2013/02/01~28_二月
とりあえず完結させるために投稿していきます。
2013年に書いたころのまま投稿します。
2013/02/01 Fri
久々の日記ですね。一月には色々ありまして、心の整理をする必要がありました。
今後はまた毎日更新を目指して頑張ります。
さん物語 ~縣 彰敏編~
中学生の頃に書いた(笑)という評価されたのをもう一度書き直してみよう、という試み。三人称視点に挑戦してみる。
彼の話をしよう。彼は所謂「超人」だ。何事においても頭一つ抜きん出ている。
例えば、勉強。入学してから成績は常に学年トップをキープしている。一度だけ三位に転落したがその一回だけである。彼は教師の期待の星だ。ちなみに、彼の学年の生徒は、総数百二十と少なめである。
例えば、運動。子どもの遊びでも体育の授業でもなんでも、熟練者の域へ到達する。当然、部活に所属するのであればエース確定である。
例えば、読書。読むのが早い。本当に読んでいるのか、試しに主人公の心情を訊いてみた。模範的解答ではなく、彼なりの見解で意見を述べていた。きちんと読み込んでいることが分かった。
(余談になるが、彼は読んだ文章全てを丸暗記していた!)
例えば例えば例えば……彼の武勇伝を語ろうとするならばキリがない。何時まででも語り続けることが出来そうだ。
そんな彼はつい先日、とある女子から告白された。彼は、うんと一度頷いてめでたく交際することとなった。
超人で寡黙で……孤独だった彼が主人公のお話。
…………*
2013/02/03 Sun
今日は中学の頃のお友達と、隣街へお出かけ。財布よし。ちり紙よし。服装……部活帰りなので高校の名前が入っているジャンバーよし?
いやいやよくないだろうと思いまして、家に帰って着替えてまた出発。無駄無駄なロスタイムですよ。
駅まで到着すれば、懐かしの友達と眼と眼が合う瞬間、色々な出来事がフラッシュバック。
毎日毎日、一緒に登校した通学路。冗談を言った放課後。学校祭でハジケあったり卒業式で笑いあったりしたあの友人と。
My friend?
No!
Dear friend!
親愛なる親友へ贈る僕の言葉。
久し振り。ああ久し振り。
中学校を卒業してから、めっきり顔を合わせることがなくなって、寂しさ大きく涙へ変わる。
ああやだね、再開が嬉しくて泣くなんて。僕は笑う。
電車にガタンゴトンと揺られながら、世間話をエンドレス。話題は尽きない。笑顔は絶えない。
政令指定都市に到着すれば、すぐさま本屋さんへ直行する。ダラダラダラダラと本の背表紙を眺めながら、内容を語り合う。
小腹が空いて、ファーストフード店で小休憩。もちのろんで僕のおごり。
満たされたお腹をさすりながら、次の目的地へレッツラゴー。軽く道に迷いつつも無事到着。良かった良かった。
そこでものびのび本を眺めつつ、あれよこれよと言ってる間に、お金が泡沫の
ように姿を消して。
気付くと空は真っ暗で、僕達は帰らねばならない時間になって。駅へと続く道程が永遠に辿り着けなければいいのになんて。
再び電車にガタンゴトンと揺られては、話に花を咲かせます。また遊ぼうね。ああ絶対に。
彼は最後にじゃあねと呟いては背を向ける。僕は彼の背にまた今度と声を掛けた。
2013/02/04 Mon
…………*
「タイヤキはやっぱり頭から食べるのだと思うの!」
「僕は尻尾からかな……?」
「なんでさ?! タイヤキだよタイヤキ! タイヤキを頭から食べずしてどうしてタイヤキを食べたと言えようか!」
「おうおうおう、落ち着いて」
彼……縣 彰敏……と彼女……哀島 愛子……は、告白の日を境に二人手を繋いで帰っている。
口数少ない彰敏の分を補うかのように、彼女はよく話す。家庭のこと授業のこと友達のこと部活のこと……彰敏が相槌を打ちながら愛子は次の言葉を紡ぐ。
帰り道、生徒達はそんなアツアツな関係を見て囃し立てる。
すると愛子は……彰敏の手を勢いよく離し……顔を朱くして両手をブンブンと振り回しながら追いかける。
彰敏は愛子の手をとり、どうどうと言葉少なく宥める。愛子はまた顔を赤らめながら、うんと頷き歩き出す。
それがよくある光景、何時もの風景。
…………*
2013/02/05
…………*
「ここが三年二組か~。緊張するね」
ニコニコ顔の少女の名前は朱崎 碧子。縣 彰敏の従妹である。実際のところ、碧子は毛ほども緊張した様子はない。
碧子は両親の海外出張の為、彰敏の家へ預けられることになった。
そのため、今迄在席していた女学校から彰敏の通う学校へ転校することになったのである。
碧子は預けられることについて最初、両親に向かって「年頃の男女が同じ屋根の下に住むなんて!」とか言っていたが、別に本気ではない。
一応の建前のようなものである。むしろ満更でもなさそうな感じであった。ちなみに碧子の本音は「よっしゃー!!」であったとかなかったとか。
そんな碧子は事前に彰敏の家へ必要な物を宅配便で送り届け、GWに移り住んだ。
今日、学校へは彰敏の親と一緒に登校したので、彰敏からの説明はなく、碧子は生徒を誰も知らない。
「では、入ってきて下さい」
と、教室の中から先生のだと思われる声が聞こえてきた。碧子は一つ深呼吸して、よしっと気合いを入れた。
…………*
2013/02/06 Wed
…………*
GWと雖も縣 彰敏には心身ともに休まる安息日とはならなかった。
彰敏の家にやって来た少女、朱崎 碧子の所為である。碧子は彰敏のことを僕かなにかのように扱う。
彰敏は幼稚園の頃もそのように碧子側に居たので、特に不快感も抱かず、はいはいと二つ返事で付き従う。
ただ、彰敏には彼女……哀島 愛子……が出来ているので昔のような関係には戻れない。碧子はその事にまだ気付いていない。
彰敏は肩肘をつきながら、ボンヤリとGWのことを思い出していた。場所は教室、彰敏の在席している三年二組である。
短過ぎる連休が終わり、生徒達はダルそうに登校していた。
何処から情報を拾うのか、生徒達は転校生の話で持ちきりだった。
「転校生ですぞ。て・ん・こ・う・せ・い! 某はツンデレ、ツインテ、幼馴染をキボンヌ! 口癖は『アンタバカなの死ぬの?!』。化野氏はどう思いまする?」
「拙者は体育会系、小麦色の肌、ポニテ、活発な娘をキボンヌ! 序でに手を繋ぐと赤面すると尚グッジョブ! 徒花氏は狙い過ぎですな」
「いぇいぇ、ご謙遜なさらずとも。化野氏も中々現実を視ておらぬ。デュフフ」
「しかし徒花氏、最近の流行は『厨二病』。ツンデレは一線を退いたのですぞ。オウフゥ」
「某、ツンデレを愛す者なり。化野氏、某も『厨二病』の少女は好きなりよ。最近の書籍や番組では増えてきまするな」
「徒花氏、拙者、『厨二病』の次『DQN』がブレイクすると愚考する始末なのですが……」
「デュフフ!! 某もそのように思っていたのですぞ!」
「オウフゥ!! そうなのですか。拙者、大変嬉しいですよ」
…………偶然、彰敏の耳にもその言葉、転校生という話題は届いていた。
「転校生、ね……」
彰敏の口からポロリと言葉が漏れた。その転校生が一体誰なのか想像ついている。つい先日、我が家に居候することとなったアイツだと。
「おい! 聞いたか皆?! センセーは転校生が気になるご様子だぞ!!」
一人の男子生徒が、声を上げる。
「なんだって?! あの不動明王と畏れられるあのセンセーが!?」
悪ノリする男子達。
「これは愛子さんに危機が訪れるのではないですか?」
と、茶化すように哀島 愛子に話が振られた。愛子は、はっとして慌てた様子で彰敏へ詰め寄る。
「彰敏ぉどーゆーこと。わたしが居るというのに……!」
愛子は彰敏の学生服を掴み、思いっきり揺さぶる。彰敏の頭はグラングランと揺れる。
「落ち、着き、なさい」
と言いながら、彰敏は愛子へとチョップを喰らわせた。
「あぅ……」と愛子は声を漏らす。
「うはっ! 見せつけてくれますな。徒花氏っ如何しますか? いっそのこと血祭りにでもしますか?」
「デュフフ、落ち着き給え化野氏。彼奴らは某達になんの危害も加えずなり。如何して某が彼奴らに攻撃しなければならないか」
「……それもそうですな。ところで徒花氏、今夜放送される『アダ☆コイ』の展開についてなのですが……」
「化野氏、それはだね……」
と彰敏達を傍観していた男二人はまた自分達の話題に没頭し始める。彼等にはもう周りは視えていない。
愛子は叩かれた場所を両手で摩りながら、涙眼で彰敏を見上げた。
「…………で?」
彰敏は腕組みしながら尋ねた。
「ごめんなさい」
「よろしい」
彰敏は微笑みながら応えた。言葉を交わさずとも、二人の間には通じ合えるなにかがあったようだ。
…………*
2013/02/07 Thu
…………*
「今日はっ、皆さんに伝えたい事があります! 顎 鮮人君! あなたは温泉卵と固茹で卵はどちらがお好きですかっ?」
「えっ?! ……えーっと、どちらも大好きで、す?」
「そうです! どちらでもよいはずなのですっ。女子の皆さんはくれぐれもっ、料理にトッピングする茹で卵はっ、温泉卵でなければ嫌だって人と付き合ってはいけませんっ。そして、男子の皆さんはっ、固茹で卵も好きになることっ。いいですね!」
「「「…………」」」
「いいですねっ(怒?!」
「「「は~い」」」
朝のHRの時間、担任の先生……鮮凪 麻子32歳独身……は怒っていた。
今迄、交際していた彼氏と別れたのだろう。その理由も茹で卵の固さについて、という至極どうでもよさそうな理由で。
麻子はこのGW中に彼氏を自宅に招き、料理を振舞ったのだ。それも麻子の得意料理であるカレーを。
その時、何時もなら加えないであろう茹で卵をトッピングした際に一悶着あったそうだ。
麻子は茹で卵を添えなければ良かった……と思うのと同時に、どうせ後になって別れるくらいなら今別れて正解だったと開き直っている。
結果、麻子はこのGW中、ずっと泣いた。独りで泣いたり、友人に愚痴りながら泣いた。麻子は……いや止そう。彼女の名誉の為にも。
「あと、転校生を紹介します。では、入ってきて下さい」
生徒達は思った。そっちの方が本題であろうと。
…………*
2013/02/08 Fri
…………*
ガラガラと扉を開けながら入ってきた少女に対して、三年二組の生徒達は眼を奪われる。特に男子達の視線には熱が篭っているように見える。
碧子は黒髪黒眼の長身……百七十はありそうだ。髪は腰の辺りまで伸ばしていて、彼女の動作につられて靡く様は実に艶やかだ。
眼は切れ長で、少し細いようだ。口元に浮かぶ薄い笑みがこちらを見透かしているかのような錯覚を与える。
整っている顔立ちは利発そうな印象を抱かせている。街中で見かければ十人中八人は振り返りそうな程の美貌の持ち主だ。
制服は前の中学校のものを着ている。地味ーな感じの制服だが、碧子が着用すると、有名デザイナーが作ったような風に感じさせられる。
碧子は黒板にチョークが走らせるとカッカッと音が奏でられた。書き終えてから、くるっとターンをする。
フワリと舞うスカートに男子の視線は釘付け。
「阿僧祇女子中学校から転校してきました朱崎 碧子です。どうぞよろしくお願いします」
凛っとした声は二組の教室を突き抜けた。多くの男子生徒は紅潮している。同性の女子達でさえ頬を朱く染めている人もいる。
逆上せたかのように顔を真赤に染めた男子生徒が一人……徒花 哀人、因みに彼も亦 超人であるのだけれど。
「…………ブッ!」
勢いよく鼻血を噴き出した。そして、ゴンッと音を立てて、机に突っ伏した。
「徒花氏? ……徒花氏っ! 大変だ、鼻血を出しながら痙攣しているぅ!!」
「某の生涯に……一片の悔い、な、しぃ」
「徒花氏ーー!!!! 誰か、誰か!! 血が……血が止まらないんだっ。誰かぁ、誰かあぁぁあああぁーー!!!!」
哀人はとても鼻血とは思えない程の血を垂れ流し続けている。顔は鼻血だらけである(笑
必死な様相なのは化野 愛彦ただ一人。クラスのみんなは亦かよ……と思っている。
それ(鼻血ぶーっ)を見ながら彰敏は思った。だって碧子だよ? そんなになるのか、と。
…………○
2013/02/09 Sat
…………○
哀人が愛彦に担がれて保健室へ運ばれた。若干、愛彦の頬が染まっていたのは勘違いだと思いたい。そして、なかなか保健室から帰ってこないのも気のせいだと思いたい。
保健室の護神、泡夜 沫はBLもいけるクチ、よりか寧ろ大歓迎の人なので二人の行方を見守いている。
沫は何時も白衣を羽織っている人で、色白、病弱な印象だ。常にゴホゴホと咳をしている。むしろ、お前が大丈夫なのか? と問いたいものだ。
色白なのは学校以外、部屋から出る理由がない為、病弱なのは夜更かしして男同士がにゃんにゃんしている動画を暗い部屋で見ている為である。
沫は「盗み見も案外そそるさね」と後に語る。教鞭を振るう人間とはあるまじき発言であるが、保健室の先生だから問題はあるまい。……ないよね?
沫が何故護神と呼ばれているのかを説明したいところだが、三人……一人は寝ているので二人……のお楽しみを邪魔するのは気が曳ける、よりか、生理的嫌悪感を抱かざるを得ないので、早々に切り上げよう。結構、話してしまった感もあるが。
…………○
2013/02/10 Sun
…………○
哀人が保健室へ運ばれた頃、二組の教室ではお決まりである転校生への質問責めが開始されようとしていた。
哀人の事を心配したのは現情を把握出来ていなかった碧子以外、殆んど居なかった。慣れとは恐ろしいものである。
哀人の鼻血ぶーっは最早、クラスお決まりの出来事として捉えられているのである。哀れ哀人。
女子の団体さんが碧子の周りを陣取り、男衆は首を伸ばして遠くから眺めている。
「碧子さん……あっ碧子さんって呼んでもいいよね?」
もう既にそう呼んでいるではないか、と思ってはいけない。間違っても口にしてはいけない。絶対に。
碧子はクールに受け応えをする。
「ええ、どうぞ」
それからはわんやわんやと会話が弾み、男子達は耳に全神経を集中させている。
彰敏は肩肘を付きながら、これから面倒なことが起こるなと思った。
「碧子さんは何処に住んでいるの?」
女子の一人がそう問い、それみたことか! と彰敏は思った。飛火してくること間違いなしの質問。
碧子は一度彰敏へチラッと視線を送ったのだか、そのことに気付いた人は愛子以外誰もいなかった。
彰敏は祈る。どうかこの平凡な日常に波風立つようなことを言いませんように、と。碧子はニヤリと笑いこう言った。
「そーだね……彰敏の家に住んでいるよ」彰敏の祈りは届かなかった。
「「「………………」」」
嵐の前の静けさとは正にこのことだろうと彰敏は思った。男子からも女子からも問いただされる五秒前。
彰敏は窓の外を遠く見ながら諸手を挙げた。降参ですよと。
中学生という身分でありながら、同衾というちょっとアダルトな経験をしているのはどんな気分だろうか?
別に大したことではない。昔と変わらず彰敏は彰敏で碧子は碧子なのだ。いきなりポルノグラフィックな性活になるはずもない。
更に言えば、この作品には年齢制限は掛かっていない。この物語に登場する人物は、全員十八歳以上という縛りもない。
健全で健康で健闘し続ける中学生がドタバタするラブラブコメコメな物語は今始まる…………。
…………*
2013/02/12 Tue
…………*
哀島 愛子は怒っていた。普段通り、縣 彰敏と一緒に手を繋いて帰るはずだったのだが、イレギュラーが発生していたからだ。朱崎 碧子である。
哀島 愛子は焦っていた。転校生である碧子が彰敏と馴れ馴れしく話していたり、妙に距離が近いように思えたからだ。
哀島 愛子は思っていた。一体、何時になったら彰敏の口からこの女の事を話してくれるのだろうかと。
しかし彰敏は、愛子が碧子の事を訊いてはこない為、別に話さなくてもいいかと思っていた。すれ違う二人の思い。
二人で帰る予定だったのに……と愛子は思う。碧子はいっこうに別れる気配がなく、愛子は流石に耐えきれなくなった。
「碧子さんは何処まで付いてくるおつもりですか?」
「ついてくるって……私は彰敏の家に住まわせてもらっているのだよ」
愛子は形の良い眉毛を寄せて嫌そうな顔した。
「そう……でしたね。歳頃の男女が同じ屋根の下で暮らすなんて不健全ではありませんか?」
「うん? 君は、愛子といったかな。さて、不健全なことってこんなことかな」
そう言いながら、碧子はするりと彰敏の腕を取り、自分の胸元へ寄せた。彰敏は参ったなぁと思いながら頬を掻いた。
「なっ、わたしもまだしたことがないのに……」
消え入りそうな声で愛子は呟いた。碧子はその呟きを聞き逃さず、次なる行動へと移った。
「じゃあこんなこともまだなのかな?」
碧子はそう言って、彰敏の頬へ軽くキスをした。チュッと小さく音を立てながら。
「ななな、なななな、ななな!」
愛子は壊れたレコードのように同じ音を出し続けることしか出来なかった。
2013/02/13 Wed
「じゃあこんなこともまだなのかな?」
碧子はそう言って、彰敏の頬へ軽くキスをした。チュッと小さく音を立てながら。
「ななな、なななな、ななな!」
愛子は壊れたレコードのように同じ音を出し続けることしか出来なかった。
「チョップ」
彰敏は短くそう告げながら、碧子の額へ手刀を振り下ろした。なかなかの勢いであった。
「……痛い」
碧子は抗議の視線を送るが、彰敏が怒っていることに気が付いた。
「僕はね愛子のことが好きなんだ」
彰敏は、碧子の眼を真っ直ぐに見つめ視線を全く逸らさずに言った。
「だからさっきのような事をされると、困る」
碧子は眼を見開いた。何時も後ろをいてくれた彰敏が、自分のことを拒絶したと感じたからだ。
愛子も眼を見開いた、後、彰敏の言葉を反芻してニヤニヤを堪えきれなくなった。視線がフラフラと彷徨う。はっきり好きと告げられた嬉しい反面、やはり恥ずかしいのだ。だが、真面目な雰囲気の為、笑みを噛み殺した。
「…………そっか」
静寂の十秒……車の排気音も、風の音も、虫の音も聞こえてはこない……が経ち碧子は口を開いた。悲しみを多分に含んだ声だった。
碧子は視線をアスファルトへ落とし、眼を閉じた。彼女の目蓋の裏には彰敏と過ごした幼稚園の記憶が蘇っていた。
「そうだ。悪いけど……」
「ならっ!」
碧子は彰敏の言葉を遮り、顔を上げた。その顔はなにか新しい悪戯を思いついた幼子のようにもみえた。
「なら、彰敏が愛子さんより私のことを好きになれば問題ないよね?」
「は?」彰敏は惚けた声を上げた。
「……問題ない訳あるかぁー!」
黙っていた愛子はそう叫んだ。
「? ……愛子さんは私に勝てる自信がない、と?」
「うっ、ふふん! 自信満々だねっ。彰敏はわたしにメロメロだから他の人なんて眼中に無いもんねっ。むしろ掛かってきやがれって感じだね!」
売り言葉に買い言葉。愛子は軽く暴走していた。
「なら問題は何一つ存在しないよね?」
「あぅ……」
愛子は完全に墓穴を掘っていた。
2013/02/17 Sun
ちょっと間が空きましたね。すみませんでした。少し言い訳をさせて下さい。
僕はiPod touchを使っているのですが、パソコンのiTunesに繋いでいると、なにやらゴミファイルのようなものが増えてきた気がしました。
そーゆーゴミファイルだけを消してくれるPCアプリを見かけた記憶はあるのですが、インスコしていませんでした。
なので初期化しようか、ということになりました。ちゃんとバックアップをとって……と、よし開始!
後は放っておくだけだから、なろうの小説巡りでもしておこーっと。そのままうん十分。
初期化完了。
よし、あとはバックアップから復元してー、ちょっと小説の続きが気になる……などと、手元を見ないで操作していました…………。
すると、気付く頃にはバックアップを上書きしていました……初期化したデータで。
え?
は?
そ、そうだ! iCloudにもあるはずなんや!
……ない。なんでだ。→手元を見ないで操作していたから。
半年近く頑張っていたソーシャル系のゲームデータはパーになっていました。なんでさ。
課金はしていなかったのですが、毎日コツコツ貯めていたポイントが全て……(遠い目
落ち込み続けた一週間でした。
こないだ模試があったんですけど、自己採点してみたら国語の小論文が満点でした! やったね!!
他はボロボロだったけど!!!!
2013/02/21 Thu
AM5:30.悲劇は起こりました。
ドンドンドン!!
「父)起きろ!!」
「僕)はっ、はい!」
妨害者によって、安眠を中断せざるを得なくなりました。直前には良い夢を観ていた気がするのですが、所詮夢でして、すぐに忘れてしまいました。
……一体全体何事だ?
僕の頭にはそれしかありませんでした。なんでいきなり怒られないといけないのか。昨日になにかしでかしてしまったのか。
ぐるぐるぐるぐると思考が負のループを始めます。一度マイナスになってしまいますと、なかなか抜け出せないのが最悪なことです。
自室から出ますと、完全防寒着装備の父親がそこに仁王立ちしていました。なんぞ?
「除雪」……さいですか。
僕も準備をしてから外へ出ると、あら驚き。なんと50センチメートル近くも雪が積もっているではありませんか。
え? 盛っているだろって? いえいえ、本当に積雪していたのです。夜中のうちにわんさか降ったのです。
つい先日、排雪されたばかりなのに……内心涙目になりながら除雪が開始されました。ここでの排雪とは、地方自治体? が雪を持っていってくれることです。
僕はiPod touchで音楽を流しながらスコップ片手によいこらしょ。よいこらしょったらよいこらしょ。
……一時間が過ぎる頃には汗でびっしょりになりながらも、やっと終わりが見えてきました。あと少しで終わる……!
別にフラグではありません。そのまま、ハプニングもなく終わりました。
シャワーを浴びて、朝食を食べて、制服に着替えて……今日は絶対に学校休みだよな、と確信めいて。
だって、この積雪量だぜ? JRも運休のはずだぜ? 行くだけ無駄無駄無駄ぁだぜ?
ですが、母親はとりあえず学校に行きなさいとのご命令。なんでさ。そーゆー時こそ人格が問われるのです。大層な話になったなぁ。いいから行きなさい。分かりましたよ。
と、そんなやりとりをした後で。
父親の出勤に便乗して、学校へ向かうも大渋滞。二車線のところが雪の所為で一車線になっています。
で、一車線の道路はというと、車一台しか通れません。バスは絶対に通れないやん。
携帯電話がピピピと鳴って、確認すれば「学校休みだぜ」と友達からのラブコール。もっと早くに欲しかった。
そんなこんなで今日という一日の始まりでした。
なんと50校近く臨時休校になったらしいです(噂。
てか、僕の住んでいる地域、暴露てないよね(汗
ご感想よろしくお願いします。