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鏡 Der Spiegel  作者: Siberius
9/15

シチュー

夕方、スラオシャと葵はスーパー「ヒガシビ」を訪れた。

ここはこの町でもトップクラスのスーパーで、車で買いに出かける人も多い。

駐車場は客の車でいっぱいだった。

「すごいなー。こんなに人が来るのか」

スラオシャがスーパー内を眺めた。

そこは人々で混みあっていた。

「今日は午後から特売をやっているんです。今の時間帯だと、ちょうどかぶってしまいますね」

葵がカートを押してきた。

スラオシャがすぐに葵と代わった。

「俺がカートを押すよ」

「あっ、はい。ありがとうございます」

葵のほおがちょっぴり赤くなった。

それをスラオシャは見逃さなかった。

「まずは野菜から回ろうか?」

「はい、そうですね」

なんだか、こんな感じだとまるで夫婦みたいだな。

そう、スラオシャは思い、苦笑した。

二人はまず、ニンジンを探した。

にんじんはバラで売られていた。

「あっ、ありましたね」

葵は三本のニンジンを袋に入れて、カートのかごに入れた。

「次はジャガイモを探そう」

ジャガイモもすぐに見つかった。

また葵がいくつか取って、袋詰めしていく。

二人はそうして、肉、ルウ、牛乳と材料を買っていった。

レジでは店の混み具合からちょうど列ができていた。

二人は10分くらい待たされて、ようやくレジで支払いを済ますことができた。

二人は店の外に出ると。

「俺が牛乳を持つよ。葵は軽めのを頼む」

「わかりました」

レジ袋はもらわない。

二人はエコバッグを持っていた。

「スラオシャさん、大丈夫ですか? 牛乳は重たいんじゃ?」

葵が心配して聞いてくる。

「大丈夫だ。この程度で重くはないさ」

「そうですか……力があるんですね」

二人は夕日に照らされながら、家えと帰った。


スラオシャと葵は家に帰ると、さっそく料理をすることにした。

葵はエプロンをつけて鍋を用意する。

スラオシャは包丁を持って具材を切ることにした。

葵はニンジンの皮をむいていた。

スラオシャはジャガイモの皮を皮むき器でむく。

スラオシャは手慣れたようなやり方で野菜を切っていった。

切った具材はスラオシャから葵に渡された。

葵は鍋に油を引き、肉と野菜を炒める。

具材を炒めたら、火を消して小麦粉を入れる。

その後、牛乳と水を入れて混ぜて、とろみがつくまで混ぜ合わせる。

そうして、シチューが完成した。

テーブルにシチューが並んだ。

暖かい湯気をシチューは出していた。

スラオシャさんって料理もできるんですね?」

「ああ、興味がってね、一人でいろいろ作ってみたことがあるんだよ」

葵がスラオシャの対面に座る。

「すてきだと思います」

「ははは。ありがとう」

「それじゃあ、温かいうちに食べてみてください」

「あああ、いただきます」

「はい、いただきます」

スラオシャはシチューを口に運んだ。

「ん!?」

スラオシャは目を丸くした。

「うん! おいしい! さすが葵が調理しただけのことはあるな」

「そう言ってもらえるとうれしいです」

「ジャガイモも火が通っているし、ニンジンも柔らかい。肉は絶妙な味だ。俺にはここまでおいしくはできないよ」

スラオシャはスープで淡々とシチューをほうばっていく。

ご飯もいっしょにスラオシャは食べていった。

「スラオシャさん、お代わりはいかがですか?」

「ああ、いただくよ! 本当においしいな!」

「うふふ!」

葵はことのほか機嫌がいいようだった。

今日はスラオシャにとって充実した一日だった。

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