86話 釣り堀海
カイセン駅は漁業のお魚干物メインの駅になった。
保存用冷蔵庫を設置完了。
これでいつでもお魚食べられる。わ〜い。
「お姉ちゃん、釣竿の作り方教えて」
ボーイズが集まってきた。ボーイズは小さいからまだ漁には出られない。けど、釣りならできるもんね。
で、私のやり方ではなくて、糸をしばることにしたみたい。漁師さんは独特な縛り方があるんだね〜。
解けてこないんだって。
「この糸すごい頑丈だ」
刃物で切りにくいからかな?
「スッパイダラの糸なんだよ。火であぶると焼き切れるかも」
やってみようぜ、ってトワイ君は火属性だったみたいで糸切り係になってる。
ネバリーのねばねばを使って固定して、ア〇ンみたいだな~って。
ワイワイ竿作りしたらけっこうできた。
ん?お父さんたち、目むきだしてる。
スッパイダラの糸って言ったら…
って、竿を神棚みたいなところに祀りだした。
「いやいや使おうよ」
「そうだよ。もうお姉ちゃんに慣れようよ」
ってボーイズ、聞き捨てならん。
竿がたくさんできて、釣り餌とかもいろいろ揃えた。
私が用意したカット鳥肉は魔魚が釣れてしまうらしく、大人同伴じゃないと使ってはいけない危険エサに認定された。
…なぜだ。
そんなこんなで、気がついたら釣り体験コーナーもできていて、観光客がチラホラ来はじめた。
…情報、はやくない?
「駅ができたら、人がいっぱい来てにぎやかだね~」
って思ってくれてるらしいから、いいことにした、うん。
「自分で釣った魚をたべさせてくれるサービスがあったらうれしいかも」
「泊まりなら、釣った魚を一夜干しにしてあげて、お土産にでもするか?」
ボーイズ、商売に向いているんじゃない?
「お姉ちゃん、自分たちにできることがあるって、うれしいんだね」
ボーイズの言葉が頭にスッて入ってきた。
うん、みんなが幸せになったらいいのにね。




