89話 海の家
ジェリーが海水を運ぶようになって、少し時間に余裕のできたお母さんたちに、やってもらいたいことがある。
海の家!
せっかく海があるんだよ〜。遊びたい!
3つ目の駅に観光メインのウミノイエ駅、作りたい。
早く作んないと夏が終わっちゃう!
マギラワシ町からだと、駅員さんがんばって運転して2時間。だけど定期便の時間にすると1駅15分くらいかかるから、駅に留まる時間とかも考えると、4時間くらいかかる。…多分。
行き帰りのこと思えば、1泊予定で来てもらわないといけないよね。
「宿泊施設を先に作んないと」
ふんぬ~と気合入れてたら
「リーナ様。5人家族連れでお泊りいただける部屋が15部屋ある宿が5棟、建築できております」
だって。
「カンダイ、すごいね」
うちの駅員すごいよね。
「リーナ様と活動しはじめて長いですから」
「必要な物は早めに作っておかないと、後が大変になることはわかってますよ」
ん? 駅員の言い方、なんかひっかかる…が、まあいいや。
「じゃあ、シャボンルームはわかる?え〜と、1回1カーネで利用できるジェリーボックスを設置して」
バタバタと駅員たちが動き出す。
海で遊んだ後のお洗濯って大変じゃない?ジェリーボックスなら砂も食べてくれるもんね。
水着を洗うのも楽になる!
「水着を貸し出してくれる場所もいるし」
下着の上に着るならレンタルでも大丈夫でしょ。
私がなんか言う度に、駅員マッハで動く。
振り返ったらできてるとか
「君たちすごいね」
「いやいや、リーナ様程ではありません」
って? いやいや、私、普通だよね? こんな駅員より、普通だよね?