香と同じように、青娥は怒りに任せた攻撃しか出来なかった
その為、僅か数分という短い時間で決着が決まったようだ
「……お前も怒りに任せた行動は止めろ
せめて、冷静で居られるくらいにはなってから来い……」
そう言い、青娥を治療して、次へと進む
少し進むと、大きな屋敷があった
これこそが、神子達が住む屋敷だ
入ろうと門前を見るが、門前で目的の人物が待ち構えていた
そう、神子、屠自古、布都だ
代表で、神子が口を開いた
「貴方ですか、この世界に入って来たのは」
「……そうだ」
「あぁ、皆まで言わなくて良い、目的は分かっておりますから
此処に不法侵入してきたってことは、それ程の覚悟はありますよね?
どの道、貴方の処罰は変わりません
それに仲間をやられて黙ってるほど……私は優しくありませんからね!」
神子の言葉と共に後の二人が突撃して来る
それを壊れた幻想は難なく避けていく
約1時間と屠自古の電撃、布都の風水で攻撃をするが、全く効かなかった
神子も応戦したのだが、通じなかったのだ
それでも、諦めずに神子達は戦う
例え敵わなかったとしても、諦めたら終わりなのだ
「貴方なんかに……青娥と芳香が!」
「絶対に負けられない……!」
「我等が集えば、誰であろうとも負けぬ!」
「大地の裁き……」
「「「っ!?」」」
三人が一斉に攻撃し、壊れた幻想に当たるかと思った
しかし、後一息の所で、何かの技を使ったようだ
壊れた幻想は「大地の裁き」と呟いた
先ず、神力を纏った足で地面を叩く
すると、地面から巨大な四角の柱が数本も出て来る
三人は、その衝撃派で攻撃を中断し、上を見た
その瞬間に柱が一気に落ちてくる
ドォン!ドォン!ドォン!と何回も神子達に柱を叩き付けたのだ
数秒後に全ての柱が一斉に落ちて来て、全ての柱は壊れてしまう
砂煙が止むと、神子達は瀕死状態になっていた
このまま治療しなければ、確実に死ぬだろう
だが、“死ぬ”というそんなことをさせる筈もなく
直ぐに三人を治療を施した
「……すまない、恨んでも構わん……」
そう言い残し、仙界を立ち去っていく
次に向かったのは人里の近くにある森だった
其処に居たのは……
「何じゃ、お主は?」
「お前を倒す者だ……」
「ほう、ワシを倒すとな?
いいじゃろ、相手になろうぞい」
「……往くぞ」
二人は武器をぶつけ合う
壊れた幻想は消失剣を、マミゾウは酒の瓶をぶつける
ガキン!という音が辺りに木霊していく
普通の剣などなら、消失剣によって折られるのだが
マミゾウの酒瓶は特別で、普通の剣なら折る事が出来る程の強度を持つのだ
壊れた幻想は近接で攻め、マミゾウは弾幕で攻めていく
「お主、中々にやるのう
ワシ以上に強いようじゃ」
「分かっていて挑むか……」
「諦めたら……死ぬも同然だからの
それに最後まで抗って、カッコ良く死にたいのでな!」
「……今まで戦って来た者達に教えてやりたい台詞だな」
「若い者は気合が足らんみたいだのう!」
「全くだ……!」
マミゾウは勝てないと分かっていても、挑み続ける
根っからの武人や戦闘狂ではないが、言ってしまえば面白いもの好きだろう
勝てないと分かっていても、挑む、それがマミゾウにとっては面白くて仕方ないのだ
マミゾウは約数時間と粘り続けた
それは過去最高と言っても良いだろう
「矢張り勝てなかったか……
だが、お主との戦い……悪くなかった……」
「……そうか」
「あぁ……また戦いたいものだ」
「その願い……後に敵うだろう」
「ふ……期待しておるぞい……」
そう言って、マミゾウは気絶する
気絶した表情が、満足して楽しそうな表情をしていた
それを見て、治療を施す
「……お前の強さ確りと見届けたぞ」
壊れた幻想は満足そうな表情でマミゾウに呟く
マミゾウの頬に触れ、懐かしむような感覚だった
数十秒と短い時間だが、壊れた幻想にはそれだけで良いらしい
壊れた幻想はマミゾウの壊れた酒瓶を直して、次の場所に向かった
如何でしたか・・・?
今回も余り戦闘描写が無かったです;;
マミゾウさんが何故か戦闘大好き娘に・・・!?
書いてて、あれ?と思いましたw
次回は輝針城となります
心綺楼・・・?
こころは最後の方に出す予定です><
でわ、また次回に!




