55話 sideカイ
俺はカイ。
今日もたくさんの招待していない奴らが町にやってきている。
ウサンクサ町にいる時に、マギラワシ村は大きな変化がもたらした問題に直面するだろうと感じてた。
村の秘密を知ろうとか、俺たち家族に取って代わって村を治めようって奴らが実力行使してくるだろうってな。
だけど、そんな村の危機にいったい何人が気づいてただろう。
村の連中は親父や兄貴たちも含めて、みんな平和脳だからな。
だから、町で闇魔法を学びながら、ガラクに指示を出して巡回部隊を作ることになった。
ガラクは剣士希望だったたけあって、村の立ち位置に気がついている1人だったから。
人の精神に影響を与える闇魔法が俺に授けられたのは、こんなことを想定してた神さまの仕業だろう。
目の前にいる最後の1人を切り伏せると剣をひく。
闇魔法を使って恐怖を植え付け、動けない程度に叩きのめす。
リーナは寿命以外で人が死ぬのを嫌っているから、なるべく殺さないようにしないとな。
運悪く死んでしまった場合は、骨も残らないように黒炎で焼きつくす。
倒した奴らを俺の新しい部下として紹介して、リーナに治療してもらえば終了だ。
東の山だけではなく、北の山も崩すか。
毎日部下が増えて、騎士寮を建てる場所の確保に頭が痛くなるよ、はあ〜。
平和に商売で取引するって考えはないのかね。
第三皇子がこんなアホだったらどうやって闇に葬ろうか、今から考えておかないと。
家に帰ったら、天使のようなリーナが女神の衣装に身を包み、熱い眼差しを送ってくる。
頭ん中がか〜って赤くなって歩き方忘れた。
リーナが成人するまであと4年強。
俺がんばれるかな。




