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七-3

第七-3話です。よければブクマや評価よろしくお願いします。

 検査室へと繋がる廊下は、全て関係者以外立ち入り禁止の看板が置かれ、手持無沙汰となった研究員や看護師がそこら中で待機していた。

 建物内はなんとなく緊迫した空気が漂っている。

 柊は看板を無視し、歩みを進める。繋たちも柊に続いた。

 検査室付近に近づくと、日下と青木の二人が廊下で話し合っていた。

「確保した犯人はどこですか?」

 柊が尋ねると、青木は一度ため息をつく。

「柊さん、とんでもないのを持ち込んできましたね。今は特別検査室で隔離していますけど、身体が大きすぎて通常の測定機が使えないので、困ってますよ」

「見ることは可能ですか?」

「見るだけならドアの窓越しに見れますが、話すことなんて絶対にできませんよ」

「それで構いません。見せてください」

 青木は顎でついてくるように促し、廊下を進む。繋たちは青木の後をついていった。

 しばらく進み、青木の管理者証で『隔離域』と書かれた扉を通過し、奥へ進む。すると、廊下の先に丸い窓がついた扉が見えてきた。扉には『特別検査室』と書いてあった。

「その窓から中の様子を見るといい」

 青木に促され、繋は恐る恐る中を覗く。

 扉の正面、部屋の中央には椅子に座らせられた美月の姿があった。左右には点滴のようなものが置いてあり、何本かの管が美月の身体に繋がっている。身体には手当の後があり、愛華に切られた右腕には包帯が何重にも巻かれていた。

「生きているんですか?」

 ピクリとも動かない美月を見て、柊は聞いた。

「もちろん。ただ、今は睡眠薬で眠っているよ。起こしたらいつ暴れだすかも分からないからね」

 青木は答えながら、大きなため息をつく。

「本当はすぐにでもあの身体を調べたいんだけど、測定機は使えないし、起こしたらどうなるか分からないし、意思疎通ができるのかも分からない。長年能力者研究をしているけど、あんなの初めてだよ。本当に人間なのかい、あれは」

 能力者でもない人物の身体が大きく変形し腕が生え、しかも複数の魔法を使うという前代未聞な例を前に、青木にも打つ手がないようだ。

 繋はもう一度美月を見た。身体は異様だけれど、その顔は間違いなく美月だ。何本もの管が繋がれ、拘束された上に隔離された美月を見て、可哀想になる。

 何があったのか全く分からないけれど、完治は不可能と言われた唯の治療法を考えだした青木が、どうすることもできないというのならもう元の美月には戻らないかもしれない。

 一体美月に何があったのか、美月が目覚めた時どう接すればいいのか、本当に美月は戻らないのか、そんな不安と心配に頭を埋め尽くされた繋は、ある一つの考えを思いついた。

「青木さん、美月を隷属させることって、できないでしょうか?」

 繋がそう言った瞬間、その場にいる全員が繋のことを凝視した。

 場が静寂に包まれた後、青木が口を開く。

「何が目的かは知らないけど、そんなことさせるわけにはいかないね」

 青木は子供でも相手にしているかのような口調で言った。

「でも、隷属魔法を使うことができれば、少なくとも制御不能になることはないです。それに、唯ちゃんの時と同じように身体を作り変えることができれば、普通の身体に戻って検査もできるかもしれませんよ」

 青木は繋の言葉を聞き、少し考える。

「しかし、意思疎通ができないと隷属はできないでしょう。できたとしてもあの、君の幼馴染の顔をした人物が、君の隷属を受け入れるのかい?」

「意思疎通自体は出来ると思います。彼女を確保した時に、少し話しましたから。その時彼女ははっきりと俺の名前を口にしました」

 美月と会話できたことを告げると、青木は口に手を当て熟考する。

「なるほど、ありかもしれないね」

「緑川、それはダメだ」

 青木の答えに間髪入れず柊が口を挟む。

「なんでですか」

 繋が聞くと、柊は繋を鋭く睨む。

「危険すぎる。お前が紅月や黄島 唯を救った時とは訳が違うんだ。あいつは多くの暴行事件を繰り返した犯人だ。そんな簡単に自由の身にするわけにはいかない」

「自由の身にするなんて言ってませんよ。まずは彼女を元の状態に治してから、色々事情を聞けばいいって言ってるんです」

 繋が強気に反論すると、柊は繋の目を真っ直ぐと見つめる。

「それは私情か?」

「え?」

 唐突に投げかけられた質問に、繋は思わず聞き返す。

「あいつはお前の幼馴染と同じ顔をしていると言っていたな。お前はあいつを幼馴染だと思って、元の姿に戻してあげたいという私情で今発言しているのか?」

 柊に聞かれ、繋はすぐに返答できずに、黙る。

「だとすれば、ますます許すわけにはいかないな。あいつに同情したお前が、あいつを自由の身にするかもしれん」

「私情を含んでないと言えば噓になりますけど、でも他に手が無い以上唯ちゃんの時みたいに俺の隷属魔法を使うしかないじゃないですか」

「いや、手はあるぞ。あの化け物を起こさずにそのまま処分する。事件は他の手がかかりから捜索を進める」

「それは」

 柊の発言に、繋は動揺し思わず声を荒げそうになる。

「はい、言い合いはそこまでにして」

 そんな繋の言葉を遮り、青木が繋の隣に立った。

「確かにこういう場面で私情を挟むのは良くないけれど、隷属魔法を使うという緑川さんの提案に、私は賛成だね」

「青木さん、どうしてですか」

 柊は意外そうな顔して青木を見た。

「緑川さんが言った通り、現状彼女を調べる手段は乏しく、彼女を制御する手段は無い。そんな中で隷属魔法は全てを一気に解決する手段になり得るからね」

「しかし、危険性もあります。もし、緑川があいつを暴走させたら」

「それは今も同じ状況だろう。緑川さんがそこにいる紅月さんに『ここにいる全員を殺せ』と命令すれば私たちはひとたまりもない」

 青木に見られた愛華は、困ったように頬を掻いた。

「でも、わざわざそこまでして検査しなくても」

「能力者の治安維持を目的とする我々にとって、あんな過去に類を見ない例を調べないわけにはいかないよ。また同じような事件が起こっても困るだろう。それに、彼女から色々聞き出せば、捜査も進展するだろう?」

「しかし」

「そもそも、彼女がここに運び込まれた時点で、彼女をどうするかという権利は私にある。君が最終決定を下せる問題ではないことは理解しているかい?」

 青木に言葉を遮り反論された柊は、口を閉じ不服そうな顔をする。

「とは言っても、もちろん危険性を孕んでいるということも分かっているよ。前に緑川さんが言っていた通り、隷属魔法は禁忌とも呼べるものだ。私以外の意見も踏まえて慎重に検討するよ。さぁ、そろそろ行こうか」

 青木は繋たちに帰るよう促した。

 繋はもう一度美月の顔を見て、特別検査室を後にした。

 二日後、何回もの話し合いの結果、繋の隷属魔法を使用することが決定されたという知らせが届いた。

 繋は一刻も早く美月の下へ向かおうと、急いで青木の下を訪れた。

「お、きたね」

 訪問場所として指定された応接室に入ると、柊、日下、青木、愛華の四人が待っていた。

「お待たせしました」

 繋は愛華の隣に座る。

「さて、電話でも話した通り、例の暴行事件の犯人、君のいう美月という人物に隷属魔法を使用してもらうことに決定した。治安維持機関の責任者として柊さん、犯人が暴走した時のために日下さんと紅月さんにも集まってもらいました」

 青木は何かの資料を見ながら話す。柊の表情は不機嫌だった。どうやらまだ美月を隷属するのは反対らしい。

「なお、この建物内には治安維持機関の戦闘部隊五十名以上が待機しています。日下さんの指示があれば全員が緑川さんたちを捕らえるために動き出します。そして、犯人を隷属する過程で緑川さん、紅月さん、犯人が負傷する、もしくは絶命したとしても責任は一切負えません」

 青木は手元の紙を一枚、繋に差し出した。

「それに了承いただければこの紙にサインしてください」

 青木から渡された誓約書には、今の青木の説明と同じことが長々と書かれている。繋は全体にサッと目を通し、サインをした。

 仮に日下たちと敵対することになってしまっても、美月を救えるのならそれは仕方のないことだ。

 繋が誓約書を渡すと、青木はすぐに立ち上がった。

「よし、じゃあ早速いきますか」

 青木はスタスタと応接室を出て行く。その足取りは、どことなくワクワクしているようにも見えた。虫取り少年が見たことの無い虫を見つけた時のようだ。

 繋たち四人は、青木に続き特別検査室へと向かう。

「それじゃ、開けるよ」

 青木が開けた扉の先には、二日前と変わらずに椅子に座ったままの美月の姿があった。

「今から麻酔を完全に止めます。恐らく五分程度で起きるでしょう。起きたらまずは意識の確認をして、問題なく意思の疎通が行えるようであれば隷属を試みて欲しい。できないようなら、すぐにまた麻酔を投与します」

 青木の説明に繋は黙って頷く。

「じゃあ、止めるよ」

 青木が機械を操作し、麻酔を止める。

 五人が固唾を飲んで見守る中、五分程経過したところで、美月がゆっくりと目を開けた。

 美月はどういう状況か理解していないように、周りを見渡す。

「み、美月? 大丈夫か?」

 繋が安堵しながら美月に話しかけると、柊は繋の前に腕をだし、それを制した。

「名前と生年月日を言え」

 柊は美月に命令する。

 美月は驚いた顔をして柊を見つめている。

「えっと、ここは……?」

「他のことは話すな。名前と生年月日を言え」

 柊は淡々と命令する。

 美月は不安そうな顔をして繋を見た。繋は真っ直ぐと見つめ返し、小さく頷く。

「えっと、私は青柳あおやぎ 美月みつきです。生年月日は、二〇〇六年の十二月二十五日です」

 繋が知っている美月だ。繋は美月の言葉を聞いてほっと胸を撫でおろす。

「意思疎通はできるようだな、緑川、やれ」

 柊はそう言って一歩後ろに下がった。

 繋は美月の前に立ち、何度も頭の中で練習した言葉を口にする。

「美月、突然のことで混乱してるだろうけど、今は俺の言うことを聞いて欲しい。前に説明した俺の魔法のことを覚えてるか?」

「繋、私今どうなってるの? ここどこ?」

 美月はまだ混乱しているようだ。周りを見回しながら一度立ち上がろうとして、手錠と椅子がこすれ合う音がする。

 腕を三本持つ三メートルの巨体は、立ち上がろうとするだけで相当な迫力がある。日下と柊はその動きを見て警戒する。

「美月、今は動かないで俺の話を聞いてくれ。前に言った隷属魔法、覚えてるか?」

 美月は動くことをやめ、混乱した顔のまま小さく頷いた。

「その魔法を、今から美月に使おうと思う。何があったのかはよく分からないけど、隷属魔法ならその身体を元に戻せるかもしれないし、美月をここから出すこともできる。美月と俺は一生繋がりっぱなしになるけど、いいか?」

 美月は繋の言葉を聞いて一度首を傾げ、少し考えてから、明るい表情になり、口を開いた。

「いいよ」

「本当か?」

「うん、大丈夫」

 繋は一度青木の方を見る。青木は機械に手を置きながら繋に向かって頷いた。

 それを見て、繋は美月に右手をかざす。

「美月、今から隷属する。いいか?」

「はい」

 美月が返事をした瞬間、繋の手から青く輝く鎖が飛び出し、美月の首に繋がる。

 美月は一瞬鎖に驚いたような表情を見せたが、すぐに目をつぶって、まるで鎖に身を委ねるように上を向いた。

 やがて鎖の輝きは落ち着き、美月に繋がった鎖は淡く光る。

「成功、したかな?」

 青木が恐る恐る美月をのぞき込む。

 美月はゆっくりと目を開け、自分に繋がった鎖を見る。

「はい、成功したと思います」

 繋は青い鎖を握りしめる。

 その鎖を通して、美月と繋がり、美月の不安な気持ちや身体の痛みが伝わってくるようだった。

「もう命令できるかい?」

「はい、できますよ」

「では、まずはこの身体を戻してみてくれ」

 青木は美月の巨体を指さして言った。

 繋は一度深呼吸をし、口を開く。

「美月、『身体を元に戻せ』」

 繋が命令した瞬間、美月の身体に変化が起こる。

 ゴキゴキと間接が鳴るような音を立てながら、美月の身体がどんどん縮んでいく。左の脇腹辺りから生えている腕はどんどん身体の中に潜り込んでいった。

 その変化に、美月は苦悶の表情を浮かべている。痛いのか、もしくは経験したことがない感覚で気持ち悪いのだろうか。

 柊たちも少し心配するような、もしくは引いているような目で美月を見る。

 美月はものの数秒で見覚えのある姿に戻った。

「まさか本当に元に戻るとは……」

青木はそれを見て驚愕している。言葉にならないと言った様子だ。

「わぁ、すごい……」

 自身の身体の変化を見た美月も驚いているようだ。

「ひとまずは上手くいったようだな。青木さん、この次はどうします?」

 柊は警戒を解きながら青木に聞いた。日下も少し安心したようだが、手にはまだ警棒のような武器が強く握られている。

「そうだね、まずは緑川さんや紅月さんの時と同じように検査だ。彼女の身体がどうなっているのか、何の魔法が使えるのかを全て調べる」

 その後、柊たちの警戒の下で美月の検査が実施された。検査の後はすぐに取り調べとなり、繋は美月と話す暇を与えられなかった。

 それから数日後、繋にやっと美月と話す機会が訪れた。

 意識を取り戻してから数日間。様々な検査や取り調べが行われ、美月は精神を操られていたような状態にあり、事件に関する責任能力が無かったと判断された。しかし、美月も愛華たちと同じく隷属魔法を受けた危険人物であり、身体の異形化という前例のない事態が起こったことから青木の施設の下で数週間経過観察を兼ねた入院生活を送ることになった。

 今日、繋はそこに面会に行く許可が下りたのだ。

 繋はコンビニでブドウの果汁が再現されたグミを買い、青木を訪ねた。青木に案内され、美月の病室の扉を開ける。

 そこには、包帯の無い状態でベッドに座る美月の姿があった。

「美月、元気か?」

 繋が声をかけると、美月がこちらを向いた。繋の顔を見た瞬間、美月の顔が明るくなる。

「繋、来てくれたんだ」

 繋はベッドの脇に置かれた椅子に腰を掛ける。

「まだちょっと身体が変な感じするけど、全然元気だよ。早く退院したい」

「それはよかった。これ、お見舞いのグミ」

 繋は美月にグミを渡す。

「また買ってきてくれたんだ。ありがとう」

 美月の顔が明るくなった。

 病室に数秒間の沈黙が流れる。

 繋は何をどこから話したらいいか、聞いたらいいか、迷っていた。

 すると、美月が口を開き、沈黙を破る。

「迷惑かけてごめんね」

 美月は呟くように謝罪した。

 どういう反応をしていいのか分からず、再び沈黙が流れる。

「それで、何があったの?」

 繋は意を決して、気になっていることを聞いた。

 美月は少し考えてから口を開く。

「取り調べでも、話したんだけど、少し長くなるんだけどいい?」

 言葉を選びながら話す美月に、繋は頷く。

 そこから、美月に事件の経緯を聞いた。

 美月が交通事故に遭い入院していたある日の夜、病室に仮面をつけた男が入ってきたという。明らかに病院関係者ではないその風貌に美月は警戒したが、その男は静かに近づいてきて、「怪我を治して、能力者になりたいか?」と聞いてきた。

 美月は悩んだ末に、頷き、男に促されるまま、人目につかないように病院を抜け出した。

 男に連れられて行った先で、美月は実験台のようなベッドに寝かせられ、男は美月に何かの魔法を使った。すると、美月は自分の身体に何か変化が起きているように感じたという。

 男に言われるままに手に力を込めると、刀が出現し、自身が刀剣魔法を使えるようになったということに気づいた。

 それから男は何度も魔法を使用し、それが使用されるたびに美月の意識が薄れていき、気が付いたたら異形となった身体で人を襲っていたという。

「そうだったのか」

 その仮面の男の正体、男の魔法、色々と疑問に残ることはあるが、美月が行方不明になった経緯を知ることができ、繋は少し安心する。

「やっぱ、怪我が辛かったんだな。そういう時は誰かに頼りたくなる気持ちも分かるよ」

 繋がそう言うと、美月は首を横に振った。

「怪我は正直そのうち治るからどうでもよかったんだ。本当は能力者になりたかったの」

 美月の言葉に、繋は驚いた。

 能力者かどうかというのは生まれた時点で先天的に決まっている。能力者に憧れを抱く人は少なくないと聞くが、美月もそういうタイプだとは思わなかった。

「意外だな。美月はそういうの気にするタイプじゃないと思ってたけど」

 繋が思ったままのことを口にすると、美月は少し笑って繋を見た。

「能力者になりたかったのは、繋に振り向いて欲しかったから」

 繋は一瞬何を言われたのか分からず、返答ができない。

 美月の目は、高校生の頃繋に告白してきた同級生と同じ目をしていた。

「この際ハッキリ言うけど、私、繋のこと好きなんだ。割と前からね。なのに、繋は私のことなんて気にせずに、他の女の人と同棲したり女の子を救ったりしてるから、私、もうどうすればいいのか分からなくなってたんだよね」

「それは、俺の魔法のせいだから。別に好きとかそういうのじゃ」

 繋がやっと言葉を発すると、美月はまた少し笑った。

「知ってるよ。だから私も能力者になれば、繋に隷属して貰えると思って、あの時能力者になりたいって思ったんだ。そうすれば嫌でも繋の傍に入れて、繋に振り向いてもらえるって」

 繋は、初めて知る幼馴染の想いと執着心に、何も言えなくなる。

「まぁ、結果的に私の望んだ結果になったから、よかったかな。あ、もちろんこのことは警察の人とかには内緒にしておいてね」

 美月がいたずらっぽく笑う。そして、会話を無理やり終わらせ、グミを美味しそうに食べ始めた。

 繋は気持ちの切り替えができないまま、口をパクパクとさせ、それが自分でもおかしくなり、笑った。

 幼馴染からの想いを伝えられた繋は、病室を出る前に自分の想いも伝えた、すると美月は笑って繋に手を振った。

 美月は経過観察の入院終了後、柊の命令で能力者治安維持機関の戦闘部隊に入隊することに決まった。

 青木の話によると、美月は愛華たちと同じく身体の性質が変化しており、しかも刀剣魔法、銃魔法、強化魔法の三つが全て使えるということが判明した。

 柊は新たな戦力が加わったことに心底嬉しそうにし、日下はまた大きなため息をもらしていた。

 それから、繋と愛華と美月の三人はたまに唯を加えて戦闘部隊としての任務にあたり、数々の事件を難なく解決していった。

 美月に接触した男の捜索は未だに続いているが、いつかは繋自身でその男を捕まえたいと考えている。

 繋と、繋が不本意ながら隷属した三人は、今日も鎖で繋がれながら戦っている。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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