ビルだらけの大都会で

　都会すぎなくてもいい。

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　樽(たる)で寝かせて5年 膿(う)んだ野望が爆(は)ぜたら

　棲(す)み処(か)も決めずころげこむのは大都会

　ビルにつきあげられた空はやけに高くって

　コンクリートと同じ色 同じ硬さ

　鳥が飛ぶにゃ羽(はね)がもたないけれど

　船底がぬけたおんぼろ飛行船で

　欠けたプロペラをまわせ 雲を裂くんだ

　巨人の首を狙うじゃないが

　誰もが欲に眩(くら)む目を凝(こ)らす

　弛(たる)みが目立つ腹を 搾(しぼ)るように捻(ねじ)りあげ

　赤の他人とつきあわすのは青い顔

　ビルに杭打ちされたアスファルトを削(けず)ってく

　車輪におれもなれたなら なれるもんか

　蟲(むし)も這《は》えば 脚がもつれるだろう

　風向きで探す千切れた地平線を

　継(つ)ぎ接(は)ぎで結べるなら惑星(ほし)は丸いから

　錦(にしき)もなしに帰りゃしないが

　唾(つば)して捨て去った故郷でもない

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　田舎すぎても、不便ですけど。

制作：ひだまりのねこ先生