表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校生日記  作者: 周防涼白
2012年
59/67

Aさん物語~吾野綾乃編~第13~16話

とりあえず完結させるために投稿していきます。


2013年に書いたころのまま投稿します。

2013/07/31_Wed_第13話


皆で楽しく良い汗をかいた後、夕食の時間となる。あまり動いていないんだけど、一女性としてはやはり、汗の臭いとか気になっちゃいますね。なんて話したら、


「じゃじゃじゃじゃっじゃじゃーん! そんな貴方にも此れを使わせてあげよう。制汗剤(せーかんざーい)! ほら、手ーだして」と返された。ダミ声っぽく。


私は言われるがままに手を差し出した。掌の皿にサラサラとした白い液体がビュッと……この文章はいや、敢えて言うまい。


液体の香りはフルーツの……そう、グレープフルーツのような。うん、いい香りだな。


そのまま友達に視線を戻すと、身体にぬりぬりしていたので私も真似する。これで大丈夫なのかな? 夕食は始まった。




自由時間兼風呂時間は、トランプしたりだとか雑談したりだとかであっという間に潰れてしまった。風呂は一組から順に二組ずつ、時間で交代。


どちらかと言うと長時間風呂に入る私にとって、お風呂の時間は短過ぎた。まぁしょうがないのだろうけども。


自由時間の次は、今日一日の反省会をするはず。場所は……男子の大部屋だ。風呂上がりなので、軽く身体が火照っているが、友達と一緒に男子部屋に行く事にした。




「湯上り補正キター!!」


男子の部屋のドアを開けるのと同時に、そんな言葉を言われる私達女子s。大半の女生徒は驚いた後、白い眼を向け始める。


湯上り補正とか言った男子は拳を天に掲げて、何故か涙していた。えっ、なんか気持ち悪い。


よく見れば、あぁ気が滅入る、徒華哀人、其の人だった。


パシャパシャと写真を撮り始めるカレ。一体、何処から取り出した。更に女子達の空気が冷えて行くのが分かった。だって、ねぇ。


慌てた感じでカレの愚行を止めさせようとする男子諸君。うん、助かるよ。カレは後ろから羽交い締めにされ、脚をばたつかせ始める。


「YA☆ME☆RO! HA☆NA☆SE! 俺は何もしていないっ。誤解だ無実だ冤罪だーーーーー!!」


悲痛な叫び。だけど、貴方は有罪です。だって、其の手に持っているカメラが何よりの証拠なのだから。





カレは部屋の角っこで正座させられた。頸から「僕は性犯罪者です。近寄ると妊娠させます」と書かれたのをぶら下げていた。む、惨い。


さっき撮った写真を皆に見えるように別の男子が消去すると親の仇を睨みつけているように男子を見、血の涙を流していた。そんなに大切なのか。


反省会では、特にこれといった問題などなく、カレの愚かな行動が取り上げられたが、明日の予定の確認程度で終わった。


早く終わってしまったが、時間はまだある。先生は、じゃあ静かに交流でもしていて下さいな、と言った。


2013/08/01_Thu_第14話


じゃあ楽しくお話ししましょう、とはならなかった。要因は、先程のカレの言葉を借りて言うと、女子は湯上り補正によって、正視しづらい状況なのかもしれない。


男子はチラチラと此方を眺めながらも、微かに頬を赤らめてそっぽを向く、を何度も繰り返していた。


女子も男子の鎖骨が気になるのか、はたまた筋肉美が気になるのか、頬を赤らめてはそっぽを向いていた。


なんでしょうね、男女お互いに照れがある所為で上手く会話が続かないみたいそんな感じ。初めてのオフ会? みたいな。お見合い? みたいな。


そんな時、彼が立った。


車座になっていたので、自然と彼に視線が集まる。彼は真中まで進むと踊りだした。ダンスについて詳しく知らないのでなんとも言えないのだが、ロボット的な動きを魅せるモノだった。


一分程、彼は踊り続けると、電源が落ちたかのように床に倒れた。そして唐突に立ち上がり、


「どうも、ありがとうございました」


と完璧な礼をした。一歩間違えればキッチガーイな行動だったのだが、彼のは堂に入るモノなので、皆盛大な拍手で返していた。


むむむ、蒼太は目立ちたがり屋さんなのかな? なんて思っていると、対抗心を燃やしたのか、女子の一人が、


「そんなの私も出来る!」


と言って踊り始める。それが終わるとじゃあ俺は別のを、じゃあ私は……と隠し芸大会みたいに成った。


段々とヒートアップしていく、のに。


残念ながら、十人も披露しないうちに先生からの時間ですと宣言され、盛り上がっていた私達は渋々と自室へと戻るのであった。



女子の大部屋へ戻った後、蒲団を敷き、皆寝る準備を始めた。半袖短パンの生徒が多かったが、私はパジャマ派。少し浮いていた。薄いピンク色のものでフリルがなんとなく可愛らしく付いているもの。


なんだかんだしているうちに、消灯時間と成って皆蒲団の中へ潜り込む。私の右隣の女子が、


「さっきの彼、蒼太君だっけ、なんだか格好良かったねー」


と話し掛けてきた。

ナヌ?! ライバル登場か!?

表情に出ていたのか、


「あ、やっぱりコーユー旅行的行事の夜と言えば、恋バナだよね!」


と楽しげに、少しからかった感じで言ってきた。口許をにやりと歪めて。


それを聞きつけた周囲の女子も交えて、中々眠れない夜に成ったのは言うまでもない事であろう。


まあ、そんなこんなで、面白おかしく、宿泊研修第一日目は終了した。


2013/08/06_Tue_第15話


眼を開くと、映るのは知らない天井だ……なんてね、今は宿泊

研修二日目の朝。誰かの目覚まし時計の音で眼が醒めたのです

よ。


時刻は午前六時ジャスト。夜、蒲団に入ってから寝付けなかっ

た……よりか、雑談していたから大変眠い。


睡眠時間は三四時間程度ではなかろうか。うーん、不健康にな

りそうだな。


栞には六時半に起床、蒲団を片付けてから移動し、七時に朝食


皆直ぐに蒲団をしまい込んで身嗜みを整えていた。朝だしね。

朝食には男子も居るしね。




七時少し前に朝食の会場へ移動した。トレーを持って皿に盛り

付ける感じのバイキング形式。


メニューは和食か洋食の二つで、献立はポピュラーなものだっ

た。私は軽めの洋食で。


小さなクロワッサン三つとスクランブルエッグ、コーンスープ

にサラダ。どれも少量。朝ってあまり多く食べられないよね。


っと思ったら、男子で滅茶苦茶山盛りにしている人が居た。各

皿が見えなくなる程に盛り付けている……此奴は阿呆か。時間

は三十分とないのだぞ。


とか思いながら、食べる席を探していると、誰も座っていない

四人掛けのテーブルを発見。ラッキーと思いつつちょっと駆け

足で。


そのテーブルに付随している座席に手を掛けると、向かいから

も同様に椅子に手を掛ける人が。何奴?! と思い顔を上げる

と。




蒼太と眼が逢った。




…………○


で、何故か私、蒼太、女子友達x2の四人で食卓を囲んでいる。

……一体何を話しているのか分からないかもしれないが、私自

身にも理解出来てない。なんてね。


「でさでさ蒼太君、君と綾乃は一体どーゆー関係なのかな?」


ぼふっ、と口から空気が噴き出る。此奴ハ何ヲ言ウテオルノダ

? 何事もなかったようにコーンスープを口に寄せる。


「え、え~っと……」と蒼太は苦笑交じりに私に視線を送る。

私は慌てて首を横に振る。


「ん~? 何々、二人だけで見つめ合っちゃたりして~見せつ

けてくれちゃいますね~」


「「いやいやないない」」


おぉ、ハッピーアイスクリーム。身体に触れるのが作法なので

したかな?


「ほら、息までぴったりじゃないですか、やだー」


と、ニヤニヤしながら、頬杖を憑きながら私を、いや私達を眺

めている彼女。眼がいやらしいですよ。とまぁ、そんなこんな

で朝食の時間は過ぎて行った。


…………○


その後、制服に着替えバスに乗る。栞には○○市民体育館に集

まる、とのこと。ふーん、なにをするだー?

















果たして其れは、模擬試験だった。


なんでさ。宿泊研修だろ?


2013/08/09_Fri_第16話


生徒達は大ブーイング。


しかし、模擬試験の冊子が配られてしまえば、否が応でも受けることしか出来なくなるのでして、私も辟易しながらも、必要事項を機械的にマークしていく。


なんでだよ、なんでなんだよ……宿泊研修だろ? 修学旅行に準ずるワクワクドキドキイベントのはずだろ? 何故このような事をせにゃならんのだ。分からん。


とかなんとか思っている内に、英語のリスニングが始まる。問題用紙の弐頁眼を開いて下さい……はいはい、やりますよやればいいんでしょ!


…………○


午前中に英語と数学があり、昼食を挟んでから午後に国語……の三教科だけであった。五教科もあればボイコットを起こしていたかもしれない。割と本気。


まぁ感触、英語数学に於いて五~八割はカタイと思うのだけれど……国語は爆睡してしまい半分にも届いていないかもしれない。


お昼ご飯を挟んでしまうと、如何しても眠くなってしまうのが安定の私クオリティ! やったね! ……軽く泣きそうなのが現実です。


模擬試験が終わり、休憩の時間となる、と言っても三十分程度。短いなぁ。そして休憩終了後に、自己採点をさせられた。


英語→数学→国語と自己採点を進めて行くにつれて、段々とテンションが下降していく。気持ち自由落下並み。国語……乙。


皆、丸付けを終える頃になると、ざわめき始めた。私は机に突っ伏す。燃えたよぉ燃え尽きたよぉ…………。


隣に座る女生徒が私のシートを覗き込んでいる、ふと、そんな気がした。


「うわっ。え、まじ、スゴ…………!」


と声を上げる。やはりか。てか、なぁに勝手に見てんだよぉ。頭を持ち上げ眼を合わせる。


カノジョは少し慌てた様子をみせるけれど、開き直ったようで、


「点数メッチャいいじゃん! なんで落ち込んでんのさ」と言った。


「いや、点数じゃなくて……ほら、今は宿泊研修じゃん? もっと皆と一緒にエンジョイを青春したいと思ってね」と、私は応える。


「え? あぁ、うーん。確かにそうだよねー。別に今ベンキョーしなくてもいいと思うね。てかさ……」


よし、点数の話題から逸らす事に成功したようだ!



話していると次の指示が流れる。用紙を回収した後、学習計画について話します、とさ。


勉強大好きだなホントこの学校は。


…………○


結局、また爆☆睡してしまいました。


いや、だって、スクリーンに資料を投影しながら話していたんですけども、やはり、照明を落とさなければならない訳でありまして、当然の帰結として私は眠たくなる訳でして。


睡眠時間が短かった訳ですし。頭を酷使したから眠くなった訳ですし。すしすしお寿司ですし……という訳の分からない言い訳でした。

ご感想よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高校生 日記
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ