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20話 sideムイトー
俺はリーナの父、ムイトー。
リーナは次の春7才になる。よほどのことがない限り7才になった子どもは洗礼を受ける。
そのために町に出るのだが。
目の前には頭を下げている村長夫妻と息子のカイがいる。
「大切にします。娘さんをください」
てな!
「洗礼式に同行させてください」
てな!
いや、確かにウチの子はかわいい。村一番だろう。
サヤもリーナも飛び抜けてかわいいさ。
けど、村一の権力者が頭下げてくるとは思わなかったよ。
もう背中に変な汗が滝になってるさ。
ひとまずは婚約って形で落ち着いたが、婚約の品がマジックアイテムだった。
そんな金よくあったな、この村に。
離れていてもお互いの場所が、というかいる方向がこっちかな〜とわかるらしい。
リーナ、
「うわ、めっちゃキレイ。え、くれるの?」
とか言ってる場合じゃないよ。
カイ君は多分ヤンデレ性質あるよ。
ってかヤンデレってなんだ?