番外編 『桜と妹』
どうも、神夜晶です
今回は『もしも、桜に妹が居たら?
そして、超絶ブラコンだったら?』というネタです
まぁ、どうぞ。。。
幻想郷、此処は数々の存在が生存している世界だ
そんな幻想郷で新たな命が誕生した
名前を桜と言い、桜の花のように美しく育って欲しい
男の子だが、そんな思いから、この名前が付けられた
そして、桜が生まれて1年が過ぎて、もう一つの命が誕生した
名前を「春花」と名付けられた
桜と関連してる名前にしたかったそうだ
二つの命が生まれ、幸せに過ごす筈だった
しかし、運命というものは残酷で、幸せは長く続かなかった
桜と春花の家系、“神呪”一族はその名の通りに神からの呪いを持っていた
その呪いに母が殺され、長男である桜が呪いを引き継いだのだ
呪いを引き継ぎ、父親も居なくなり、二人は絶望した
しかし、互いに励まし合って、仲慎ましく生きていった
そして、約10年後に桜が呪いで死ぬ時が来た
桜は呪いで死んだが、神の奇跡により生き返ったのだ
そして、現在……二人は何気ない幸せな日常を過ごしていた
「春花さん、お昼は何が食べたいですか?」
「えっとね~……“お姉ちゃん”のオススメで良いよ!」
「ふふ、分かりました」
「……
(やっぱり、お姉ちゃんは可愛いな~
女である私より可愛いってどうなの?って感じだけど
お姉ちゃんだから仕方ないよね!)」
何故か、春花は桜のことを姉と呼んでいた
桜は再び生き返り、神となったが
しかし、春花は人間のままだ
春花は奇跡的に呪いを引き継ぐ事は無く、健康体そのものだった
家族愛と言えば聞こえは良いが、春花が桜へと注ぐ愛が家族以上の愛に近かく
女が男に注ぐ愛と何ら変わりはなかった
それを桜も知ってはいるが、止めることは無かった
本当は止めたいが、一線を越えることは無いので止めていないのだ
「~♪~♪」
「……(可愛いなぁ~)」
春花は料理中の桜を観察しては可愛いと思っていた
そんな日常が毎日続いている
そして、今日は桜の恋人である“八雲紫”が来た
週に半分以上は絶対に昼御飯を食べに来るのだ
此処で言っておくと、決して集りに来たのではないことだ
紫は幻想郷の巫女“博麗霊夢”とは違って、金持ちの部類に入る
勿論、桜の家も金持ちの部類に入るだろう
恋人の時間を過ごす為に来たと言っておこう
紫が来たことにより、桜は満面の笑みで出迎える
「いらっしゃいませ、紫さん♪」
「えぇ、お邪魔するわね」
「はい!」
「(チッ……ババアが来たよ)」
自分の大好きな人の笑顔を取られて、春花は機嫌が悪かった
それを知り、紫は春花を煽る行動に出た
その行動とは抱き着くことだった
「ぴゃっ!?
ゆ、紫さん……春花さんが居ますし……
こういうのは……二人の時の方が良いのですが……(カァァ)」
「ふふふ、そうね
また……後でね」
「……(コクッ)」
桜は抱き着かれて赤面ものだった
紫は続きを後でねと優しく、桜の耳元で呟く
桜は赤面しながらも、首を縦に動かす
それを見て、春花は……
「(クソ婆ぁぁぁぁあああああああ!!!!)」
物凄く怒り狂っていた
しかし、桜には素の自分を見られたくないので、表情は崩さずに笑っていた
それを知っているのか、紫は勝ち誇った表情をしていた
春花は涙目で睨んでいた
少し時間が過ぎ、三人で昼食を取っていた
「何時ものごとく、美味しいわね」
「ふふ、有り難うございます」
「お姉ちゃんの料理は幻想郷一だね!」
「ふふ……」
「「(可愛いぃぃぃぃ!!)」」
桜の笑顔を見て二人は顔を俯かせて悶えていた
二人を見て、桜は首を傾げていた
それから時間が過ぎて、ゆっくりとした時間を過ごしていた
桜は紫の膝の上に座らされていた
その光景を見て、春花は嫉妬していた
「あの……恥ずかしいのですが」
「逃げたら、駄目よ
恋人同士の時間は長く過ごすものよ?」
「そうなのですが……(カァァ)」
「(悔しい!!!
絶対に盗ってやるからな!)」
二人を見て更なる嫉妬の炎を燃やしていた
そして、紫が桜との時間を堪能して帰っていき
春花はニヤァと意味深な笑いして、桜に近付いた
そして、ギュッと抱き着く
「ぴゃっ!?
春花さん、行き成り過ぎますよ……」
「えへへ~♪
お姉ちゃんの匂いが一番好き~」
「ふふ……何時までも甘えたさんですね」
「甘えたでも良いもん、私達は大切な家族だからね!」
「ふふ、そうですね」
最初はビックリしたが、それでも抱き着くことを許す桜だった
二人は両親を失くし、二人で生きて来た
辛い時や悲しい時を互いに励まし合って、二人は頑張って来た
だからこそ、家族を大事にする二人だった
少し時間が過ぎて、偶には宴会をしようという事で、二人は博麗神社に居た
勿論ながら、桜は大人気だった
しかし、春花も人気なのだ
桜の家族というのもあるのだが、春花の容姿は桜と瓜二つなのだ
唯一違うと言えば、背丈だろう
桜が95cmで春花が140cmだ
つまり、春花は桜が少し成長した姿という事になる
それもあり、人気なのだ
色々な者達に頭を撫でられたり、楽しく話したりとしていた
「そう言えば、春花って能力あるの?」
「気になってたけど、聞きそびれてたな」
突然、霊夢が春花に能力があるのかと聞いた
それは、桜と紫の二人以外に知らない事だった
能力の話を振ると、春花と桜は暗い表情になった
それを知り、紫が溜め息を吐いて呟き出した
「貴方達、その質問は止めた方がいいわ」
「「何でよ(だ)?」」
「……春花」
紫が溜め息を吐きながら、春花の名を呼ぶ
春花は目を瞑りながら、首を横に振る
「大丈夫、私が話すから」
「そう……」
「「?」」
二人は状況を理解出来なかった
何も知らない二人に春花は能力を話す事にした
「正直、能力の事は聞かれるかと思ってた
でも……聞いて欲しくは無かったな~
まぁ、終わった事だから良いんだけどね」
「どういう事?」
「何なんだ?」
「私の能力は……」
「「能力は?」」
二人が首を傾げながら聞く
春花は歯をギリッと噛み締めながら、能力を言った
「『呪いを受け付けない程度の能力』」
「「っ!?」」
そう、春花は神の呪いを受け付けなかったのだ
これは今だから言えることだが、呪いを掛けた神『龍神』は言った
「我は何もしていない」と
つまり、自然と能力が発現したのだ
この能力が浮かんだ時に春花は自分を殺したい思いに駆られた
家族が死ぬ思いをしているのに、自分だけ安全な場所に居る
桜が大好きな春花には辛すぎる能力だった
「お姉ちゃんが大好きな私は……この能力が浮かんで自分自身にイラついた
でも、お姉ちゃんは気にしないでと言ってくれた
私は……私は……何度、お姉ちゃんの代わりに呪われたいと思ったことか……
安全な所から、ただ応援してるだけだった……
私は……お姉ちゃんに……何もしてあげられなかった……」
「もう良いんですよ」
「お姉ちゃん……」
「「ごめん……」」
春花は正座しつつ、泣きながらも話していく
もう見ていられないと桜は感じて、後ろから優しく抱き締める
抱き締められても、春花は更に涙を流す
聞いた二人も泣きそうな表情で謝った
「ううん、良いの
こんな能力が発現したけど……お姉ちゃんの家族になれただけで幸せだから」
「ふふ……春花さん♪」
二人の家族愛を見て霊夢と魔理沙はホッとする
見守っていた紫も険しい表情から自然と微笑みへと変わる
二人は何時如何なる時も互いに励まし合って、幸せに生きていくだろう
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~おまけ~
春花が泣き止み、宴会の続きとなった
すると、春花が思い出したように話し出す
「この能力が浮かんだ時は嫌だったけど
嬉しかった事もあるんだよ?」
「へぇ~、どんなこと?」
「気になるんだぜ」
「何かしら……?」
「……(カァァ)」
上から順に霊夢、魔理沙、紫、桜の順番で言った
何故か桜は照れていた
桜に気付かず、三人は春花の話に耳を傾ける
そして、春花はニヤつきながら、続きを話す
「その時の私は本当に辛かったけど
頭の良い私は思い付きました
この状況に応じて、お姉ちゃんに甘えようと!」
「「ん?」」
「まさか……」
「……(シュー)」
春花は徐に立ち上がり、腰に手を当てて胸を張っていた
まだ春花の暴走は続き、紫は春花の言いたい事が分かったようだ
「お姉ちゃんにキスをお願いしましたぁ~!
実を言うと、お姉ちゃんのファーストキスは私なのだ~!
あ~はっはっは!!!」
春花は爆弾発言をして、そそくさと逃げ出した
言わずもがな、紫がキレていたからだ
「「なっ!?」」
「春花ぁぁぁぁあああ!!!
待ちなさい!!!」
「えへへ、やだよぉ~!」
「ぁぅぁぅ……」
二人の追い掛けっこは宴会が終わるまで続いた
気絶した桜を霊夢が膝枕していたようだ
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名前;神呪 春花
性別;女
種族;人間
身長;140cm
体重;30㌔
能力;『呪いを受け付けない程度の能力』
年齢;10歳
霊力;普通
容姿;桜と同じ容姿だが、先祖の桜花から許可を得てポニーテールにしている
身長も桜より高く、どちらが姉か分からない
特技;家事全般
好きなもの;桜、母、紫(認めてはいるらしい)、幻想郷
嫌いなもの;父(家を出て行った為)
考察
唯一、呪いを受け付けない子で生まれて来た
桜が大好きで家族愛以上の愛を桜に抱く
紫とは仲が良いのか悪いのか分からない
けれど、決して互いに嫌いではない
この能力を発現したが、間違いなく家族に望まれて生まれて来た子
どうでしたか・・・?
少しだけ長く掛けた気がします
おまけで「キスをお願いした」を思い付いたので入れてみましたw
でも・・・本編では出せないから・・・春花が可哀想に見えてきた。。。
そして、この番外編では紫が恋人というw
でわ、また次回に!




