58話 落ちてないかな〜
北の山がなくなった。
朝起きたら町の様子が一変してた。
レーシー、白目剥いてない?
なんとなく今のうちだ、と思ってパンツスタイルになってみた。
カイやレーシーがいるときは、ヒラヒラさせられるんだよ。
でも私、自転車乗って町の中サイクリングしたい。山のとこ見に行きたい。
ん?いつの間に自転車できたかって?
道路できた時だよ。馬車があるなら作れそうだと思ってお願いしてみたの。
こんな感じだったな〜って図面引いたら、メニュー先生が少し手直ししてくれた。
今はそこに魔石を使ってバイクみたいにできないか検討中。
魔石使って暖炉タイプの暖房器具ができたから、地球のエネルギーの代わりになるんじゃないかと思って、いろんな提案は出してる。
で、割れて終わった魔石は鏡やガラス製品になってる。
んじゃ、行ってきま〜す。
しばらく走ったら、グッドラッグ畑が見えてきた。
あれ、ハニトロンいる。
ハニトロンはドッジボールくらいの大きさで、黄色と黒のシマシマ模様をしたクマみたいな生き物。
うん、なんかいろいろ突っ込みたいのはわかる。
私は勝手に、はちみつ好き過ぎてクマがハチになったって思うようにした。
『リーナだ〜。見て見て〜』
手にオレンジ色のキラキラした物もってる。
『グッドラッグのお花だとなんか固まるの〜』
ふむふむ、メニュー先生によると
完全回復薬、だって。スッパイダラの栄養を吸収して育ったグッドラッグを、ハニトロンが精製するとできあがる。小さく割って飴として服用する。
だって。
なんか凄そうなのできてた。
せっかくだから可愛い形にならないかな。
ムムムむむ〜ん。魔力を込めてイメージすると、ハートの形の飴20個できた。
リュックから瓶を出してしまう。満足満足。
ん?ハイパー完全回復薬ってなってるな。
なんだろう。
実験してみたい。どっかに実験体落ちてないかな〜。




