90話 変態さん
浮き輪もどきの製作はサヤ姉がやってくれた。
カイセン村に着いた時にサヤ姉に相談してたのが、もう出来てるとか。
お姉ちゃんももう普通認定されてない。
ノビーモだけだとある程度伸びたところで、プチんと切れちゃってた。
そこで、ノビーモとスッパイダラの糸をネバリーがモグモグすることで、ゴムみたいなのができるのをラクノー村の時に発見したらしい。
いろいろ研究した結果、ネバリーががんばることになった。
そこからはサヤ姉が編み編みして、ヌバーっていう樹液でコーティングして作り上げてくれたんだよ。浮き輪。
水着もサヤ姉ががんばってくれた。
中にカボチャパンツみたいの履いて、短めのワンピースみたいなデザインを起こしたら、すぐ作ってくれた。
テフテフライの染色でカラフルな模様になって、海にぴったり。
「リーナ様、こちらの着てみてください」
「それが終わったらこちらも試着お願いしますわ」
「ゴン様はこちらです」
っていっぱい着せられた。
「リーナ様やゴン様がが着てくださると思うだけで、縫う速度があがりますし」
確かに縫ってる手元が早すぎて見切れない。
「リーナ様やゴン様が着てくださった衣装はすぐに買い手がつきますし」
「私ももちろん買いますわ」
え、私ってゴンと扱い一緒なの?
海の家担当のお母さんたちには、従業員として水着を着てもらってる。見違える程キューティになった。
眼福、眼福♡
ん? 男物はまんま地球の海水パンツだよ。
「男の人は何を着てもかわいくないから創作意欲がわかないのよね」
ってサヤ姉が言ってた。
縫製工場のお姉ちゃんたちも、みんな同意してた。
「そのうちシードが作るんじゃないかしら?男物は」って言ってたら作ってた。
そんなにきわどいブーメランパンツ、誰が履くんだよって思ってたら駅員が喜んで履いてた。
そういう変態さんを取り締まる警察みたいなのが、フンドシ部隊なんだよね…
ウミノイエ駅が変態駅って呼ばれるようになっても、私し〜らない。




