きゅ! 俺じゃね!?
文字数が多すぎることに気づいた今日この頃でした。
そしてめっちゃ頑張って整理しました。
ふふ。
「美味しい……!」
ばあ様の料理を頬張って、三武が笑う。ばあ様の料理は本当に美味しいので無理もない。
「良彦さん達、俺勘違いって言ったよね」
今しか誤解を解く時はない。
「恥ずかしがってるんだろ?」
「違います、俺とこいつ付き合ってませんから。彼女さんにそうだって答えたのはあれです……えーと。学校の女子間で彼女ってあだ名で反応したらしいです」
そう言うと、頭に石でも落ちてきたかの様にばあ様と二人が固まる。
「俺らの……勘違い……?」
「そうです」
「私達の……」
良彦さん達があたふたとする中「まあ、あたしゃ料理を食べてもらえるだけで嬉しいのよ」とばあ様。
流石っす。
「俺とこいつ……三武華純っていうんですけど、こいつとはただのクラスメイトですから」
その一言、誤解が晴れたと思って発したその一言が駄目だった。
二人の目に再び野心の炎が灯る。
「ただのクラスメイトが」
「休日にお散歩デートするかしら?」
味噌汁を飲んでいた三武……いや、華純が咳き込んだ、慌てて事情を説明する。
「事情は分かった。でも慎也君だってもう高校生だろ?恋人の一人や二人……そうじゃなくても好きな人の一人や二人はいるんじゃないか?」
「横溝君好きな人いるの……?」
三武……じゃなくて華純も下から覗き込む様にして聞いてくる、いるはずないだろ。
すると奏さんが華純の方を向いた。
「小学校も中学校も、慎也君の事好きな人はそこそこいたのよ?でもね、この子ずっとわんちゃんか猫ちゃんしか興味がなくて……私としても心配なのよ」
良彦さん達夫妻は親目線で俺の事を見てくる、父さん達が外国に行ってから何かと面倒を見てもらっているからだろう。
「ああ、華純ちゃんは好きな人いないのかしら」
「えーと……いますよ」
チラッと俺を見てから言った。いるんだ、初耳。
寝てたはずのボスも「聞かせろ」と起き上がる。
「どうして好きになったのかしら?」
「前にちょっとした山みたいな所で足滑らしちゃって少し深めの穴に落ちて、足も痛めてて出られなくなったんです」
「誰かに連絡しなかったのかい?」
と良彦さん、それに華純は首を横に振った。
「私一人暮らしですから、4月に遠くの方から越してきたんです。それで、足滑らせたのがまだ4月の初めで友達もいなくて」
奏さんがストンと華純の横に座る。
「夕暮れ時だったし、落ちた穴は道からは大きく外れてしまっていたので、もうだめかもって思ったら、その人が来てくれて」
なんか……聞いた事あるような。
「私を引き上げた後に、背負って病院まで連れて行ってくれて処置が終わるまで待っててくれたの」
……身に覚えがある気がする。
確か華純を病院に連れていった記憶があるんだが。
「最近連絡先交換したんですよ、それまでは遊びに誘っても一回もOKしてくれなくて」
「へえ……」
しみじみと良彦さんが呟いた。
……俺じゃね!?
連絡先交換したの昨日だし、一回も誘いに乗ったことないし。
確か華純を病院に連れていった理由が山で穴に落ちてるのを助けたら足を怪我してたからだったはず。
でも「俺?」とか聞いて違かったら赤っ恥なんてもんじゃない。
結局その後の料理の味は分からなかった……。
なので後書き適当なところがあります、ご了承ください。