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東方全愛記  作者: 神夜 晶
番外編
125/181

番外編 『あべこべ世界』

どうも、神夜晶です


今回は男女の扱いが逆転したら?という話です


桜が凄いちやほや・・・されるかも?


でわ、どうぞ~

此処は幻想郷、忘れ去られてしまった者達が行き着く場所である

そして、この世界は男女の比率が1;9の割合で生まれて来るのだ

大昔に神々が争い、招いた結果とされているが、詳しいことは分かっていない

そんな幻想郷で生まれ育った者が居た

その者の名は『神咲桜』と言い、見た目は小さな女の子にしか見えないのだ

この男性の稀少さを考えると、幻想郷の女性達は喉から手が出る程に欲しいだろう

これは、そんな桜を中心とした物語である



ある日、桜は両親を失った

それは桜にとって余りにも残酷なことだろう

それでも、両親との約束の為に悔いのない人生にしようと誓った

両親を失った桜は家事で手一杯の日々に追われていく

余りの忙しさに目が回る日々だった

しかし、両親の死を忘れるには忙しいくらいが丁度よかったのだ

だが、それを他の者から見れば痩せ我慢をしているようだった

そんな桜を見兼ねたのか、ある人物が声を掛ける



「ちょっといいかしら?(……)」



「はい?」



「疲れているようだけれど、大丈夫?(可愛いわね)」



「は、はい……(綺麗な方ですね)」



二人の会話に周りは、ざわつき始める

何故なら、桜に声を掛けた人物が問題なのだ

桜に声を掛けた人物は……



「私の名前は十六夜咲夜、宜しくね」



「はい、宜しくお願い致します」



そう、紅魔館のメイド長と知られる十六夜咲夜だった

紅魔館の主は幻想郷で吸血鬼としても有名なのだ

桜は人里で有名で、優しく良い子と評判がいいのだが

周りの者達は厄介なのに目を付けられたなと同情の目を向ける

しかし、咲夜はそんな目も気にせず、桜を頭から足まで観察していく

要は何処が悪いのかを見ているのだ



「本当に大丈夫?」



「大丈夫ですよ

心配して下さり、有り難う御座います」



「貴女……御両親は?」



「えっと……」



この子に両親は居ないのだと、咲夜は理解した

咲夜は桜に酷なことを聞いたので、謝罪する



「そう……辛いことを聞いてしまったようね

ごめんなさいね」



「い、いえ……大丈夫です」



「貴女、疲労が溜まってるわね

ちゃんと休んでる?」



「はい……休んではいるのですが……

疲れが取れなくて、少し身体が重いです」



「ふむ……

(少し所の問題じゃないわね

小さな身体には重すぎる程の家事をしている

御両親が亡くなられて、一人で頑張って来たみたいね……

これは、お嬢様に許可を貰わなくては!)」



「あの……?」



「あ、少し考え事をしていたわ

ちょっと待ってなさい」



「え……?」



パチン!と咲夜は指パッチンをした

その瞬間、桜の目の前から咲夜の姿が消える

これには周りの者達も驚いていた

数秒後、また指パッチンの音が聞こえると咲夜が現れる



「待った?」



「い、いえ……(カッコいいです)」



突然、咲夜が現れたが、桜の目には美しく見え

桜の目はキラキラと尊敬の眼差しになっていた

そんな桜を咲夜は微笑ましい表情で見る



「それじゃあ、貴女の家に行きましょうか?」



「はい?」



突然の言葉に桜は首を傾げる

どうやら、桜を気遣ってくれたようだ

咲夜が家事の仕方を教えてくれるらしい

桜は願ってもないことだった



「早速、行きましょうか」



「有り難う御座います」



「ふふふ、良いのよ

困った時はお互い様でしょ?」



「はい……」



桜は咲夜の優しさに泣きそうだったが、耐える

そんな桜を見て、咲夜は優しく頭を撫でた

桜は咲夜を自宅に案内し、二人は自宅に着くのだが

咲夜は家を見て、数秒固まった



「えっと……桜はお嬢様的なものじゃないの?」



「私の家は使用人さんは雇っていませんので……

その事も含めて、中でお話し致しますね」



「えぇ、分かったわ」



中に入ると、咲夜が思ったことは木の香りが凄いことだ

築何年かは分からないが、木の良い香りだった



「どうぞ、いらっしゃいませ」



「お邪魔します(凄い……良い木の香りだわ)」



「この家は全部、檜の木だそうです」



「この家が全部なの?」



「はい、お母様に聞きました」



「ふむ……凄いわね」



「ふふ、有り難う御座います」



二人は玄関から、リビングへと向かう

リビングに着き、桜は咲夜にお茶を出そうとするが

「大丈夫」だと言われ、止められた



「さて、家事などを教える前に

桜は何か隠してる事があるわね?」



「はい……」



「私に言える隠し事?」



「ほかの方達には内緒にしておいてもらえますか……?」



「えぇ、約束するわ

紅魔館のメイド長の名に懸けて口外しないことを約束しましょう」



「有り難う御座います、お話しさせて頂きます

私の家に使用人さんが居ないのも関係してまして……

実は私は……」



「私は……?」



桜は咲夜に重大な秘密を明かすことにした

咲夜は紅魔館のメイド長の名に懸けて口外しないことを約束する



「実は私は……男の子なんです……」



「……本当に?」



咲夜は初めて驚きの表情を見せる

普段から凛とした表情だが、男という単語には驚きを隠せなかったようだ



「はい

なので、使用人さんとかも雇うわけにはいかなくて……」



「成程……ちょっと信じ難いけど……

少し確認してもいいかしら?」



「はい、証明するものは……ありませんけど」



「いえ、確認する方法はあるわ

大丈夫、すぐ済むから」



「……? 分かりました」



そう言い、咲夜は右手で指パッチンをする

すると、咲夜の目の前は色の無い世界に変わった

そう、咲夜は能力持ちなのだ

咲夜の能力は「時を止める程度の能力」と誰もが欲しい能力である



「この容姿で男の子? この子は冗談なんて言いそうにないし……

この子には悪いけど、少し身体をチェックさせてもらいましょ」



咲夜はペタペタと桜の身体を触る

身体付きは柔らかいが、とても男とは思えないだろう

なので、ある部分を触ってみることにした

触れた瞬間に男だと信じるしかないものが存在する



「……本当に男の子なのね

こんな可愛い子が男の子……良いわ~

何が何でも、紅魔館に来て欲しいわね

少ししてから、遊びに来てもらいましょう」



咲夜は桜の可愛さを堪能して、時を動かした

すると、桜は身体がピクッ!と反応する



「にゃ……(かぁぁ)!?」



「ごめんなさいね、少し身体を触らせてもらったわ

(か、可愛いわ……お嬢様にも負けず劣らずの可愛さだわ!)」



「そ、そうでしたか……

信じて頂けましたでしょうか……?」



「えぇ、ちゃんと男の子だと分かったわ

この世界もだけど、外の世界でも男の子は貴重らしいから

貴方が秘密にするのも、頷けるわ

大丈夫、私は絶対に秘密を守るから」



「有り難う御座います、咲夜さん」



「では、簡単なことから教えていきましょう」



「はい、宜しくお願い致します……!」



こうして、咲夜による家事の指南が幕を開ける

桜は見る見る内に覚えていき、約一ヶ月後には咲夜レベルにまで上達していた

これには咲夜も驚きで、何時もの涼しい表情が変わる



「貴方……才能あるわね」



「ふふ、咲夜さんの教え方が御上手だからですよ」



「それもあるけど、桜の才能が大きいわよ

どう? 紅魔館でメイドとして働かない?」



「それは……」



「えぇ、分かってるわ

貴方が此処に残りたい気持ちも

でも、貴方を放っては置けないわ」



「それでしたら……咲夜さんが遊びに来て頂けませんか?」



咲夜が諦めないので、桜は咲夜が遊びに来る事で妥協案を出す

それを聞き、咲夜は薄く微笑む



「分かったわ

寂しくなったら、ちゃんと私に言うこと……いいわね?」



「はい」



「うん、宜しい」



「ふふ……」



「……

(矢張り、お嬢様達にも協力してもらわないと駄目かしら?

無理矢理にでも連れ出さないと、此処から出なさそうね

御両親の思い出が詰まった家ですものね、その気持ちは分かるのだけど……

貴方の精神が孤独で潰れないか、心配よ……桜)」



咲夜は表情では笑ってはいるが、心の中では色々と考えていた

それから、半年以上経ったある日のことだ

咲夜から手紙が来ていて、桜は手紙を読む



「今日は外に出ないようにですか……

ですが、食料が無くなってしまいましたから

お買い物をしないといけないのですが……

少しでしたら、大丈夫ですよね……?

早めに帰って来ましょう!」



そう言い、桜は外へと出て行ってしまった

外へと出たはいいが、空を見ると紅く染まっていたのだ

桜は首を傾げ、空を見上げる



「空が紅いですね……早くお買い物を……!?

ごほっ!ごほっ!咳……?

風邪は引いていない筈ですが……ごほっ!

これは……血? どうして血が……(トサッ)」



桜は最悪なことに外で気絶してしまった

この紅い霧は妖霧で、妖怪が妖力で作った霧だ

成人男性でも1時間吸えば、体調が悪くなってしまう

まだ身体が成長途中の桜が吸えばどうなるか?

答えは火を見るより明らかだろう

数時間も吸えば、最悪‟死ぬ”可能性があるのだ

桜は気絶したまま、刻一刻と時間が過ぎていく



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



紅魔館内で二人の少女が戦っていた

その二人とは、咲夜と博麗の巫女の博麗霊夢だ



「さっさとやられなさいな!」



「私は博麗の巫女

博麗の巫女は誰にも負けないのよ!」



「悪いけど、私も負けられないのよ……

お嬢様の為、そして……(愛する桜の為にも)!」



「……(雰囲気が変わった)?」



咲夜は能力をフルに使い、文字通り全力で霊夢にぶつかっていく

しかし、霊夢はそれを超え、咲夜を倒していった



「強いのね……」



「当たり前よ、言ったでしょ?

博麗の巫女は負けないのよ」



「そう……先に進みなさい

お嬢様が貴女を待っているわ」



「分かったわ」



霊夢は手をヒラヒラと振って、歩いていく

咲夜は自分の主の部屋を教えた

これは自分の主から伝えられていた事だ

もし負けたら、博麗の巫女を通せと



「負けちゃったわね……

(桜はちゃんと家で待ってるかしら?

きっと待ってくれてると思うけど……

一応、見に行きましょうか)」



万が一の為、咲夜は人里を目指す

人里の桜の家に着くが、咲夜は最悪なものを見てしまう

それは、吐血しながら気絶する桜だった

咲夜は急いで、桜を抱き起す



「っ!? 桜!?

確りしなさい、桜!」



「咲……夜……さん……?」



桜は咲夜の呼び掛けで、目を覚ます

しかし、今にも枯れてしまいそうな花のようだった



「そうよ!

どうして、家で待ってなかったの!?」



「ごめん……なさい……食材が切れて……いたので……

買い……出しに……行こうとして……」



「たった数時間も待てなかったの……!?」



咲夜は悲しみで涙が流れてくる

このままでは確実に桜は死ぬからだ

今すぐにでも治療をしないと、助からないだろう



「今日は……初めて……咲夜さんと……

出会った日ですから……」



「っ!?」



そう、今日は桜と咲夜が1年前に出会った日なのだ

それ故に、桜は料理を作って咲夜を出迎えようとした

しかし、その気持ちが裏目に出てしまったのだ

もう虫の息の桜を見て、咲夜は‟ある”決意をする



「桜、貴方は私の為に生きてくれる……?」



「私は……咲夜さんの為……でしたら……

生きたいです……」



桜は涙を流し、生きたいと願った

咲夜は桜を抱えて、過去最高の速度を出して紅魔館へと向かう

紅魔館に着き、すぐにパチュリーのもとを訪れる



「パチュリー様!」



「そんなに慌てて、どうしたの……?

っ……その子は?」



「この子を診て頂けないでしょうか……?

説明を省かせて頂きますが、私が人里で助けた男の子です

どうか、助けて頂けないでしょう……」



いつもの咲夜とは違い、本気で焦っているのが分かる

咲夜の表情から、パチュリーは桜が本気で危ないのだと気づく



「この子が……レミィの紅い霧に当てられてしまったのね

分かったわ、すぐに私の部屋へ」



「はい……!」



パチュリーの部屋のベッドに寝かせ、パチュリーは桜の容体を見る

しかし、桜は紅い霧に当てられ過ぎてしまった

1時間程度なら、安静にしていれば、まだ助かる確率は90%を超えただろう

しかし、桜が当てられた時間は5時間以上だ

パチュリーは咲夜に言って、自分の主「レミリア・スカーレット」を呼んでくるよう言われた

咲夜はレミリアを呼んで来て、パチュリーの話を聞く



「レミィ、この子のことは聞いたわね?」



「えぇ、大体の説明は受けたわ」



「話は早いわ

申し訳ないけど、‟私には”助けられない」



「っ!?」



「落ち着きなさい、私にはって言ったでしょ?

この子は長い時間を紅い霧に当てられ過ぎた

だけど、不幸中の幸いか妖力が身体を包んでいる状態なの

この状態なら、貴女達二人が良いと言うなら……

この子を吸血鬼化させることが、唯一の助けられる方法よ」



桜を助けられる方法とは吸血鬼化させることだった

吸血鬼化という方法に、二人は黙ってしまう

実際するとすれば、簡単だ

しかし、桜の気持ちを考えると、戸惑ってしまう



「「……」」



「もう、この子の身体は耐えられない

いえ、既に死んでいてもおかしくない筈よ

だけど……この子の生きたいという気持ちが生き永らえている

決断するなら、早くした方が良いわ」



「私は……してもいいわ」



「お嬢様……宜しいのでしょうか?」



「いくら、この子が外に出てしまったとはいえ

私の異変で、しかも男が死んだとあっては、八雲紫に消されかねない

それに、この子は咲夜の嫁にするんでしょ?

なら、私の息……娘も同然よ」



レミリアはからかいながら、吸血鬼化を了承した

咲夜は桜を「嫁にだろ?」と言われ、頬を赤く染める

今までの重い空気も、何処かへと飛んでいってしまったようだ

咲夜は目を閉じ、深呼吸して、二人に答えを言う



「お、お嬢様!

……分かりました

寿命は違えど、桜には生きてて欲しいです

パチュリー様、お嬢様、宜しくお願い致します」



「「任せなさい」」



「有り難う御座います」



「お礼を言うには早いわ

確率は高いけど、この子が吸血鬼化に耐えられない可能性もある

それも分かって頂戴」



「はい」



「それじゃあ、部屋の外に出ておいてくれる?

一緒に居ると、咲夜も吸血鬼化しないと限らないし」



「分かりました、お二人共……桜をお願い致します」



「任せなさい!

貴方の主は誇り高い吸血鬼よ?

きっと成功するわ」



「はい」



レミリアは娘に向けるような微笑みを咲夜に見せる

咲夜は二人を信じ、メイドとしての仕事を再開した



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



咲夜が出て行った後、二人は桜を吸血鬼にする為に奮闘していた

パチュリーは魔法陣を、レミリアは自分の魔力などを桜に注ぎ込む



「レミィ、恐らくだけど」



「ん、どうしたの?」



作業中にパチュリーに声掛けられる

レミリアは首を傾げ、聞き返す

パチュリーの表情はどことなく、面白いものを見つけたような表情だ



「この子の魂は全く穢れてないのだけど

もしかしたら、吸血鬼になれば化けるかもしれないわよ」



「穢れてない?」



「えぇ、誰もが少しくらい黒い部分があるわ

だけど、この子はそれがない……私の言いたいこと分かる?」



人間、妖怪、神、妖精、どの種族も魂は持っている

そして、黒い部分もあるのだ

憎しみや怒りなどと言った感情が黒い部分に分類される

しかし、桜はそれがない

両親の死は悲しんだが、それは黒い部分とは言わないのだ

桜は純粋で何かに染まりやすい、故に吸血鬼化すればレミリアも超える存在となり得るだろう



「つまり、吸血鬼に染まりやすいってことでしょ?」



「そう、染まりやすい

故に化けるかもしれないわ

もしかしたら、貴女やフランを超える程の……ね」



「へぇ、それは楽しみね

パチェ……絶対に、この子を助けるわよ!」



「えぇ、全力で助けるわ」



二人は作業を一つ一つ間違えず、こなしていく

そして、数時間後……

遂に、その時が来たのだ

桜は見事、吸血鬼となったのだが、ここで問題が発生した

元々、桜は黒髪黒眼なのだが

しかし、吸血鬼化したことによって、白髪に変わってしまう

それだけなら、まだしも、吸血鬼の羽は蝙蝠のような黒い羽だ

桜の羽は白く美しい羽だった



「羽が白いですって……?

それに……この魔力……」



「本当に化けたわね

凄まじい程の魔力だわ

私達の数倍はあるわね……」



「ふふふ……これからが楽しみね」



「えぇ、本当にね」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



桜の吸血鬼化が終わり、目を覚ましたと咲夜は報告を受けた

急いで、パチュリーの部屋を訪れる

そこで見たのは、桜が元気に微笑む姿だった



「桜……」



「咲夜さん……御心配をお掛けして申し訳ありません」



「本当よ……後で覚えておきなさいよ?」



「ふふ……はい」



二人は見つめ合い、パチュリーとレミリアが居ることを忘れていた

パチュリーとレミリアは苦笑しながら、態と「んんっ」と喉を鳴らす

その行為に、二人は元に戻り、レミリアが桜に話し始める



「さて、桜と言ったわね

私が咲夜の主で、紅魔館の主もしてる

レミリア・スカーレットよ、宜しくね」



「私は、この図書館の管理をしてる

パチュリー・ノーレッジよ、宜しく」



「宜しくお願い致します、私の名前は神咲桜と申します

この度は私の命を助けて頂き、有り難う御座いました」



「良いのよ、元々は私の所為でもあったし

それに普段からお願いをして来ない咲夜が、貴重なお願いだからね

(男を殺したとなれば、私も殺されちゃうし……)」



「私は気まぐれかしらね

貴方の吸血鬼化した所を見てみたかったから」



「それでもです

助けて頂き、有り難う御座いました」



桜はベッドの上で3本指を立てて、土下座をする

それから、桜は紅魔館に住むしかなくなり、執事として働くことになった

咲夜に家事を教わっていた為に、すぐに即戦力となる

仕事の合間に桜は美鈴に近接戦闘を教えてもらい、着々と実力をつけていった

そして、数年後……

紅魔館目の前で、美鈴と桜が対峙していた

観客としては紅魔館のメンバーと八雲紫、博麗霊夢が見学している

紫と霊夢が居るのは、殺し合いをさせない為と単純な興味だ



「今日は宜しくお願い致します、美鈴さん」



「えぇ、桜さんがどれだけ実力を付けたか

見せてもらいましょう」



「桜~!美鈴なんてぶっ飛ばしちゃえ!」



「酷くないですか!?」



「ふふ、では……本気でいかせて頂きますね」



『っ!?』



桜が、そう呟くと同時に凄まじい威圧感が放たれる

この威圧感は大妖怪にしか出せないものだ

その事に全員が驚愕する



「(これ程とは……私を軽く超えてしまいましたね

今の実力になるまで、数百年は掛かったというのに……

ですが、私も師として全力で相手致しましょう!)」



「まいったと言うか、気絶したら負け、殺すのは無し

二人とも良いわね?」



「「はい」」



「では、試合開始!!」



『っ!?』



桜は試合開始の合図と共に地面を足の裏で叩いた

ただ単に叩いただけなら、問題はない

しかし、その威力が問題なのだ

この幻想郷が波打つような威力だった

いや、幻想郷だけではないだろう

最早、地球が波打ったと思われる



「やっと本気を出すことが出来ます……」



「(一体どれ程の実力を……!?

あんな威力、この幻想郷で誰も出来ませんよ

花の妖怪で幽香さんでさえも無理だ

桜さんが真面目に鍛えると、とんでもなく化けるんですね

ふふふ……それでこそ、挑み甲斐があるというもの!)」



「えいっ」



「がぁぁっ!」



可愛らしい掛け声とは裏腹に、そのパンチの威力は相当なものだった

美鈴が物凄い勢いで、吹き飛んでいったのだ

数十キロは飛んでいっただろう

審判の紫は、これは終わったと感じた



「そこまで!勝者、神咲桜!」



「ふぅ……」



「桜、凄いよ!

あんな攻撃見たことない!」



「(本当にパチェの言った通りになったわね

あんな、か弱い子だったのが、今では化けてしまった)」



「(レミィも同じ事を思ってそうね

本当に強くなっちゃって……

最初は妖精にも負けてたのが

今では幻想郷……いえ、世界最強かしら

ふふふ……本当に逞しくなったわね)」



二人の戦いは、呆気なく勝負がついてしまった

咲夜は、ふっ飛んでいった美鈴を回収してきたようだ

美鈴は見た通りで、満身創痍だった

桜は美鈴に駆け寄り、心配そうに見つめる



「だ、大丈夫ですか?

本気とはいえ、思いっきり殴ってしまったので

痕とか残らないと良いのですが……」



「大丈夫ですよ~

物凄い痛いですが、何とか生きてますから……

本当に強くなりましたね、桜さん

今日をもって、免許皆伝ですよ」



「はい……!

今まで私に教えて下さって、有り難う御座いました!」



「強くなったわね、桜」



「はい、咲夜さん」



実は二人は、ある賭けをしていたのだ

もし、桜が美鈴に勝てれば、桜と咲夜は結婚をすると

もし、桜が美鈴に負ければ、桜はメイドをするという賭けをしていた



「賭けは私の負けね

ま、まぁ……

私も最初から桜のことは好きだったわ……」



「私も大好きです……咲夜さん!」



こうして、二人は結婚することを決めた

数年後には幻想郷を挙げての結婚式をしたという

その数年後には可愛い赤ちゃんが生まれたしい

二人は末永く幸せに、紅魔館に使えたようだ

如何でしたでしょうか?


これを書いてる途中で思いました


これ・・・桜が紅魔館に嫁ぎに行くだけだって・・・


や、ヤバい・・・こんなんあべこべじゃない!


まぁ・・・うん・・・きっと大丈夫・・・うん・・・


でわ、また次回に><

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