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第五十五話 第七支部入隊試験


 まだ少し肌寒い風が吹き、暖かい陽が差す時期。

 年に一度各支部で行われる、ゼノス入隊試験が行われる日である。

 会場には養成学校からの卒業生枠、一般枠のふた枠からの入隊希望者が列を成していた。


 試験は筆記試験を行なう午前の部、野外試験を行なう午後の部、そして選抜者が現役隊員とエキシビションとして戦うトーナメントが行われる夜の部。

 この三構成で行われるのである。


 そんな列の中...


 一部がざわついている。


 白い髪を靡かせ、凛とした表情と美しい顔。

 そして、強者が漂わせる独特の圧。

 その人物に周りはどよめいていた。


「あれが今年の首席らしいぜ」


「めっちゃかわいくね?」


「ばかかよ。模擬戦で何人もボコボコにされてんだぞ」


「あれが今年の首席、シロエ・セラフよ」


 そんな声を聞こえてないかのように素通りし、コツコツとヒールを鳴らし歩いていく。


 そんなシロエを横目に舌打ちをする者がいた。

 赤髪混じりの黒髪で鋭い目つきの男性。


「おい、静かにしろ。

 こいつに聞こえるだろ」


 その男の周りの受験者はヒソヒソと小声で話す。


「うわ、こいつは次席のアモン・レイジじゃねーか」


「お前ぶちのめされるぞ」


「こいつの前で首席の話は禁句だろ」


「あ、あぁ、忘れてた。

 試験前に怪我させられたくねーしな」


 シロエはそんなことなど、一切興味を示さずに迷わず歩みを進めていく。


「...」


 その様子をじっと見ている中性的な男性。


ドンッ!


「あ、すまない。

 気づかなかった」


 恐ろしく存在感のないその男は

 三席で卒業したシオン・グレイ。

 無口で表情の変化も乏しい。


「おーい、後ろ詰まってんぞー、早く歩けよー」


 ノシノシと歩く大きな男。


「あ、あぁ、ごめん」


 大きな熊みたいな体をした四席のドーグ・アンカーだ。


 そんな新隊員を各中隊長達は壇上から見下ろす。


「今年も面白そうなのが何人かいるなー。

 な、エリー」


 ショウは会場を見渡しワクワクしていた。


「確か今年は粒揃いみたいよ」


 エルサも部下になるかも知れない者たちに威圧感を出す為腕を組みながら立っている。

 だが、その姿ですら威圧感より美しさが滲み出る。

 エルサを見た受験者達はその美しさに顔が緩んでいる。


「今年もリザが出るらしいな!

 期待して待っててやろ」


「あの子は今年は上がってきそうな気はするわね」


「あぁ、俺もそんな気はしてるんだよなー」



 そしてーー



 全員が整列し終わる。

 壇上にゴリアスとローズが上がる。

 その姿を見た受験者達は静まり返った。


「皆、よく集まってくれた、未来ある若者達よ。

 ワシはゼノス第七支部大隊長ゴリアス・ナックルだ。

 諸君らはこれからの第七支部を作る人材になるべく集まった。

 各々今日まで磨いてきた技術を思う存分発揮してくれ。

 それではここにゼノス第七支部入隊試験の開始を宣言する!!」


 次の瞬間、地響きの様な声が会場から湧き上がった。


 己を信じる者、他者に勝つ為に臨む者、誰かを守りたいと臨む者、十人十色の思惑を持ち、これから始まる試験へと臨むのだった。



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ハイファンタジー/女主人公/異能/第六感/チート/異能バトル
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