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孤高の人  作者: レシピ
4/4

森の中で。

 ある森の中。


「…ハァ、ハァ…。」


 一人の少女が駆けていた。

 後ろからは獣の息遣いが聴こえる。


「…うぅっ。」


 少女の体力は限界の様だ。

 獣との距離も狭まってきている。


「…。」


 そこに、何処からともなく男が現れる。



 ◆◇◆◇◆



「…はっ!?」


「…目が覚めたか。」


 辺りは闇が降り始めていた。


「ここは…、あたしは…!?」


「…問題は解決している。とりあえず落ち着け。」


「…あなたは?」


「とりあえず体力を回復させろ。飯がある。」


「…あ、はぃ、ありがとうございます…?」


 具沢山なスープと、柔らかなパンが渡された。

 初めて見る料理だが、何とも言えない薫りに腹が鳴る。


「…い、いただきます。」


「喰ったら寝ろ、俺は夜番しておく。」


「あ、はぃ。…うぁ、おいしぃ…。」


 少女の食事の音だけが響く。


「…ごちそうさまでした。」


「あぁ、寝ろ。」


「あの。」


「明日に、近くの村にでも送ってやる。」


「ありがとうございます、おやすみなさい…。」



 ◆◇◆◇◆


 翌日、近くの村の門前で。


「ありがとうございました。」


「…あぁ、ではな。」


「お名前を、お礼させて下さい!」


「…覚える必要はない、礼もいらん。」


「でも!」


「忘れて構わん、ではな。」


 音もなく、男はいつの間にか消えていた。


「…あ…、ありがとう。」


 少女の呟きだけが残った。


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