番外編 『父の行方』
どうも、神夜晶です
まだまだ神々の黄昏編の案が思い浮かびません(´・ω・`)
なので、番外編を書いていきたいと思います
今回は前々から、皆さんが気になっている
桜の父親の末路?行方?です
時系列的に、まだ桜に呪いがある時です
でわ、どうぞ~
不図、紫は思い付いた
「桜の父親を探してみよう」と
取り敢えず、紫は桜に父親に関する情報を聞いた
「桜のお父様って、どんな人だったの?」
「お父様ですか……?
小さい頃の記憶しかないですが
お父様は優しくて頼れる方だったと思います
叱るなどの行為は殆どしなかったですね
殆どがお母様の役目でしたから」
「ふ~ん……
(優しくて頼れるね……
なら、何で居なくなったのかしら?)」
桜からの情報だと、優しくて頼れる人物らしい
では、なぜ居なくなったのか?
紫には、それだけが気掛かりだった
「お父様が、どうかしましたか?」
「桜は、お父様に会えるなら会いたい?」
紫が「会いたい?」かと聞くと、桜は悲しそうな表情になる
少し考えた後に口を開く
「……どうでしょうか
正直に言うと、どちらでも構いません」
「それは……どうして?」
「お父様の居なくなった理由ですが
何となくですが、私には分かるのです」
「どういうこと?」
桜には父親の居なくなった理由が分かるらしい
紫は真面目な表情で聞き返す
「紫さんが居る前で余り言いたくないのですが……
お父様は妖怪の方が好きではなかったのです」
「それは、殆どの人間はそうよ?」
「つまり……そういう事なのです」
「……ごめんなさい、分からないわ
どういうことなの?」
紫は、桜の話している内容が分からなかった
桜は苦笑しながら、簡単な内容で述べる
「お父様は……人間味が強いのです」
「……そういうことね」
「はい……お父様は人間味が強く
妖怪の方が、お嫌いでした
そして、居なくなった理由は……呪いがあったからでしょうね」
「成程ね……
つまり、呪いなんて信じない!ってことね」
「……(コクン)」
紫は、やっとの事で理解した
桜は紫の言葉に頷くだけで返事をする
「……辛い事を聞いて、ごめんなさいね」
「いえ、良いのです
私には……紫さんや霊夢さんが居ますから」
紫が謝罪するが、桜は苦笑しながら、「皆が居るから平気」と答える
その答えに紫は自然と微笑が零れてしまう
「ふふふ、有り難う
それじゃ、また来るわね」
「はい、何時でもお待ちしておりますね♪」
紫は桜の家を後にし、スキマの中へと入る
そして、誰にも聞かれないように呟く
「矢張り、人間は愚かね……
あんな可愛い子供を放って逃げるとは……
恐らく、逃げた理由は……『現実逃避』」
紫は殺気だけで人間を殺せそうなまでに殺意を抱いていた
自分の気に入っている人間だからこそ、許せないのだろう
それも「現実逃避」などという、ふざけた理由でだ
紫は自分の能力をフルに活用し、数日で桜の父親を見つける
その居場所とは……「現代」だった
何故、現代に居るか謎だったが、居場所など問題ではなかったようだ
紫は藍だけを連れて行き、桜の父親に接触した
「こんにちは♪」
「こんにちは(誰だ?)」
「“神呪春”さんで合ってますでしょうか?」
「っ!?」
紫は、なるべく殺意を表情に出さないようにする
神呪と言われ、桜の父親「神呪春」が目を開き驚く
「どうして、知っているか?
気になりますよね?」
「一体、君達は……」
「ふふふ、私達は……妖怪よ」
「がふっ!?」
紫は速く動くだけで、春の後ろに回る
そして、春の腹を手刀で貫く
春は手を抜かれ、地面に仰向けで倒れる
「何故、こうなったか……
言わないでも分かるわよね?」
「あぁ……僕に罰が回って来たのか……」
「えぇ、そうよ
例え、神が貴方を許したとしても……私は許さない
どうして、あの子、桜の前から逃げたの?
あんな……あんな健気で優しい子から、何で逃げた!
貴方が逃げた後、あの子がどんなに辛い思いをしたのか分かってるの?
毎日、毎日、布団を濡らして泣いたのよ?
どうして逃げた……!答えろ、人間!」
紫は柄にもなく、大声を上げる
それを、後ろで藍は静かに見守っていた
春は弱々しい声で話し出す
「僕には……夢があった……
それは……小さな小さな夢だ……
親子三人で幸せに暮らすという夢だ……」
「……」
「だが、蕾の呪いで僕の夢は消えた……
その時に僕の中から、何かが砕けた感じがしたんだ……
もう……夢が叶わないと理解してしまった……
たったそれだけの小さな願いさえも叶えられなかった……
今となってはどうでもいいか……
僕が逃げたした理由は……認めたくなかったんだろうな……」
「だから……逃げたのね……」
春は口から血を流そうとも、喋り続ける
紫が聞き返すと、春は今にも消えそうな笑みを見せた
「あぁ……そうさ……
……あの子も……見ない内に……頼れる友達が出来たみたいだな……」
「私の事が分かるの……?」
「君は……妖怪の賢者と呼ばれる……八雲紫だろう……?
その後の狐の妖怪は……式か何かだと分かるさ……」
「そう……」
どうやら、紫の名前は知っていたらしい
紫は妖怪嫌いの春なら、知らないと思っていたようだ
「答えないかもしれないが……
あの子は元気にしてるかい……?」
「……元気よ
血を吐いて倒れようとも、呪いと向き合ってるわ」
「そうか……」
「最後に……桜に言う事はある……?」
「……これを……あの子に渡してほしい……」
紫が遺言を聞くと、春は手を震わせながら胸ポケットから何かを出す
出した物とは、小さなロケット型のペンダントだった
十字架の装飾が施されている、綺麗なペンダントだ
「これは……?」
「それは……あの日……
あの子……桜の目の前から消えた日から……肌に離さず持っていた物だ……」
「……!」
紫が中身を確認すると、中には三人で撮った写真が入っていた
それを見た瞬間、紫は理解する
春は、家族を、桜を見捨ててなどいなかった
現実を、家族の死を認めなくないだけなのだ
愛する妻が死んだショックと夢が崩れ去るショックに心が耐えられなかった
ただ、それだけの事なのだ
「八雲紫さん……」
「……何?」
「あの子に……桜に……伝えて欲しい事がある……」
「……分かったわ」
「呪いで辛いが……頑張れ……
短い人生だと思うが……幸せになれと……伝えて欲しい……」
「……必ず……伝えておくわ」
紫は春の最後の言葉を絶対に伝えると誓う
春の目の光は徐々に無くなっていく
もう終わりの時が近いのだろう
「助かるよ……
後の事は……頼みます……」
「えぇ……私に任せて、安心して逝きなさい……」
「蕾……今行くよ……」
「「……っ!?」」
春が息を引き取った瞬間、春の傍に立つ女性を紫と藍は見た
その女性は間違いなく、桜の母親で春の嫁の蕾だろう
恐らく、幻影だろうが、春を迎えに来たようだ
二人は数年振りに再会し、ゆっくりと消えていった
「……藍」
「はい……」
「先に戻ってて頂戴……」
「分かりました
余り……溜め過ぎないようにして下さいね」
「……えぇ」
藍を先に帰らせ、紫は上を見上げて、静かに佇んでいた
その後に紫は幻想郷へと戻り、桜にペンダントを渡す
そして、春の遺言も告げた
「お父様が、そのように……」
「えぇ……」
「紫さん、有り難うございます……」
桜が礼を言うが、紫には罪悪感が重く圧し掛かる
しかし、紫は表情を変えずに話す
「気にしなくて良いわ
これは私が好きでやった事だから」
「それでも、有り難うございます
このペンダントは……大切にしないとですね」
「えぇ、そうしてあげなさい」
「はい……」
それから、桜の首元にはペンダントがぶら下がっているのが目撃された
桜は涙を見せる事はなかったが、心では泣いている筈だ
それを知りつつも、紫は一生、自分が殺したという事を言わないだろう
紫は死ぬまで、春の生を背負って生きていく
どうでしたか;;?
桜の父親が出ない理由は、こういう理由です
前々から思いついてましたけど
書くことがありましたか、書けなかったんです><
次回は・・・本編書けると良いな~・・・
でわ、また次回に><
随時リクエスト受付中です!
桜にやって欲しい事がありましたら、言って下さい




