第131話 『来訪者と冥界』
どうも、神夜晶です
今回は妖々夢となります
でわ、どうぞ~
あれから、次の場所「冥界」へと向かっていた
その途中で、誰かを見つけたのか、飛ぶのを中断し下りる
其処に居たのは魔法の森を歩いている、アリスと蓬莱、上海だった
三人は下りて来たが分かったようで、警戒して話し掛ける
「私達に用かしら……?」
「「(怪しい格好ですね(だな)……)」」
「……あぁ」
「何の用と聞いても……答えてくれる?」
「……お前達と戦う為だ」
戦う為と言われ、アリスだけは目をパチパチとさせていた
そして、数秒後には微笑んで話し出す
「私達と戦うね……良いわ
掛かって来なさい、新魔法の試し撃ちもしたかったしね!」
「……良いだろう……撃ってみろ!」
そう言い、先に仕掛けたのはアリスだった
上海と蓬莱は横に散りばり、目標を自分達に引き付ける
その間にアリスは魔力を溜め、準備をしていた
アリスが魔力を溜めてる間に、二人は近接戦闘で戦う
元々、二人は剣を使っていたので、今も剣を使って戦っている
ガキン!ガキン!という音が辺りに響く
先程、レミリアとの戦いで使った、消失剣で攻撃を捌いていた
「私達の動きを知っている……?」
「いや、違うぞ
これは……技術で私達より上なんだ」
「……正解だ、上海」
「っ!? どうして私の名前を……」
二人の剣捌きでは、この者に勝てなかった
上海の言った通りに、この者は二人より遥か高みにいるのだ
そして、何故か、この者は上海の名を知っていた
名前を呼ばれ、上海は動きを止めてしまう
この者は、その隙を逃す筈もなかった
「……隙ありだ」
「「上海!」」
「ごはっ!?」
上海は隙を突かれ、腹に一撃を貰ってしまう
一撃を貰い、上海は吐血しながら、身体をくの字に曲がらせ、後方へと吹き飛ぶ
ズドォォォオオン!という音を立てて、砂煙が上がる
それを見て、蓬莱は怒りの感情を表に出す
「よくも、上海を……許しません!」
「引きなさい、蓬莱!
貴方では、勝てないわ!」
蓬莱は怒りに任せ、突っ込んでいく
それを、つまらないものを見るかのように相手をする
攻撃を捌きながら、アリスの言葉を蓬莱に聞く
「……従者、思いの良い主だ
だそうだが、引くのか……?」
「引く訳……ないでしょ!」
「蓬莱!」
「……そうか、残念だ……!」
アリスの言葉を無視し、蓬莱は構わず剣を振り続ける
引かなかった蓬莱に対し、冷めた目で見て、消失剣で一閃した
「ぁ……」
ブシュゥウウウウウ!という音が鳴り響き、蓬莱は血を流して倒れる
アリスは目を開き、信じられないものを見るかのような目だった
「……魔力は練れたか?」
「えぇ、充分な程にね
これが、私の新魔法「ホーリーライト」よ
受けてみなさい!」
「……」
アリスの新魔法を棒立ちのまま、受けた
パァァァァ!という音と共に魔法陣が発動する
そして、光の柱がドォォォオオオン!という音を響かせ地面から勢い良く溢れ出す
次の瞬間、光の柱から光が漏れ出し、大爆発を巻き起こした
ズガァァァァアアアアアアン!!という音が幻想郷に鳴り響く
この音で幻想郷の強者達は気付くだろう、何かが起こっていると
アリスの新魔法が止み、其処には巨大なクレーターが出来ていた
「ハァ……ハァ……
やった……みたいね」
アリスは蓬莱と上海を回収する為に背を向ける
すると、後からシュゥゥウウという音が聞こえて来た
アリスは「まさか!?」と思い、勢い良く後ろを振り返る
其処には……湯気みたいなものを上げながら、再生していく姿があった
「……良い一撃だった」
「嘘……あれを喰らって生きてるなんて」
アリスは冷や汗を掻きながら、この者を睨み付ける
完全に再生し「ふぅ……」と息を吐き、口を開く
「……言い忘れていたが、我は死なん
死なないというよりも、死ねないだな……」
「どういうこと……? 不老不死ってことかしら?」
「……それに近いが、違うな
さて、覚悟は良いな……?」
アリスは「勝てない」と感じ、手を広げ観念する
それを見て「どういうつもりだ?」と聞いた
「今の魔法は私が長年掛けて、編み出した新魔法
あれが破られれば、今の私では何をしても貴方に勝てない
それに、もう魔力もないし……逃げることも不可能
覚悟は出来てるわ、やりなさい」
「……ふふふ」
此処に来て、初めて笑い声を上げた
アリスは、眉を顰め、笑った理由を聞く
「何が可笑しいの?」
「……いや、何……
お前ほどの人物が諦めるとは思ってなくてな……」
「……さっきの上海の名前と言い、貴方は何者?
どうして私達を襲うの?」
アリスは自分達のことを知っているのが、気掛かりだった
しかし、現段階では答えられないようだ
「その内、分かる……
……今の一撃は良い一撃だった
近い内に幻想郷で戦争を起こす、腕を磨いておけ……
……それと……蓬莱に傷痕は無い」
「え?」
アリスの横まで歩いていき、アリスの耳元で呟くような感じで話す
伝えることだけを伝え、アリスの肩に手を置き、次の場所へと飛んでいく
アリスは今の言葉に首を傾げたが、蓬莱と上海を回収する
その時にアリスは、魔力が回復しているのが分かった
肩に手を置かれた時に、回復したのだろう
先程の言葉通り、蓬莱を確認してみると傷痕はなかった
それ以前に服さえも破れていなかったのだ
この者が持つ、消失剣は文字通りに消したり失わせたり出来る
つまり、斬りはしたが、傷を消したのだ
消失剣は、そういう事も出来るらしい
そして、次の場所に向かっている途中で
演奏をしている、プリズムリバー三姉妹が居た
気付かれずに近くに下り立つ
演奏が終わり、拍手をする
拍手をされ、プリズムリバー三姉妹が、此処で初めて気付く
「「「っ!?」」」
「……流石だな」
「貴方……誰?」
最初に話し掛けたのはルナサだった
ルナサの質問に顎に手を当て、少し考えて口を開く
「我は……お前達の敵だ」
「……嘘ね」
ルナサは敵と言われ、途惑う事なく嘘と言い切った
それを聞き、ニヤリと笑い聞き返す
「……ほう……どうして、そう思う?」
「敵なら、演奏してる間に攻撃してくるし
それに、貴方には私達を殺す気が無い……違う?」
「……なら、これはどうだ?」
ルナサは自分の意見を聞かせ、堂々としていた
この者は益々、笑いが止まらなくなる
ルナサの元へと歩き出し、ルナサに拳を振り下ろす
後ろの二人が「避けろ」と叫ぶが、ルナサは避けなかった
そして、拳が顔に当たるギリギリの所で寸止めされる
拳の衝撃波が後ろへと伝わり、ズドォォォォオオオン!!という音と共に地面が抉れた
後ろの二人は突風を腕で防いで、二人の行く末を見守る
「どうして、寸止めしたの……?」
「……特に意味は無い
演奏の邪魔して悪かったな……」
そう言い、目的地へと向かって飛んでいく
残された三姉妹は、その姿を追う事はなかった
リリカとメルランはルナサに先程のことを聞く
「姉さん、大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ」
「どうして、あいつの事が分かったの?」
「ん~……何処か懐かしく思えたのよね」
「懐かしい?」
どうやら、会った瞬間に懐かしいという感じがしたようだ
リリカとメルランは首を傾げて、聞き返す
聞き返され、ルナサはコクッと頷く
「えぇ、何故かは分からないけどね」
「ふ~ん……」
「さぁ、演奏を再開するわよ」
「「えぇ!」」
三姉妹は演奏の続きを始める
そして、次の場所へと向かっていた、この者は白玉楼に到着した
「……此処か
成程……上に居るな」
目当ての人物が上に居るようだ
白玉楼はとても長い階段がある
それを空も飛ばずに一段、一段、ゆっくりと上がっていく
そして、頂上に着き、待っていたのは妖夢だ
「貴方は……侵入者ですか」
「……あぁ、そうだ」
「申し訳ありませんが、斬らせてもらいます!」
「来い……!」
二人の剣がぶつかり合う
辺り一面にはガキン!ガキン!という音しか存在しなかった
数十分もの間、剣がぶつかり合い、二人は距離を置く
先程の斬り合いで、妖夢は気付いた事があった
それは……
「貴方……本気を出してませんね?」
「……最初から全力で行く奴が何処にいる」
そう、この者は本気じゃなかった
今まで、紅魔館、妖精達と戦ってきたが、その全ての戦闘が本気ではなかったのだ
「それは……戦いを侮辱するということです」
「そういう風に思いたかったら、思えば良い……
さぁ、お喋りは終わりだ……ギアを上げていくぞ……!」
「消えたっ!? ぐぅっ!」
無理矢理、話を終わらせ、戦いを再開する
それと同時に一段階、ギアを上げた
そのスピードを妖夢は目で追えなかったようだ
しかし、手加減しているのか、現れる所が見えたようだ
妖夢は咄嗟に剣で受け止めるが、今まで以上に重い攻撃だった
「……面白いものを見せてやる
確りと……ガードしてくれよ……!」
そう言い、剣を振った
そして、ジャキン!という音が鳴る
その音と共に、妖夢は一瞬にして六連撃という名の斬撃を貰ってしまう
この者が本気になれば、一振りで六という斬撃を出せるようだ
妖夢は斬撃を貰い、身体からブシャァァアアア!と血が飛び出る
「あ……が……」
「ガードしろと言った筈だが、このレベルには付いて来れなかったか……
これを出来るようになれば……お前は幻想郷で最強になれるぞ
出来るようになるのを……期待している」
その言葉と同時に妖夢は気絶した
気絶した妖夢に近付き、痛みとダメージを和らげる
そして、白玉楼の木々を見ながら、奥へと進む
奥へと進むに連れて、霧が濃くなっていく
白玉楼の奥に着き、大きな屋敷と巨大な桜の気が見える
「……これが西行妖か」
「えぇ、そうよ」
「……」
西行妖を近くで見ようと、飛んでいく
途中で、何処からか声が聞こえて来た
周りには誰も居らず、目の前の空間が歪む
そう、スキマが開かれたのだ
スキマから、妖怪の賢者と呼ばれた紫と、その式である藍と白玉楼の主である幽々子が現れた
「初めまして、侵入者さん♪
貴方よね? この幻想郷に入って来たの」
「……そうだ」
「どうやって入って来たかは……まぁ、どうでも良いけど
取り敢えず……死んでくれないかしら?」
「っ!?」
グチャ!と辺りに、何かが潰れる音が木霊する
紫は先制攻撃のような形で、首から上を潰した
最初にしたのが、扇子を向けたことだ
扇子を開いて、スキマを首から上に開き、閉じる、それだけで“一回”殺した
殺され、首が無くなった死体は地面へと落ちる……筈だったのだが
一向に首から下の身体が、地面に落ちない
「変ね? 死んだのに身体が落ちないなんて」
「紫、藍、どうやら……まだ戦いは続くみたいよ」
「「え?」」
二人は幽々子に言われ、首を傾げた
幽々子は目の前を見据えながら、鋭い目付きになる
「見なさい、この人、再生してるわ」
「不老不死ですって……」
「ただでは、終わらないみたいですね」
目の前の再生を三人は、大人しく見続ける
再生し終わり、この者が先に口を開く
「……流石は「妖怪の賢者」と呼ばれるだけのことはあるな」
「あら、有り難う
でも、手加減はしないわよ?」
「元より……我もお前達3人には手加減など出来ぬのでな……!」
「がっ!?」
「「紫(様)!」」
ズドォォォオオン!という音が白玉楼に響き渡る
先制攻撃をされた、腹いせではないが「先制攻撃には先制攻撃を」と言うだろう
紫は勢い良く首を捕まれ、地面へと叩き付けられたのだ
それを二人は見続けるが、そんな隙を逃す許すほど、この者は甘くはない
「何処を見ている……」
「ぐぅっ!?」
次のターゲットは藍だった
神速と呼べる程の速度で藍に近付き、蹴りを喰らわす
「藍!」
「……隙だらけだぞ」
「かはっ!?」
幽々子は藍を心配するが、二人の二の舞だった
この者は一瞬で距離を零にし、腹を殴り吹き飛ばす
幽々子は勢い良く飛んでいき、地面に着弾しドォォオオオン!という音が響く
「……所詮、この程度か」
「待ちなさい」
そう言い、つまらなそうに次の場所へと向かう
しかし、後ろから声が掛けられる
其処には、服がボロボロになりながらも、浮いている紫がいた
「ほう……まだ意識があったか」
「お生憎様、私達は頑丈なのよ
さぁ、続きをしましょ
もう油断なんてしない、全力で殺してあげる」
「……良いだろう、掛かって来い」
紫は不気味な程に笑いながら、動き出した
最初に無数の弾幕を放ち、スキマを使い移動する
弾幕に気を取られ、スキマから出て来た紫に蹴りを貰う
それにより、吹き飛んでいく
しかし、吹き飛んだ場所には藍が待ち構えていた
「先程のお返しだ、有り難く受け取れ!」
そう言って、藍は思いっ切り踵落しを喰らわした
踵落しを貰い、勢い良く地面に落ちていく
ズドォォォオオオン!と地響きが鳴り渡り、白玉楼が揺れた
「ナイスよ、藍」
「有り難う御座います
先程は重い蹴りを貰いましたからね
私も渾身の一撃を喰らわしてやりましたよ」
「ふふふ、成長したわね」
「痛たた……重いのを貰っちゃったわね」
「あら、あのまま寝てても良いのに」
「冗談を言わないで頂戴
やられたままなんて、嫌よ
さて、勝負はこれからよ!」
砂煙が止み、その中心には棒立ちのままで居た
何を思ったのか、考えているようだ
「……(これが全力か、あの者達には程遠いな……)
時間も惜しい、終わらすか……」
ゆっくりと上空に上がり、三人と同じ高さに上がる
三人は身構え、この者はニヤリと笑い、懐からスペルカードを出した
それを見て、紫が口を開く
「スペルカード……?
どうして、貴方が持ってるの?
貴方は幻想郷出身ではない筈……なのに何故?」
「その問いには……これに耐えられたら答えてやろう
『神罰「天国と地獄」』」
「「「っ!?」」」
そのスペルは魔法陣が三人を四方に取り囲み、小さな弾幕を放つスペルだった
しかし、避けていく内に弾幕がビームへと変わっていく
徐々にビームは威力、大きさ共増していき、何時しか最高のものになる
そのスペルに為すすべもなく、三人は撃墜されてしまう
スペルが終わり、次の場所に行こうとするが、後ろから声が聞こえる
その声の主とは、白玉楼に隠れていた、橙だった
「藍しゃま!」
「……」
橙の声に反応し、橙に近付く
近付かれ、橙は恐怖していた
それも、そうだろう
幻想郷最強と言われた三人が一人の相手によって負けたのだから
橙は足が振るえ、立ち上がれずに居た
「こ、来ないで……」
「……安心しろ」
この者は橙の声を無視して近付き、手を翳す
それを橙は何かされると思い、目を瞑る
しかし、頭にポスっという優しい音と共に手を置かれ、優しい声で囁かれる
橙は目を開き、首を傾げた
「……え?」
「気絶させただけだ……時期に目が覚める
それに……回復もしておいた」
「あの……有り難う」
その言葉を聞き、橙は警戒心を解いていく
それを見て、先程とは違い、優しい雰囲気になる
「……すまないな、これは必要な事なのだ」
「……辛いの?」
「……あぁ、辛い道だ」
「余り応援は出来ないけど、頑張ってね……」
「……あぁ」
橙に励まされ、頭を撫でる
そして、次の目的地へと飛んでいく
その姿を橙は見えなくなるまで見続けていた
如何でしたでしょうか・・・?
プリズムリバー三姉妹は気まぐれで倒さなかった感じかな?
それとも・・・私情で倒さなかったか
アリスの魔法のホーリーライトはFFとかに似たようなのあるようですが
一応、オリジナル魔法という事にしておいてください
今回は久し振りに5000文字を越しました!
私自身は満足です(ノ∀`*)
普段の2倍は書いたので、少し疲れました・・・
これで文章が・・・上手くなってくると良いなぁ~・・・(´;ω;`)
でわ、また次回に><




