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19/22

17 VRゲームonラジオ


 午後十時半。

 外は暗くなり、窓ガラスを見れば自分の顔が映っている。




「へぇ~、じゃあもうすっかりのめり込んじゃってるってわけですね!」


「そうなんですよー、EoNeo(エオネオ)が面白くて、昨日も夜遅くまでやり込んでいましたね~」


「ここ最近、エオネオがランキングの上位をずっとキープしてますよね!

 私も、結構長いことVRゲームのラジオパーソナリティーさせてもらってますけど、これだけ話題になってるタイトルは前例ないんじゃないかなって思いますよ~」


 また俺は、自分の部屋で『VRゲームonラジオ』を視聴していた。

 久しぶりにレギュラー放送を視聴できてうれしい。

 変わらないこのラジオ番組の雰囲気に(ひた)りつつ、『VRゲームonラジオ』の公式ウェブページをパソコン上で開いていた。


 ここには、VRゲームタイトルの週間アクセス数ランキングが表示される。

 そして、ここ最近はずっと例のゲームが上位に居座り続けていた。

 無論、エオネオである。


 今回は、落ち着いた声色(こわいろ)の男性ゲストが(まね)かれているらしかった。

 聴いていると、その人はエオネオのプレイヤーであり、キャラクター原案の担当でもあった、村瀬退屈さんだということがわかった。

 村瀬さんは、VRゲームの他、スマホゲームのイラストを手掛けているくらい、売れっ子のイラストレーターである。


 もちろん、ラジオのパーソナリティーは、今回もラジオアイドル:木崎エルさんだ。

 木崎エルさんは、明るくハキハキとした口調で、とても聞き取りやすい滑舌(かつぜつ)の人気パーソナリティーである。


「木崎さんはエオネオやってますか?」


「めっちゃやってるって自分では思ってるんですけど、いっつも妹に『にわかでしょ』って白い目で見られるんですよね~、あははは!」


「ええー。 妹さん、結構辛口ですね。ふふっ」


 木崎エルさん自身もゲームをするそうだ。

 だがしかし、いつもゲストがゲーマーorゲーム制作関係者のため、そのハマり具合は大抵ノーマルに見えてしまう。というのがこの番組内の定番の流れだった。


「じゃあ妹さんはエオネオゲーマーなんですか?」


「そうですねぇ~。ソフト発売日からやってますから。

 …あ、でも最近は別のVRゲーも同じくらいハマってるって言ってましたねぇ。

 退屈さんは、エオネオ以外には何かVRされてますか?」


「うーん、基本エオネオですね~。あ、でも最近、別タイトルからのキャラ原案依頼が来ていたので、そっちのゲームもやろうかなって思ってますよ?」


「ほうほう! そちらのお話、詳しく聞いてみたいですけど、大丈夫ですか? なんだったらオフレコでもいいので個人的に教えてください。笑」


「ははは! 大丈夫だと思いますよ~? 『魑魅魍魎』というライオット・エックスツリーさんのゲームなんですけどね。というか、今回のランキングにも入ってましたね!」


「あ、それね~! ライエクさんの新作ですよね~。今回入ってます入ってます! 4月に出た新しいタイトルですね。

 ライエクさんと言えば、以前に『エレメンタルコープス』で有名に―――――」



 おお。

 村瀬さん、『魑魅魍魎』のキャラクター原案の依頼とかマジですか。

 という事は、新キャラクターとかが追加されるという事なんだろうか。

 発売されてからスタート人気の火が落ち着く前に、追加ブーストという事なのかもしれない。

 聞き流す程度にしか聞いてなかったが、『VRゲームonラジオ』でライエクの動きがわかるとは。

 思わぬ収穫だった。




カタカタカタカタカタカタカタカタ……タンッ


『【魑魅魍魎】にハマってる怪物同志の雑談スレ【ライエク】』


 例のごとく、というほど、近頃は覗きにきていなかったが、俺は匿名掲示板のページを閲覧していた。

 既にライオット・エックスツリーの『魑魅魍魎』のスレッドというものはいくつか立てられていたが、改めて俺は自分でスレッドを立てることにした。


―――――――――― ――――――――――


『【魑魅魍魎】にハマってる怪物同志の雑談スレ【ライエク】』

1: となりの怪物さん  20XX/04/30 22:48:12.031 ID:kdrS23fncfkp0

前に面白いVRゲー無いって嘆いてた者です。

最近怪物になって遊んでる。


2: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:50:22.005 ID:wwrgth134fxvM

マジで魑魅魍魎買ったのかよ


3: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:50:23.011 ID:1w4gbFwsUBM

誰?


4: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:51:01.043 ID:m5joHGq34M

俺も怪物くんになって遊んでるぞ

割と好き


5: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:53:44.015 ID:vJw2h5HH0

欠損が良い感じにクソだった


6: となりの怪物さん  20XX/04/30 22:54:05.023 ID:kdrS23fncfkp0

魔族に転生できて幸せだわ。

他の種族でも遊んでみたいのが本音だが


7: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:54:09.005 ID:wwrgth134fxvM

>>5

あれ欠損ないとゲームバランス壊れるだろ


8: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:55:53.017 ID:mmoo345VaM

>>6

魔族普通に裏山。

こっちもののけ族だぞ、いい加減にしろ。


9: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:56:31.040 ID:grOr2456F0

種族の格差は欠損だけじゃ埋まらんよな

>>1はだいぶラッキー

公表だと魔族の出生割合10%未満らしい


10: となりの名無しさん  20XX/04/30 22:58:01.022 ID:RRt73FsC0

>>8

上位ランカーにもののけ族いるらしいから一概に格差社会でもないやろ


11: となりの怪物さん  20XX/04/30 22:59:15.033 ID:kdrS23fncfkp0

>>8

まだもののけ族と遊んだことないが、そんなにひどいのか?

今日妖族でランカーの人にも会ったんだが


12: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:00:32.014 ID:m5joHGq34M

>>11

それ、例のナンバリングの掲示板作ったプレイヤーだろ


13: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:02:01.030 ID:mmoo345VaM

>>10

いても絶対天人族の割合のが高いわ

もののけ族でランカーとか、俺が東大入るくらい奇跡に近い

>>11

ひどいっていうか、魔族の方が楽しそう


14: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:02:51.030 ID:4tHT6wf30

種族ガチャがつらいよなこのゲーム


15: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:03:11.015 ID:wwrgth134fxvM

>>13

がんばって奇跡起こしてけ


16: となりの怪物さん  20XX/04/30 23:03:35.011 ID:kdrS23fncfkp0

>>12

なんでそれ知ってんの?本人?


17: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:05:23.052 ID:RRt73FsC0

>>15

投げやりで草


18: となりの名無しさん  20XX/04/30 23:07:54.044 ID:m5joHGq34M

>>16

本人は性格的にここ見ないだろww

ランカーなら皆知ってるが

妖族のランカーって今のところあいつしかいないからな




―――――――――― ――――――――――


 驚いた。

 妖族のランカーは、とどめきしかいないのか。

 それと、そのとどめきの事を知ってる人物が、この掲示板を見ている事にも少しだけ驚いた。

 ランカーなら皆知ってるということは、このレス18も、ランカーかもしくはこの情報を教えてくれるランカーと知り合いなのだろうと予想がつく。


 それと、もののけ族か…。

 まあおそらく、これは運悪く気に入らないステータスのアバターにでも当たったのかもしれない。

 俺自身も、血液が欠損してるというのは、なかなかハンデがあると思うが。


 ただテミスや他の同行者から『吸血』ができるというのは、ある種のご褒…特殊な行為で、ユニークだしな。

 まだ不満を言うほどひどくはないな。



 それと、匿名掲示板の情報は、どこまで本気にするかが際どいところだが、VRゲームが流行(はや)りだす以前よりも、ホラは出回っていないのだという話を一ノ瀬から聞いたことがある。

 その以前のネット界隈というものを、俺や一ノ瀬は、まだ幼かったから利用したことはないのだが。


 現在なら、そこそこ信用に足りるんじゃないだろうか。

 俺の(とらえ)え方はそんなものだった。

 


 その他、すでに立てられていたスレッドを、ザッと気になる部分だけ流し読みすると、俺はそのサイトを閉じることにした。

 特に、村瀬退屈さんの件について、話題にしているスレッドはなかったが、それも時間の問題かもしれないな。


 画面右下の時計が、夜の十一時半過ぎを示していた。

 今日はもう寝ようと思っていた。

 ラジオもいつの間にか、終わりへと近づいていた。



「さーて、今週もそろそろ終了のお時間となってまいりました〜!

 いやー、四月ももう終わりですよ。早いですねぇ。

 新生活を始められているみなさん!

 間もなく五月ですが、五月病には気をつけましょうね!

 それでは、今週はゲストにイラストレーターの村瀬退屈さんをお迎えしてお送りいたしました。

 VRゲームonラジオ、今週もラジオパーソナリティは、私、永遠のスマホゲーマー木崎エルとー?」

「ラジオDJのシノミヤがお送りしました!」



 その締めの言葉を言い終えると、ラジオの音声は間もなくして途切れたのだった。


 また、最後の最後で、DJシノミヤが現れた。


 本当にこの人、唐突に挨拶の時だけ現れるんだよな。

『魑魅魍魎』なら絶対幽体族で生まれてくると思う。

 でも逆に、存在感ある種族かもしれない。

 それはそれで面白いのだが、ちょっと想像しづらいな。

【作者からのお願い】

作品を読んでいて


「続きが気になる!」

「更新楽しみにしてる!」

「応援してるよ~」


と思われた方は、是非【☆☆☆☆☆】から評価を入れていただけると

作者のやる気がアップします。


面白くても、つまらなくても評価は大歓迎です!

お手数でなければ、よろしくお願いしますね!

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