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8話 プルプルしたアレです
今日はお母さんに頼まれてクリグリを拾いにきた。
ドングリみたいな形で、栗の甘い味がする。
春に採れる贅沢品。
カゴにいっぱい拾ってたら、遭遇しました。
プルプルしたアレです、アレ。
スライムですか〜。
こんな浅い森に出ちゃダメなやつでしょ。
見つかりませんように。
必死で隠れてみたけど、気がつくのが遅かったらしい。
そりゃそうだ。夢中になってたから、目の前にくるまで気がつかなかったんだもん。
その代わり
「リーナ、どこ行ったんだ?」
カイが探してる。
わーお、隠密スキル使いこなせてない。
残念!
しかし、かわいいなあ。
ゼリーだね。
これが、触ったら溶かされちゃうとかなかったら
ムニュムニュしたいよ。
『かわいい?ほんと?』
にゃんだ?しゃべった?
「か、かわいいよ」
『名前つけて!そしたらお姉ちゃん溶けないから』
そうなのか?う〜ん。
「ジェリーとか?」
まんますぎるかな。
『ジェリー!僕の名前!』
途端、バって光った。
そして…おやすみなさい。