74話 ちっこいおじさん
ラクノー村はフンドシ1番隊に任せて線路を伸ばす。
リリアスは、国1周線を作りたいらしい。
セレスは道路を作りたかったみたいだけど、自動車めっちゃ高いもんね。普及にはもう少しかかるかも。
春になったら線路の横に道路を作る計画は立ててるけどね。
線路の脇には、魔物が線路に入ってきたら危ないからってことで柵も設置してるから、国境境の防衛にも一役買うことになるとか。
まあ、実際には国境から距離はあるんだけどさ。
だから金額的にもいいお仕事になっているのです。
いろいろなところに駅を作りたいのもあるけど、フンドシ部隊がなぜか箱車を人力で動かすことにこだわりがあるから、休憩処を定期的に設置しないとっていうのもある。
あんまりにもブラック企業だと後々問題になりそうじゃない?
だから今日も線路が10キリミートルになったとこで駅兼騎士寮を設置する。
一応どの駅も、お風呂、トイレ、台所付きで10人くらい寝泊まりできるんだよ。
で、各駅には電話もついてるから、各町村に1つ電話がある状態になる。
ラクノーみたいに人が集まってこないとこみると、村とかないのかもしれない。
そうなると、ここの駅名何にしようかな〜。
って思ってたら、なんか出てきた。
ちっこいおじさん。みんな私の膝くらい。
「なんかお前さんにおうな」
くんくん、におうかな。私くさい?
「におうな」
「におうな」
おじさんたくさん集まってきた。
ど、どうしよう。線路作るのに汗かいたかな。
「お前さん、何かいいもの持っとるな」
…いいもの?なんだろう。
カロリーンかな?お菓子出してみる。
「違う、違う。もっといいもの持ってるじゃろ」
ジャム?違う?鳥肉?違う?お弁当?違う?飴ちゃん?違う?
お菓子もお肉も果物もパンも違う?
「もう食べもの持ってないけど」
「食べものじゃないわい」
「食べものじゃないわい」
「食べものじゃないの?」
ちっこいおじさん、縦首フリフリ。
「いい石持ってるじゃろ」
石?
「これかな?」
ジェリーのくれたミスリル。
「おお、いいんじゃな〜」
「いいんじゃな〜」
「え、と。あげようか?」
「!!!!」
おじさんみんなフリーズした。
お〜い、起きてるか〜?
顔の前で手を振っても反応ない。
う〜ん。
温泉つ〜くろ。
おじさんたちに合わせて低いお風呂かなあ。私たちだと寝風呂とか足湯だね。それも楽しいかも。
おっと忘れずに線路のところに消雪パイプつけなくちゃね。
もうすぐ雪積もるもんね。




