Aさん物語~吾野綾乃編~第6~8話_日記
とりあえず完結させるために投稿していきます。
2013年に書いたころのまま投稿します。
2013/06/19_Wed_第06話
……彼の話をしよう。
この一週間では余り多く話すことはなかったが、やはり、彼は幼き日の彼で間違いなさそうだ。多分は確信へと変わる。
彼は入学式の翌日、おっはよー! やっぱり久方振りだよねー? なんて、ヤケに高テンションで朝の挨拶をかましてきた。私はずっこけてしまった。アニメや漫画よろしく。
お前は誰だ! と叫んでしまいそうになったのだが、目立つのは良くないと我慢我慢。既に彼の挨拶に依て、悪目立ちしてしまった感は否めないけれど。
思うに、久方振りではなく、昨日振りではなかろうか。更に、其のキャラは女の子の其レではなかろうかと。
如何したの? 暗い顔してー、と小首を傾げながら私の顔を覗き込む彼。にゅっと云う効果音が着きそうな感じで彼の顔が接近。赤面してしまう私。
気持ち、麒麟とかが頸を持ち上げて此方に近づいて来たイメージ。伝わんないかなぁ? 分かる?
まぁ、そんなこんなで嬉し恥ずかしハプニングがチラホラと点在しながらの一週間。彼が一方的にベラベラと喋り、私は相槌を打ち続ける一週間だったのです。
けれど、と言うのか分からないが、何故か、私達……私と彼は其の事について全く触れようとはしなかった。其の事と云うのは、まぁ、あの約束ですわ。
話さずに時は過ぎてしまい、と言っても一週間ぽっちなんだけど、然れど一週間。今更、蒼太はあの時の約束は覚えてる? なんて尋ねる事は出来やしない。
(唯、十年後の再会を約束したものであって、それから如何なるかは約束から外れてしまんだよな)
あ、話し忘れていたけれど、今週……鯔のつまりは入学式の次週……の金曜日から日曜日までの三日間、社会科見学と云う名のお泊まり会がある。
学校の粋な計らいだよねー。この機会に友達作れよ、みたいな意思を感じるよ。
ただ、この社会科見学で友達が出来なかったら、この一年間は最悪なモノになるのではなかろうか。想像したくないね。
ううむ……ま、AグループならAグループで自然と固まるよね。Bグループは奥手な人達が多そうなイメージだけど、最終的にはAグループともCグループとも交流してそう。
Cグループなら勝手に集まって集団が出来上がるよね。彼等の生命力は謎が多いよね。
如何、嗅ぎ分けているのかヲタクの人とそうじゃない人を区別しているのは凄いと思うよ。
只、休み時間に男が四五人で、でゅふでゅふ笑い合うのは堪忍して欲しい。なんだか寒気がするのですよ。
私も身の振り方を考えなきゃいけないね。
2013/07/06_Sat
友達から奈須きのこさんの作品『DDD』を借りました。全体の四分の三程読み終えました。
面白いですね。Fateとか月姫だとか空の境界なども面白いですよね?
有名どころしか知らないので俄かと言われても仕方ないですが、奈須さんの作品は好きですね。
空の境界の映画は素晴らしかったですわ。月姫のアニメ? ……時代を感じました。いや、別に否定している訳ではないです。
ただ、少し、なぁー……、と思った程度です。
そうそう、今日書いているこれはかなり久方振りの日記ではないでしょうか? 最近はAさん物語の吾野編を始めていたと思います。
第六話で止まっているのかな? ちょっと分かりませんが。まぁ始まって直ぐにストップしてしまいましてね……。
一応、プロット? 的なものを作っていたのですよ。言い訳みたいなものです。
プロット的なものを作った方が、全体の流れを直ぐに確認出来るので、便利かなと思いました。
行事日程は自分が通う高等学校を参考にしていますので、あれ? 俺と同じ学校なのかコイツ、と思いなさっても、くれぐれも作者を詮索捜索しないで下さい。
ご協力よろしくお願いします。
今週の木・金・土曜日に学校祭があります!
ま、そんなこんなですわ。
2013/07/08_Mon
本当は昨日の内に書きたかったんですけど、寝てしまいまして、今日書いている感じです。
で、奈須きのこさんの作品『DDD』ですよ。なんて言いますかね、文章の魅せ方と言うのですかね。素晴らしいですわ。
模倣の話が読み終わってから半端ないなぁと思いました。
んで、青鈍は模倣少年なんですよ……模範少年ではなく。あぁかぶっているなぁ、と思いつつ、到底届きやしない高みにいる(奈須きのこさん)よなぁと痛感しました。
僕が如何足掻いても絶対に辿りつくことが出来ないだろう、そのような存在ですわな。
今日、Sun〜Monにかけて12時間も睡眠していました(笑
2013/07/13_Sat_第07話
寝返りを打つと、互いの吐息が掛かる程の距離に彼の顔が在った。
突然過ぎるってかい? そうだね、余りにも行き成りだから、私も面喰っている処だよ。
何故、此のような状況に成ったのか分からないので、少し前後の出来事を思い出してみよう。
そう、確か昨日は…………。
…………○
高等学校とは……なんて話題をダラダラと五分程聞かされた私達新入生、一年生諸君。
七時間目が始まる前に第二体育館に集合しなさい、此れが朝のHRで担任の先生からされた話。
内容がアバウトだった為や、新入生という事で気持ちがふわふわしていたのか、はたまた別の理由かで、チャイムが鳴り終わった後に慌ててやって来る生徒も居た。主に男子。
当然、先生の話をしっかりと理解していた人達は休み時間の間に移動を済ませていた。流石、進学校とでも言うべきなのであろうか。
まぁ遅刻している連中が十名程居たので曖昧な所かもしれないけれど。
高校生なのだから中学生とは違い先生にアアシロコウシロと言われずとも動けて当たり前、との事。理不尽じゃね?
ついこの間まで中坊だった少年少女に其のような要求するのは些か酷ではなかろうか。
まぁ割とどうでもいいんだけど、ね。
それから、明日から始まる二泊三日の宿泊研修(ここ重要!)の栞を配られ、其れの補足説明等を聞いた。
家に帰ってから、明日が待ち遠しく
仕方がなかった。だって、旅行みたいなものなのだぜ?
そうだ、お菓子を買いにいかねば! と思い、近場のスーパーで千円近く購入。小学校中学校ではお菓子の上限額が在ったが高等学校では関係なし!
いいね高校生。ビバ高校生!
其の後、家で夕食を食べて、お風呂に入って、荷物の確認をしてから眠った。一、二時間寝付けなかったけども。
此れが昨日の出来事。
それで、今日は何時もよりも早く眼が醒めて、二度寝は出来なかった。
登校途中、蒼太に逢ってそのまま一緒に学校へと向かった。チャーターされていたバスに荷物を積み込み、いざ乗車。因みにこの時私の荷物は蒼太が運んでくれた!
そのまま流れで蒼太と私は隣の席に座る事となったのだ。Aグループの人が、アイツラ付き合ってんのかと話していた気がする。気にしない。
気にしませんよ!
時間通りにバスは出発して、先生が諸注意をした後はお喋りタイムに成った。
後部座席の方では、男子達が携帯ゲーム機で通信対戦をしていた模様。当たり前だが、先生に見つかったら即、没収。
近場に座った人達で男女の壁とかはなしに会話とかしりとりだとかを楽しむんでいるようにみられた。
バスが高速道路に乗ってから約一時間もする頃にはチラホラと眠りに付く人が増えてきた。私も眠い。
蒼太にちょっと寝ますと伝えて、窓の外を眺めぼんやりとする。景色は広大な畑ばかりで代わり映えがないものばかりだった。段々眠くなってきた。
そして、寝てしまった。
座ったままの姿勢ではストレスが溜まるので、寝返りを打ったら、冒頭に戻る訳だ。うん、もっと簡潔に述べるべきだったね。
2013/07/17_Wed_第08話
かぁっと、顔が火照っているのが分かる。や、困りますね、本当に。しかし、何時見ても蒼太はイケメソだなぁ。
あ、ヤバイ。胸がドキドキしている。あれですね、青春していますね私、今、正に。
てか、さ。き、キッス出来てしまうんじゃない? みたいな……。いや、寝込みを襲うみたいな感じだけどもさ。むむむ、悩ましいですぞ。
……でも、止めておこう。想いが通じ合っている訳でもないのに、其のようなことを為るのはなんか嫌だ。後悔なんかしたくないし。
うん、止めておこう。
まぁこれくらいは許されるよね。私は彼の腕の中に身を寄せて、もう一度眠る事にした。
無意識なのか……本当は起きているのか……肩に手を回された。大きくて暖かな掌だった。
良い夢が観られる、そんな気がした。昨日今日と眠りが浅かったので、すぐに寝付け…………。
…………○
『パシャ』という音と同時に、光が照射された。
「Yes! Yes! Yes!!!!!!!!!!」
誰かが叫ぶ。シャンプーのコマーシャルかっての。
手で庇を作る。何事か。意識がゆっくりと鮮明になってくる。其れに連れて私と彼の状態を思い出す。
や・ら・か・し・た……。うわ、弁明の余地ないじゃん今の状況。まるで抱き合うようにして寝ている訳だし。
……アイドルが男と居る処を盗撮された気分は此のようなモノなのかな。別に蒼太は私の彼氏という訳ではないんだけども。
なーんて、現実逃避してても意味ないよねー。わーわーわー。参ったね本当にどうも……。軽く世界が止まらないかなぁ。
「綾乃、起きて」
耳許で囁かれる彼の声。吐息が軽く耳を撫ぜる。全身がぞわわーって鳥肌が立つような感じ。気持ち悪いからではなく、気持ち良くて。
「あ、うん、今さっき起きたよ」
身体を離して眼元を軽くゴシゴシ。涎垂れてないかチェック。髪も手櫛でちゃっちゃと整える。オーケー、問題なし。此れらの動作を二秒以内に終わらせた。
まだ頭がぼーっとしているけれど、努めて平静を装う。そう、冷静に成らねばならないのだよ。そうだ、素数でも数え……いや、止めておこう。
なんて、脳内でぐるぐるぐるぐると思考を巡らせてみるけれど、結局、此の場を誤魔化せるような良案は思い付かなかった。
もし、此の場を凌げたとしても、何れにせよ噂は流れてしまうのかもしれないのだけれど。
頼むぜ蒼太、君に決めた! 心の中でそう叫ぶと、丁度良いタイミングで彼が呟いた。
「Hello,WORLD! D.D.D.」
そう、呟いた。
ご感想よろしくお願いします。