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64話 怖っ
カイがやってきた。
ナメッコジの人がカイに笑顔で話しかけてる。
あ、握手の手、出した。
カイ握手に気づかないフリしてる。
べちょるもんね。わかるわ〜。
っていうかなんであの人、あの状況で社交できるのかな。貴族こわっ。
ちなみに私は結界発動中。隠密も発動中。
今日はスッパイダラと一緒にテフテフライ捕まえようと思ってたのにな〜。
なんだか偉そうな人だったからか、温泉に案内して後で話し合いすることに決まったっぽい。
ナメッコジの人はカイに任せて桃ちゃんとこ行こ〜。
って、わっ回収しないで〜。
隠密破るとは、婚約腕輪恐るべし。
温泉からナメッコジ出てきた。
今頃、従業員総出でお湯入れ替えてるんだろうな。爺ちゃん婆ちゃんがバタバタしてるし。
「これはこれは、かわいらしい妹さんで」
ぎゃっ、やっぱ無理。温泉から出てきたら普通のおじさんだけど、さっきの印象強すぎてナメッコジにしか見えない。
スキル発動〜!
近寄ってこないでね。
カイの後ろに隠れる。
「いえ、婚約者なんですよ、私の」
「ほ〜、大変かわいらしくて羨ましいですな」
はははははは、ってなんか怖っ。2人共なんか怖っ。




