0-1 プロローグ1
初投稿です。よろしくお願いします。
それはただの偶然だった。俺こと耐野大が同窓会の二次会へ天才物理学者の河野征也と天才生物学者の山口光と行く途中で、そこはよくある汚い路地裏で、普段なら気にも留めないようなところだ。
「おい、誠也、光、あれ見てみろよ。」
「なんだ大?某TVの祭りを見せるときような前振りをして?」
「そうよ大。急にボケ始めて。もういい年になってついに頭がボケ始めたの?」
失礼な。二人みたいに頭はよくないがボケてはいない。ついでに俺は酒を飲んでもないから酔ってもいない。
「いや、さすがに還暦迎えてボケ始めてるやつもいるけどそうじゃねえ!あれまじやばいからお前らも見ろって!」
おっと口調がボキャ貧になってしまった。頭はまだ冷静だが口はどうやらそうでないらしい。
「OK。わかった。どれどれ……!」
「あれは…魔法陣かしら…?」
そう。俺が指さした先には魔法陣らしき青く光る模様が空中に浮いていた。
「ちょっと待ってください。20年・30年前ならまだしも今の時代ARがありますよね。さすがに決めつけるのはよくないですよ。」
と誠也は言うが、あれはARなどではない。断言できる。俺は、IT系インフラの大手に勤めてて、AR機器も作っていたからそれなりの知識があるがあれはおかしい。あれを映し出す光源がどこにも見つからない。ついでに言えば反射(屈折)させるものも。
「俺はそういうやつに詳しいがあれはあり得ない。」
「なんで言い切れるんですか?」
…あ、そういえば俺が二人に何をしているか言ってなかったな。
「ああ、俺AR機器作ってる会社にいるから。」
「じゃあ、あなたはあれが本物というのですか?」
「いや、そこまでは言えないが現代ではありえないことは確かだ。」
「二人とも、私なんかすごく飛び込みたくなってきたわ。」
光、おまえいい年こいたばーさんだろ。なにこんなときに持ち前の好奇心を発揮してんだ。確かに俺も昔ラノベやアニメを漁ってて、確かに興味はあるけど実際飛び込むのもいろいろまずいだろ。
「さすがにそれはまずくないか…?俺らまともに動けないだろ…?というか現実的に転移なんてありえなくないか?お前ら頭いいから転移が無理ってわかるだろ?」
「いえ、転移はありえなくないです。実は、…(以下長いので省略)そして僕も話してて興味が出てきました。未知の世界ってわくわくしますよね?」
と言って誠也と光は手を取って走り出した。
そして俺は
「待て!お前ら!」
と言って追いかけることしかできなかった。
そして、魔法陣らしきものに俺ら三人が入った瞬間、意識は暗転した。