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1-12 茶番かそれとも…

遅筆が極まっているため週一更新にします。しかも分量は変わらない。

 初めてこの町に来てから2カ月が経った。(ここでの二カ月は現地歴で、一カ月30日である。)少し前までは暑かったが、最近暑さが和らいできたかなと感じてきた。


 俺は十日に一回休みを入れていたが(肉体労働だしこれぐらい休みを入れないと限界が来る)、セイとライは休みなく働いていた。どんなバイタリティしてんだあいつら。今まで一回も休まないのはやばい。

 現在ためたお金を数えてみると、金貨12枚ほどになっていた。あと少しで王都へ行けるかなと思っていた頃だ。


 仕事を終えた帰りに、金を受け取りに冒険者ギルドへ立ち寄った時であった。この日は、(流石に毎日ターシャさんの飯屋だと飽きるので)ギルドの酒屋で飯を食べる予定でセイとライを待ち合わせしていた。

 テーブルで待っていると、見慣れない人がいた。二カ月も通っていれば常連の人はわかる。見慣れないやつがいること自体は別に何ともないのだが(時々来るという人とか新人もいるので。)、そいつはとある点で目立っていた。


 声がでかい・態度がでかい・器が小さいの三点で。いわゆるDQNだ。


 ああ、関わりたくない。現代社会にいたころのクレーマーを思い出す。いや、クレーマーだけでもないんだが。あいつらはただただ生産性をさげる上、不快になるだけでただただ害にしかならないのだが、彼らには「自分は正義だ。」という思いしかないのだろう。とにかく俺に関わるなと願っていた。


 しかし、そんな都合のいいことはないわけで。


 セイが先に来た。今日は珍しいな。最近気づいただが、二人は同じ店に雇ってもらっているようだ。今日は別だが、ほぼ同じ時間に帰ってくるからだ。ライはどうしたのか聞いてみたら、作業が残っていて少し遅れるそうだ。しばらくだべっていたが、その間DQNはまだうるさかった。


 しばらくして、ライがやってきた。そして、こちらを見つけて寄ってくるが…途中でDQNがライの行き先を防ぐように寄ってきた。

「嬢ちゃん。俺様とイイことしない?」

 DQNはでかい声で頭の悪い、いや、下半身主体のことを言った。

 …?なぜかライがなぜかうろたえてる。いつも通りならそっけなく断るはずなのに。これはまずいかも。こうして今もDQNは言い寄っている。調子に乗って連れ出すかもしれない。

 流石にやばそうなので、止めに入ろうとした。ここでセイも連れ出そうとしたが、「僕ではどうにもできないですので。」と断られた。


「おい。こいつは俺の連れだ。帰んな。」

 …あ、ついかっこつけてしまった。そして周りがうるさい。俺は見世物じゃない。

「ああん?てめえ俺様を知らないのか?☆2冒険者のザックスハイムルンだ!わざわざこの町に依頼で来てやったんだぞ。お前、俺の女を奪おうつもりか?お前のランクはなんだ?俺より高いわけないがな。ははははは!」

 やっぱこいつまな板好きなのか?

「俺はランク2だ。だがこれは関係ないだろう?」

「ふひゃひゃひゃ。雑魚め。関係あるね。さてはお前、戦いにおびえて逃げたやつだな。この娘にはそんな軟弱ものより俺のほうがふさわしい!じゃあ行こっか。嬢ちゃん。」

 ライを外に連れ出そうとしたのでやつの肩をつかみ、

「だから言ってるだろ。こいつは俺の連れだ。ライを置いて失せろ。」

「てめえ、今何と言った。失せろだと?わざわざ来てやったこの俺様に…?てめえの立場を教えてやる!」

 と言い、殴りかかってきた。さすがそれなりの腕のある冒険者。その動きは速く、当たればひとたまりもなくふき飛ぶであろう。

 が、それは前の世界での話。今の俺ならば対処できる。荷物運びで体が鍛えられまくっているのでやつの手をつかみ取ることはできるが、それだけじゃやつは止まらないだろう。

 ということで背負い投げをかましてやった。(技術はなく力で無理やりだけど…)


 …んなぁ!床が抜けやがった。周りは大盛況だが。だから俺は見せ物じゃない。

 どうしようかと思っていたところ、受付のギルマスがやってきて、サックス…?(忘れた)を引きずって行った。

 あれ?俺のほうに咎めがないのかと思い聞いてみたら、

「初めから私も見ていたが今回はギルドメンバーを管理しきれていなかった俺の責任だ。すまなかった。そちらは何も悪く思う必要がない。私が多少注意するぐらいだ。実をいうとあいつは素行が悪くギルドから追放したかったが、ぎりぎりギルドでの禁止事項に触れていないからできなかった。むしろ追放のきっかけを作ってくれたのに感謝する。」

 俺たちは何もしなくていいらしい。ことを大きくしたのはまずかったかもしれないが…。


 まあいい。飯を食べよう。



 この騒動のおかげで飯はタダになった。ラッキー。


 だが、やや遅めに来たこの手のテンプレに嫌な予感を覚えながらしばらく警戒しながら過ごすことにした。


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