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第三十一話 再集結

第三十一話 再集結


 特別部隊の会議から翌日。


 ツカサとサティが先に会議室についた。

 

 「誰も...居ませんな」とサティが髭を触りながら言う。


 椅子を引き腰掛けると同時で

 

 「やぁ、おはよう。

 昨日はありがとう」


 右手を軽くあげツカサが入ってくる。


 「おはようございます。

 こちらこそ、お二人のお陰で美味しいお酒を飲めましたよ」


 サティは満足そうに話す。


 すると、ガヤガヤしながらサクヤ、ショウ、リザが入ってくる。


 「お、二人とも来てるじゃねーか!おはよ!」

 ショウが二人に声をかける。


 「おはよ」


 「おはようございます」


 ツカサとサティも挨拶を交わす。


 「大隊長補佐はなかなかお疲れのようですな」


 サティがサクヤの顔を見て、軽い気持ちで聞いてみる。


 「ほんとにね...ショウが帰ってきたと思ったら、酔っ払ったリザをおんぶして連れてきて、そのまま夜中まで飲みまくってんの。

 仕方なく私も一緒に飲んでたらこうなった感じ。

 あー、頭痛い」


サクヤは頭を抑えながらショウに肩を預けている。


 「いやー、昨日は楽しかったっすねアニキ!ねーさん!久しぶりにあんなに飲みましたよ」


 リザは朝から元気な声で話す。


 「ハハハっ、リザはほんとショウが好きだなー。

いつのまにか大隊長補佐のこともねーさんって呼んでるし」


 ツカサが微笑ましくその様子を見る。


 「好きなんてものじゃないっすよ!尊敬通り越してラブっす。

 それにねーさんとは昨日すげー仲良くなって許可もたぶんもらったんでだいじょぶっすよ」


 リザはショウの腕に抱きつきながら無邪気に笑う。


 「両手に華だね、ショウ」とツカサはショウの肩を叩く。


 「勘弁してくれよマジで」


 ショウはサクヤを椅子に座らせた。


 (くぅーー、大隊長補佐と肩を組むなんて羨ましいーーー)


 サティは心の中で嫉妬するのだった。


 「さて、気を引き締めて会議始めるわよ!」


 サクヤは空気を締め直す。


 サクヤの一言で四人も表情を締める。


 「それじゃあ、ショウ、ロートシルト、それぞれ報告をちょうだい」


 「じゃあ俺から話す」


 ショウはゆっくり立ち上がる。


 「まず結論から言うと、手がかりはあった。

 Xは女性で、黒髪か茶髪、そして武器は刀だ。

 そして、俺たちがヴォイドを倒しに行ったその日にこの街に来ていた。

 最後に大きな荷物を持っていなかったことと街でXの噂や証言がほぼなかったことを加えると近辺にいる可能性が高い」


 「かなり重要な情報ね。ありがと!次はロートシルトお願い」


 「こちらも情報は掴めたよ。

 この近辺に一つ集落があるんだけど、場所がわからなかったんだ。

 だけど、そこに通ずる人物と話が出来た。

 その人物はジェイドという男と会ってたみたいなんだけど、その集落とは別の場所らしくてそこまではわかった」


 「なるほど、それなら二人の情報を纏めるとその集落にXがいる可能性が高いということね」


 「そうなるな」


 ショウは地図をホワイトボードに広げる。


 「ツカサ、そのジェイドってやつと会ってたのはどこなんだ?」


 「ここだよ」


 ツカサは地図のある場所を指差す。


 「と、なると...その延長線上に集落がある可能性があるな。

 いや、わざわざ別の場所を指定して会う辺り、そう単純でもないか。

 俺たちゼノスと極力関わらないようにしてるのか」


 ショウは独り言のように推測していく。


 「わざわざ集落に住んでいる辺り、ゼノスから敢えて離れているんでしょうね。

 ただ、そのジェイドって人物は毎回一人で来ていたの?」


 サクヤは話をまとめながら話していく。


 「そうみたいですね。

 連絡係をしていた人物もジェイドという男以外は知らないようでした」


 ツカサも答えながら考える。


 「それならやっぱりその近くに集落がある可能性は高いわね」


 サクヤはここまでの情報からそう結論づける。


 「それじゃあその周辺の探索ってことになるっすね!」


 リザが立ち上がりながら勢いよく言う。


 「そうだな。だがそうなると危険が伴う。

 サクヤ、リザとゴルディックはどうするんだ?」


 ショウはリザとゴルディックの顔を見る。


 「確かにそうねぇ。

 リザとゴルディックは...」

 

 「あーしはいくっすよ!

 ここで引いたら自分じゃないっす!

 ねーさん、アニキ、お願いします!

 あーしを連れて行って下さい!」


 「吾輩は大隊長補佐の指示に従いますよ。

 いけと言われればお供いたします」


 ショウがリザとゴルディックの前に立ち、ひと呼吸置く。


 空気が変わるのをリザとゴルディックは感じ取る。


 「一つ言っておくがこれは遊びじゃない。

 命の危険があり、それが街で行う防衛とは比にならない。

 俺たちもお前たちを守れない場合だって出てくるかもしれない。

 その上で行くのか?」


 ショウのその発言、表情が空気をひりつかせる。

 過去の戦いを経て、仲間の死を越えて来たからこその言葉だ。


 「もちろん、わかってるっす!

 守ってもらうつもりもないっす!

 それでも...」


 リザは拳を握りしめる。


 「それでもここでいかなきゃ...」


 いつも明るいリザが、前線に立てない悔しさと自分の力の無さ、それを覆すためのこれまでの日々の努力、いろんな感情が混ざり合い、悔しい表情を見せる。


 「わーったよ」とショウは俯くリザの頭を優しく撫でる。


 「すまない。

 お前の努力も気持ちも知ってる。

 だが、それだけ危険と隣り合わせだってことをわかってほしかっただけだ。

 いいか、一つ約束しろ。

 絶対に生きてここに戻れ。

 これは命令だ」


 リザは顔を上げ、ショウの目をしっかりと見つめる。


 少し浮かべている涙を拭い


 「はい!」


 リザは覚悟をしたかのようにハッキリと返事をした。


 ゴルディックもしっかりとショウを見て、頷いた。


 サクヤは二人の覚悟をしっかりと受け止め、少し笑みをこぼす。


 「じゃあこのまま五人で探索にいきましょう。

 出発は明日の八時。

 今日はこのまま準備に時間を使いなさい」


 サクヤは最後を締め、会議を終えるのだった。


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