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1-6 お約束

こ…今週を乗り切れば…………

「急に何をするんだ?俺たちをどこへ連れて行くつもりだ?」

「いや、話は後だ。とにかく来てもらう。」

 そう言われて連れてこられたのは、この冒険者ギルドで最も豪華そうな部屋であった。(といってもそこまで豪華というほどではないが)

 受付はガードマンの人に何やら話しかけて、部屋を封鎖はされた。


「さて、それでは話を始めようか。」

「いや、ちょっと待ってくださいよ。この部屋は何なんですか?そもそも、これから何をするのですか?」

 俺は混乱している風に見せかけて言う。どうせ能力値のことだろう。

「ああ、それも含めてすべて話すよ。私の名前はアルメット。ここのギルドマスターをしている。ここは私の部屋、つまりギルドマスターの部屋だ。何をするかという内容はもちろん君たちのことだ。特に能力のね。」


 …?セイとライは嫌そうな顔をしている。なぜだ。隠れ俺Tueeeができるからいいじゃないかと思うが。


「君の場合は特に言うこともないが…。特にその二人の魔術適性だ。ただの魔力が高いだけでなく、いいスキルを持っているのが問題だ。だいたい二人に一人ぐらいは魔力を持つ者が生まれるのだが、魔力を持つ者でも大半は使えるのは生活魔法ぐらいまでだ。属性魔法まで使えるのはだいたい100人に一人いるかいないかだ。それだけであればそこまで珍しくないが、その中でもスキルとして魔術に適性がある者はごくわずかだ。そこで、国からは魔力を一定値以上持つ者を集めろと言われてる。そこで君たちは王都の魔術学校に向かってもらおうと思う。国一の環境で学べ、お金も出るぞ?就職も安泰だ。」


 スキルなんてあったっけ?自分に【分析(アナライズ)】をかけてみる。…あった。なんか称号とかまであるし…。

 スキルは[身体強化]Lv5 [気配察知]Lv1 [頑丈]Lv3 [格闘術]Lv2 [物理適性]Lv4 [威圧]Lv3 [精神安定]Lv6 だった。どこまでも脳筋ビルドかよ!

 称号は、[神に会いし者][神の前で不埒な妄想を抱いたもの][変態][死ねばいいのに] おい!あのクソ女神!ほぼお前の私怨じゃねえか!特に後半!さすがに称号は見られてないよな…。見られていたらこんな対応されないから大丈夫か。俺の精神はもはやアウトだが。


「それでは、路銀は出してくれますよね?」

「いや、それはない。なぜ出ると思ったんだ?ただ、依頼等は君たちに便宜を図ることを約束しよう。そうだな…3か月ほどで王都までの路銀が貯まるはずだぞ。」


 どっかで聞いた都合のいい話だな…。3・40年前によくあったけ?自分は金を出さず、特に努力もしないのに優秀な人材が欲しいと言ってるやつらが。もちろんそんなところに優秀な人なんて行かなかったからそういう企業はどんどん倒産していったな~。懐かしい。ほんとに見ていて気持ちのいいレベルだった。


「全く都合がいい話ですね…。本来なら断っていたのですが、僕は魔術に興味がありますのでその話を受けましょう。しばらくこの町で路銀を稼いでから行く予定です。」

「そうね、私もセイとまったく同じ意見だわ。ただ、途中で気が変わっちゃうかもしれないけどね…。」

 ライが意味深な笑みを浮かべている。これはギルドマスターとの駆け引きか?

「うむ、できる限り便宜を図る予定だ。ただ、王都へ行くときには私に一言くれ。紹介状を渡す。それとこのことに関しては絶対に漏らすな。このことを嗅ぎつけられたらやばい奴らに捕まえられるぞ。」

「…?なんですかそれ?確かに俺のステータスはばれたくないですが、そんな話する必要があります?」

「言葉が足りなかったか。奴らは特定の名前は持たない。だから、やばい奴というしかない。奴らは能力が高い奴らを攫って人体実験をして、死んだら捨てる。能力が高い奴らが急に行方不明となってしばらくしたら体をくまなく弄られた状態で見つかることが長年続いていることからそういう存在がいるとされている。だからお前ら気をつけろ。」


 どうやら本当にやばい奴ららしい。そうして短い時間であったが、ギルドマスターとのギルドマスターとの面会は終わった。


「う~ん。その人たちって僕と同類ですかね?会って話をしてみたいな。」

「そうね、私も同感だわ。どんな人たちか気になるわ」

 なにを言っているんだこの二人は。


 再びギルドの酒場に戻る(俺は道に迷ったが当たり前のように二人は道順を覚えていた。)と、エリシアちゃんが待っていた。

「お兄ちゃんたち遅かったね。さあ、次行くわよ!」


 それからは特にこれというようなこともなく、雑貨屋・市場・薬屋・教会・古着屋などを巡って宿屋に戻った。ちなみにダランベールさんのお店には行かなかった。あれ…あの人日用品を取り扱ってるんじゃなかったっけ?


 互いにスキルについて知らないとまずいので、情報共有をすることになった。

 セイのスキルは、


[肉体強化]Lv1 [魔術適性]Lv5 [高速詠唱]Lv3 [高速発動]Lv2 


 であり、ライのスキルは、


[肉体強化]Lv1 [魔術適性]Lv4 [高速詠唱]Lv1 [魅了(チャーム)]Lv1 [調教(テイム)]Lv4


 だった。

[魅了(チャーム)]!?あのライが!?ありえん…。

 ちなみに二人とも称号がなく、その話を持ち出したことによって称号の内容がばれ、さんざん二人にいじられて今日は終わった。


 …解せぬ!


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