92話 トンネル工事
夏の間、ちょ〜気合を入れて開発してきたカイセン村とお別れになった。
なんでも冬が来る前になんとかしたい駅があるんだって。電話でカイから
「リーナの知恵を借りたいんだ」
って言われた。カイからお願いされることなんてないから、がんばって来ようっと。
でタカシに乗ってやってきました。
…山だね。目の前山だね。
「この山の半分から向こう側が隣の国で、こっち側がナンテコッタなんだよ」
「トンネル作るの?」
「俺がやると山がなくなって、宣戦布告になったらまずいかと思ってさ」
ううむ。
木はさ、ぶつかったら痛いって想像しやすいじゃん。
でも、山ってぶつかったら痛いって想像しにくいよ。
結界、発動するのかなあ。
仮に結界が発動したとして、えぐれた分の土ってどうなるのかなあ。
山の反対側に押し出されるのかな?
「掘った土とかどうなると思う?」
「…だよね」
「向こうに人がいたらビックリするでしょうね」
あ、やっぱりにゅるにゅるって押し出されるって思うよね。
そんな話をしてたら、
「ワレ、山と相撲する」
え?なぜに?
「わ〜危ないよ!」
急に山に向かって走り出したゴンがゴン!って。
イヤダジャレじゃなくて。
「ワレ痛い」
「せめてドラゴン形態になって、私が結界発動してあげた後にするとか」
「うむ。ワレやる」
ドラゴンになったゴンに結界はって、行きました。
「おお、ドラゴン型に穴があきましたね」
「向こう側がどうなってるか気になりますね」
駅員楽しそうだな。
『リーナ、向こう側まで乗って行こう?』
ん、そうだね。ゴンがどうなったか見てこないとね。
反対側につくと、大騒動になってた。
そりゃ、いきなりドラゴン型の土が飛び出したら天変地異の前触れと思っちゃうよね。
それにしてもまだ、開通してなかった。
ゴン、山の中に埋まっちゃったかも。
まずは土を取り除くか?
にゅるにゅるっと出てきたと思われる土を浮かべて、近くの沢に投げ入れる。
う〜ん、まだ開通しないな。
山の土を丸めて沢に捨てていく。
どうせならトンネルの幅に取り除こうかな。
トンネルってキチンとしないと崩れてきちゃうよね。
ふむふむ。
風魔法を使ってセメトルンを吹き付ける。
そのあと熱で乾かすのね。
「ジェリー、セメトルンってこの辺りにいると思う?」
『ちょっと待ってて〜』
ちょっと待ってたら、緑色のジェリーが1匹増えてきた。
『セメトルンおいしくなかった〜。リーナで口直しする〜』
食べたんだ…セメトルン。
『ついでに名前つけて』
「ん〜、セメトルンにジェリーが混ざったんだから、モルタ…かな」
『モルタ!』
トンネル工事がはかどりそうな名前になったね。
間に合わなかったかも
すみません(T_T)




