表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あにまるろーど!  作者: 御剣蒼矢
1章 三武華純編
5/96

ご! 約束

( ¯꒳¯ )眠…。

「もしかしてロイの家族って三武……?」

ロイの事知ってるし、ここにいるし、ロイがすっごい懐いてるし。

「ロイ預かっててくれたの横溝君だったの……?」

真逆まさかだ、だがそれならボスが三武と直ぐに打ち解けたのも頷ける。

ロイの首輪とかの匂いと同じだったのだろう。


「まあ……良かったな」

「うん……」

気まずい、なんかすっごい気まずい。

二人の間に沈黙が流れる、ボスとロイも空気を呼んでか一言も発さない。

沈黙を破ったのは三武の一言だった。


「あの……お昼、一緒に行きませんか……?」

「うん、行こう……行きましょう」


「美味しいね」

「そうだな」

あの後、広場の近くにあった動物OKの食事店に決め、今そこで食べているところだ。


「ロイの事、本当にありがとうね」

「ああいや、お礼はボスに言ってくれ、ロイを見つけたのこいつだからさ」

あの雑木林でロイを見つけたのはボスだ、自分達では見つける事は出来なかっただろう。


「ボス、ありがとう……本当にありがとう」

三武はちょっとだけご飯を食べていたボスにぺこりと頭を下げた。

そして俺に向き直りスマホを差し出してきた、画面にはQRコード。

「……何?」

「今度、ちゃんとお礼したいから……連絡先教えてっ!」

「ああ、うん。分かった」

そう言うと、驚いた顔で三武が固まった。埒が明かなそうだったので、スマホを拝借しぴぴっと三武の連絡先を登録する。


「ん、登録完了」

「あ、うん……」

そう返事をする三武の顔は生気の抜けた顔というかなんというか……実は嫌だったのだろうか。

「鳩が豆鉄砲くらった様な顔してるぞ……」

恐る恐る聞くと、はっ!と三武が肩を揺らす、そのせいで下で待機しているロイがびっくりしてゴンと机に頭をぶつけた。

「ご、ごめんロイ」

「いきなりどうした……?」


三武はまた、はっ!と肩を揺らすしてあたふたと手を動かす。

「その……すんなりOKしてくれるんだって思って」

俺をなんだと思ってるんだこいつは。

「逆になんでOKしないんだよ」

「だって……今まで誘っても一回もOKしてくれた事ないから、私の事嫌いなのかなって……」

「なんでそうなるんだよ……」


理解不能だ理解不能、喋れない犬や猫なんかよりも喋れる女の子の方がよっぽど理解できない。

これは七不思議二つ目か……。

そして嫌われてるかも、とか思ってるのに熱烈に誘ってくるのな……多分四十回超えてるぞ。


「嫌いじゃないって事……?」

「嫌いな訳ないだろ、断る時にちゃんと説明してるじゃんか、毎回健二の方が早いんだよ」

毎回と言う訳では無いが、まあほぼ毎回だし見逃してくれ。

これで三武戦車は止まると思った、ただ俺は甘かった。正直三武戦車をなめていた。

「次に羽鳥君と遊ぶのいつ?」


すっごい予感がした、びびっときたよ。

「いつって……決まってないけど……」

「じゃあ明日!明日空いてる?」

はいきたー、ここで「空いてない空いてない」と嘘でもつけばいいものなのだけど、それはちょっと出来ない、自分が許さない。

「明日な、うん空いてる」


そう言った瞬間、机に額をぶつけんばかりに三武が頭を下げた。

「お願い!遊んでください!」

遊ぶって……小学生かよ。

「分かった、でも遊ぶって?」

「あの……一緒にお散歩しませんか……?」

散歩か、ボスも三武を気に入ってしまったみたいだし、ボスを遊ばせる手間も省けるしちょうど良い。

「ん、了解、待ち合わせは?」

「今日は私が決めちゃったから、明日は横溝君が決めて」

そう来たか、俺が決めるとなるとやっぱり家の近くか。そこなら田舎道田んぼ道のオンパレードでのどかだし犬にとってはいいのかもしれない。


「ん、ここで」

早速三武の連絡に地図アプリのURLを送る、駅から5分程の場所、ロイに負担をかけないためだ。

「いつくる?」

「横溝君が良い時間ならなるべく早くが良い……」

いつもは6時にボスが起こしてくれるので朝ご飯が6時半頃、そこから8時まで休憩。それ以降なら大丈夫。


「8時以降ならいつでも」

「じゃあ、9時に行って良い?」

すっげえがっつりきたな、でもまあそこが三武の良いところか。

「良いよ、こいこい」

「うん!」


因みにコロコロキャリーは持ってないと言っていたのであげた、もうボスには使えないし有効活用してくれればキャリーとしても本望だろう。


-----



「楽しかったか、ボス」

風呂上がり、ベットにゴロンと寝転がり横に同じ様に寝転がっているボスを撫でる。

「三武よく見ると可愛かったな」

確かに学校で人気なのも分かる。だが矢張り猫や犬の方が断然可愛いものだ。

「明日9時……」

9時で夏とは言いつつも霧が出てしまう可能性もあるので駅に迎えに行こう、多分三武は早めの電車に乗ってくるだろう。

都会見たく数分に一本とかではないので多分8時半頃の電車。


「早めに寝よっか」

明日が少し楽しみになっている自分がいた。

不思議だ。




∠︎( ˙-˙ )/オキタ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ