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東方全愛記  作者: 神夜 晶
異変解決編
145/181

第119話 『桜と正邪』

どうも、神夜晶です


今回は・・・正邪との戦いです


果たして桜は正邪を説得出来るのかな?


では、どうぞ!

あれから進むと、桜は広間へと出た

城の中枢部と言った所だろう

桜が部屋の中を見ていると、声を掛けられた



「何で……お前が……

(この前までは人間だと思っていたが、本当は神だと?

ふざけんなよ……)」



「……正邪さん?」



広間で待ち構えていたのは、正邪だった

数ヶ月前に一度だけ会ったとはいえ、互いに忘れられないだろう

桜はまだ知らなかった、いや、知りたくなかった

一度だけの出会いとはいえ、知り合いが異変を起こしたのだ

此処で桜は少しだけ後悔した、“来るべきではなかった”と

しかし、反対に来て良かったとも思った

何故なら、知り合いである、正邪を自分の手で止められるからだ



「何で……何で来たんだよ」



「それは……貴方を止める為です」



「……

(私を止めるだと?

神は罪を裁き、罰を下す者だろ……

その神が……私を止めるだと……

こいつと居ると、本当に調子が狂うぜ……)」



正邪は悲しみの表情で桜を見る

一方で、桜は真剣の表情で見つめ返す

桜は先程の女性で知ったように、話し合いが通用しない相手も居る

故に、正邪が話し合いに応じなかったら、戦うようだ



「お願いします、正邪さん

異変を止めて下さい」



「例え、アンタに言われても止めないね

強者が支配する、この世界を変えるまでは……な!」



「っ!」



正邪が言葉と同時に弾幕を放つ

しかし、奇妙な弾幕を放っていた

桜にではなく、それとは真逆の方向へと放ったのだ

その行為に桜も棒立ちになり、首を傾げていたのだが

突然、桜は後を振り向いた

後を振り向くと、先程、正邪の放った弾幕が後から来ていたのだ

これには桜も驚きつつも、羽でガードをする

ガードしている所を正邪が攻撃してきた



「悪いな、私は此処で負ける訳にはいかないんだ!」



「……」



正邪が攻撃する瞬間に桜は自らの羽で突風を起こす

突風が起こり、弾幕もだが、正邪も後退する



「くっ!?」



「後から来ることは分かっていました

ですが、それでは私を倒せませんよ」



「そうやって……」



「?」



正邪が何かを呟き始める

桜は首を傾げながらも、正邪の呟きを聞いた



「そうやって、私達のような弱者を見下して楽しいか?」



「私は見下してなど……」



「それが見下してるって言ってんだよ!」



「っ!?」



正邪は我慢の限界が来たのか、叫んだ

叫ぶ正邪を見て、桜は目を開き驚愕する



「すかした態度を取りやがってよ

力差があるから、余裕かまして

そんなに弱者を笑うのは楽しいか?」



「私は、すかしてませんし

余裕をかましてもいません

戦いで弱いからと言って、笑ったりもしません!」



桜は人間の時に弱いと思っていた

それは誰もが認めていて、桜本人も思っていたことだ

だからこそ、力を持たない者の気持ちを理解しているつもりだった

ガイアにより桜は転生し、自分の努力と経験で強さを会得する

桜は才能があり、努力もした

正邪は才能が無く、努力もせず、世界を憎むだけ

これでは、差が開くのは当然である



「なら、何で最初から全力で来ない?」



「それは……」



正邪の一言により、桜はハッとする

そう、桜は全力でいかなかったのだ

桜は様子を見ただけに過ぎなかった

先程、「自分自身は前を見て進む」と誓ったばかりだが

事実を突きつけられ、桜は心に隙が生じてしまったのだ



「私を舐めてる以外にないだろうが!

それが見下し、余裕をかましてるって言うんだよ!」



「ち、違います!私は……私は……」



正邪の一言は桜の心に大きく皹を入れた

それにより、涙を流しそうになる

桜を見て、正邪は三日月のような笑みが浮かんでいた



「何が違うって言うんだ?

弱者だから、適当に叩きのめして

力の差を見せ付けておけば、投降するとでも思ったか?

甘いな、私は投降もしないし、負けるつもりもないね!」



「ぁ……」



正邪は油断している、桜に迫った

油断していて、懐に接近を許してしまい、桜は一撃を貰ってしまう



「私の能力と私の全力だ

この一撃はアンタでも効くと思う……ぜ!!」



「っ!?」



正邪は自分の能力、「何でもひっくり返す程度の能力」を使用した

それを使い、桜との力の差をひっくり返したのだ

そして、自分の妖力を籠めたパンチを桜の腹に思いっ切り入れた

桜はくの字に身体を曲げながら、吹き飛んでいく

壁にぶつかり、桜は背中を思いっ切り強打し、吐血した

桜は変身が解け、羽も消えてしまい、何時もの桜色の髪へと戻る

飛ぶ力を失くし、地面へと落ちる桜に、ゆっくりと正邪が迫った



「どうだ? 痛いか? それが弱者の痛みだ」



「ぅ……ぁ……」



「これで終わりだ……っ!?」



正邪が桜の首を片手で持ち上げ、思いっ切り締める

桜は苦しみの表情になるが、正邪は止めようともしない

そして、正邪が桜の首を握り潰そうとした瞬間に横から攻撃された

正邪は慌てて後退し、攻撃して来た方向へと振り向く

其処に居たのは……桜の愛する、恋人の霊夢だった

しかし、その表情は物凄い怒りに染まっている



「……」



「やっと来たのか、博麗の巫女さんよ~」



「……黙れ」



「あ?」



正邪は挑発紛いの言葉を霊夢に言うが、逆効果だと知らずにいた

霊夢は正邪の言葉を聞く価値すらないとまで考えていたのだ

それ程までに、桜が大切で、正邪の行動は許せなかった



「黙れって……言ったのよ」



「がはっ!?」



霊夢は先程の正邪が桜にした時と同じように、腹にパンチを入れる

しかし、その一撃は正邪とは違い、重い一撃だろう

正邪が吹き飛んでる間に、霊夢は桜へと駆け寄る

霊夢に身体を起こされ、桜は弱々しい顔で微笑む

それを見て、霊夢の怒りが更に増す

しかし、桜の言葉により、その怒りは消えた



「霊夢さん……」



「大丈夫、桜?」



「はい、私は大丈夫です……

霊夢さん、正邪さんを助けてあげて下さい」



「桜……?」



「正邪さんは……一人ぼっちなだけなんです

誰かが傍に居てあげないと、正邪さんは止められません

なので、霊夢さん……正邪さんをお願いします……」



「桜……」



桜は霊夢に正邪を頼み、気絶した

霊夢は桜の言葉により、霊夢の表情から怒りが完全に消える

それと同時に後から、ガラっという石の音が聞こえた



「痛ってぇ~……流石は博麗の巫女だな

腹パン一発でも半端ないぜ」



霊夢は桜を治療し、立ち上がった

正邪に振り向き、祓い棒を構える



「さぁ、掛かってらっしゃい

全身全霊を掛けて、潰してあげる」



「はっ!そう来なくちゃな!」



正邪は用いる全ての力を使い、霊夢へと挑んだ

霊夢は正邪の力を全て、完膚なきまでに叩き伏せる

そして、数時間が経ち、最後に立っていたのは……霊夢だった

霊夢の目の前で、正邪は倒れている



「これで終わりかしら?」



「あぁ、終わりだ……やれよ」



「そうね、終わりにしてあげる……と言いたいけど

私じゃなく、あの子に裁いてもらうわ」



「あの子……? っ!?」



霊夢の言うあの子とは、無事に目を覚ました桜だ

正邪は桜に裁かせると知り、驚愕する



「正邪さん……」



「……」



桜は、倒れている正邪に近付く

正邪に近付き、目の前で座り、“抱き締めた”



「私は……貴方の味方です」



「離せよ……」



「正邪さんの過去に何があったかは分かりません

どんな思いで、今まで過ごしたのかも分かりません

ですが、私は……貴方を弱いと思いません」



「離せ……よ……」



桜が抱き締め、耳元で優しく語り掛ける

正邪は知らない内に涙を流していた



「例え、貴方がどんな妖怪でも構いません

私は貴方を受け入れましょう

力が弱いから、何だと言うのですか?

それを言いましたら……空を飛べない、人里の皆さんはどうなるのでしょうか?」



「っ!?」



桜の言葉に正邪は驚愕した

そう、人間は霊力を持っている人間も居れば

魔力を持つ人間だって居る

しかし、殆どの者が霊力に気付かず、その人生に終わりを告げる

その殆どの者が空も飛べず、弾幕も出せない

しかし……



「人里の皆さんは空も飛べませんし、弾幕も出せません

ですが、皆さんは必死で毎日を生きてるんです

幸せな時もありますが、辛い時だってあるでしょう

でも、それを全て受けれてこそ、幸せと言えるんです」



「……」



桜は抱き締める手に力を入れ、正邪をギュっと抱き締める

正邪は無言のままだが、両手を桜の背中に回す

それを知り、桜は笑みを浮かべる



「正邪さん……私は元々人間なんです」



「え……?」



桜の元人間という言葉を聞き、正邪は驚いていた

元から神という訳ではないことに、驚いていたのだ



「元々は人間で、空も飛べず、弾幕も出せなかったのです

ですが、色々な方達との出会いで私は強くなれました

正邪さん、出会いを拒んではなりません

どんな方達に出会っても拒まなければ、きっと力になってくれます

正邪さんがその気になりましたら、修行だって付けてくれるかもしれませんよ?」



「……」



「自分が弱いと感じましたら、強くなるように努力すれば良いのです

私はそうやって、力を付けました

色々な方達と戦って、勝って、今の強さがあります

正邪さん、一度だけで良いので、私を信じてもらえませんか?

私が必ず、貴方を助けてみせます、強くしてみせます!」



「……好きにしろ

(何なんだよ、こいつは……

本当に……気に食わない……が……

こういうのも悪くない気がする……」



「はい、私の好きにしますね!」



正邪は生まれて初めて、誰かを信じた

それは正邪にとって、桜にとって良くか悪くか、運命を変えることなるだろう

正邪は初めて、暖かい光に照らされ、光に生きる事を決めたようだ

どうでしたか・・・?


はい、という訳で・・・原作破壊しました


これからも正邪ちゃんを宜しく!


何とか今週は書けて良かったです><


途中で霊夢の表現がなかったですが

空気を読んで、すくなをボコりに行きました


でわ、また次回に!

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