第108話 『亡霊と桜』
どうも、神夜晶です
今回は屠自古になります
でわ、どうぞ~
青娥が来てから約1週間が経った
その間に桜は進めていた曲作りを行なっていた
そして、やっとの思いで完成したようだ
「やっと完成しました……
あの方に会う時に聞いてもらいましょう♪」
どうやら、誰かの為に作った曲らしい
曲作りを止め、桜は昼食の準備を始めた
今日は時間も余りないので、手軽に出来るものにしたようだ
「今日は野菜炒めとお魚とひじきの煮物にしましょうか」
そう言い、桜はひじきの煮物から作り始めた
普段から作っているものなので、あっという間に出来上がる
次に魚を作り始めた
何の魚かというと……
「春が旬のお魚は色々とありますが
今日は金目鯛を使いましょう!」
桜は金目鯛を使う事にしたようだ
普通なら、焼き魚なのだが
今回は違う方法で使うらしい
「普段は焼くのですが……
今日は、お刺身に致します(どやぁ)!」
桜はドヤ顔で刺身発現をしていた
それから、桜は金目鯛の活き造りを作った
金目鯛は綺麗に盛られていて、料亭に出せるような感じの一品だ
そして、次に野菜炒めを作る
これは春キャベツを使って作っていくのだが
普段は豚肉を使っているのだが、今回に限っては違う肉にしてみるようだ
今回使うのは、鶏肉にしたようだ
「鶏肉でも良い感じですね
また一つ、作れるものが増えました!」
そして、野菜炒めを作り終え、食事の準備をする
皿に盛り付けなどが終わり、食べ始めた
しかし、間が悪く、玄関が誰かにノックされた
コン!コン!という音が桜の耳に入ってくる
「すみませ~ん」
「は~い
何方でしょうか?
声を聞いた感じですと、何処かで聞いた覚えが……」
何処かで聞いたような声に桜はぶつぶつと呟きながら、玄関に向かう
玄関に着き、桜は扉を開けた
「こんにちは、桜さん」
「こんにちは、屠自古さん!」
やって来たのは、屠自古だけだった
今日は屠自古だけで来るように、神子から言われたのだろう
「突然押し掛けてしまい、申し訳ありません」
「いえ、大丈夫ですよ」
「太子様から来るように言われまして……」
「そうでしたか……
立ち話も何ですし、どうぞ上がって下さい」
「有り難うございます
では、お邪魔します」
「はい、いらっしゃいませ♪」
「……
(宴会の時に聞いた話だが
この方は男らしいが……本当なのか?
こんな可愛い方が男など、有り得ないのだが
太子様は喜んでおられたな
男の娘?キター!とか騒いでらっしゃった気がする
まぁ、可愛ければ何でも良いみたいだな)」
桜は屠自古をリビングへと案内した
その間に屠自古は色々と考え事をしていたようだ
リビングに着くと、屠自古は桜が食事中なのを知る
屠自古が何かを喋ろうとした時に桜が話し掛けた
「屠自古さん、お昼御飯は食べられました?」
「いえ、まだですが……」
「では、御一緒にどうでしょうか」
「良いんですか?」
「勿論です♪」
「分かりました、御一緒させて頂きますね」
「はい!」
屠自古は桜の対応にビックリしていた
それも、そうだろう
会うのは2度目だが、桜の家に来るのは初めてだ
昼を誘うのに手馴れているので、屠自古はビックリしていた
屠自古の分が用意され、二人は「いただきます」をする
桜は屠自古に先に食べるように頼み、屠自古は断る理由も無いので頷いて食べ始めた
最初に屠自古の目に止まったのは、金目鯛の刺身だ
箸で一欠片を取り、醤油を付けて口へと運ぶ
刺身を口の中に入れ、数秒後に屠自古は目を思いっ切り開いた
「うまっ!」
「ふふ、喜んで頂いて良かったです」
「あ……すみません」
「いえ、良いんですよ
屠自古さんの好きなように喋って下さい」
屠自古は素の自分の口調が出てしまい、慌てて口元を隠す
しかし、桜は微笑みながら、素の口調で話して良いと伝える
それを聞き、屠自古は丁寧に断った
「そんな恐れ多い事は出来ません
私達も含め、太子様にも勝ちましたし
それに私は神の末裔の亡霊ですから
失礼な事はしたくないんです」
「そうでしたか……分かりました
ですが、何時かは本当の屠自古さんを見せて下さいね?」
「はい!
(あぁ……何て可愛いお方なのだろうか
太子様が気に入られるだけの事はある
各言う、私も気に入っているしな)」
桜は屠自古の理由を聞き、微笑みながら納得した
その微笑を見て、屠自古は更に桜を気に入ったようだ
それから二人は食事を終えて、話す事にした
「前々から、気になっていたのですが
屠自古さんの、その足は……」
「あぁ、これですか?
これは……私の過去のことですが、お聞きになります?」
「屠自古さんが話して頂けるのでしたら
私の聞く覚悟は出来てます」
「分かりました
実は……」
屠自古は自分の過去について話し出した
過去の内容とは豪族であること、一緒に居た布都と敵対関係だったこと
復活する時に布都に邪魔され、大根足になったこと
色々な事を桜に打ち明かした
「そのような事が……」
「はい、ですが……
布都とは仲直りはしてませんが、かつてのようには争いませんよ
それに、この身体にも現状は満足しています」
「そうですか、屠自古さんが宜しければ
私からは何も言えませんね
屠自古さんは……お強いですね♪」
屠自古の話を聞き、桜は微笑みながら、強いと言った
それは全てを聞いた上での言葉だった
強いと言われ首を傾げる、屠自古だった
「強いですか? ご冗談を
割り切ってるだけですよ」
「いえ、お強いですよ
敵対関係にあった、布都さんを許していらっしゃるのですから」
「っ!?
(私の心を見透かした……神が使える読心術か?
いや、このお方は勝手にするようなお方ではない
これが、神咲桜様という方の神としての能力か……流石ですね)」
屠自古は心を理解され、驚愕していた
読心術を使ったのかと思ったが、桜が勝手にするとは思えないので
桜本人の洞察力だと知り、感心していた
当の本人である桜は、黙り込んでいる屠自古に首を傾げる
「どうしました?」
「いえ、何でもありません
少し思う所があり、考えておりました」
「そうですか……
あ、急な話題転換で申し訳ないのですが
屠自古さんは音楽は聴かれます?」
桜は屠自古の様子を見て、少し元気が無いと勘違いした
そう思い、作った曲を聴いてもらうことにしたようだ
桜は屠自古に音楽を聴くかどうか、聞いた
「一応、嗜む程度には聞きますが……」
「分かりました、屠自古さんに聴いて欲しい曲があるのですが
良いでしょうか?」
「えぇ、大丈夫ですけど
楽器をお使いに?」
「はい、前に練習しまして
今では趣味の一つになります
聴いて欲しい曲なのですが……神子様の為に作った曲でして」
「作ったのですか!?」
そう、今まで作っていた曲とは神子の為の曲なのだ
桜が作ったと知ると、驚く屠自古だった
驚く屠自古を見て、桜は微笑みながら答える
「はい、2日掛けて作りました
屠自古さん、聞いて……頂けますか?」
「たった2日で……分かりました
是非、お聞かせ下さい
(本当に凄いお方だ……2日だけで作るとはな
太子様に報告したら、喜びの表情で溢れそうだ)」
「……(コクッ)」
桜は屠自古が聞きたいと言ったので、ヴァイオリンを弾き始める
屠自古は屠自古で今から神子の喜ぶ表情を思い浮かべていた
ヴァイオリンが弾き終わると、屠自古が拍手をする
「実に素晴らしかったです
これなら、太子様も大喜びですよ」
「ふふ、有り難うございます
そう言って頂けると、私も作った甲斐がありました」
「また作った時は聞かせて頂けますか?」
桜は屠自古に喜んでもらい、満足だった
屠自古は新曲を作った時に聞かせて欲しいと、ちゃっかりお願いしていた
お願いされ、桜は微笑みながら頷く
「はい、その時は弾きに行きますね!」
「えぇ、待っています」
「ふふ……♪」
そして、二人は夜まで神子について話し合ったそうな
夜になると、屠自古は満面の笑みで帰って行く
その様子を見て、桜は自分の事のように嬉しそうだった
仙界の“ある家”では夕飯の時に話が弾んだそうだ
どうでしたか・・・?
作中に出た、神子の為の曲は勿論・・・あの曲です
分からない人は・・・桜から説教をしてもらえます
でわ、また次回に><
(GWに入ったので・・・1日中モンハンやってても良いよね!?
明日モンハンしておこう・・・(^ω^))




