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東方全愛記  作者: 神夜 晶
番外編
113/181

番外編 『神咲家と稗田家』

どうも、神夜晶です


今回は桜と阿求の出会いを書こうかと思います


この頃の桜は呪いがある時です


いや~・・・今日は早く帰れたので執筆出来ました(;´・ω・)


でわ、どうぞ~

突然だが、昔話をしよう

昔話と言っても、数年前の事だ

桜が人里の有名人である「稗田阿求』と出会った話だ

あれは数年前の事だった

行き成り家に押し掛けて来た慧音が、こう言ったのだ



「桜、紹介したい者が居るんだが」



「紹介したい方ですか?」



「あぁ、その者なら呪いなど関係なく接してくれる筈だ

桜の話し相手にと思ってな」



「慧音さん……」



自身の事を気遣ってくれる慧音に感動した桜だった

勿論、桜は快く了承した

慧音にお姫様抱っこをされ連れて行かれた

途中で人里を通ったが、飛んでいた為に人と会う事など無かった

そして、飛んでから数十秒後に着いた

着いた家を見た桜は絶句した

それは何故か? その家は人里の有名人で桜にとっては雲の上の人物と言っても過言ではなかった



「着いたぞ、此処だ」



「……」



桜は目をパチクリさせて固まっていた

それを見た慧音は桜に声を掛ける



「どうした?」



「あ、あの……本当に此処なのですか?」



「あぁ、そうだが?」



「紹介したい方というのは、もしかして……」



「うむ、稗田阿求だ」



「……」



桜は苦笑しながら、冷や汗を流していた

それ程までに困惑していた

決して嫌とかではない、寧ろ会いたい気持ちの方が大きいだろう

しかし、桜にとっては雲の上の人物だ

稗田家は由緒正しい人間の家系で、人里の宝と言っても過言ではない

そんな人物に会うなどと、桜には緊張と不安が募るばかりだった

桜はネガティブ思考ではないが、自分に自信が持てなかった

故に桜が阿求と会うのは辛かった

慧音は桜の考えを理解したのか、優しく微笑んだ



「大丈夫だ、桜

来る前にも言ったが、阿求は呪いの事を気にするやつではない」



「それは分かってはいるのですが

緊張してしまって……」



「ふふふ、緊張するくらいが丁度いいんだぞ?

さぁ、行くぞ」



「ま、まだ心の準備が……」



「駄目だ、待たない」



「ぁ……」



少し意地悪をする慧音だった

慧音は桜の意見を無視して、家の中へと入る

家の中は桜の家と変わらない程に確りとした作りだった

慧音が玄関から阿求を読んだ



「阿求、来たぞ!」



「は~い」



桜は抱っこされながらも内心は楽しみにしていた

阿求の名前を聞いた事はあるが、姿を見た事は無い

どのような姿をして、どのような人物なのか、桜は気になっていた

そして、声の主の足音が近付いてきて……その姿を見せた

稗田阿求は小さな少女だった、と言っても桜よりかは背が高い

紫髪紫眼に黄と緑の着物を来て頭に花の髪飾りを着けていた

阿求は慧音を見て、手に抱えている桜へと視線を移す

桜は視線を向けられ、愛想良く笑顔で応えた

それを見て阿求も笑顔で返す



「今、時間大丈夫か?」



「はい、大丈夫ですよ」



「そうか、この子の紹介でな

上がらせてもらうよ」



「えぇ、どうぞ」



「うむ、お邪魔する」



「お、お邪魔します」



慧音は、まるで自分の家のように入っていく

傍から見れば身勝手の行動だが、二人の間に壁はないのだ

慧音は桜を抱えて奥へと入っていく

一番奥の部屋に入ると、沢山の書物が置いてある部屋だった

どうやら此処は阿求本人の部屋らしい

その証拠に書き途中の書物が放置されていた

しかし、慧音は気にする事なく桜を床へと下ろした

桜を降ろし、慧音自身も床に座る

慧音と一緒に阿求も床へと座った

少し沈黙状態になったが、それを破ったのは阿求だった



「神呪桜さん……でしたよね?」



「は、はい」



「ふふふ、緊張しなくても良いですよ

そんな畏まられる程の人間ではありませんから」



「い、いえ……

私からしたら阿求様は人里の宝のような、お方ですから」



「ふふふ、宝ですか?

有り難うございます」



「いえ、お礼を言われる程では……」



矢張り桜は緊張していた

阿求が緊張するなと言っても、無理な話だった

人里で1位2位を争うほどの有名人だ

流石の桜でも緊張してしまうのは仕方の無い事だ

緊張している桜に慧音が珍しく追い討ちを掛けた



「……少し用事が出来た

二人で話しててくれ」



「分かりました」



「(慧音さん……!?)」



「……」



慧音は桜に苦笑の表情を見せながら出て行った

残された桜と阿求の二人の間に再び沈黙が訪れる

すると、此処で桜は深呼吸をして落ち着きを取り戻した



「……

(阿求様も言ってらっしゃいましたように

緊張しては折角の機会も台無しになってしまいます

今は出来るだけ……楽しみましょう!)」



「桜さん」



「あ、はい」



「桜さんは今のままで良いんですか?」



「え?」



「私も余り家から出ませんけど

人里の噂くらいは耳に入って来るんですよ?」



「それは……」



阿求が言いたいのは「どうして本当の事を言わないのか?」だ

つまり、桜の呪いは他の者に移らないという事を言わないのか聞いてきた

実を言うと、阿求も慧音から話を聞いているのだ

今回の話し合いも実は阿求からの申し出だった

慧音の話を聞き、桜に興味を持ったのだ

自身と同じくらいの寿命なのに、どうして其処まで頑張れるのか

稗田阿求は心の底から、桜に興味を持った

突然の事で桜は答えに困惑した

桜が答えに困っていると、更に阿求が話を進めた



「慧音さんから大体のお話は伺ってます

本当の事を話して人里の皆さんと仲直りしたくないんですか?」



「したいです……」



「だったら……」



「ですが……本当の事を話すつもりはありません」



「何故……ですか?」



「確かに慧音さんや霊夢さん達に頼んで本当の事を話しましたら

人里の方達と仲良くなれるでしょう

ですが……私は、この事に関しては皆さんのお力を借りる訳にはいかないんです」



桜は人里の者達に関しては「誰の力も借りる訳にはいかない」と言い切った

その瞳には強い意志が籠められていた

阿求は驚愕し、目を開くも桜に理由を聞いた



「それは何故と聞いても?」



「慧音さんから、お聞きしてるかもしれませんが……

異変が起こる度に私は苦痛を伴います

それだけでも、返せない程の恩がありますのに

これ以上……恩を貰う訳にはいきませんから」



「でも、霊夢さん達は……」



「分かっています

気にするなと言うでしょう

ですが、この件に関しては自分の力だけで解決してみたいのです

母もそうでしたが、今まで生きて来た神呪家の皆様の想いを私が受け継いでいかなくてはなりません

それ故に私は……何方のお力も借りる事はありません」



「……」



「阿求様、生意気な事を言って申し訳ありませんでした」



桜は自身の思いを語った

今まで生きて来た神呪家の想いを果たしたい

その一心で力を借りる事はしたくないようだ

阿求は桜の思いを聞き、考え込んでいた

気を悪くしたのかと思い、桜は土下座した

数秒後に阿求は口を開いた



「頭を上げてください、桜さん」



「……」



「ふふふ、私の負けですね」



「……え?」



阿求は真面目な表情から微笑みの表情へと変わった

桜は何が負けなのか分からず首を傾げていた



「すみません、少し試しました」



「?」



「私は慧音さんから、お話を伺ったと言いましたよね?

桜さんの事を聞くうちに、どんな人なのか知りたくなりまして

少し試させて頂きました」



「そうですか……」



「試してしまい、すみません」



阿求は試したことを桜に頭を下げ謝罪した

桜は謝罪されたことに驚愕し、顔の前で手を横に振る



「いえいえ、阿求様が謝らなくても……」



「ふふふ、桜さんは優しいんですね」



「い、いえ……(カァァァ)」



「照れてるんですか?

可愛いですね♪」



「ぁ……ぅ……(カァァァ)」



阿求に褒められて赤面する桜だった

仕舞いには俯いて頭からシューという音をさせ湯気が出ていた

その姿を愛おしそうに見る阿求が居た

それから、二人は話を弾ませていき

色々な話をしていた

時間が過ぎていき、気が付けば外は真っ暗だった

それから慧音が迎えに来て、桜は帰っていった

その日から阿求は毎日が楽しそうだと世話係が呟いていたんだとか



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



そして、現在

桜は阿求の家に訪れていた

昔は緊張していたが、今は緊張しているというよりも楽しんでいると言った方が正しいだろう

二人が話していると、突然阿求が昔の事を話し出した



「そう言えば、桜さん」



「はい、何でしょうか?」



「前に、お会いした時に言っていたように

何方の、お力も借りる事なく呪いを終わらせましたね」



「そうですね……

ですが、結局は皆様のお力を借りた事になりますし

本当に一人でと聞かれますと……「いいえ」と答えますよ」



「そうですか……

ですが、貴方が神となった、あの日の力は見事でした」



「ふふ、有り難うございます」



「……」



「どうかされました?」



阿求は桜の笑顔を見て目をパチクリさせていた

桜は首を傾げて、どうかしたのか聞いた



「いえ、少し思う所がありまして

桜さん、少しお願いがあるのですが……良いですか?」



「お願いですか?

はい、私に出来ることでしたら!」



桜は胸の前で拳を作り張り切っていた

それを見て、阿求は桜が分からない所で“良い”笑顔をしていた



「えぇ、実に簡単な事です

私の事を……お姉ちゃんと呼んで欲しいのです!」



「……ぇ?」



「前々から思っていたのですが

貴方にお姉ちゃんと呼ばれてみたかったのですよ」



「そ、そうなのですか……

分かりました……少しお待ち下さい……(カァァ)」



「えぇ、大丈夫ですよ」



阿求の願いとは「お姉ちゃん」と呼ばれることだった

前々から呼ばれたいと思っていたらしい

流石の桜も驚いたが、他の者も「ママ」と呼ばれたい者達が居るので、余り驚きはしなかった

しかし、心の準備は要るので待ってもらった

数秒後に準備が出来て、言う事を決意した



「阿求……お姉ちゃん……(カァァァ)」



「~~~~~~っ!?」



阿求は桜の可愛さに悶えながら、床をドンドンと叩いた

それを見て、桜はビクッと反応していた



「ど、どうされました?」



「な、何でもありません

(予想以上の破壊力……!

慧音さんはママと呼んで頂いたようですが

矢張り、お姉ちゃんが最高ですね)」



「そうですか……

恥ずかしいですが、姉は居なかったので不思議な気持ちですね」



「ふふふ、これからも呼んで良いんですよ?」



「……(コクッ)」



「ふふふ♪」



桜は照れながら頷いた

阿求は照れる桜を見て微笑みながら、頭を撫でていた

この日からの阿求は毎日を楽しそうに過ごしたんだとか

どうでしたか・・・?


何時も異常に微妙ですね・・・


魔界の話と同じで、後ほどオマケを書き足します


でわ、また次回に><

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