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第1話「天から降ってきた美少女」

「依頼完了したので、鑑定お願いします」

「ご苦労様です。……あら、指定魔獣だけじゃなくて。アートスワイダーの討伐もされたんですね。こちらは対象外ですが、死骸は買い取らせていただきますね」

「ありがとうございます」


 アートスワイダーは森や洞窟に生息する魔獣である。丸い体に、十二本の足。カラフルな体毛が特徴だ。口からカラフルな粘性質の体液を放出し、その体液は数秒で固形化し、糸状になる。その糸で餌の捕獲や移動方法に使用したりする。

 今回は畑を荒らす魔獣の駆除だったが、アートスワイダーが体液を放出し、被害が出る恐れがあっため討伐した。


「ところで、ティタ姉。今晩俺と一緒に食事でもどうですか?」

「ごめんねー空いてないの」

「リィド懲りねーな」

「うるせー」


 いつものデートのお誘いにいつもの失敗をからかう野次。

 ここは町のギルドの受付広場。リィドはギルドからの依頼をこなし報酬金を貰い生計を立てている。また、魔獣の死骸など活用できるものをギルドに買い取りしてもらい別途金銭を得ている。

 ギルドは特定の国などに属さず独立した組織である。元は人類と魔族との大戦争が勃発した際、国家の垣根を越えて協力した時の団体の名残である。

 現在は国家内の問題解決が主な役割となっている。拠点は世界各地にあり、そこの領土を有する国家の法律に基づき活動している。国家の法律に違反する活動、国家間の戦争に加担する行為を禁則事項としている。また、人類の存続に関わる事象や、自然災害の対処、災害被害者への救助活動の場合は例外として法律関係なく活動する。

 リィドは金額を確認し、自宅に向かう。自宅は街のはずれの森の中にある。

 残念ながら今日も愛の巣としての役割は訪れないようだ。

 数年前まで同居人がいたが死別して以降リィドはこの家に一人で住んでいる。

 明日は休みの予定なので惰眠をとことん貪ろうと安らかに眠りについた。


「……」

「……」

「はい?」


 翌朝瞼を開けると、己の現状を推測することを脳が止めた。

 そして、再度瞼を閉じた。これは夢なのだと。


「……誰ー!?」


 一人で寝ていたはずなのに、隣には美少女が。そして、リィドの体の上には木片やゴミが乗っていた。そして、天井から謎に日の光が差し込んでいた。


「え?違う、俺はやってない。冤罪だー」


 リィドの声で少女は目を覚まし起き上がる。


「えっとその、君は誰だ?」

「……私?」

「そうだ。俺はリィドだ」

「リィド。……私はフェイシス」

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