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第三十二話 遭遇


「よし、準備は全員整ったわね。

 それじゃあ出発するわよ」

 サクヤは車のエンジンをかける。

 サクヤ、ショウ、リザ、ツカサ、サティはジェイドという男がゼノスの隊員と会っていた地点を目指し車を進めていた。

「この辺だな」

 ショウはサクヤに車を停めるように促す。

 サクヤはゆっくりと車を停め、エンジンを切った。

「いいか、リザは俺の側にいろ。

 サクヤは後方を頼む。

 ゴルディックは常にツカサと行動を共にし、両サイドに。

 なにかあれば援護してくれ。

 そして、全員距離を離さず動くぞ」

 ショウは即座に指示を出し、役割を明確にする。

 街の外では一つの誤りが命取りになるからだ。

 警戒しながら五人は森を進んでいく。

 不思議と森が静かに感じる。

「手がかり、ないっすね」

 リザが巴形薙刀を構えながら言葉をこぼす。

「そうね、ただ、油断はなしよ」

 サクヤが緊張の糸を途切れさせないように言葉で部下を引き締める。

「これは...」

 ショウがあることに気付く。

「ショウ、なにかあったのか?」

 ツカサがすかさずショウに尋ねる。

「戦闘痕だな。

 しかもこれは...銃撃痕...威力的におそらくショットガンか」

「こっちには爪のあとがあるっすよ!」

 リザも木についた爪痕を見つける。

「これは中型のものね」

 サクヤがその爪痕に触れる。

「ついてから数日ってところかしら」

 サクヤは木の抉られた部分の乾燥具合などから、軽く推測する。

「こっちには血痕がありますね」

 サティも近くの木に血痕が付いているのを見つける。

「こっちにも血痕がついてるよ」

 ツカサがその先にある木から手形の血痕を見つけた。

「相当な怪我を負って、懸命に集落へ戻ろうとしたのか。

 よし、この血痕を追っていこう」

 ショウが状況から推測する。

 一行はそのまま森の奥へと進んでいく。

 少し進むと地の底を這うような唸り声が聞こえてくる。

「総員、戦闘態勢!」

 ショウ達はすぐさま戦闘態勢を取る。

「こ、この数はまずいですね...」

 サティは少し怖気付くも戦う姿勢を保つ。

「バカ言ってんなよ!ここでやらなきゃやられるだけだ!!」

 リザは武器を構えて雷を纏わせる。

 持ち前の負けん気で自分を奮い立たせる。

「ショウ、私とあなたで前線を張るわよ」

 サクヤは落ち着いている。

 

「あぁ、そのつもりだ。

 ツカサ、ゴルディック、援護を頼む。

 リザは俺とサクヤといくぞ」

 

 ツカサ、ゴルディック、リザは一斉に答える。

「「「了解!」」」

 五人は一斉に動き出す。

「リザ!通常小型を頼む!

 サクヤ、俺と手分けして新型と中型をやるぞ」

「お姉ちゃんに任せなさい」

「アニキ!やってやりますよ!」

 

 三人は緊張の中にも、その緊張感を楽しむような笑顔を見せている。

「ほんと戦闘ジャンキーだな」

 ツカサはやれやれと呟く。

 リザは通常小型に狙いを定め勢いよく切り掛かる。

「うおおおらああああ!!!」

 リザは思い切り巴形薙刀を振り抜く。

 小型の口から左半身が裂けていく。

 だが、浅い。

 そのまま、そのヴォイドの鋭い爪がリザを目掛けて向かってくる。

 リザはその動きの始まりを見逃していなかった。

 ガキーーンッ!

 その爪はリザを捉えることができずに、地面に落ちる。

 リザはその瞬間を見逃さない。

 体を回転させ、その足に巴形薙刀の刃を合わせる。

 ヴォイドの勢いをそのままに足を切り落とす。

 それと同時にもう一体の小型がリザの死角から牙を剥く。

 リザの首にその牙が届く寸前。

 ビュンッ!!

 風を纏った矢がヴォイドの脳天を貫く。

 風が矢の威力を何倍にも上げ、そのヴォイドの頭には風穴が空いている。

 岩の影からツカサが戦場全体を分析しながら援護する。

 すかさず、サティが次の小型に銃弾を撃ち込む。

 気を取られた小型にリザが攻撃を仕掛けようとする。

 次の瞬間、中型の咆哮が鳴り響く。

 そして本能のままその太い腕でリザを薙ぎ払おうとする。

 ツカサの次の矢はまだ間に合わない。

 サティは狙撃するも興奮した中型の硬い皮膚には意味を成さない。

 リザは咄嗟に防御態勢を取るが間に合わない。

 ドオオオオン!!

 空気が一瞬震えるほどの衝撃音。

 

 中型のパワーがリザの体にまともに当たったことを周りに認識させるには充分すぎるほどだった。

 経験したことのない衝撃がリザを襲う。

 痛みが全身に響き、骨が軋むのがわかる。

 持っていかれそうになる意識をなんとか保つ。

 その衝撃によりリザの体は吹き飛ばされ木に叩きつけられる。

 カハッ!!

「リザ!!」

 ショウは二体の新型を相手取りながら横目でリザの生存を確認する。

「ちっ、新型は二体だと連携しやがるからめんどくせーな」

「私が行く!」

 サクヤが行こうとするが新型と中型に阻まられる。

 リザは力を振り絞り武器を握る手に力を込める。

「ま、まだだ...まだいくぞおらああああ!!」

 リザはふと出発前のショウの言葉を思い出す。

(そうだ。熱くなるな、冷静に対処しろ。

 アニキにも言われたろ。

 ここで熱くなったら今までと変わらない。

 今ここで!成長しろ!)

 頭の中でリザは自分に言い聞かせる。

 そして、ふと周りを見渡すとショウとサクヤは新型と戦っている。

 苦戦なく戦っているように見えるがリザは実際にそれを目にしたからこそ理解してしまう。

 新型になり、敵が思考することの恐ろしさが。

 そして、そんな敵を同時に二体も相手しているショウの異常な強さが。

「ふぅぅーーー」

 息を深く吐き、集中力を取り戻す。

 ショウ、サクヤはリザのその変化に気づく。

(あいつ。

 いつもならここで熱くなって周りが見えなくなるのに)

 

 ショウはその様子を見て少し口角をあげ、リザを奮い立たせる。

「リザ!まだいけるな!

 ここから一気にいくぞ!!」

 だが、この戦いはまだ序長にすぎなかった。

 


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



 

 

 



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